四半期報告書-第80期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/02 9:53
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に対して39億円減少し、1兆1,573億円となりました。これは主に、棚卸資産が191億円増加した一方で、売上債権及びその他の債権の減少160億円、有形固定資産の減少141億円があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して334億円減少し、5,748億円となりました。これは主に、社債、借入金及びリース負債の減少227億円、仕入債務及びその他の債務の減少96億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して314億円増加し、5,823億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益364億円の計上、および確定給付制度の再測定を主因としたその他の包括利益57億円の計上があった一方で、配当金の支払い107億円があったことなどによるものです。
②経営成績
当第2四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、世界経済は新型コロナウイルス感染が再拡大となる中でも回復が続いていますが、想定以上の勢いで回復した第1四半期と比較すると、第2四半期は、一部地域においてパンデミックの状況悪化による影響が強まり、また供給サイドの混乱や物価上昇が続いていることから、米国や中国では回復の勢いが弱まる等の動きがみられます。また、今後につきましても、半導体を中心とした電子部品不足や物流遅延による供給不足は厳しさを増し、先行き不透明な状況となっていますので、今後の動向をさらに注視していきます。
当第2四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ109.77円および130.84円と前年同期に比べ、米ドルは3%の円安、ユーロは8%の円安に推移しました。また、中国や南米など新興国の通貨については円安に推移しました。
このような状況の中、売上収益は、物流遅延や部品調達難の継続・拡大等に伴う供給不足によりマイナス影響が発生しているものの、新型コロナウイルス感染による大幅な市場需要減の影響を大きく受けた前年同期からは大幅に回復し、5,505億円(前年同期比25.4%増)となりました。事業利益は、運賃・部品価格の高騰等に伴い製造コストは上昇しましたが、販売価格の上昇、広告販促費を中心とした費用抑制、さらに為替のプラス影響などにより、497億円(同239.2%増)となりました。営業利益は481億円(同418.2%増)、税引前利益は478億円(同586.1%増)、親会社の所有者に帰属する四半期利益は364億円(同762.4%増)となりました。
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。なお、第1四半期連結会計期間より、長期ビジョン「Epson 25 Renewed」(2021年3月策定)に基づき報告セグメントの区分を変更し、「プリンティングソリューションズ事業」、「ビジュアルコミュニケーション事業」および「マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業」の3つを報告セグメントとしております。各報告セグメントは、「第4 経理の状況 1 要約四半期連結財務諸表 要約四半期連結財務諸表注記」に掲げるセグメントの区分と同一であります。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は大幅な増加となりました。大容量インクタンクモデルおよびインクカートリッジモデル本体は、昨年度からの在宅印刷需要が継続しており、物流遅延や部品調達難に伴う供給不足による影響はありますが、前年同期に対して販売数量を伸ばし、また販売価格の上昇もできていることから、大幅な売上増となりました。なお、消耗品の売上については、引き続き在宅印刷需要に伴う売上増は続いていますが、在宅特需による売上増があった前年同期に対しては、減少となりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は大幅な増加となりました。大判インクジェットプリンターは、ロックダウンや経済活動制限により、本体販売活動・設置の遅延、店舗内ポスター等の印刷需要の落ち込みが発生した前年同期に対し、新製品投入による売上増に加え、欧米を中心に消耗品の販売も回復となり、売上増となりました。小型プリンターは、欧米や中国を中心に小売店や飲食店向けの需要が増加し、売上増となりました。また、プリントヘッド外販ビジネスは、中国での需要拡大に伴う販売好調により、売上増となりました。なお、商業・産業プリンター本体においても、部品調達難等による供給不足の影響を受けています。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、運賃・部品価格の高騰等に伴い製造コストは上昇しましたが、増収影響および為替のプラス影響などにより、大幅な増加となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は3,755億円(前年同期比24.9%増)、セグメント利益は550億円(同41.9%増)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は、新型コロナ感染拡大に伴い大きく需要が落ち込んだ前年同期に対し、欧州を中心に教育案件の回復および好調なホーム需要の継続などにより、部品調達難等による供給不足影響は継続しているものの、大幅な増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、増収影響に加えて、事業構造改革に伴う費用抑制の継続および為替のプラス影響などにより、大幅な増加となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は806億円(前年同期比31.8%増)、セグメント利益は92億円(前年同期は26億円のセグメント損失)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、ICテストハンドラー事業の事業譲渡に伴う売上減があるものの、中国での売上増に加え、台湾では電子機器製造受託サービス向け、欧米では自動車関連向けの需要回復があり、大幅な増加となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、海外での需要回復に加えてムーブメントの需要も回復となり、増加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益のうち、水晶デバイスは無線モジュールおよび車載向け、さらに幅広い用途向けで需要増となり、大幅な売上増となりました。また、半導体も旺盛な需要で売上増となり、事業全体で大幅な増加となりました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、増収影響に加え、ウエアラブル機器事業では事業構造改革に伴う費用抑制を進め、大幅な増加となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は954億円(前年同期比22.5%増)、セグメント利益は113億円(同320.6%増)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△258億円(前年同期の調整額は△242億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは563億円の収入(前年同期は455億円の収入)となりました。これは四半期利益が365億円であったのに対し、棚卸資産の増加174億円、法人所得税の支払額132億円などによる減少要因があった一方で、減価償却費及び償却費の計上323億円、売上債権の減少156億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出211億円などがあったことにより、220億円の支出(前年同期は335億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出200億円、配当金の支払い107億円などがあったことにより、369億円の支出(前年同期は468億円の収入)となりました。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、3,023億円(前年同期は2,542億円)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、エプソンが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は231億円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。