有価証券報告書-第110期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/30 15:03
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有報資料

(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表はIFRSに基づいて作成されています。また、当社は連結財務諸表を作成するために、種々の仮定と見積りを行っています。それらの仮定と見積りは資産・負債・収益・費用の計上金額並びに偶発資産及び債務の開示情報に影響を及ぼします。重要な仮定と見積りは、収益認識、棚卸資産の正味実現可能価額、繰延税金資産の回収可能性、確定給付制度債務の測定、非金融資産(のれんを含む)の減損、企業結合により取得した資産及び引き継いだ負債の公正価値の評価及び開示に反映しています。なお、実際の結果がこれらの見積りと異なることもあり得ます。
重要な会計方針及び見積りの内容は、連結財務諸表の注記3「重要な会計方針」に記載しています。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
平成28年度の世界経済は、米国が堅調な個人消費や設備投資の改善などを背景に回復しつつあり、中国も過度な減速懸念が和らぐなど、概ね緩やかな景気回復が続きました。日本では、個人消費の回復が足踏みを続ける一方、海外経済の改善を背景として輸出や設備投資に持ち直しの動きが見られました。各国の政治や金融政策、為替動向など、経営環境には大きな変化もありましたが、経済全体としては緩やかな回復基調となりました。
このような経営環境のもと、当社グループは、平成28年度を、平成30年度およびその先に目指す姿の実現のための「成長への足場固めの年」と位置づけ、成長事業の仕込みを行ってまいりました。具体的な取り組みとしては、住宅事業では、平成28年4月に当社とパナホーム㈱のリフォームブランドを「Panasonic リフォーム」に統一しました。さらに、パナホーム㈱の普通株式に対する公開買付け及びその後の完全子会社化手続によりパナホーム㈱を当社の完全子会社とすることを発表するなど、両社の経営資源を最大限に活用した事業戦略を推進していきます。また12月には、テスラ社と提携し、太陽電池セルとモジュールを米国で生産することも発表しました。車載事業では、スペインの自動車部品メーカー、フィコサ社を連結子会社化することを平成29年3月に発表しました。今後は両社がより一体となって、電子ミラーをはじめとする協業商品の事業化を加速させていきます。B2B事業では、中核の一つである食品流通事業において米国のハスマン社を買収し、平成28年4月に連結子会社としました。また、12月には、海外での物流ソリューションの拡大を目的として、ベルギーのゼテス社を連結子会社化することを発表しました。このほか、 平成29年3月にパナソニック デバイスSUNX㈱を完全子会社化し、FA機器事業の一層の強化を図っています。
① 売上高
当年度の連結売上高は、円高による影響が大きく、前年度の7兆6,263億円に比べて減少し、7兆3,437億円となりましたが、実質ベースでは増収となりました。国内売上高は、家電販売や車載向け事業は堅調でしたが、住宅用太陽光発電システムの販売が苦戦し、全体ではわずかに減収となりました。海外売上高は、新規連結のハスマン社の寄与に加え、二次電池、メカトロニクスの販売が好調でしたが、為替が影響し、全体では減収となりました。為替の影響を除く実質ベースでは、連結売上高は、前年度比で2%の増収となりました。
地域別売上高については、国内は、前年度の3兆7,004億円に比べて1%減少し、3兆6,591億円となりました。海外は、前年度の3兆9,259億円に比べて6%減少し、3兆6,846億円となりましたが、為替の影響を除く実質ベースでは、前年度比で5%の増加となりました。米州は、1兆2,722億円と前年度から2%増加、実質ベースでも12%の増加となりました。欧州は、6,077億円と前年度から13%減少、実質ベースでも3%の減少となりました。アジア・中国は、1兆8,047億円と前年度から9%減少しましたが、実質ベースでは3%の増加となりました。
② 営業利益
売上原価は、前年度の5兆3,677億円に比べて減少し、5兆1,572億円となりました。また、販売費及び一般管理費は、前年度の1兆8,454億円に比べて減少し、1兆8,429億円となりました。持分法による投資損益は、前年度から微減し、84億円でした。その他の損益は、事業構造改革費用および二次電池やブラウン管等に関する訴訟関連費用が減少したことなどにより、前年度の1,914億円の損失に対して、752億円の損失となりました。
これらの結果、営業利益は、前年度の2,303億円に比べて増加し、2,768億円となりました。将来の成長に向けた先行投資としての固定費増加や、為替の影響がありましたが、合理化取組みの効果や、上述のその他の損益の改善などにより、増益となりました。営業利益率も、前年度の3.0%から良化し、3.8%となりました。
③ 税引前利益
金融収益については、前年度の236億円から減少し、218億円となりました。金融費用については、前年度の264億円から減少し、235億円となりました。
この結果、税引前利益は、前年度の2,275億円に対し、2,751億円となりました。
④ 親会社の所有者に帰属する当期純利益
法人所得税費用は、前年度の363億円に対し、1,027億円となりました。前年度の法人所得税費用には、足元の収益状況の改善および国内連結納税導入の決定による利益の安定性の向上により、パナソニック㈱における繰延税金資産の回収可能性を見直したことによる再計上の影響(法人所得税費用の減少)が含まれています。
この結果、親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の1,652億円に対し、1,494億円となりました。また、基本的1株当たり親会社の所有者に帰属する当期純利益は、前年度の71円30銭に対し、64円33銭となりました。
⑤ セグメントの業績
当社グループのセグメントは、「アプライアンス」、「エコソリューションズ」、「AVCネットワークス」、「オートモーティブ&インダストリアルシステムズ」、「その他」の5セグメントで構成されています。セグメントごとの業績は以下のとおりです。なお、平成28年4月1日に、一部の事業をセグメント間で移管しており、以下の分析では、当年度の形態に合わせた前年度数値と比較しています。
a アプライアンス
当セグメントの売上高は、前年度比で2%増加し、2兆3,245億円となりました。
当年度は、国内の家電販売が堅調に推移するとともに、米国ハスマン社の新規連結などにより、全体では増収となりました。
主な事業部の状況では、エアコンカンパニーは、ルームエアコンと大型空調ともに国内では販売を伸ばし、海外ではアジアを中心に好調であったものの、為替の影響により減収となりました。
ランドリー・クリーナー事業部では、ドラム式洗濯乾燥機の新商品を中心に、国内での販売は伸長しましたが、北米市場からの撤退により、減収となりました。
テレビ事業部では、4Kテレビのラインナップを拡大した国内の販売が好調に推移しましたが、欧州市場では販売が伸びず、減収となりました。
冷蔵庫事業部では、高付加価値商品が好調で、国内で販売は伸長し、海外ではアジアで販売を伸ばすも、為替の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,043億円となりました。国内の白物家電や4Kテレビなどの高付加価値商品へのシフトによる収益性改善に加えて、ハスマン社の新規連結などにより、前年度から447億円増加しました。
b エコソリューションズ
当セグメントの売上高は、前年度比で3%減少し、1兆5,457億円となりました。
当年度は、国内の住宅用太陽光発電システムの市場縮小による販売減少と為替の影響により、全体では減収となりました。
主な事業部の状況では、ハウジングシステム事業部は、材料調達に一部支障をきたし、内装建材は伸びなやみましたが、一方、水まわり設備、外装建材が好調で、前年度並みの販売となりました。
エナジーシステム事業部では、太陽光発電の電力買取り価格引下げによって国内市場が縮小したことなどにより、減収となりました。今後の太陽電池事業の拡大に向け、米国電気自動車メーカーとの協業をスタートさせました。
ライティング事業部では、国内はオフィスや学校など様々な施設向けの販売拡大、海外では中国での販売が伸長し、LED照明器具などの機器事業は増収となりましたが、国内既存光源の市場縮小、欧米デバイス事業の販売減少により、減収となりました。
パナソニック エコシステムズ㈱では、中国における空気清浄機と換気システムの販売、北米における換気システムの販売が好調でしたが、為替の影響により、減収となりました。
また、介護サービス拠点数の拡大に伴いエイジフリー事業が伸長しました。
当セグメントの営業利益は、625億円となりました。ハウジングシステム事業、ライティング事業が増益を達成した一方で、国内住宅用太陽光発電システムの販売減少が影響し、前年度から138億円減少しました。
c AVCネットワークス
当セグメントの売上高は、前年度比で11%減少し、1兆407億円となりました。
当年度は、航空機内エンターテインメントシステムにおいて既存機体の内装替え特需があった前年度からの反動や、固定電話・従来型アナログPBX(構内交換機)の市場縮小、さらには為替や熊本地震の影響を受けて、全体では減収となりました。
主な事業の状況では、ソリューション事業は、業界特化の取り組みが好調で、国内の流通・物流や公共、海外では北米のエンターテインメント業界を中心に販売が伸長したものの、前年度の特需反動や為替の影響が大きく、減収となりました。
映像・イメージング事業では、高付加価値商品のミラーレス一眼・高級コンパクトカメラ、高輝度プロジェクターなどの販売が伸長しましたが、為替や熊本地震の影響により、減収となりました。
モビリティ事業では、ITプロダクツ事業部で、国内向けノートパソコンの販売好調に加え、前年度販売不振であった北米市場が、販売体制の強化や顧客密着型の活動により回復したものの、為替の影響とストレージ事業部の既存商品の減販により、減収となりました。
当セグメントの営業利益は、296億円となりました。高付加価値商品へのシフトにより収益性は向上しましたが、為替の影響や、航空機内エンターテインメントシステムの特需の反動で、前年度から394億円減少しました。
d オートモーティブ&インダストリアルシステムズ
当セグメントの売上高は、前年度比で5%減少し、2兆5,612億円となりました。
当年度は、車載および産業分野への事業転換が着実に進展しましたが、為替の影響により、全体では減収となりました。
主な事業の状況では、オートモーティブ事業は、グローバル市場での自動車販売の好調を受け、車載カメラやセンサー、スイッチなどの電装品の販売が伸長しましたが、為替の影響により減収となりました。カーナビなどのインフォテインメントシステムの販売は、欧州などで低調であったものの、国内および中国での販売が好調でした。
エナジー事業では、米国電気自動車メーカー向けリチウムイオン電池の販売が好調に推移し、増収となりました。
インダストリアル事業では、車載リレーやモーター、電子材料など車載・産業向け商品の販売が伸長したものの、テレビ用液晶パネル事業からの撤退などが影響して、減収となりました。
ファクトリーソリューション事業では、実装機のみならず、検査機などの周辺機器まで含めた工程全体を管理する一貫ライン・システムにもビジネスが拡がりましたが、為替の影響により減収となりました。
当セグメントの営業利益は、1,093億円となりました。為替の影響はあったものの、インダストリアル事業を中心とした車載・産業向け増販益の拡大などにより、前年度から591億円増加しました。
e その他
当セグメントの売上高は、前年度比で1%増加し、6,566億円となりました。
当年度は、パナホーム㈱では、新築請負事業でネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの推進や多層階住宅の販売促進、賃貸アパートの受注が堅調であったことに加え、分譲戸建てやマンション販売も堅調に推移し、増収となりました。
当セグメントの営業利益は80億円となりました。パナホーム㈱の固定費増加の影響などにより、前年度から61億円減少しました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」に記載しています。
(4)財政状態及び流動性
① 流動性と資金の源泉
当社グループでは、事業活動に必要な資金は自ら生み出すことを基本方針としております。また、生み出した資金については、グループ内ファイナンスにより効率的な資金活用を行っています。その上で、運転資金や事業投資などのため所要の資金が生じる場合には、財務体質や金融市場の状況を踏まえた適切な手段により外部からの資金調達を行っています。
(資金)
当年度末の現金及び現金同等物残高は、前年度末の1兆127億円から増加し、1兆2,708億円となりました。
(有利子負債)
有利子負債は、社債発行等により、前年度末の7,248億円から当年度末には1兆1,240億円へ増加しました。
(格付け)
当社は、㈱格付投資情報センター(R&I)、スタンダード&プアーズ・レーティング・ジャパン㈱(S&P)、およびムーディーズ・ジャパン㈱(ムーディーズ)から格付けを取得しています。当年度末の当社の格付けは、次のとおりです。
R&I:A (長期、アウトルック:安定的)、a-1 (短期)
S&P:A-(長期、アウトルック:安定的)、A-2 (短期)
ムーディーズ:A3 (長期、アウトルック:安定的)
② キャッシュ・フロー
当社グループは、事業収益力強化によりフリーキャッシュ・フローを向上させ、中長期的に事業を発展させていくことが重要と考えています。同時に、継続的な運転資本の圧縮、保有資産の見直しなどによるキャッシュ・フローの創出にも徹底して取り組んでいます。
当年度の営業活動により増加したキャッシュ・フローは3,854億円、投資活動により減少したキャッシュ・フローは4,201億円となり、両者を合計したフリーキャッシュ・フローは、マイナス347億円(対前年度差1,603億円減)となりました。フリーキャッシュ・フローの前年度差の主な要因は、前年度に運転資本の大幅な減少があったことや、今年度のハスマン社の取得によるものです。
なお、キャッシュ・フローの分析の詳細については、「1 業績等の概要」に記載しています。
③ 設備投資額と減価償却費
当社グループは、将来の成長に向けて、重点事業を中心に投資を着実に行っていくという考え方のもと、設備投資を行っています。
当年度の設備投資額(有形固定資産のみ)については、前年度の2,529億円から23%増加し、3,116億円となりました。主要な設備投資は、車載用リチウムイオン電池の生産設備(米国)です。
減価償却費(有形固定資産のみ)は、前年度の2,382億円から6%減少し、2,244億円となりました。
④ 資産、負債及び資本
当社グループの当年度の連結総資産は、前年度末から4,949億円増加し、5兆9,830億円となりました。これは、ハスマン社の取得に伴うのれんなどの非流動資産の増加や、社債発行に伴う現金及び現金同等物の増加などによるものです。
負債は、普通社債の発行などにより前年度末に比べ3,822億円増加し、4兆2,230億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分は、円高などに伴うその他の資本の構成要素の悪化はありましたが、当期純利益の計上などにより前年度末に比べ1,274億円増加し、1兆5,719億円となりました。この結果、親会社所有者帰属持分比率は前年度末と同水準の26.3%となりました。また、親会社の所有者に帰属する持分に非支配持分を加味した資本合計は1兆7,599億円となりました。

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