有価証券報告書-第106期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、豪雨や震災などの自然災害の影響により一部消費の停滞が見られたものの、良好な企業収益のもと設備投資の増加に加えて、雇用・所得環境の改善によって個人消費も持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては米中の貿易摩擦や英国のEU離脱問題など、政治的な不確実性や世界経済の減速懸念から為替・株式への不安も拡大しており、先行きについては不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社は2016年5月に作成した「2016中期事業計画」の最終年度として、当初の基本方針を踏まえながら、受注確保に向けた競争力強化と収益改善に向けた体質強化を過年度の振り返りに基づく注力施策として全社一丸で取り組んできました。具体的には、受注確保に向けては、「大型更新需要の確実な取り込み」、「優位性のある未開拓市場への拡販」、「宇宙分野の信頼向上と受注回復」に積極的に取り組んでおります。また、収益改善に向けては、「プロジェクト遂行能力の強化」により損失を抑制し、「リソース活用の効率化の徹底」で生産性の向上や費用効率の最大化を進めてきました。
その結果、当連結会計年度の売上高は前期比126百万円(1.9%)増加の6,653百万円となりました。
営業利益は、前期に比べ 267百万円改善し291百万円となり、同じく、経常利益は前期に比べ266百万円改善して286百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記利益に加えて、当期の業績や今後の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について繰延税金資産を計上したこと等による、法人税等調整額(益)25百万円の計上などから前期に比べ247百万円の改善の256百万円となっております。
総資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円(0.1%)減少し10,360百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて271百万円(5.4%)減少し4,738百万円となりました。
また、純資産は、前連結会計年度末に比べて257百万円(4.8%)増加し5,621百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(注)営業利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費、予算と実績の調整差額であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ147百万円減少し309百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動により得られた資金は173百万円となりました(前連結会計年度に得られた資金は717百万円です)。主な資金の増加項目は、税金等調整前当期純利益277百万円、減価償却費の計上294百万円で、主な資金の減少項目は、売上債権の増加184百万円、たな卸資産の増加142百万円によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動により支出した資金は112百万円となりました(前連結会計年度に支出した資金は171百万円です)。これは主に、有形固定資産の取得による支出101百万円によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動により支出した資金は208百万円となりました(前連結会計年度に支出した資金は238百万円です)。これは主に、短期借入金の減少による支出216百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、製品保証引当金、受注損失引当金、賞与引当金、退職給付引当金、環境対策引当金およびたな卸資産の評価等であり継続的に評価を行っています。なお、見積りおよび判断・評価は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる基準によっていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は相違する場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当連結会計年度の経営成績の分析)
1. 売上高
当連結会計年度の売上高は、主に気象防災事業における高速道路用気象観測設備や新幹線向け地震観測設備、ダム放流警報装置等が増加し、前連結会計年度比1.9%増加の6,653百万円となりました。そのうち気象防災事業は、全体の72.8%で4,846百万円となり(前連結会計年度は全体の64.6%で4,217百万円)、宇宙防衛事業は、全体の27.2%で1,806百万円となりました(前連結会計年度は全体の35.4%で2,309百万円)。
2. 売上原価
売上原価は5,190百万円であり、前連結会計年度に比べ105百万円(△2.0%)減少しました。これは、気象防災事業において売上高の増加に加えて一部費用削減による採算改善や宇宙防衛事業における、前期の原価悪化要因であった長工期案件の収束によるものです。売上原価率は78.0%(前連結会計年度は81.1%)となり製造原価等の改善により対前連結会計年度と比べ3.1%改善しています。
3. 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は1,171百万円であり、諸経費等の縮減により前連結会計年度に比べ35百万円(△3.0%)減少しました。売上高に対する比率は17.6%(前連結会計年度は18.5%)となっています。
4. 営業利益
上述のとおり、製造原価や販売費及び一般管理費の改善により、前連結会計年度に比べ、267百万円増益の291百万円となりました(前連結会計年度は営業利益23百万円)。
5. 営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ2百万円増加、営業外費用は前連結会計年度に比べ4百万円の増加となりました。営業外損益の合計では5百万円の損失で前連結会計年度に比べ1百万円の利益の減少となっていますがこれは主に支払手数料の増加の影響によるものです。
6. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記利益の増加に加えて、当期の業績や今後の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について繰延税金資産を計上したこと等による、法人税等調整額(益)25百万円の計上などから前連結会計年度に比べ、247百万円改善の256百万円となりました(前連結会計年度は9百万円)。
(当連結会計年度の財政状態の分析)
1. 資産の部
流動資産は、前連結会計年度末に比べて127百万円(2.0%)増加し6,440百万円となりました。主な増加の
内訳は、仕掛品99百万円、受取手形及び売掛金184百万円で、主な減少の内訳は、現金及び預金147百万円、原
材料及び貯蔵品19百万円です。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて140百万円(3.5%)減少し3,919百万円となりました。主な増加の
内訳は、リース資産(有形)7百万円、繰延税金資産22百万円で、主な減少の内訳は機械装置及び運搬具60百
万円、有形固定資産その他(備品・計測器等)98百万円です。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円(0.1%)減少し10,360百万円となりました。
2. 負債の部
流動負債は、前連結会計年度末に比べて228百万円(8.0%)減少し2,622百万円となりました。主な増加の
内訳は、賞与引当金30百万円で、主な減少の内訳は短期借入金216百万円、受注損失引当金89百万円です。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて42百万円(2.0%)減少し2,115百万円となりました。増加の内訳は
リース債務0百万円で、減少の内訳は退職給付に係る負債40百万円です。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて271百万円(5.4%)減少し4,738百万円となりました。
3. 純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて257百万円(4.8%)増加し5,621百万円となりました。主として
、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が262百万円増加したことによる影響です。純資産
が増加したことに加え、総資産も減少したため、自己資本比率は前連結会計年度末の51.7%から2.6ポイント上
昇し54.3%となっております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
④資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要の主な内容は、製品製造のための材料購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等です。また、設備資金需要の主な内容は、製品製造および生産性や品質向上、維持更新のための設備投資です。
このような資金需要に対し、当社は、資金調達の一環として金融機関数社と一定の借越枠を設定した当座借越契約を締結しております。また、IHIグループの連結経営強化のため、財務機能の一元化による資金の効率化を図ることを目的として、グループで導入しているキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)に加盟しております。
当連結会計年度のキャッシュフローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュフローの状況」に記載のとおりです。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は製品の区分別のセグメントから構成されており、製品・サービス等の内容に基づき、複数の事業セグ
メントに集約した上で、「気象防災事業」及び「宇宙防衛事業」の2つを報告セグメントとしております。セ
グメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。なお、セグメントごと
の財政状態につきましては、当社は事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。
<気象防災事業>気象防災事業については、受注高は更新需要の回復傾向の中、前期に比較して堅調に増加しております。売
上高は、前期での海外向けラジオゾンデiMS-100や航空管制通信制御装置改修等大口案件の反動を受け
て高層気象分野や航空管制分野で減少しているものの、地上気象分野での高速道路用気象観測設備や防災分野
での新幹線向け地震観測設備、水管理分野でのダム放流警報装置等が増加しており、合計で628百万円増加して
4,846百万円となりました。売上高全体に占める割合は72.8%となっております。営業利益は、売上高の増加
に加えて一部費用削減による採算改善効果などで187百万円改善し、228百万円の営業利益となっております。
<宇宙防衛事業>宇宙防衛事業については、受注高は消費税率引き上げに伴う経過措置の適用の影響で前期を大きく上回って
おります。しかしながら売上高は、MMX(火星衛星探査計画)やJUICE(木星氷衛星探査計画ガニメデ周
回衛星)関係、SLIM(小型月着陸実証機)航法・分光カメラ等の衛星搭載機器のユーザーの計画見直しなどに
より翌期以降への期ズレが多く発生しており、全体では502百万円減少して1,806百万円となりました。売上高
全体に占める割合は27.2%となっています。営業利益は、売上高減少の影響はあるものの、前期において原価
悪化要因であった過去契約の長工期案件の製造・試験段階での技術課題の発現が収束したことから、前期に
比べて70百万円改善の107百万円の営業利益となりました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、豪雨や震災などの自然災害の影響により一部消費の停滞が見られたものの、良好な企業収益のもと設備投資の増加に加えて、雇用・所得環境の改善によって個人消費も持ち直しの動きが見られ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方、海外においては米中の貿易摩擦や英国のEU離脱問題など、政治的な不確実性や世界経済の減速懸念から為替・株式への不安も拡大しており、先行きについては不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社は2016年5月に作成した「2016中期事業計画」の最終年度として、当初の基本方針を踏まえながら、受注確保に向けた競争力強化と収益改善に向けた体質強化を過年度の振り返りに基づく注力施策として全社一丸で取り組んできました。具体的には、受注確保に向けては、「大型更新需要の確実な取り込み」、「優位性のある未開拓市場への拡販」、「宇宙分野の信頼向上と受注回復」に積極的に取り組んでおります。また、収益改善に向けては、「プロジェクト遂行能力の強化」により損失を抑制し、「リソース活用の効率化の徹底」で生産性の向上や費用効率の最大化を進めてきました。
その結果、当連結会計年度の売上高は前期比126百万円(1.9%)増加の6,653百万円となりました。
営業利益は、前期に比べ 267百万円改善し291百万円となり、同じく、経常利益は前期に比べ266百万円改善して286百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、上記利益に加えて、当期の業績や今後の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について繰延税金資産を計上したこと等による、法人税等調整額(益)25百万円の計上などから前期に比べ247百万円の改善の256百万円となっております。
総資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円(0.1%)減少し10,360百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて271百万円(5.4%)減少し4,738百万円となりました。
また、純資産は、前連結会計年度末に比べて257百万円(4.8%)増加し5,621百万円となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
| 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) | |||||
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 気象防災事業 | 4,217 | 4,846 | 628 | 41 | 228 | 187 |
| 宇宙防衛事業 | 2,309 | 1,806 | △502 | 37 | 107 | 70 |
| 調整額(注) | - | - | - | △54 | △44 | 9 |
| 合計 | 6,527 | 6,653 | 126 | 23 | 291 | 267 |
(注)営業利益の調整額は、各報告セグメントに配分していない全社費用であります。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費、予算と実績の調整差額であります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」)は、前連結会計年度末に比べ147百万円減少し309百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動により得られた資金は173百万円となりました(前連結会計年度に得られた資金は717百万円です)。主な資金の増加項目は、税金等調整前当期純利益277百万円、減価償却費の計上294百万円で、主な資金の減少項目は、売上債権の増加184百万円、たな卸資産の増加142百万円によるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動により支出した資金は112百万円となりました(前連結会計年度に支出した資金は171百万円です)。これは主に、有形固定資産の取得による支出101百万円によるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動により支出した資金は208百万円となりました(前連結会計年度に支出した資金は238百万円です)。これは主に、短期借入金の減少による支出216百万円によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| 気象防災事業 | 5,085,180 | 24.7 |
| 宇宙防衛事業 | 1,686,306 | △29.1 |
| 合計 | 6,771,487 | 4.8 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| 気象防災事業 | 5,136,883 | 6.9 | 1,990,167 | 15.1 |
| 宇宙防衛事業 | 2,754,321 | 26.7 | 2,022,840 | 89.6 |
| 合計 | 7,891,205 | 13.1 | 4,013,008 | 43.5 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| 気象防災事業 | 4,846,310 | 14.9 |
| 宇宙防衛事業 | 1,806,859 | △21.8 |
| 合計 | 6,653,170 | 1.9 |
(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社IHI | 519,828 | 8.0 | 649,999 | 9.8 |
| 株式会社IHIエアロスペース | 677,083 | 10.4 | 239,534 | 3.6 |
| 宇宙航空研究開発機構 | 660,900 | 10.1 | 673,883 | 10.1 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に貸倒引当金、製品保証引当金、受注損失引当金、賞与引当金、退職給付引当金、環境対策引当金およびたな卸資産の評価等であり継続的に評価を行っています。なお、見積りおよび判断・評価は、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる基準によっていますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は相違する場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(当連結会計年度の経営成績の分析)
1. 売上高
当連結会計年度の売上高は、主に気象防災事業における高速道路用気象観測設備や新幹線向け地震観測設備、ダム放流警報装置等が増加し、前連結会計年度比1.9%増加の6,653百万円となりました。そのうち気象防災事業は、全体の72.8%で4,846百万円となり(前連結会計年度は全体の64.6%で4,217百万円)、宇宙防衛事業は、全体の27.2%で1,806百万円となりました(前連結会計年度は全体の35.4%で2,309百万円)。
2. 売上原価
売上原価は5,190百万円であり、前連結会計年度に比べ105百万円(△2.0%)減少しました。これは、気象防災事業において売上高の増加に加えて一部費用削減による採算改善や宇宙防衛事業における、前期の原価悪化要因であった長工期案件の収束によるものです。売上原価率は78.0%(前連結会計年度は81.1%)となり製造原価等の改善により対前連結会計年度と比べ3.1%改善しています。
3. 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は1,171百万円であり、諸経費等の縮減により前連結会計年度に比べ35百万円(△3.0%)減少しました。売上高に対する比率は17.6%(前連結会計年度は18.5%)となっています。
4. 営業利益
上述のとおり、製造原価や販売費及び一般管理費の改善により、前連結会計年度に比べ、267百万円増益の291百万円となりました(前連結会計年度は営業利益23百万円)。
5. 営業外損益
営業外収益は、前連結会計年度に比べ2百万円増加、営業外費用は前連結会計年度に比べ4百万円の増加となりました。営業外損益の合計では5百万円の損失で前連結会計年度に比べ1百万円の利益の減少となっていますがこれは主に支払手数料の増加の影響によるものです。
6. 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、上記利益の増加に加えて、当期の業績や今後の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について検討した結果、回収可能性が見込まれる部分について繰延税金資産を計上したこと等による、法人税等調整額(益)25百万円の計上などから前連結会計年度に比べ、247百万円改善の256百万円となりました(前連結会計年度は9百万円)。
(当連結会計年度の財政状態の分析)
1. 資産の部
流動資産は、前連結会計年度末に比べて127百万円(2.0%)増加し6,440百万円となりました。主な増加の
内訳は、仕掛品99百万円、受取手形及び売掛金184百万円で、主な減少の内訳は、現金及び預金147百万円、原
材料及び貯蔵品19百万円です。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて140百万円(3.5%)減少し3,919百万円となりました。主な増加の
内訳は、リース資産(有形)7百万円、繰延税金資産22百万円で、主な減少の内訳は機械装置及び運搬具60百
万円、有形固定資産その他(備品・計測器等)98百万円です。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて13百万円(0.1%)減少し10,360百万円となりました。
2. 負債の部
流動負債は、前連結会計年度末に比べて228百万円(8.0%)減少し2,622百万円となりました。主な増加の
内訳は、賞与引当金30百万円で、主な減少の内訳は短期借入金216百万円、受注損失引当金89百万円です。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて42百万円(2.0%)減少し2,115百万円となりました。増加の内訳は
リース債務0百万円で、減少の内訳は退職給付に係る負債40百万円です。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて271百万円(5.4%)減少し4,738百万円となりました。
3. 純資産の部
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて257百万円(4.8%)増加し5,621百万円となりました。主として
、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が262百万円増加したことによる影響です。純資産
が増加したことに加え、総資産も減少したため、自己資本比率は前連結会計年度末の51.7%から2.6ポイント上
昇し54.3%となっております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」に記載のとおりです。
④資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの運転資金需要の主な内容は、製品製造のための材料購入のほか、労務費、製造経費、販売費及び一般管理費等です。また、設備資金需要の主な内容は、製品製造および生産性や品質向上、維持更新のための設備投資です。
このような資金需要に対し、当社は、資金調達の一環として金融機関数社と一定の借越枠を設定した当座借越契約を締結しております。また、IHIグループの連結経営強化のため、財務機能の一元化による資金の効率化を図ることを目的として、グループで導入しているキャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)に加盟しております。
当連結会計年度のキャッシュフローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュフローの状況」に記載のとおりです。
⑤セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は製品の区分別のセグメントから構成されており、製品・サービス等の内容に基づき、複数の事業セグ
メントに集約した上で、「気象防災事業」及び「宇宙防衛事業」の2つを報告セグメントとしております。セ
グメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。なお、セグメントごと
の財政状態につきましては、当社は事業セグメントに資産を配分していないため記載しておりません。
<気象防災事業>気象防災事業については、受注高は更新需要の回復傾向の中、前期に比較して堅調に増加しております。売
上高は、前期での海外向けラジオゾンデiMS-100や航空管制通信制御装置改修等大口案件の反動を受け
て高層気象分野や航空管制分野で減少しているものの、地上気象分野での高速道路用気象観測設備や防災分野
での新幹線向け地震観測設備、水管理分野でのダム放流警報装置等が増加しており、合計で628百万円増加して
4,846百万円となりました。売上高全体に占める割合は72.8%となっております。営業利益は、売上高の増加
に加えて一部費用削減による採算改善効果などで187百万円改善し、228百万円の営業利益となっております。
<宇宙防衛事業>宇宙防衛事業については、受注高は消費税率引き上げに伴う経過措置の適用の影響で前期を大きく上回って
おります。しかしながら売上高は、MMX(火星衛星探査計画)やJUICE(木星氷衛星探査計画ガニメデ周
回衛星)関係、SLIM(小型月着陸実証機)航法・分光カメラ等の衛星搭載機器のユーザーの計画見直しなどに
より翌期以降への期ズレが多く発生しており、全体では502百万円減少して1,806百万円となりました。売上高
全体に占める割合は27.2%となっています。営業利益は、売上高減少の影響はあるものの、前期において原価
悪化要因であった過去契約の長工期案件の製造・試験段階での技術課題の発現が収束したことから、前期に
比べて70百万円改善の107百万円の営業利益となりました。