有価証券報告書-第155期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/19 12:12
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界の通商状況や各国の経済動向に加え、消費税増税や新型コロナウイルスの世界的な感染拡大など、不安定かつ不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは新たなビジョンに基づき作成した2021年3月期を最終年度とする中期経営計画の達成に向けて全社戦略、事業戦略を推進してまいりました。
受注につきましては、信号システム事業は前期に比べて大型案件が少なかったものの同水準を確保したこと、パワーエレクトロニクス事業は次世代半導体製造装置の前倒し需要による受注などがあり堅調に推移したことから、全体としては前期を上回りました。売上につきましては、信号システム事業は国内鉄道事業者向け自動列車制御装置および道路交通システムにおける交通信号制御機や交通信号灯器が好調に推移したことから、パワーエレクトロニクス事業は半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)市場の停滞の影響により産業機器用電源装置の売上が前期を大きく下回りましたが、全体としては前期を上回りました。
利益面につきましては、信号システム事業の売上増を背景にパワーエレクトロニクス事業の売上減の影響を一部カバーしたものの、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益ともに前期を下回りました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高83,671百万円(対前期比1,809百万円増)、売上高72,810百万円(対前期比3,505百万円増)、営業利益3,044百万円(対前期比184百万円減)、経常利益3,343百万円(対前期比125百万円減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,974百万円(対前期比330百万円減)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
[信号システム事業]
鉄道信号システムでは、受注は横浜市交通局上永谷車両基地および鉄道・運輸機構向け相鉄・東急直通線信号設備やJR・民鉄・公営各事業者向けATC装置・ホームドア、中国向け電子連動装置用品、インド国鉄電子連動装置などがあり、前期を上回りました。売上はJR東海東海道新幹線信号設備、大阪メトロホームドア、中国向け電子連動装置用品、インド国鉄電子連動装置などがあり、前期を上回りました。
道路交通システムでは、交通信号制御機や交通信号灯器、独自製品の防水型交通信号制御機などの拡販や、 海外における高度交通信号システム実証事業の継続によって、受注、売上ともに前期を上回りました。
この結果、当事業では受注高67,902百万円(対前期比696百万円増)、売上高58,546百万円(対前期比5,300百万円増)となりました。なお、セグメント利益は7,130百万円(対前期比1,763百万円増)となります。
[パワーエレクトロニクス事業]
受注につきましては、通信設備用電源装置が鉄道事業者向けを中心に好調に推移したことと、産業機器用電源装置では半導体製造装置用電源装置が前期を上回ったことから、FPD製造装置用電源装置が減少したものの、全体としては前期を上回りました。
売上につきましては、通信設備用電源装置は前期からの好調な受注を背景に前期を上回ったものの、産業機器用電源装置の設備投資が抑制されたことにより、全体としては前期を下回りました。
この結果、当事業では受注高15,768百万円(対前期比1,112百万円増)、売上高14,263百万円(対前期比1,795百万円減)となりました。なお、セグメント利益は1,429百万円(対前期比1,339百万円減)となります。
当連結会計年度末における流動資産は72,841百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,640百万円増加しました。これは主に、現金及び預金が498百万円、受取手形及び売掛金が364百万円、たな卸資産が3,478百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は33,919百万円となり、前連結会計年度末に比べて735百万円減少しました。これは主に投資有価証券が1,621百万円減少し、繰延税金資産が1,011百万円増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は106,760百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,904百万円の増加となりました。
当連結会計年度末における流動負債は44,627百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,513百万円増加しました。これは主に支払手形及び買掛金と電子記録債務が合わせて1,092百万円、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が合わせて1,800百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定負債は16,727百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,271百万円増加しました。これは主に長期借入金が1,270百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は61,354百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,785百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は45,406百万円となり、前連結会計年度末に比べて880百万円減少しました。これは主に利益剰余金が1,033百万円増加したものの、その他有価証券評価差額金が1,813百万円減少したことによるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等の期末残高は、6,115百万円となり前連結会計年度末に比べ498百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,206百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ4,105百万円の収入増となりました。これは売上債権の増減額が4,494百万円の収入減となったものの、たな卸資産の増減額が3,906百万円、仕入債務の増減額が3,045百万円、法人税等の支払額が1,001百万円、それぞれ支出減となったことが主な要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,730百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ381百万円の支出増となりました。これは有形固定資産の取得による支出が323百万円減少したものの、投資有価証券の取得による支出が1,000百万円増加したことが主な要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは2,097百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ4,645百万円の支出増となりました。これは借入金の収支が短期と長期あわせて4,527百万円、返済側の増加となったことが主な要因であります。
③生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(百万円)前期比(%)
信号システム事業63,84210.1
パワーエレクトロニクス事業12,918△35.3
合計76,761△1.5

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)
信号システム事業67,9021.073,29914.6
パワーエレクトロニクス事業15,7687.66,96327.6
合計83,6712.280,26215.6

(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
信号システム事業58,54610.0
パワーエレクトロニクス事業14,263△11.2
合計72,8105.1

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
東海旅客鉄道株式会社8,21311.3

2 前連結会計年度の主な販売先につきましては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①経営成績の状況
中期経営計画の2年目となる当連結会計年度の経営成績につきましては、受注は、信号システム事業において前期に比べ鉄道事業者の大型案件が少なかったものの前期と同水準を確保しました。パワーエレクトロニクス事業においては次世代半導体製造装置の前倒し需要による受注などが貢献し、半導体およびフラットパネルディスプレイ(FPD)の調整局面の影響を受けた前期より堅調に推移しました。この結果、全体としては前期を上回りました。売上は、信号システム事業において国内鉄道事業者向けの自動列車制御装置を中心に好調に推移したことに加え、道路交通システムにおける交通信号制御機や交通信号灯器の受注増によって、前期を上回りました。パワーエレクトロニクス事業では半導体やFPD市場の停滞の影響から前期を大きく下回りました。この結果、全体としては、前期を上回りました。利益面では、信号システム事業の売上増によりパワーエレクトロニクス事業の売上減の影響を一部カバーしたものの、全体としては前期を下回りました。この結果、中期経営計画2年目の目標を達成することはできませんでした。
3ヵ年の中期経営計画の最終年度となる第156期(2021年3月期)は、過去2ヵ年で取り組んできた全社戦略および事業戦略をさらに推し進め、迅速かつ効率的な事業運営と対応力強化によるグローバル展開の加速によって着実に成果に結びつけてまいります。
信号システム事業につきましては、鉄道信号システムにおいて、過去最大となる受注残案件と2021年3月期に受注する案件に対してプロセス管理を徹底し利益管理力を高めて適正利益を創出するとともに、将来に向けた新しい技術や方式をお客様の要求するタイミングで提供出来るよう取り組んでまいります。道路交通システムでは、国内における厳しい事業環境の下で市場や技術の変化に迅速に対応し、新たなビジネスモデルを模索するとともに、戦略製品と位置づけている自律分散型制御システム「ARTEMIS(アルテミス)」によるグローバル展開を加速してまいります。
パワーエレクトロニクス事業につきましては、半導体需要の変動に柔軟かつ迅速に対応・追随できる体制のさらなる整備を進めるとともに、主力製品である高周波電源のグローバル展開を加速するべく、開発力の強化と生産体制の整備を進めて将来の事業拡大に備えてまいります。
事業戦略をサポートする全社戦略の取り組みとして、当社グループの2つの事業セグメントである信号システム事業とパワーエレクトロニクス事業がそれぞれの事業環境や顧客要求に柔軟かつ迅速に対応し、これまで以上に成長・発展を加速することができる体制の検討を進めてまいりました結果、2021年4月を目途に持株会社体制に移行する方向で具体的な検討を開始しました。また、経営の基盤となるコンプライアンス風土のさらなる定着と、経営の公正性・透明性を高め、より高度なガバナンス体制の構築に努めてまいります。
さらに、各業務の整理・見直しによって重複作業・非効率業務の排除、定型業務のアウトソーシング化などを進め、働き方改革を推進しながら、より付加価値の高い業務へシフトしてまいります。
2019年4月から実施した65歳への定年延長により労働力不足を解消し技術・技能継承を確実に行っていくとともに、ミッションと成果を重視する人事制度への変革により従業員のインセンティブを高め、労働生産性の向上と高収益体質への転換を図ってまいります。
なお、当社グループは、鉄道をはじめとする社会インフラを支える事業を営んでいることから、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、当社リスク管理規程に基づく緊急対策本部を設置し在宅勤務や時差通勤、交代制勤務などの感染防止策を講じるなど、感染拡大のリスクを排除しつつ事業を継続しております。
今後も各国政府などの方針に従い社会全体の取り組みに協力するとともに、安全を確保しながら企業の社会的責任・役割を遂行するため適切に対処してまいります。
②財政状態の状況
信号システム事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が79,335百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,900百万円増加しました。これは主に売掛債権の回収により売掛金が921百万円減少したものの、受注残の増加に伴いたな卸資産が3,965百万円増加したことによるものであります。
パワーエレクトロニクス事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が15,154百万円となり、前連結会計年度末に比べて270百万円減少しました。これは主に売上高の減少に伴いたな卸資産が487百万円減少したことによるものであります。
③資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用ならびに当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、手許の運転資金につきましては当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異の解消見込年度を長期と短期に区分し、それぞれ課税所得を見積っております。課税所得は過去5ヵ年の課税所得の推移から、中期経営計画の前提となった数値等を勘案し合理的に見積っております。
当該、見積り及び仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
b.退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率等の様々な計算基礎があります。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (退職給付関係) 2 確定給付制度 (9)数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。

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