有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 15:03
【資料】
PDFをみる
【項目】
93項目
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における経済環境を顧みますと、第3四半期までの景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、年度末に向けて新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、急速な減速となりました。また、今後についても、さらに新型コロナウイルスの感染者数・エリアが拡大し、急速な景気減速が継続することが懸念されます。地域別に見ますと、年度末に向けて新型コロナウイルスの影響により、経済活動の大幅な縮小が生じたことなどから、日米欧および新興国において急速に減速し、さらに中国では第4四半期でマイナス成長に転じました。
当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ108.74円および120.85円と前期に比べ、米ドルは2%の円高、ユーロは6%の円高に推移しました。また、中国や南米など新興国の通貨についても円高に推移しました。
こうした経営環境の下、当連結会計年度の経営成績につきましては、以下のとおりとなりました。
(億円)
前連結
会計年度
当連結
会計年度
増減金額増減率主な増減理由
売上収益10,89610,436△460△4.2%[売上収益]
プリンティングソリューションズ事業セグメント △150
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント △199
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント △104
[事業利益]
プリンティングソリューションズ事業セグメント △188
ビジュアルコミュニケーション事業セグメント △76
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント △36
売上原価△6,770△6,816△45-
売上総利益4,1263,620△506△12.3%
販売費及び
一般管理費
△3,421△3,211209-
事業利益(※)704408△296△42.0%
その他の営業収益・
その他の営業費用
8△13△22-受取保険金の増加の一方、遊休不動産の売却益の減少および為替差損の増加等により減少
営業利益713394△318△44.7%
金融収益・金融費用51△4-為替差益等の減少
税引前利益720397△323△44.9%
法人所得税費用△179△318△138-繰延税金資産の取崩し等による増加
当期利益54078△462△85.5%
親会社の所有者に
帰属する当期利益
53777△459△85.6%

※事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
プリンター事業の売上収益は減少となりました。オフィス・ホーム用インクジェットプリンター本体は、大容量インクタンクモデルでは従来の新興国を中心とした販売活動に加え、北米、西欧および日本などの先進国を中心に、エンドユーザーへの商品認知を広める活動や販売プロモーション強化を行ったこと、新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、在宅業務や家庭学習の機会が増加したことによる家庭での印刷ニーズの高まりが販売の増加に寄与したこと等から、増加しました。一方、SOHO・ホーム向けインクカートリッジモデルは、競合他社によるプロモーションが激しくなる中において、必要以上のプロモーションを抑制し、価格維持を図ったことなどにより販売数量が減少となりました。これらに加え、為替のマイナス影響も受けたことから、オフィス・ホーム用インクジェットプリンター本体全体では前期並みとなりました。消耗品は、大容量インクタンクモデル用ボトルは増加しましたが、SOHO・ホーム向けインクカートリッジは本体稼働台数の減少および為替のマイナス影響により、売上減少となりました。また、シリアルインパクトドットマトリクスプリンターについても、新型コロナウイルスの影響もあり市場縮小が加速したこと、さらに為替のマイナス影響が加わり、売上減少となりました。
プロフェッショナルプリンティング事業の売上収益は前期並みとなりました。商業・産業用インクジェットプリンターは成長市場であるサイネージおよびテキスタイル分野が堅調に推移し、増加となりました。POSシステム関連製品はイタリアでの税制改定に伴う需要増はありましたが、新型コロナウイルスの影響および為替のマイナス影響により、売上減少となりました。
その他はOS切り替えに伴うPCの需要増により、増収となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、大容量インクタンクモデルやPC等の増収影響があったものの、将来成長に向けた戦略的な費用投下や為替のマイナス影響もあり、減少となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は7,086億円(前期比2.1%減)、セグメント利益は756億円(同20.0%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は、北米、中国やインドなどでのプロジェクター市場の縮小によりボリュームゾーンの商品で販売が減少となり、新型コロナウイルスや為替のマイナス影響も加わり、減少となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、将来成長に向けた費用投下の効率化を進めていますが、減収影響に加え、為替のマイナス影響により減少となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,833億円(前期比9.8%減)、セグメント利益は135億円(同36.1%減)となりました。
(ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメント)
ウエアラブル機器事業の売上収益は、高価格帯商品は堅調に推移した一方、低・中価格帯商品およびムーブメントの販売が低調なことに加え、新型コロナウイルスの影響によりインバウンド需要がさらに低下したことにより、減少となりました。
ロボティクスソリューションズ事業の売上収益は、米中貿易摩擦による影響が継続したこと等から、欧州を中心に設備投資需要が減退し、減少となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は、水晶デバイス及び半導体で前期並みとなったものの、為替のマイナス影響もあり、減少となりました。
ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントのセグメント利益は、ウエアラブル機器事業を中心とした減収影響が大きく、為替のマイナス影響もあり、減少となりました。
以上の結果、ウエアラブル・産業プロダクツ事業セグメントの売上収益は1,529億円(前期比6.4%減)、セグメント利益は18億円(同66.6%減)となりました。
(その他)
その他の売上収益は9億円(前期比3.0%減)、セグメント損失は5億円(前期は5億円のセグメント損失)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△496億円(前期の調整額は△502億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1,023億円の収入(前期は769億円の収入)となりました。これは当期利益が78億円であったのに対し、減価償却費及び償却費の計上684億円や法人所得税費用318億円などの増加要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出757億円などがあったことにより、761億円の支出(前期は827億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の増加299億円や社債発行298億円などによる増加要因があった一方で、配当金の支払216億円、自己株式の取得による支出102億円、社債の償還100億円、短期借入金の純減98億円やリース負債の返済による支出82億円などがあったことにより、2億円の支出(前期は494億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、1,962億円(前期は1,752億円)となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
プリンティングソリューションズ事業(百万円)691,33397.0
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円)177,23588.0
ウエアラブル・産業プロダクツ事業(百万円)142,81092.6
セグメント計(百万円)1,011,37994.7
その他(百万円)--
合計(百万円)1,011,37994.7

(注)1.上記金額は、販売価格により示しており、セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.上記金額には、外注製品仕入高等が含まれております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前期比(%)
プリンティングソリューションズ事業(百万円)707,81697.9
ビジュアルコミュニケーション事業(百万円)183,34590.2
ウエアラブル・産業プロダクツ事業(百万円)145,07294.2
セグメント計(百万円)1,036,23495.9
その他(百万円)18699.0
合計(百万円)1,036,42095.9

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に対して25億円増加し、1兆409億円となりました。これは主に、棚卸資産の減少173億円や売上債権及びその他の債権が153億円減少した一方で、会計方針の変更(新リース会計基準の適用)などによる有形固定資産の増加385億円があったことなどによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して392億円増加し、5,348億円となりました。これは主に、仕入債務及びその他の債務の減少193億円やその他の流動負債の減少50億円があった一方で、会計方針の変更(新リース会計基準の適用)や社債の発行などにより社債、借入金及びリース負債の増加673億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して364億円減少し5,037億円となりました。これは主に、配当金の支払216億円や円高進行にともなう在外営業活動体の換算差額の減少を主因とするその他の資本の構成要素の減少129億円があったことなどによるものです。
運転資本(流動資産から流動負債を差し引いた金額)は、前連結会計年度末と比較して124億円増加し、3,375億円となりました。
また、新型コロナウイルスの影響は不透明な状況ですが、当社の財政状態は健全性を保っていることに加え、資金についても十分な手当てが出来ています。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、会計方針の変更(新リース会計基準の適用)や社債の発行などにより、前連結会計年度と比較して673億円増加し、2,096億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して210億円増加し、1,962億円となりました。手元流動性は十分に確保しております。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、長期ビジョン「Epson 25」およびこの実現に向けた中期経営計画に基づく成長戦略を推進し、事業基盤や財務構造の強化を図ることにより、2025年度の業績目標(為替レート前提:1米ドル 115円・1ユーロ 125円)として、売上収益:1兆7,000億円、事業利益:2,000億円、ROS(事業利益/売上収益):12%、ROE(当期利益/親会社所有者帰属持分):15%を目指しています。
今後、独自の強みを発揮できる各イノベーション領域において、上記の「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」で掲げた各事業の将来成長に向けた施策を成し遂げ、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ることにより、業績目標の実現に取り組んでまいります。
④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルス感染症の影響について、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」ならびに「第5 経理の状況 2 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。