四半期報告書-第51期第3四半期(令和4年7月1日-令和4年9月30日)

【提出】
2022/11/10 9:27
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当社グループは、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しています。
収益認識会計基準等の適用により、従来は営業外費用に計上していた売上割引については、売上高の控除項目へ変更しています。この変更により、売上高及び営業利益は減少しますが、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益及びキャッシュ・フローに影響はありません。
「業績の状況」における当第3四半期連結累計期間の各数値は、収益認識会計基準等を適用した後の数値となっていることから、前第3四半期連結累計期間と比較した前年同期比は記載せず、ご理解の一助のため、2021年12月期と同様の基準で試算した前期比較を調整後前年同期比として記載しています。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間における当社グループを取り巻く世界経済は、新型コロナウイルス感染症の感染者数が一定程度抑制され、社会経済活動が正常化に向かう一方で、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、世界的な物価上昇、急激な為替や金利の変動など、特に当第3四半期以降においては、景気の下振れリスクが強く意識される状況となりました。また中国においては、上海ロックダウンからの持ち直しに弱さがみられ、特に不透明感の高い状況で推移しました。
電子楽器事業を取り巻く環境は、全体としてはコロナ禍をきっかけとした新しいLifestyleの定着を背景とし、コロナ前より一段切りあがった販売水準が継続しました。調達、供給面においても様々な取り組みにより、コロナ影響の最悪期からは徐々に改善に向かい、受注残の減少も順調に進みました。一方でコスト面においては、海上輸送費や原材料価格が想定以上に高止まりしましたが、各国の市場状況、競合状況を注視しながら、継続的に価格適正化にも取り組みました。
また当社では、ドラム事業の更なる成長に向け、9月12日付にて、当社連結子会社であるRoland Drum Corporationが、米国Drum Workshop, inc.社の全発行済株式を取得し完全子会社化することを発表し、10月3日付にて取得手続きを完了しました。電子ドラムとアコースティックドラムの両主要ブランドによる本パートナーシップにより、新たなドラム市場の創造を目指していきます。なお、同社の子会社化に伴う当社連結業績への取り込みについては、第4四半期からとなる見込みですが、その影響は軽微であると見込まれるため、業績予想の修正は行いません。今後開示すべき事項が発生しましたら速やかにお知らせします。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、64,622百万円(調整後前年同期比7.6%増)となりました。損益につきましては、営業利益は6,288百万円(調整後前年同期比28.2%減)、経常利益は5,872百万円(前年同期比34.3%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は5,075百万円(前年同期比34.4%減)となりました。
製品カテゴリーごとの販売状況は以下のとおりです。
【鍵盤楽器】売上高20,820百万円(調整後前年同期比13.1%増)
主要カテゴリーでは、電子ピアノは、ステイホームを契機に顕在化した需要が、引き続きコロナ前よりも高いレベルで継続しました。一方欧州では、特に低価格帯製品について、物価高騰等による需要の減少も見られました。
【管打楽器】売上高13,953百万円(調整後前年同期比3.0%減)
主要カテゴリーでは、電子ドラムは、中国ロックダウン影響及び一部新製品の発売遅延もあり、販売は想定を下回りました。
電子管楽器は、引き続き市場への注目度は高い状況が継続していますが、一部製品の供給不足や、主力市場である中国でのロックダウン影響を受けました。
【ギター関連機器】売上高16,108百万円(調整後前年同期比10.2%増)
主要カテゴリーでは、ギターエフェクトは、前期発売したルーパー・シリーズや、コンパクトエフェクターの「技クラフト」シリーズ、今期発売したマルチ・エフェクター等が好調に推移しました。
楽器用アンプは、中国においてはロックダウン影響によりドラム用アンプを中心に苦戦しましたが、ギター関連機器全体としては堅調な販売が継続しました。
【クリエーション関連機器&サービス】売上高8,793百万円(調整後前年同期比15.4%増)
主要カテゴリーでは、シンセサイザーは、中高価格帯において供給不足が継続しましたが、コンパクトサイズのステージピアノ等が引き続き好調に推移しました。
ダンス&DJ関連製品では、本格的なエレクトロニック・ミュージックを気軽に楽しめる小型のガジェット機器を中心に好調に推移しました。また前期第4四半期に発売した、ロングセラーを続けるサンプラーの最新モデル等の販売も引き続き想定を上回りました。
ソフトウエア/サービス分野では、ソフトウエア音源等を定額会費で提供するサービス、Roland Cloudにおいて、新たなソフトシンセやサウンドコンテンツの提供を継続的に行いました。また、エフェクターやアンプのセッティングをユーザー同士で共有できるオンラインサービスやピアノレッスンアプリの提供を開始しました。
【映像音響機器】売上高2,950百万円(調整後前年同期比4.7%減)
主要カテゴリーでは、ビデオ関連製品は、各国のイベント需要は回復傾向にあるものの、パーツ不足の影響により十分な供給ができず苦戦しました。V-MODAブランド製品は、新製品の販売が想定を下回りました。
(2) 財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比較して15,787百万円増加し、68,594百万円となりました。その主な要因は、売上債権が4,301百万円、棚卸資産が10,668百万円それぞれ増加したことによるものです。
負債は、前連結会計年度末と比較して12,056百万円増加し、36,206百万円となりました。その主な要因は、借入金が11,237百万円増加したことによるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して3,731百万円増加し、32,387百万円となりました。その主な要因は、配当金の支払いにより剰余金が4,082百万円減少した一方で、自己株式の取得などにより純資産の部の控除科目である自己株式が1,939百万円、主要国通貨に対する円安進行により為替換算調整勘定が4,698百万円増加し、また親会社株主に帰属する四半期純利益が5,075百万円あったことによるものです。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して6.9ポイント減少し、46.8%となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結累計期間において現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、579百万円減少(前年同期は2,044百万円減少)し、期末残高は8,201百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、主として運転資金の増加等により、3,934百万円(前年同期に得られた資金は4,207百万円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、主として有形固定資産の取得による支出により、791百万円(前年同期に使用した資金は545百万円)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間において財務活動の結果得られた資金は、主として自己株式の取得による支出や配当金の支払があったものの、借入金の増加により、4,953百万円(前年同期に使用した資金は5,535百万円)となりました。
(4) 経営方針、経営戦略及び対処すべき課題等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略及び対処すべき課題等について重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は3,039百万円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。