四半期報告書-第108期第2四半期(平成26年7月1日-平成26年9月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
(1) 販売・利益業績
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、中国やアセアン諸国では景気が伸び悩む傾向もありましたが、日本や欧米の景気は一部に弱さが見られるものの回復基調で推移するなど、全体としては緩やかな回復が続きました。
このような経営環境のもと、当社グループでは、平成26年度は中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」の2年目として、「CV2015達成への基盤を固める」とともに、「2018年の『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」ための取り組みを推進しています。
当第2四半期連結累計期間の連結売上高は、3兆7,229億円と、ほぼ前年同水準となりました。国内では、4月の消費税増税による反動の影響で、家電製品を中心に需要が減少しましたが、一部商品で駆け込み需要の影響が第1四半期連結会計期間にも残ったことで、需要減少の影響を抑えることができました。また、住宅用ソーラーが引き続き堅調に推移し、カーナビやカーオーディオなど車載関連事業は、グローバルで需要が堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に実施した事業譲渡の影響を除いた実質販売増や、固定費圧縮などにより、1,770億円(対前年同期比21%増)となりました。税引前利益は1,219億円(対前年同期比41%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は809億円(対前年同期比52%減)と、対前年同期比ではそれぞれ減益となりましたが、これは前年同期に、年金制度変更に伴う一時益および有価証券売却益などを営業外収益に計上したことが主な要因です。
(2) セグメントの業績
当第2四半期連結累計期間のセグメントの業績は次のとおりです。
平成26年4月1日及び平成26年7月1日に、一部の事業をセグメント間で移管しています。また、前年同期のセグメント情報については、平成26年7月1日付の形態に合わせて組み替えて表示しています。
a アプライアンス
売上高は、9,164億円(対前年同期比1%増)となりました。テレビがプラズマディスプレイパネル終息の影響などにより減収となりましたが、エアコンやデバイスの販売が伸長し、増収となりました。
営業利益は、課題事業の収益改善に加え、モータなどデバイス事業の増益が牽引し、前年同期に比べ大幅増益の324億円(対前年同期比141%増)となりました。
b エコソリューションズ
売上高は、7,904億円(対前年同期比2%増)となりました。国内では、消費税増税後、住宅市場の需要が減少するなか、ハウジングシステムの販売が減少したものの、住宅用ソーラーやLED照明などが好調に推移しました。海外でも、ヴィコ エレクトリック㈱を新たに連結したことに加え、インドなどの戦略地域で伸長し、増収となりました。
営業利益は、増販効果や合理化の取り組みなどにより、前年同期に比べ増益の418億円(対前年同期比6%増)となりました。
c AVCネットワークス
売上高は、5,316億円(対前年同期比3%減)となりました。堅牢PC、堅牢タブレットなどのBtoB事業で販売が増加したものの、プラズマディスプレイパネル、スマートフォン、デジタルカメラなど、課題事業の撤退や事業領域の絞り込みに伴う販売減により、全体では減収となりました。
営業利益はBtoB事業の増販効果に加え、前連結会計年度に実施した事業構造改革の効果も寄与して黒字化を達成し、39億円(前年同期は24億円の損失)となりました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
売上高は、1兆3,782億円(対前年同期比2%増)となりました。インフォテインメント事業部などの車載向けや電子部品実装機の販売が堅調に推移したことに加え、円安の影響により、増収となりました。
営業利益は、増販効果に加え、半導体などの課題事業を中心とする事業構造改革や合理化効果が寄与し、前年同期に比べ増益の522億円(対前年同期比9%増)となりました。
e その他
売上高は、2,979億円(対前年同期比18%減)となりました。ヘルスケア関連事業を前連結会計年度末に売却したことにより、減収となりました。
営業利益は、前年同期に比べ減益の19億円(対前年同期比71%減)となりました。
(3) 資産、負債及び資本
当第2四半期連結会計期間末の連結総資産は、前連結会計年度末から1,315億円増加し、5兆3,445億円となりました。これは、有形固定資産などの減少はありましたが、円安の影響や季節要因による棚卸資産の増加などによるものです。
負債は、前連結会計年度末から300億円減少し、3兆5,965億円となりました。これは、無担保普通社債の償還などによるものです。
当社株主資本は、前連結会計年度末から421億円増加し、1兆5,903億円となりました。これは、複数の連結子会社において追加持分を取得したことに伴い資本剰余金が減少しましたが、四半期純利益の計上に加え、円安などに伴うその他の包括利益(損失)累積額の良化によるものです。また、当社株主資本に非支配持分を加味した資本合計は1兆7,480億円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動により増加したキャッシュ・フローは1,673億円(対前年同期差58億円増)となりました。前年同期差の主な要因は、買入債務の増加等により運転資本が良化したことです。投資活動に使用したキャッシュ・フローは800億円(対前年同期差337億円増)となりました。前年同期差の主な要因は、保有株式の売却による収入が前年に比べて減少したことです。この結果、フリーキャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動に関するキャッシュ・フローの合計)は、873億円(対前年同期差279億円減)となりました。
また、財務活動に使用したキャッシュ・フローは782億円(対前年同期差920億円減)となりました。前年同期差の主な要因は、配当金支払額の増加の一方で、有利子負債返済額が減少したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は6,346億円(対前連結会計年度末差421億円増)となりました。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、2,241億円(対前年同期比2%減)です。当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 設備投資
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の設備投資(有形固定資産のみ)は、940億円(対前年同期比7%増)です。
(7) 減価償却費
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の減価償却費(有形固定資産のみ)は、1,151億円(対前年同期比17%減)です。
(8) 従業員数
当第2四半期連結会計期間末の従業員数(就業人員数)は、262,952人(対前連結会計年度末差8,837人減)です。
(9) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。
②基本方針の実現のための具体的な取り組み
(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み
従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせております。「CV2015」では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて、当社が力強く進んでいける道筋をつけるよう取り組んでおります。具体的には「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指しております。
平成25年4月より、事業部制・カンパニー制を導入し、「事業軸」を中心とした経営を進めておりますが、さらにお客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、進化させてまいります。具体的には「家電」「住宅関連」「車載」「BtoBソリューション」「デバイス」の5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、経営資源を集中すべき領域を明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。
特に、成長余力の大きい海外戦略地域市場を攻略するため、平成26年4月に「戦略地域事業推進本部」を設置いたしました。このように、グループの体制をさらに進化させながら、引き続きスピードを上げて「CV2015」に取り組んでまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み
当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成25年は5月10日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成26年4月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
ESVプランの詳細については、平成26年4月28日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)-ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要-」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140428-4/jn140428-4.pdf)
をご参照ください。
③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものであり、当社取締役・監査役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(10) 今後適用となる新会計基準
平成26年5月に、米国財務会計基準審議会は、会計基準アップデート2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。同規定は、顧客への財やサービスの移転に係る収益を、企業が財やサービスと交換に権利を得ると見込まれる対価を反映した金額で認識することを要請しており、収益の認識に関する現在の米国会計基準によるガイダンスの多くを置き換えるものです。同規定は、当社においては平成29年4月1日より適用され、早期適用は認められません。同規定は、開示される全ての期間に遡及的に適用する方法、または適用日において適用による利益剰余金等への累積的影響額を調整する方法のいずれかにより適用されます。当社は、いずれの方法により適用するかを含めて、同規定の適用に伴う当社の連結財務諸表への影響について検討中です。
当第2四半期連結累計期間の世界経済は、中国やアセアン諸国では景気が伸び悩む傾向もありましたが、日本や欧米の景気は一部に弱さが見られるものの回復基調で推移するなど、全体としては緩やかな回復が続きました。
このような経営環境のもと、当社グループでは、平成26年度は中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」の2年目として、「CV2015達成への基盤を固める」とともに、「2018年の『新しいパナソニック』に向けた成長戦略を仕込む」ための取り組みを推進しています。
当第2四半期連結累計期間の連結売上高は、3兆7,229億円と、ほぼ前年同水準となりました。国内では、4月の消費税増税による反動の影響で、家電製品を中心に需要が減少しましたが、一部商品で駆け込み需要の影響が第1四半期連結会計期間にも残ったことで、需要減少の影響を抑えることができました。また、住宅用ソーラーが引き続き堅調に推移し、カーナビやカーオーディオなど車載関連事業は、グローバルで需要が堅調に推移したことなどにより、増収となりました。
営業利益は、前連結会計年度に実施した事業譲渡の影響を除いた実質販売増や、固定費圧縮などにより、1,770億円(対前年同期比21%増)となりました。税引前利益は1,219億円(対前年同期比41%減)、当社株主に帰属する四半期純利益は809億円(対前年同期比52%減)と、対前年同期比ではそれぞれ減益となりましたが、これは前年同期に、年金制度変更に伴う一時益および有価証券売却益などを営業外収益に計上したことが主な要因です。
(2) セグメントの業績
当第2四半期連結累計期間のセグメントの業績は次のとおりです。
平成26年4月1日及び平成26年7月1日に、一部の事業をセグメント間で移管しています。また、前年同期のセグメント情報については、平成26年7月1日付の形態に合わせて組み替えて表示しています。
a アプライアンス
売上高は、9,164億円(対前年同期比1%増)となりました。テレビがプラズマディスプレイパネル終息の影響などにより減収となりましたが、エアコンやデバイスの販売が伸長し、増収となりました。
営業利益は、課題事業の収益改善に加え、モータなどデバイス事業の増益が牽引し、前年同期に比べ大幅増益の324億円(対前年同期比141%増)となりました。
b エコソリューションズ
売上高は、7,904億円(対前年同期比2%増)となりました。国内では、消費税増税後、住宅市場の需要が減少するなか、ハウジングシステムの販売が減少したものの、住宅用ソーラーやLED照明などが好調に推移しました。海外でも、ヴィコ エレクトリック㈱を新たに連結したことに加え、インドなどの戦略地域で伸長し、増収となりました。
営業利益は、増販効果や合理化の取り組みなどにより、前年同期に比べ増益の418億円(対前年同期比6%増)となりました。
c AVCネットワークス
売上高は、5,316億円(対前年同期比3%減)となりました。堅牢PC、堅牢タブレットなどのBtoB事業で販売が増加したものの、プラズマディスプレイパネル、スマートフォン、デジタルカメラなど、課題事業の撤退や事業領域の絞り込みに伴う販売減により、全体では減収となりました。
営業利益はBtoB事業の増販効果に加え、前連結会計年度に実施した事業構造改革の効果も寄与して黒字化を達成し、39億円(前年同期は24億円の損失)となりました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
売上高は、1兆3,782億円(対前年同期比2%増)となりました。インフォテインメント事業部などの車載向けや電子部品実装機の販売が堅調に推移したことに加え、円安の影響により、増収となりました。
営業利益は、増販効果に加え、半導体などの課題事業を中心とする事業構造改革や合理化効果が寄与し、前年同期に比べ増益の522億円(対前年同期比9%増)となりました。
e その他
売上高は、2,979億円(対前年同期比18%減)となりました。ヘルスケア関連事業を前連結会計年度末に売却したことにより、減収となりました。
営業利益は、前年同期に比べ減益の19億円(対前年同期比71%減)となりました。
(3) 資産、負債及び資本
当第2四半期連結会計期間末の連結総資産は、前連結会計年度末から1,315億円増加し、5兆3,445億円となりました。これは、有形固定資産などの減少はありましたが、円安の影響や季節要因による棚卸資産の増加などによるものです。
負債は、前連結会計年度末から300億円減少し、3兆5,965億円となりました。これは、無担保普通社債の償還などによるものです。
当社株主資本は、前連結会計年度末から421億円増加し、1兆5,903億円となりました。これは、複数の連結子会社において追加持分を取得したことに伴い資本剰余金が減少しましたが、四半期純利益の計上に加え、円安などに伴うその他の包括利益(損失)累積額の良化によるものです。また、当社株主資本に非支配持分を加味した資本合計は1兆7,480億円となりました。
(4) キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間の営業活動により増加したキャッシュ・フローは1,673億円(対前年同期差58億円増)となりました。前年同期差の主な要因は、買入債務の増加等により運転資本が良化したことです。投資活動に使用したキャッシュ・フローは800億円(対前年同期差337億円増)となりました。前年同期差の主な要因は、保有株式の売却による収入が前年に比べて減少したことです。この結果、フリーキャッシュ・フロー(営業活動及び投資活動に関するキャッシュ・フローの合計)は、873億円(対前年同期差279億円減)となりました。
また、財務活動に使用したキャッシュ・フローは782億円(対前年同期差920億円減)となりました。前年同期差の主な要因は、配当金支払額の増加の一方で、有利子負債返済額が減少したことです。
これらに為替変動の影響を加味した結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物の残高は6,346億円(対前連結会計年度末差421億円増)となりました。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、2,241億円(対前年同期比2%減)です。当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 設備投資
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の設備投資(有形固定資産のみ)は、940億円(対前年同期比7%増)です。
(7) 減価償却費
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の減価償却費(有形固定資産のみ)は、1,151億円(対前年同期比17%減)です。
(8) 従業員数
当第2四半期連結会計期間末の従業員数(就業人員数)は、262,952人(対前連結会計年度末差8,837人減)です。
(9) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は創業以来、「事業活動を通じて、世界中の人々のくらしの向上と、社会の発展に貢献する」という経営理念をすべての活動の指針として、事業を進めてまいりました。今後も、お客様一人ひとりに対して「いいくらし」を提案し拡げていくなかで、株主や投資家、お客様、取引先、従業員をはじめとするすべての関係者の皆様にご満足いただけるよう、持続的な企業価値の向上に努めてまいります。
当社は、当社株式の大規模な買付行為がなされた場合にこれを受け入れるかどうかは、最終的には、株主の皆様の判断に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、大規模な買付行為のなかには、株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報が十分に提供されない場合や、その目的などからみて、企業価値・株主全体の利益を著しく侵害するおそれがある場合もあり得ます。当社は、そのような場合には、当社株主全体の正当な利益を保護するために相当かつ適切な対応をとることが必要であると考えております。
②基本方針の実現のための具体的な取り組み
(a)基本方針の実現に資する特別な取り組み
従来からの、お客様のくらしに寄り添う「家電のDNA」を継承しながら、様々なパートナーと共に、お客様の「いいくらし」を追求し拡げていく、こうした姿の実現を目指して、平成25年度から新たな中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(略称CV2015)」をスタートさせております。「CV2015」では、一刻も早く赤字事業を無くし、同時にしっかり将来を見据えて、当社が力強く進んでいける道筋をつけるよう取り組んでおります。具体的には「赤字事業の止血」「財務体質改善」「脱・自前主義による成長・効率化」「お客様からの逆算による成長戦略」を重点施策として位置づけ、お客様とより深くつながり、より大きな価値が提供できる姿を目指しております。
平成25年4月より、事業部制・カンパニー制を導入し、「事業軸」を中心とした経営を進めておりますが、さらにお客様により近い「地域軸からの逆算」の視点を加え、進化させてまいります。具体的には「家電」「住宅関連」「車載」「BtoBソリューション」「デバイス」の5つの事業軸に、「日本」、中南米も含めた「欧米」、そしてアジア・中国・中東・アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせ、経営資源を集中すべき領域を明確にした上で、成長戦略を描いてまいります。
特に、成長余力の大きい海外戦略地域市場を攻略するため、平成26年4月に「戦略地域事業推進本部」を設置いたしました。このように、グループの体制をさらに進化させながら、引き続きスピードを上げて「CV2015」に取り組んでまいります。
(b)基本方針に照らして不適切な者による支配を防止するための取り組み
当社は、平成17年4月28日開催の取締役会において、当社株式の大規模な買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」)の設定を内容とする対応方針(以下、「ESVプラン」)を決定しました。その後、毎年(平成25年は5月10日)の取締役会においてESVプランの継続を決定し、さらに、平成26年4月開催の取締役会においてもESVプランの継続を決議しました。
大規模買付ルールの内容は、特定の株主グループの議決権割合が20%以上となるような当社株式の買付(以下、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」)を行おうとする者に対して、買付行為の前に、(ⅰ)大規模買付者の概要、大規模買付行為の目的および内容、買付対価の算定根拠、買付資金の裏付け、大規模買付行為完了後に意図する当社経営方針および事業計画などの情報提供と、(ⅱ)当社取締役会による適切な評価期間(60日または90日)の確保を要請するものです。当社取締役会は、提供されたこれらの情報をもとに、株主全体の利益の観点から評価・検討を行い、取締役会としての意見を慎重にとりまとめたうえで開示します。また、当社株主の皆様が適切な判断を行うために必要な情報を提供し、必要に応じて大規模買付者との大規模買付行為に関する条件改善の交渉や、株主の皆様への代替案の提示を行ってまいります。
大規模買付ルールが順守されない場合には、株主全体の利益の保護を目的として、株式の分割、新株予約権の発行(新株予約権無償割当てを含む)など、会社法その他の法律および当社定款が取締役会の権限として認める措置をとり、大規模買付行為に対抗することがあります。このルールが順守されている場合は、大規模買付行為が当社に回復しがたい損害をもたらすことが明らかでない限り、当社取締役会の判断のみで大規模買付行為に対抗するための措置をとろうとするものではありません。
対抗措置の発動は、当社取締役会の決定によりますが、その決定に際しては、弁護士、財務アドバイザーなどの外部専門家の意見も参考にし、社外取締役や監査役の意見も十分尊重するものとします。
上記の対抗措置を発動するに際し、当社取締役会が当社株主全体の利益の観点から株主の皆様の意思を確認させていただくことが適切であると判断した場合には、株主総会を開催することといたします。当社取締役会が株主総会を開催することを決定した場合には、その時点で株主総会を開催する旨および開催理由の開示を行います。
具体的な対抗措置については、その時点で相当と認められるものを選択することになります。当社取締役会が具体的対抗措置として一定の基準日現在の株主に対し株式の分割を行う場合の分割比率は、株式の分割1回につき当社株式1株を最大5株にする範囲で決定することとします。また、具体的対抗措置として株主割当てにより新株予約権を発行する場合は、一定の基準日現在の株主に対し、その所有株式1株につき1個の割合で新株予約権を割り当てます。新株予約権1個当たりの目的である株式の数は1株とします。なお、新株予約権を発行する場合には、大規模買付者を含む特定の株主グループに属する者に行使を認めないことを新株予約権の行使条件とするなど、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件や、当社が大規模買付者以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条件を設けることがあります。
対抗措置の発動によって、結果的に、大規模買付ルールを順守しない大規模買付者に経済的損害を含む何らかの不利益を発生させる可能性があります。他方、大規模買付者を除く当社株主の皆様が経済面や権利面で損失を被るような事態は想定しておりませんが、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および金融商品取引所規則に従って、適時適切な開示を行います。
当社は、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任される体制にあります。当社取締役会は、引き続き、法令改正の動向などを踏まえ、当社株主全体の利益の観点から、ESVプランを随時見直してまいります。
ESVプランの詳細については、平成26年4月28日付「当社株式の大規模な買付行為に関する対応方針について(買収防衛策)-ESV(Enhancement of Shareholder Value)プランの概要-」として公表しています。このプレスリリースの全文については、当社ホームページ
(http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/2014/04/jn140428-4/jn140428-4.pdf)
をご参照ください。
③具体的な取り組みに対する取締役会の判断及びその理由
当社の中期経営計画は、当社の企業価値を持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものです。また、ESVプランは、株主全体の利益を保護するという観点から、株主の皆様に、大規模買付行為を受け入れるかどうかの判断のために必要な情報や、経営を担っている当社取締役会の評価意見を提供し、さらには、代替案の提示を受ける機会を保証することを目的とするものです。
したがって、これらの取り組みは、いずれも①の基本方針に沿い、当社株主全体の利益に合致するものであり、当社取締役・監査役の地位の維持を目的とするものではないと考えております。
(10) 今後適用となる新会計基準
平成26年5月に、米国財務会計基準審議会は、会計基準アップデート2014-09「顧客との契約から生じる収益」を公表しました。同規定は、顧客への財やサービスの移転に係る収益を、企業が財やサービスと交換に権利を得ると見込まれる対価を反映した金額で認識することを要請しており、収益の認識に関する現在の米国会計基準によるガイダンスの多くを置き換えるものです。同規定は、当社においては平成29年4月1日より適用され、早期適用は認められません。同規定は、開示される全ての期間に遡及的に適用する方法、または適用日において適用による利益剰余金等への累積的影響額を調整する方法のいずれかにより適用されます。当社は、いずれの方法により適用するかを含めて、同規定の適用に伴う当社の連結財務諸表への影響について検討中です。