有価証券報告書-第156期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
2021年1月14日に発生した当社本社工場における火災により、近隣住民の皆様、関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを心からお詫び申し上げます。
当社グループは、皆様に安心していただけるよう、一層の安全対策およびセキュリティの強化を図ってまいります。
被害がなかった本社工場敷地内の建屋や、当社グループの拠点等を活用してすでに生産を再開しており、2022年3月期上期中には被災した建物の修復を完了し、火災発生前の生産体制に復旧できる見込みです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、国内外で感染が再拡大するなど、依然として不安定かつ不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは、新型コロナウイルス感染症による事業環境への影響から中期経営計画を1年延長し、2022年3月期を最終年度として事業環境の変化に応じて必要な対応を取りつつ各戦略を推進してまいりました。また、火災発生後は損害の早期把握に努め、早期復旧と業績回復に注力してまいりました。
受注につきましては、信号システム事業において一部案件が繰り延べとなったこと、またパワーエレクトロニクス事業においては半導体製造装置用電源装置において需要回復の兆しがみられたものの、通信設備用電源装置の大型案件が一巡したことなどから、全体としては前期を大きく下回りました。
売上につきましては、一部で新型コロナウイルス感染症による影響があったものの、信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに第3四半期まで受注済み案件を堅調に売り上げ、対前期比で増収となりましたが、火災により信号システム事業の一部出荷予定製品が損傷したため、第4四半期に予定していた出荷が延期となったことから、全体としては前期を大きく下回りました。
利益面につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加えて火災により出荷が延期となったことから売上が大幅に減少し、営業利益、経常利益ともに前期を下回りました。また、火災に伴う棚卸資産の焼損および関連諸費用の発生等により特別損失11,776百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を大きく下回り、大幅な赤字を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高71,249百万円(対前期比12,422百万円減)、売上高62,218百万円(対前期比10,592百万円減)、営業利益1,214百万円(対前期比1,830百万円減)、経常利益1,664百万円(対前期比1,679百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失7,921百万円(対前期比9,895百万円減)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
[信号システム事業]
鉄道信号システムでは、受注は公営鉄道およびJR・民鉄各社向け信号設備・ホームドア、中国向け電子連動装置用品、インド国鉄向け電子連動装置などがありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により一部案件が繰り延べとなったことから前期を大きく下回りました。売上は公営鉄道およびJR・民鉄各社向け信号設備・ホームドアなどがあったものの、新型コロナウイルス感染症による影響に加えて火災により第4四半期に予定していた出荷が延期となったことから前期を大きく下回りました。
道路交通システムでは、交通信号制御機、交通信号灯器、情報板などの拡販に努めたものの、受注、売上ともに前期を下回りました。
この結果、当事業では受注高56,433百万円(対前期比11,468百万円減)、売上高47,561百万円(対前期比10,985百万円減)、セグメント利益は4,730百万円(対前期比2,400百万円減)となりました。
[パワーエレクトロニクス事業]
受注につきましては、通信設備用電源装置は鉄道信号用の大型案件が一巡したこと、産業機器用電源装置は半導体製造装置用電源装置において需要回復の兆しがみられたものの、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置への設備投資が抑制されたことなどから、前期を下回りました。
売上につきましては、通信設備用電源装置は火災の影響による出荷の延期があったものの、産業機器用電源装置は半導体製造装置用電源装置が前期の需要低迷から脱したことにより前期を上回りました。
この結果、当事業では受注高14,815百万円(対前期比953百万円減)、売上高14,656百万円(対前期比392百万円増)、セグメント利益は1,694百万円(対前期比265百万円増)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は64,835百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,006百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が1,489百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が8,644百万円、たな卸資産が1,641百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は37,867百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,947百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物の純額が851百万円、投資有価証券が1,259百万円、繰延税金資産が1,595百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は102,702百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,058百万円の減少となりました。
当連結会計年度末における流動負債は51,058百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,431百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務が合わせて1,989百万円減少したものの、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が合わせて9,238百万円増加するとともに、2021年1月14日に発生した本社工場における火災に係る復旧費用として火災損失引当金1,015百万円を新たに引当てたことによるものであります。
固定負債は14,255百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,471百万円減少しました。これは主に、長期借入金が2,557百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は65,314百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,959百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は37,387百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,018百万円減少しました。これは主に、その他有価証券評価差額金が617百万円増加したものの、本社工場における火災発生の影響から当期純損失を計上することとなり、利益剰余金が8,988百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、7,604百万円となり前連結会計年度末に比べ1,489百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,432百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ2,639百万円の収入減となりました。これは売上債権の増減額が9,132百万円、たな卸資産の増減額が5,173百万円それぞれ収入増となったものの、本社工場における火災発生の影響から税金等調整前当期純利益又は当期純損失が12,568百万円の支出増となり、加えて仕入債務の増減額が3,222百万円支出増となったことが主な要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,776百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ45百万円の支出増となりました。これは投資有価証券の取得による支出が832百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出と無形固定資産の取得による支出が合わせて864百万円増加したことが主な要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは5,568百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ3,471百万円の収入増となりました。これは借入金の収支が短期と長期を合わせて3,603百万円、借入側の増加となったことが主な要因であります。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合
2 当連結会計年度における東海旅客鉄道株式会社に対する販売実績につきましては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 前連結会計年度における東京エレクトロン宮城株式会社に対する販売実績につきましては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
中期経営計画の3年目となる当連結会計年度の経営成績につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要①」に記載のとおり、受注は、前期を大幅に下回りました。売上は、第3四半期までは信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに順調に推移し前期を上回りましたが、2021年1月14日に当社本社工場で発生した火災の影響により信号システム事業の売上は大きく減少し、全体でも前期を大幅に下回りました。利益面では、売上の減少に加えて火災による建物や棚卸資産等の一部損傷による特別損失を計上したことから、前期を大幅に下回り、最終損益は大幅なマイナスとなりました。
1年延長した中期経営計画の最終年度となる第157期(2022年3月期)は、2021年1月の火災によって毀損した生産設備を一日も早く復旧させ生産体制を立て直すとともに、生産管理を徹底し、棚卸資産を適正な水準に維持・管理することで財務の健全化に努めてまいります。
信号システム事業につきましては、鉄道信号システムにおいて、製造中止部品を焼失したことから製品ユニットの改廃設計を急ぎ、万全な製品提供体制を再構築いたします。また第156期(2021年3月期)の受注残案件と第157期(2022年3月期)に受注する案件に対してプロセス管理を徹底し利益管理力を高めて適正利益を創出するとともに、将来に向けた新しい技術や方式をお客様の要求するタイミングで提供出来るよう取り組んでまいります。道路交通システムでは、国内における厳しい事業環境の下で新しいシステムや方式への変化に迅速に対応し、新たなビジネスモデルを模索するとともに、戦略製品と位置づけている自律分散型制御システム「ARTEMIS(アルテミス)」によるグローバル展開を加速してまいります。
パワーエレクトロニクス事業につきましては、拡大が見込まれる半導体需要の変動に柔軟かつ迅速に対応・追随できる体制のさらなる整備を進めるとともに、主力製品である高周波電源のグローバル展開を加速し、事業拡大を進めてまいります。
事業戦略をサポートする全社戦略の取り組みとして、改正会社法、コーポレートガバナンス・コードの改訂にも適切に対応するとともに、ガバナンス体制の必要かつ適正な見直しを行って持続可能な企業価値の向上に努めてまいります。
また、経営の基盤となるコンプライアンス風土の定着によって、引き続き経営の公正性、透明性を担保してまいります。
また、各業務の整理・見直しによって重複作業・非効率業務の排除、定型業務のアウトソーシング化などを進め、働き方改革を推進しながら、より付加価値の高い業務へシフトしてまいります。
2019年4月から実施した65歳への定年延長により労働力不足を解消し技術・技能継承を確実に行っていくとともに、ミッションと成果を重視する人事制度への変革により従業員のインセンティブを高め、労働生産性の向上と高収益体質への転換を進めてまいります。
なお、当社グループは、鉄道をはじめとする社会インフラを支える事業を営んでいることから、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当社リスク管理規程に基づく緊急対策本部の指揮命令の下、在宅勤務や時差通勤、交代制勤務などの感染防止策を講じるなど、感染拡大のリスクを排除しつつ事業を継続しております。
また安全対策とセキュリティを一段と強化し、重要な財産である人的資源と大切な資産を各種の災害から保全いたします。
今後も社会全体の取り組みに協力するとともに、安全を確保しながら企業の社会的責任・役割を遂行するため適切に対処してまいります。
② 財政状態の状況
信号システム事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が74,318百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,017百万円減少しました。これは主に有形固定資産が412百万円、投資有価証券が759百万円、それぞれ増加したものの、売掛債権の回収と火災の影響による売上高の減少により受取手形及び売掛金が7,499百万円減少したとによるものであります。
パワーエレクトロニクス事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が13,355百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,798百万円減少しました。これは主に有形固定資産が449百万円増加したものの、売掛債権の回収により受取手形及び売掛金が1,193百万円、火災の影響からたな卸資産が1,363百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用および当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、手許の運転資金につきましては当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3) 継続企業の前提に関する重要な事象を解消するための対応策
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (5)その他のリスク ① 継続企業の前提に関する重要な事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しておりますが、以下の諸点により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
・今回の火災に起因する大幅な受注減はなく、引き続き鉄道をはじめとする社会インフラを支えるメーカーとして
顧客事業の根幹にかかわる製品の安定供給責任を全うするため、生産体制の早期完全復旧に向けて全力で取り組
んでおります。
・2022年3月期の連結業績予想は、売上高74,000百万円(対前期比11,781百万円増)、経常利益4,000百万円(対前期比2,335百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(対前期比11,921百万円増)と見込んでおります。なお、上記業績予想においては、火災損害に付されている「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりの保険に係る受取保険金額は現時点で確定していないため考慮しておりません。
・2021年4月16日に役員報酬の一部返上についてお知らせいたしましたが、引き続き、グループ全体での諸経費の見直し等によるさらなるコスト低減、投資有価証券ほか所有資産の継続保有の可否判断や生産を回復・維持させるための人員再配置等、経営資源のあり方の見直しに取り組んでまいります。
・当社としては、メインバンクを中心に各取引金融機関と密接な関係を維持できていることから、今後の資金調達 においても継続的な支援が得られるものと考えております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概況は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
2021年1月14日に発生した当社本社工場における火災により、近隣住民の皆様、関係者の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしておりますことを心からお詫び申し上げます。
当社グループは、皆様に安心していただけるよう、一層の安全対策およびセキュリティの強化を図ってまいります。
被害がなかった本社工場敷地内の建屋や、当社グループの拠点等を活用してすでに生産を再開しており、2022年3月期上期中には被災した建物の修復を完了し、火災発生前の生産体制に復旧できる見込みです。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化し、国内外で感染が再拡大するなど、依然として不安定かつ不透明な状況で推移いたしました。
このような状況の下、当社グループは、新型コロナウイルス感染症による事業環境への影響から中期経営計画を1年延長し、2022年3月期を最終年度として事業環境の変化に応じて必要な対応を取りつつ各戦略を推進してまいりました。また、火災発生後は損害の早期把握に努め、早期復旧と業績回復に注力してまいりました。
受注につきましては、信号システム事業において一部案件が繰り延べとなったこと、またパワーエレクトロニクス事業においては半導体製造装置用電源装置において需要回復の兆しがみられたものの、通信設備用電源装置の大型案件が一巡したことなどから、全体としては前期を大きく下回りました。
売上につきましては、一部で新型コロナウイルス感染症による影響があったものの、信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに第3四半期まで受注済み案件を堅調に売り上げ、対前期比で増収となりましたが、火災により信号システム事業の一部出荷予定製品が損傷したため、第4四半期に予定していた出荷が延期となったことから、全体としては前期を大きく下回りました。
利益面につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響に加えて火災により出荷が延期となったことから売上が大幅に減少し、営業利益、経常利益ともに前期を下回りました。また、火災に伴う棚卸資産の焼損および関連諸費用の発生等により特別損失11,776百万円を計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益についても前期を大きく下回り、大幅な赤字を計上いたしました。
この結果、当連結会計年度の業績につきましては、受注高71,249百万円(対前期比12,422百万円減)、売上高62,218百万円(対前期比10,592百万円減)、営業利益1,214百万円(対前期比1,830百万円減)、経常利益1,664百万円(対前期比1,679百万円減)、親会社株主に帰属する当期純損失7,921百万円(対前期比9,895百万円減)となりました。
セグメント別の業績概況は次のとおりであります。
[信号システム事業]
鉄道信号システムでは、受注は公営鉄道およびJR・民鉄各社向け信号設備・ホームドア、中国向け電子連動装置用品、インド国鉄向け電子連動装置などがありましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により一部案件が繰り延べとなったことから前期を大きく下回りました。売上は公営鉄道およびJR・民鉄各社向け信号設備・ホームドアなどがあったものの、新型コロナウイルス感染症による影響に加えて火災により第4四半期に予定していた出荷が延期となったことから前期を大きく下回りました。
道路交通システムでは、交通信号制御機、交通信号灯器、情報板などの拡販に努めたものの、受注、売上ともに前期を下回りました。
この結果、当事業では受注高56,433百万円(対前期比11,468百万円減)、売上高47,561百万円(対前期比10,985百万円減)、セグメント利益は4,730百万円(対前期比2,400百万円減)となりました。
[パワーエレクトロニクス事業]
受注につきましては、通信設備用電源装置は鉄道信号用の大型案件が一巡したこと、産業機器用電源装置は半導体製造装置用電源装置において需要回復の兆しがみられたものの、フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置への設備投資が抑制されたことなどから、前期を下回りました。
売上につきましては、通信設備用電源装置は火災の影響による出荷の延期があったものの、産業機器用電源装置は半導体製造装置用電源装置が前期の需要低迷から脱したことにより前期を上回りました。
この結果、当事業では受注高14,815百万円(対前期比953百万円減)、売上高14,656百万円(対前期比392百万円増)、セグメント利益は1,694百万円(対前期比265百万円増)となりました。
当連結会計年度末における流動資産は64,835百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,006百万円減少しました。これは主に、現金及び預金が1,489百万円増加したものの、受取手形及び売掛金が8,644百万円、たな卸資産が1,641百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は37,867百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,947百万円増加しました。これは主に、建物及び構築物の純額が851百万円、投資有価証券が1,259百万円、繰延税金資産が1,595百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、資産合計は102,702百万円となり、前連結会計年度末に比べて4,058百万円の減少となりました。
当連結会計年度末における流動負債は51,058百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,431百万円増加しました。これは主に、支払手形及び買掛金と電子記録債務が合わせて1,989百万円減少したものの、短期借入金と1年内返済予定の長期借入金が合わせて9,238百万円増加するとともに、2021年1月14日に発生した本社工場における火災に係る復旧費用として火災損失引当金1,015百万円を新たに引当てたことによるものであります。
固定負債は14,255百万円となり、前連結会計年度末に比べて2,471百万円減少しました。これは主に、長期借入金が2,557百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は65,314百万円となり、前連結会計年度末に比べて3,959百万円の増加となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は37,387百万円となり、前連結会計年度末に比べて8,018百万円減少しました。これは主に、その他有価証券評価差額金が617百万円増加したものの、本社工場における火災発生の影響から当期純損失を計上することとなり、利益剰余金が8,988百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、7,604百万円となり前連結会計年度末に比べ1,489百万円増加しました。
営業活動によるキャッシュ・フローは1,432百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ2,639百万円の収入減となりました。これは売上債権の増減額が9,132百万円、たな卸資産の増減額が5,173百万円それぞれ収入増となったものの、本社工場における火災発生の影響から税金等調整前当期純利益又は当期純損失が12,568百万円の支出増となり、加えて仕入債務の増減額が3,222百万円支出増となったことが主な要因であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは2,776百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に比べ45百万円の支出増となりました。これは投資有価証券の取得による支出が832百万円減少したものの、有形固定資産の取得による支出と無形固定資産の取得による支出が合わせて864百万円増加したことが主な要因であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは5,568百万円のプラスとなり、前連結会計年度に比べ3,471百万円の収入増となりました。これは借入金の収支が短期と長期を合わせて3,603百万円、借入側の増加となったことが主な要因であります。
③ 生産、受注および販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 信号システム事業 | 46,750 | △26.8 |
| パワーエレクトロニクス事業 | 13,025 | 0.8 |
| 合計 | 59,776 | △22.1 |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前期比(%) | 受注残高(百万円) | 前期比(%) |
| 信号システム事業 | 56,433 | △16.9 | 82,171 | 12.1 |
| パワーエレクトロニクス事業 | 14,815 | △6.0 | 7,121 | 2.3 |
| 合計 | 71,249 | △14.8 | 89,293 | 11.3 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 信号システム事業 | 47,561 | △18.8 |
| パワーエレクトロニクス事業 | 14,656 | 2.8 |
| 合計 | 62,218 | △14.5 |
(注) 1 主な相手先別の販売実績および総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 東海旅客鉄道株式会社 | 8,213 | 11.3 | ― | ― |
| 東京エレクトロン宮城 株式会社 | ― | ― | 7,375 | 11.9 |
2 当連結会計年度における東海旅客鉄道株式会社に対する販売実績につきましては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
3 前連結会計年度における東京エレクトロン宮城株式会社に対する販売実績につきましては、当該販売実績の総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
4 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析
経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況
中期経営計画の3年目となる当連結会計年度の経営成績につきましては、前項「(1)経営成績等の状況の概要①」に記載のとおり、受注は、前期を大幅に下回りました。売上は、第3四半期までは信号システム事業、パワーエレクトロニクス事業ともに順調に推移し前期を上回りましたが、2021年1月14日に当社本社工場で発生した火災の影響により信号システム事業の売上は大きく減少し、全体でも前期を大幅に下回りました。利益面では、売上の減少に加えて火災による建物や棚卸資産等の一部損傷による特別損失を計上したことから、前期を大幅に下回り、最終損益は大幅なマイナスとなりました。
1年延長した中期経営計画の最終年度となる第157期(2022年3月期)は、2021年1月の火災によって毀損した生産設備を一日も早く復旧させ生産体制を立て直すとともに、生産管理を徹底し、棚卸資産を適正な水準に維持・管理することで財務の健全化に努めてまいります。
信号システム事業につきましては、鉄道信号システムにおいて、製造中止部品を焼失したことから製品ユニットの改廃設計を急ぎ、万全な製品提供体制を再構築いたします。また第156期(2021年3月期)の受注残案件と第157期(2022年3月期)に受注する案件に対してプロセス管理を徹底し利益管理力を高めて適正利益を創出するとともに、将来に向けた新しい技術や方式をお客様の要求するタイミングで提供出来るよう取り組んでまいります。道路交通システムでは、国内における厳しい事業環境の下で新しいシステムや方式への変化に迅速に対応し、新たなビジネスモデルを模索するとともに、戦略製品と位置づけている自律分散型制御システム「ARTEMIS(アルテミス)」によるグローバル展開を加速してまいります。
パワーエレクトロニクス事業につきましては、拡大が見込まれる半導体需要の変動に柔軟かつ迅速に対応・追随できる体制のさらなる整備を進めるとともに、主力製品である高周波電源のグローバル展開を加速し、事業拡大を進めてまいります。
事業戦略をサポートする全社戦略の取り組みとして、改正会社法、コーポレートガバナンス・コードの改訂にも適切に対応するとともに、ガバナンス体制の必要かつ適正な見直しを行って持続可能な企業価値の向上に努めてまいります。
また、経営の基盤となるコンプライアンス風土の定着によって、引き続き経営の公正性、透明性を担保してまいります。
また、各業務の整理・見直しによって重複作業・非効率業務の排除、定型業務のアウトソーシング化などを進め、働き方改革を推進しながら、より付加価値の高い業務へシフトしてまいります。
2019年4月から実施した65歳への定年延長により労働力不足を解消し技術・技能継承を確実に行っていくとともに、ミッションと成果を重視する人事制度への変革により従業員のインセンティブを高め、労働生産性の向上と高収益体質への転換を進めてまいります。
なお、当社グループは、鉄道をはじめとする社会インフラを支える事業を営んでいることから、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、当社リスク管理規程に基づく緊急対策本部の指揮命令の下、在宅勤務や時差通勤、交代制勤務などの感染防止策を講じるなど、感染拡大のリスクを排除しつつ事業を継続しております。
また安全対策とセキュリティを一段と強化し、重要な財産である人的資源と大切な資産を各種の災害から保全いたします。
今後も社会全体の取り組みに協力するとともに、安全を確保しながら企業の社会的責任・役割を遂行するため適切に対処してまいります。
② 財政状態の状況
信号システム事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が74,318百万円となり、前連結会計年度末に比べて5,017百万円減少しました。これは主に有形固定資産が412百万円、投資有価証券が759百万円、それぞれ増加したものの、売掛債権の回収と火災の影響による売上高の減少により受取手形及び売掛金が7,499百万円減少したとによるものであります。
パワーエレクトロニクス事業の財政状態につきましては、セグメント資産の額が13,355百万円となり、前連結会計年度末に比べて1,798百万円減少しました。これは主に有形固定資産が449百万円増加したものの、売掛債権の回収により受取手形及び売掛金が1,193百万円、火災の影響からたな卸資産が1,363百万円、それぞれ減少したことによるものであります。
③ 資本の財源および資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金需要は、製品製造のための材料費、労務費、経費、販売費及び一般管理費等の営業費用および当社グループの設備新設、改修等に係る投資であります。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしております。
当社グループの資金の流動性につきましては、手許の運転資金につきましては当社および国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるようにコミットメントライン契約を締結し、流動性リスクに備えております。
④ 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(3) 継続企業の前提に関する重要な事象を解消するための対応策
当社グループは、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (5)その他のリスク ① 継続企業の前提に関する重要な事象等」に記載のとおり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在していると認識しておりますが、以下の諸点により、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
・今回の火災に起因する大幅な受注減はなく、引き続き鉄道をはじめとする社会インフラを支えるメーカーとして
顧客事業の根幹にかかわる製品の安定供給責任を全うするため、生産体制の早期完全復旧に向けて全力で取り組
んでおります。
・2022年3月期の連結業績予想は、売上高74,000百万円(対前期比11,781百万円増)、経常利益4,000百万円(対前期比2,335百万円増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(対前期比11,921百万円増)と見込んでおります。なお、上記業績予想においては、火災損害に付されている「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりの保険に係る受取保険金額は現時点で確定していないため考慮しておりません。
・2021年4月16日に役員報酬の一部返上についてお知らせいたしましたが、引き続き、グループ全体での諸経費の見直し等によるさらなるコスト低減、投資有価証券ほか所有資産の継続保有の可否判断や生産を回復・維持させるための人員再配置等、経営資源のあり方の見直しに取り組んでまいります。
・当社としては、メインバンクを中心に各取引金融機関と密接な関係を維持できていることから、今後の資金調達 においても継続的な支援が得られるものと考えております。