四半期報告書-第81期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/02 9:55
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に対して634億円増加し、1兆3,298億円となりました。これは主に、現金及び現金同等物274億円の減少があった一方で、棚卸資産444億円の増加、売上債権及びその他の債権173億円の増加、有形固定資産96億円の増加などがあったことによるものです。
負債合計は、前連結会計年度末に対して133億円増加し、6,140億円となりました。これは主に、退職給付に係る負債の増加72億円、仕入債務及びその他の債務の増加40億円があったことなどによるものです。
なお、親会社の所有者に帰属する持分合計は、前連結会計年度末に対して500億円増加し、7,156億円となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する四半期利益266億円の計上、および在外営業活動体の換算差額を主因とするその他の包括利益340億円の計上があった一方で、配当金の支払い107億円があったことなどによるものです。
②経営成績
当第1四半期連結累計期間における経済環境を顧みますと、世界的にインフレが進行し、米国を中心に多くの国で金融政策の引き締めを強める動きとなっていることから、世界経済の成長率は減速へと向かっている状況にあります。特に、ゼロコロナ政策によるロックダウンのあった中国において、経済活動の停滞は大きな影響となっています。また、ロシアのウクライナ侵攻の長期化、半導体を中心とした部材不足や物流遅延による世界的なサプライチェーン混乱の継続により、先行きは以前にも増して不透明となっており、今後の動向を引き続き注視していきます。
当第1四半期連結累計期間の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ129.64円および138.11円と前年同期に比べ、米ドルは18%の円安、ユーロは5%の円安に推移しました。また、中国や南米など新興国の通貨については円安に推移しました。
このような状況の中、売上収益は、部品調達難や物流遅延による製品供給不足が大きな減収要因となりましたが、値上げと高値維持の価格対応に加え、円安進行によるプラス影響があったことで、前期を上回る2,978億円(前年同期比5.6%増)となりました。
事業利益(※)は、売上収益の変動に対し、広告販促費を中心とした費用抑制を継続しておりますが、輸送費・部品費の価格高騰による製造コスト上昇が大きな減益要因となり、226億円(同6.6%減)となりました。営業利益は、主に米ドル高の進行による為替差益の計上等があり、312億円(同31.9%増)、税引前利益は370億円(同57.8%増)となりました。親会社の所有者に帰属する四半期利益は266億円(同52.5%増)となりました。
※ 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は増加となりました。大容量インクタンクモデルおよびインクカートリッジモデルの本体販売数量は、在宅勤務・在宅学習需要は継続していますが、中国ロックダウンや物流遅延・部品調達難に伴う製品供給不足による影響を受けて減少となりました。一方、値上げによる価格対応を進めたこと、さらに為替のプラス影響などがあり、本体売上は増加となりました。また、消耗品売上については、インクカートリッジモデルの本体販売台数減に伴うインクカートリッジ売上減の影響を受けたものの、大容量インクタンクモデルのインクボトル売上が増加したことで、若干の増収となりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は、製品供給不足などのマイナス影響があったものの、為替のプラス影響もあり前年同期並みとなりました。大判インクジェットプリンター本体は、製品供給不足が継続していることに加え、中国ロックダウン影響などにより、売上減となりました。消耗品については、北米において大口の需要があった前年同期から売上減となりました。小型プリンターは、欧米を中心に値上げを行ったものの、製品供給不足が継続し、売上減となりました。
プリントヘッド外販ビジネスは、主力市場である中国のロックダウンによる物流停滞、一部市況悪化などにより売上減となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、全商品ジャンルで製品供給不足に伴う売上減の影響が大きく発生したことに加え、輸送費・部品費の価格高騰による製造コストが上昇となったことにより、値上げ対応や費用抑制の継続、円安による為替のプラス影響もありましたが、減少となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1,976億円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は210億円(同21.0%減)となりました。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業の売上収益は、教育・ホーム市場を中心に需要増の状況にある中、中国ロックダウンや製品供給不足等により販売数量減となりましたが、値上げによる価格対応や為替のプラス影響などがあり、増加となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業のセグメント利益は、増収影響に加えて、費用抑制の継続などにより、大幅な増加となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は456億円(前年同期比12.1%増)、セグメント利益は64億円(同42.6%増)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、中国ロックダウンによる影響が大きく、欧米での自動車関連向けの需要増や為替のプラス影響があったものの、減少となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、ムーブメントの堅調な販売に加え、新製品の発売や国内・海外市場の回復による本体売上増もあり、増加となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益のうち、水晶デバイスは、モバイル向けで需要減となったものの、引き続き堅調な需要が継続しており、大幅な増加となりました。半導体は、引き続き旺盛な需要で売上増となり、事業全体で大幅な増加となりました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、マイクロデバイス事業を中心とした増収に加え、為替のプラス影響もあり、大幅な増加となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は560億円(前年同期比13.0%増)、セグメント利益は86億円(同51.1%増)となりました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上などにより、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△134億円(前年同期の調整額は△126億円)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは123億円の支出(前年同期は213億円の収入)となりました。これは四半期利益が266億円であったのに対し、減価償却費及び償却費の計上170億円などの増加要因があった一方で、棚卸資産の増加168億円、売上債権の増加46億円などの減少要因があったことによります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産および無形資産の取得による支出126億円などがあったことにより、185億円の支出(前年同期は115億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払い107億円、リース負債の返済による支出22億円などがあったことにより、130億円の支出(前年同期は147億円の支出)となりました。
以上の結果、当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は、3,078億円(前年同期は2,995億円)となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、エプソンが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるエプソンの研究開発活動の金額は109億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、エプソンの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。