四半期報告書-第77期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に対して14億円増加し、1兆347億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が有形固定資産・無形資産の取得や配当金の支払などにより250億円減少した一方で、棚卸資産の増加156億円、有形固定資産および無形資産の増加49億円や、その他の流動資産およびその他の非流動資産の増加48億円があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して55億円減少し、5,127億円となりました。これは主に、その他の流動負債の増加62億円があった一方で、流動負債および非流動負債の引当金の減少132億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して70億円増加し5,197億円となりました。これは主に、配当金の支払112億円がありましたが、円安進行にともなう在外営業活動体の換算差額の増加を主因とするその他の資本の構成要素の増加56億円、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する四半期利益111億円の計上および確定給付制度の再測定11億円により増加したことなどによるものです。
②経営成績
当第1四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に着実に回復が続きました。欧州は緩やかに回復しました。また、中南米も回復していますが、アルゼンチンやブラジルでは通貨安に加えて、ブラジルでのトラック運転手によるストライキ等の経済的混乱が発生し、回復の速度は鈍化しています。中国は持ち直しの動きが続いていましたが、米国との貿易摩擦が懸念材料となっています。日本では、着実な雇用情勢・所得情勢の改善を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調が続きました。
当第1四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ109.06円および130.09円と前年同期に比べ、米ドルは2%の円高、ユーロは7%の円安に推移しました。
このような状況の中、売上収益は、プリンティングソリューションズ事業セグメントのインクジェットプリンター大容量インクタンクモデル、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの液晶プロジェクター、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの半導体などの増加により、2,604億円(前年同期比2.2%増)となりました。事業利益(※)は、増収および為替のプラス効果などによる増加はあったものの、将来成長に向けた戦略的な費用投下や、プリンティングソリューションズ事業セグメントでのインクカートリッジ減収影響およびベンダー火災に起因するインクカートリッジモデル本体生産の第2四半期へのシフトにともなう費用発生の後ろ倒しがあった前年同期と比較し、当期は通常の本体生産にともなう費用発生であることから減益となり、146億円(同12.7%減)となりました。営業利益は134億円(同8.2%減)、税引前利益は143億円(同0.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は111億円(同9.4%増)となりました。
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業の売上収益は増加となりました。インクジェットプリンター本体は、インクカートリッジモデルが競合他社によるプロモーションが激しくなる中でも、必要以上のプロモーションを抑制して価格維持を図ったことなどから減少となった一方、大容量インクタンクモデルは新興国、先進国ともに好調な販売が継続し、大幅な増加となったことから、全体では売上増加となりました。消耗品は、大容量インクタンクモデル用ボトルは増加しましたが、コンシューマー向けインクカートリッジモデル本体稼働台数の減少影響によるインクカートリッジ減少により、売上減少となりました。
プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は減少となりました。大判インクジェットプリンターは、成長市場であるサイネージ、テキスタイルおよびラベル分野は堅調に推移しましたが、フォト・グラフィックス分野が競合他社のプロモーション影響を受けて減少となったことから、全体では前期並みとなりました。POSシステム関連製品は、北米における案件の後ろ倒し等により、売上減少となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、大容量インクタンクモデルの増収および為替のプラス効果がありましたが、インクカートリッジ減収影響およびベンダー火災に起因するインクカートリッジモデル本体生産の第2四半期へのシフトにともなう費用発生の後ろ倒しがあった前年同期と比較し、当期は通常の本体生産にともなう費用発生であることから、減益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1,666億円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は179億円(同19.0%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は増加となりました。液晶プロジェクターが、サッカーワールドカップ開催にともなう需要増により増加したことに加え、高光束分野におけるレーザー光源搭載モデル等の高付加価値製品の販売数量増加によるモデルミックス改善により、増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、増収および為替のプラス効果もあり、増益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は514億円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は71億円(同35.5%増)となりました。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業の売上収益は、ウオッチ市場が低調に推移したことにより、減少となりました。
ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は、ICハンドラーが前年同期のモバイル機器関連向けの高い需要に対して減少したものの、産業用ロボットで中国を中心としたロボット需要を取り込み増加となったことに加え、為替のプラス効果もあり、増加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は増加となりました。水晶デバイスは、モバイル市場の成長鈍化による数量減に加え、需要が低・中価格帯へ移行したことによる価格下落により、減少となりました。半導体は、市場の需要増による販売数量の増加により増加となりました。
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益は、水晶デバイスの減収影響および為替のマイナス影響により、減益となりました。
以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は431億円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は17億円(同25.3%減)となりました。
(その他)
その他の売上収益は2億円(前年同期比6.4%減)、セグメント損失は1億円(前年同期は1億円のセグメント損失)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△120億円(前年同期の調整額は△128億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、104億円の収入(前年同期は16億円の収入)となりました。これは四半期利益が112億円であったのに対し、棚卸資産の増加125億円や法人所得税の支払66億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上133億円、仕入債務の増加50億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出232億円などがあったことにより、258億円の支出(前年同期は183億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払112億円などがあったことにより、102億円の支出(前年同期は92億円の支出)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、2,046億円(前年同期は1,966億円)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりです。
①基本方針の概要
当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。
当社は、企業価値や株主共同の利益を確保・向上させていくためには、役職員が一体となって価値創造に向けて取り組むことや、創業以来の風土を大切にしながら創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことが不可欠と考えております。
しかし、株式の大量取得行為のなかには、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針の実現に資する取組みの概要
1)基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、2016年度から2025年度の10年間において目指す姿を示した長期ビジョン「Epson 25」(以下「Epson 25」という。)と、当該ビジョンの実現に向けた2016年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を2016年3月に制定いたしました。
第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備してまいります。
2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2014年6月の定時株主総会において更新した当社株式の大量取得行為に関する対応策について、2017年6月28日の定時株主総会において、旧対応策の適正性、透明性を一層高めるための修正をしたうえで更新することについて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」という。)。
本プランは、当社株券等に対する大量買付が行われた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間および情報を確保するとともに、株主の皆様のために、大量買付者と協議交渉などを行うことを可能とすることを目的としております。具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株券等の買付または公開買付けを実施しようとする買付者に、意向表明書ならびに株主の皆様の判断および特別委員会の評価・検討などのため必要かつ十分な情報を事前に当社取締役会へ提出すること、本プランに定める手続きを遵守することを求めております。そのうえで、当該買付行為が、本プランに従わない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付であると判断された場合は、対抗措置を発動するプランとなっております。
一方、当社取締役会は、対抗措置の発動について、取締役会の恣意的判断を排除するため、独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会の判断を経ることとしております。特別委員会は、買付内容の検討、当社取締役会への代替案などの情報の請求、株主の皆様への情報開示、買付者との交渉などを行います。特別委員会は、対抗措置発動の要否を当社取締役会に勧告し、当社取締役会はその勧告に従い、対抗措置の発動または不発動に関する決議を速やかに行うこととしております(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記② 1)に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
また、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、上記①に記載した基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得たうえで更新されたものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、当社経営陣から独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会が設置されており、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること、当社取締役会は、対抗措置発動に関する特別委員会の勧告に従うとされていること(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)、特別委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、買付者等による買収意向表明後の各プロセスにおいて要する期間が特定されていること、非適格者から新株予約権を取得する場合、金銭等の経済的利益の交付は行わないことが明確になっていること、有効期間が更新から約3年と定められたうえ、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その適正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は137億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に対して14億円増加し、1兆347億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物が有形固定資産・無形資産の取得や配当金の支払などにより250億円減少した一方で、棚卸資産の増加156億円、有形固定資産および無形資産の増加49億円や、その他の流動資産およびその他の非流動資産の増加48億円があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して55億円減少し、5,127億円となりました。これは主に、その他の流動負債の増加62億円があった一方で、流動負債および非流動負債の引当金の減少132億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して70億円増加し5,197億円となりました。これは主に、配当金の支払112億円がありましたが、円安進行にともなう在外営業活動体の換算差額の増加を主因とするその他の資本の構成要素の増加56億円、利益剰余金が親会社の所有者に帰属する四半期利益111億円の計上および確定給付制度の再測定11億円により増加したことなどによるものです。
②経営成績
当第1四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、景気は総じて緩やかな回復基調が続きました。地域別に見ますと、米国では個人消費の増加や雇用環境の改善を背景に着実に回復が続きました。欧州は緩やかに回復しました。また、中南米も回復していますが、アルゼンチンやブラジルでは通貨安に加えて、ブラジルでのトラック運転手によるストライキ等の経済的混乱が発生し、回復の速度は鈍化しています。中国は持ち直しの動きが続いていましたが、米国との貿易摩擦が懸念材料となっています。日本では、着実な雇用情勢・所得情勢の改善を受けて個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調が続きました。
当第1四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ109.06円および130.09円と前年同期に比べ、米ドルは2%の円高、ユーロは7%の円安に推移しました。
このような状況の中、売上収益は、プリンティングソリューションズ事業セグメントのインクジェットプリンター大容量インクタンクモデル、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの液晶プロジェクター、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの半導体などの増加により、2,604億円(前年同期比2.2%増)となりました。事業利益(※)は、増収および為替のプラス効果などによる増加はあったものの、将来成長に向けた戦略的な費用投下や、プリンティングソリューションズ事業セグメントでのインクカートリッジ減収影響およびベンダー火災に起因するインクカートリッジモデル本体生産の第2四半期へのシフトにともなう費用発生の後ろ倒しがあった前年同期と比較し、当期は通常の本体生産にともなう費用発生であることから減益となり、146億円(同12.7%減)となりました。営業利益は134億円(同8.2%減)、税引前利益は143億円(同0.8%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は111億円(同9.4%増)となりました。
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業の売上収益は増加となりました。インクジェットプリンター本体は、インクカートリッジモデルが競合他社によるプロモーションが激しくなる中でも、必要以上のプロモーションを抑制して価格維持を図ったことなどから減少となった一方、大容量インクタンクモデルは新興国、先進国ともに好調な販売が継続し、大幅な増加となったことから、全体では売上増加となりました。消耗品は、大容量インクタンクモデル用ボトルは増加しましたが、コンシューマー向けインクカートリッジモデル本体稼働台数の減少影響によるインクカートリッジ減少により、売上減少となりました。
プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は減少となりました。大判インクジェットプリンターは、成長市場であるサイネージ、テキスタイルおよびラベル分野は堅調に推移しましたが、フォト・グラフィックス分野が競合他社のプロモーション影響を受けて減少となったことから、全体では前期並みとなりました。POSシステム関連製品は、北米における案件の後ろ倒し等により、売上減少となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、大容量インクタンクモデルの増収および為替のプラス効果がありましたが、インクカートリッジ減収影響およびベンダー火災に起因するインクカートリッジモデル本体生産の第2四半期へのシフトにともなう費用発生の後ろ倒しがあった前年同期と比較し、当期は通常の本体生産にともなう費用発生であることから、減益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1,666億円(前年同期比0.4%増)、セグメント利益は179億円(同19.0%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は増加となりました。液晶プロジェクターが、サッカーワールドカップ開催にともなう需要増により増加したことに加え、高光束分野におけるレーザー光源搭載モデル等の高付加価値製品の販売数量増加によるモデルミックス改善により、増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、増収および為替のプラス効果もあり、増益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は514億円(前年同期比10.9%増)、セグメント利益は71億円(同35.5%増)となりました。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業の売上収益は、ウオッチ市場が低調に推移したことにより、減少となりました。
ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は、ICハンドラーが前年同期のモバイル機器関連向けの高い需要に対して減少したものの、産業用ロボットで中国を中心としたロボット需要を取り込み増加となったことに加え、為替のプラス効果もあり、増加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は増加となりました。水晶デバイスは、モバイル市場の成長鈍化による数量減に加え、需要が低・中価格帯へ移行したことによる価格下落により、減少となりました。半導体は、市場の需要増による販売数量の増加により増加となりました。
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益は、水晶デバイスの減収影響および為替のマイナス影響により、減益となりました。
以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は431億円(前年同期比0.3%増)、セグメント利益は17億円(同25.3%減)となりました。
(その他)
その他の売上収益は2億円(前年同期比6.4%減)、セグメント損失は1億円(前年同期は1億円のセグメント損失)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△120億円(前年同期の調整額は△128億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、104億円の収入(前年同期は16億円の収入)となりました。これは四半期利益が112億円であったのに対し、棚卸資産の増加125億円や法人所得税の支払66億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上133億円、仕入債務の増加50億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出232億円などがあったことにより、258億円の支出(前年同期は183億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払112億円などがあったことにより、102億円の支出(前年同期は92億円の支出)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、2,046億円(前年同期は1,966億円)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めており、その内容など(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は、次のとおりです。
①基本方針の概要
当社は、当社の株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えます。したがって、当社の財務および事業の方針の決定を支配することが可能な数の株式を取得する買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様のご意思に委ねられるべきものと考えます。
当社は、企業価値や株主共同の利益を確保・向上させていくためには、役職員が一体となって価値創造に向けて取り組むことや、創業以来の風土を大切にしながら創造と挑戦を続けていくこと、お客様の信頼を維持・獲得していくことが不可欠と考えております。
しかし、株式の大量取得行為のなかには、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることにならないものも存在します。当社は、このような不適切な株式の大量取得行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として適当ではなく、このような者による大量取得行為に対しては必要かつ相当な手段をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
②基本方針の実現に資する取組みの概要
1)基本方針の実現に資する特別な取組み
当社は、2016年度から2025年度の10年間において目指す姿を示した長期ビジョン「Epson 25」(以下「Epson 25」という。)と、当該ビジョンの実現に向けた2016年度を初年度とする3カ年の中期経営計画「Epson 25 第1期中期経営計画(2016年度~2018年度)」(以下「第1期中期計画」という。)を2016年3月に制定いたしました。
第1期中期計画では、これまで実現してきた戦略をベースに、「転換と開拓」の成果を継続させることと同時に、製品開発の仕込みや必要な投資を積極的に行い、強固な基盤を整備してまいります。
2)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として、2014年6月の定時株主総会において更新した当社株式の大量取得行為に関する対応策について、2017年6月28日の定時株主総会において、旧対応策の適正性、透明性を一層高めるための修正をしたうえで更新することについて株主の皆様のご承認をいただきました(以下、更新後のプランを「本プラン」という。)。
本プランは、当社株券等に対する大量買付が行われた際に、当該買付に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な時間および情報を確保するとともに、株主の皆様のために、大量買付者と協議交渉などを行うことを可能とすることを目的としております。具体的には、当社の発行済株式総数の20%以上となる株券等の買付または公開買付けを実施しようとする買付者に、意向表明書ならびに株主の皆様の判断および特別委員会の評価・検討などのため必要かつ十分な情報を事前に当社取締役会へ提出すること、本プランに定める手続きを遵守することを求めております。そのうえで、当該買付行為が、本プランに従わない場合や、当社の企業価値・株主共同の利益を侵害する買付であると判断された場合は、対抗措置を発動するプランとなっております。
一方、当社取締役会は、対抗措置の発動について、取締役会の恣意的判断を排除するため、独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会の判断を経ることとしております。特別委員会は、買付内容の検討、当社取締役会への代替案などの情報の請求、株主の皆様への情報開示、買付者との交渉などを行います。特別委員会は、対抗措置発動の要否を当社取締役会に勧告し、当社取締役会はその勧告に従い、対抗措置の発動または不発動に関する決議を速やかに行うこととしております(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)。
③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記② 1)に記載した取組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、基本方針の実現に資するものです。
また、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、上記①に記載した基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会において株主の皆様のご承認を得たうえで更新されたものであること、その内容として合理的な客観的発動要件が設定されていること、当社経営陣から独立性の高い社外取締役のみから構成される特別委員会が設置されており、対抗措置の発動に際しては必ず特別委員会の判断を経ることが必要とされていること、当社取締役会は、対抗措置発動に関する特別委員会の勧告に従うとされていること(ただし、取締役の善管注意義務に違反するおそれがあると判断する場合を除く。)、特別委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を得ることができるとされていること、買付者等による買収意向表明後の各プロセスにおいて要する期間が特定されていること、非適格者から新株予約権を取得する場合、金銭等の経済的利益の交付は行わないことが明確になっていること、有効期間が更新から約3年と定められたうえ、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その適正性・客観性が担保されており、高度の合理性を有し、企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は137億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。