有価証券報告書-第84期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国関税政策の影響や直近の中東情勢等により、不確実性の高い環境下で推移しました。地域別の動向では、国内経済は緩やかな回復基調のもと推移しました。米国経済は個人消費が底堅く、堅調さを維持しました。欧州経済はエネルギー価格の高止まりや地政学的要因の影響を受け、成長鈍化基調で推移しました。中国経済は政策下支えを背景に、総じて安定した推移となりました。
今後の経済環境についても、地政学的リスクや各国の通商政策の動向等から不透明な状況が続くものと見込まれることから、引き続き市場動向や経済情勢を注視してまいります。
このような状況のなか、売上収益は、プリンティングソリューションズ事業セグメントやマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの増収等により1兆4,133億円(前期比3.7%増)となりました。
事業利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税による影響等を受けた費用増が生じ838億円(同6.5%減)となりました。また、営業利益は連結子会社であるFieryののれんの一部に減損損失を計上したこと等から496億円(同34.0%減)となり、税引前利益は500億円(同36.2%減)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は182億円(同67.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ150.69円および174.74円と前期に比べ、米ドルは1%の円高、ユーロは7%の円安に推移しました。
(単位:億円)
※1 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は、オフィス・ホームIJP本体の販売が堅調に推移したこと等により前期に対して若干の増収となりました。ジャンル別の本体販売数量は、インクカートリッジモデルが減少する一方、大容量インクタンクモデルは中東・アフリカの新興国市場やアジア、南米等を中心に増加しました。オフィス共有IJPの本体販売数量は、新興国市場を中心に拡販が進展し若干の増加となりました。オフィス・ホームIJP消耗品の売上収益は、大容量インクタンクモデルのインクボトルおよびオフィス共有IJPのインクの販売が増加した一方、大容量インクタンクモデルへのシフトもありインクカートリッジの販売減が大きく、前期並みとなりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は、増収となりました。商業・産業IJPの完成品ビジネスは、案件の獲得や新製品の投入効果等により増収となりました。プリントヘッド外販ビジネスは、中国市場での軟調な需要が継続したこと等により前期並みとなりました。また、小型プリンター他の売上収益は、主に北米や欧州、国内向けの販売が堅調であったことにより増収となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税によるマイナス影響が大きく、減益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1兆295億円(前期比5.0%増)、セグメント利益は1,206億円(同3.4%減)となりました。
なお、Fiery社に係るのれんの減損損失の計上額は259億円であります。これは、同社が手がける商業印刷および産業印刷市場において、米国における関税政策の影響等を背景に設備投資の抑制が進む等、市場環境が想定以上に悪化しており、このような状況を踏まえ事業計画を慎重に見直したことによるものです。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は、中国市場の悪化に加え、欧米を中心とした教育市場での販売減の影響が大きく、減収となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、減収によるマイナス影響が大きく、大幅な減益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,814億円(前期比11.0%減)、セグメント利益は123億円(同57.8%減)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、中国や東南アジアで需要が拡大し増収となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、国内におけるインバウンド需要に伴う販売増や、新製品の投入効果等により増収となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は、増収となりました。水晶デバイスの売上収益は、販売の拡大が継続するなかで大幅な増収となりました。半導体の売上収益は、一部顧客で需要回復があり、増収となりました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、マニュファクチャリングソリューションズ事業やマイクロデバイス事業を中心とした増収の影響が大きく、大幅な増益となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は2,061億円(前期比13.6%増)、セグメント利益は108億円(前期はセグメント損失32億円)となりました。
なお、マニュファクチャリングソリューションズ事業において、将来の成長に向けて製品・ソフト等の競争力強化の投資は継続し市場シェアの伸長もみられるものの、主要販売地域における市場回復が想定より緩やかであり、また一部主要顧客の投資動向に未だ不確実性が残っている等収益性の改善に一定の時間を要することから、減損損失13億円を計上しました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上等 により、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△598億円(前期の調整額は△611億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に当期利益182億円や減価償却費及び償却費の計上、減損損失及び減損損失戻入益の計上といった要因により1,124億円の収入(前期は1,381億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出といった要因により656億円の支出(前期は1,508億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や配当金の支払いによる支出といった要因により396億円の支出(前期は451億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響を合わせ、前連結会計年度末から216億円増加し2,886億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
エプソンの生産実績は、販売実績と近似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、主にのれんの減損損失の計上により、のれん及び無形資産が減少した一方で、現金及び現金同等物や売上債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したこと等により前連結会計年度末に対して784億円増加し1兆5,349億円となりました。
負債合計は、主に社債、借入金及びリース負債の増加等により、前連結会計年度末に対して297億円増加し、6,812億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、主に配当金の支払いを行った一方で、在外営業活動体の換算差額を主因としたその他の包括利益や親会社の所有者に帰属する当期利益182億円の計上等があったこと等により、前連結会計年度末に対して488億円増加し8,535億円となりました。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は850億円であり、所要資金につきましては、内部資金によりまかなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、リースによる設備投資を含めております。
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して67億円増加し、2,315億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して216億円増加し、2,886億円となり、手元流動性は十分に確保しております。
また、有事に備えた財務基盤強化の一環として、2020年5月に主要行との間で、環境評価融資商品のコミットメントライン契約を締結し、2023年5月に契約を更新しておりますが、当連結会計年度末における当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していくことを通して、「産業の生産性と信頼性を高め、持続可能な成長を実現すること」「学び・働き・暮らしに新たな価値を創出し可能性を広げていくこと」「人と地球がともに前に進み続けられるよう、社会価値と企業価値を同時に高めていくこと」を、新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿と定めています。
「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿を達成するために、10年間を三つのPhaseに分け、2026年度から2028年度までの中期経営計画をPhase 1と定めています。Phase 1においては「収益基盤の変革」と「成長領域への資源集中投下」を実行し、2028年度までにROIC 8.0%の達成を目指します。
さらに、持続可能な社会の前提である環境への取り組みに関するビジョン「環境ビジョン2050」を策定し、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※2)消費ゼロ」の達成を目指しています。
※2 原油、金属等の枯渇性資源
なお、当該長期ビジョンの実現に向けて設定した財務目標は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。
①経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国関税政策の影響や直近の中東情勢等により、不確実性の高い環境下で推移しました。地域別の動向では、国内経済は緩やかな回復基調のもと推移しました。米国経済は個人消費が底堅く、堅調さを維持しました。欧州経済はエネルギー価格の高止まりや地政学的要因の影響を受け、成長鈍化基調で推移しました。中国経済は政策下支えを背景に、総じて安定した推移となりました。
今後の経済環境についても、地政学的リスクや各国の通商政策の動向等から不透明な状況が続くものと見込まれることから、引き続き市場動向や経済情勢を注視してまいります。
このような状況のなか、売上収益は、プリンティングソリューションズ事業セグメントやマニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの増収等により1兆4,133億円(前期比3.7%増)となりました。
事業利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税による影響等を受けた費用増が生じ838億円(同6.5%減)となりました。また、営業利益は連結子会社であるFieryののれんの一部に減損損失を計上したこと等から496億円(同34.0%減)となり、税引前利益は500億円(同36.2%減)となりました。親会社の所有者に帰属する当期利益は182億円(同67.0%減)となりました。
なお、当連結会計年度の米ドルおよびユーロの平均為替レートはそれぞれ150.69円および174.74円と前期に比べ、米ドルは1%の円高、ユーロは7%の円安に推移しました。
(単位:億円)
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減金額 | 増減率 | 主な増減理由 | |
| 売上収益 | 13,629 | 14,133 | 503 | 3.7% | [売上収益] プリンティングソリューションズ事業セグメント+494 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△224 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント+246 [事業利益] プリンティングソリューションズ事業セグメント△43 ビジュアルコミュニケーション事業セグメント△168 マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント+140 |
| 売上原価 | △8,699 | △9,125 | △426 | - | |
| 売上総利益 | 4,930 | 5,008 | 77 | 1.6% | |
| 販売費及び 一般管理費 | △4,034 | △4,170 | △135 | - | |
| 事業利益(※1) | 896 | 838 | △58 | △6.5% | |
| その他の営業収益・ その他の営業費用 | △145 | △342 | △197 | - | のれんの減損損失の計上によるその他の営業費用の増加等 |
| 営業利益 | 751 | 496 | △255 | △34.0% | |
| 金融収益・金融費用 | 33 | 5 | △28 | - | 受取利息の減少等 |
| 税引前利益 | 784 | 500 | △284 | △36.2% | |
| 法人所得税費用 | △232 | △318 | △86 | - | 一部の繰越欠損金について繰延税金資産を認識していないことによる増加等 |
| 当期利益 | 552 | 182 | △370 | △67.0% | |
| 親会社の所有者に 帰属する当期利益 | 552 | 182 | △370 | △67.0% |
※1 事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しています。
報告セグメントごとの経営成績は、次のとおりです。
(プリンティングソリューションズ事業セグメント)
オフィス・ホームプリンティング事業の売上収益は、オフィス・ホームIJP本体の販売が堅調に推移したこと等により前期に対して若干の増収となりました。ジャンル別の本体販売数量は、インクカートリッジモデルが減少する一方、大容量インクタンクモデルは中東・アフリカの新興国市場やアジア、南米等を中心に増加しました。オフィス共有IJPの本体販売数量は、新興国市場を中心に拡販が進展し若干の増加となりました。オフィス・ホームIJP消耗品の売上収益は、大容量インクタンクモデルのインクボトルおよびオフィス共有IJPのインクの販売が増加した一方、大容量インクタンクモデルへのシフトもありインクカートリッジの販売減が大きく、前期並みとなりました。
商業・産業プリンティング事業の売上収益は、増収となりました。商業・産業IJPの完成品ビジネスは、案件の獲得や新製品の投入効果等により増収となりました。プリントヘッド外販ビジネスは、中国市場での軟調な需要が継続したこと等により前期並みとなりました。また、小型プリンター他の売上収益は、主に北米や欧州、国内向けの販売が堅調であったことにより増収となりました。
プリンティングソリューションズ事業セグメントのセグメント利益は、増収や為替のプラス影響があった一方で、米国関税によるマイナス影響が大きく、減益となりました。
以上の結果、プリンティングソリューションズ事業セグメントの売上収益は1兆295億円(前期比5.0%増)、セグメント利益は1,206億円(同3.4%減)となりました。
なお、Fiery社に係るのれんの減損損失の計上額は259億円であります。これは、同社が手がける商業印刷および産業印刷市場において、米国における関税政策の影響等を背景に設備投資の抑制が進む等、市場環境が想定以上に悪化しており、このような状況を踏まえ事業計画を慎重に見直したことによるものです。
(ビジュアルコミュニケーション事業セグメント)
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は、中国市場の悪化に加え、欧米を中心とした教育市場での販売減の影響が大きく、減収となりました。
ビジュアルコミュニケーション事業セグメントのセグメント利益は、減収によるマイナス影響が大きく、大幅な減益となりました。
以上の結果、ビジュアルコミュニケーション事業セグメントの売上収益は1,814億円(前期比11.0%減)、セグメント利益は123億円(同57.8%減)となりました。
(マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメント)
マニュファクチャリングソリューションズ事業の売上収益は、中国や東南アジアで需要が拡大し増収となりました。
ウエアラブル機器事業の売上収益は、国内におけるインバウンド需要に伴う販売増や、新製品の投入効果等により増収となりました。
マイクロデバイス事業の売上収益は、増収となりました。水晶デバイスの売上収益は、販売の拡大が継続するなかで大幅な増収となりました。半導体の売上収益は、一部顧客で需要回復があり、増収となりました。
マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントのセグメント利益は、マニュファクチャリングソリューションズ事業やマイクロデバイス事業を中心とした増収の影響が大きく、大幅な増益となりました。
以上の結果、マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業セグメントの売上収益は2,061億円(前期比13.6%増)、セグメント利益は108億円(前期はセグメント損失32億円)となりました。
なお、マニュファクチャリングソリューションズ事業において、将来の成長に向けて製品・ソフト等の競争力強化の投資は継続し市場シェアの伸長もみられるものの、主要販売地域における市場回復が想定より緩やかであり、また一部主要顧客の投資動向に未だ不確実性が残っている等収益性の改善に一定の時間を要することから、減損損失13億円を計上しました。
(調整額)
報告セグメントに帰属しない基礎研究に関する研究開発費や新規事業・本社機能に係る収益、費用の計上等 により、報告セグメントの利益の合計額との調整額が△598億円(前期の調整額は△611億円)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、主に当期利益182億円や減価償却費及び償却費の計上、減損損失及び減損損失戻入益の計上といった要因により1,124億円の収入(前期は1,381億円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出といった要因により656億円の支出(前期は1,508億円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還や配当金の支払いによる支出といった要因により396億円の支出(前期は451億円の支出)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、為替変動の影響を合わせ、前連結会計年度末から216億円増加し2,886億円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
エプソンの生産実績は、販売実績と近似しているため、記載を省略しております。
b.受注実績
エプソンでは、製品の性質上、原則として見込生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売実績(百万円) | 前期比(%) |
| プリンティングソリューションズ事業 | 1,029,483 | 105.0 |
| ビジュアルコミュニケーション事業 | 181,388 | 89.0 |
| マニュファクチャリング関連・ウエアラブル事業 | 196,868 | 114.3 |
| 報告セグメント計 | 1,407,740 | 103.8 |
| その他 | 5,511 | 80.2 |
| 合計 | 1,413,251 | 103.7 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点によるエプソンの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項については、当連結会計年度末現在における予想や一定の前提に基づくものであり、これらの記載は実際の結果と異なる可能性があるとともに、その達成を保証するものではありません。
①経営成績等
(財政状態)
当連結会計年度末における資産合計は、主にのれんの減損損失の計上により、のれん及び無形資産が減少した一方で、現金及び現金同等物や売上債権及びその他の債権、棚卸資産が増加したこと等により前連結会計年度末に対して784億円増加し1兆5,349億円となりました。
負債合計は、主に社債、借入金及びリース負債の増加等により、前連結会計年度末に対して297億円増加し、6,812億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、主に配当金の支払いを行った一方で、在外営業活動体の換算差額を主因としたその他の包括利益や親会社の所有者に帰属する当期利益182億円の計上等があったこと等により、前連結会計年度末に対して488億円増加し8,535億円となりました。
(経営成績)
経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
②資金の源泉および流動性
当連結会計年度後1年間の設備投資計画金額は850億円であり、所要資金につきましては、内部資金によりまかなう予定です。セグメントごとの設備投資計画金額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりです。なお、上記設備投資計画金額には、リースによる設備投資を含めております。
エプソンでは、設備投資等の事業活動に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用および金融機関からの借入と社債の発行により資金を調達しております。
有利子負債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して67億円増加し、2,315億円となりました。現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度と比較して216億円増加し、2,886億円となり、手元流動性は十分に確保しております。
また、有事に備えた財務基盤強化の一環として、2020年5月に主要行との間で、環境評価融資商品のコミットメントライン契約を締結し、2023年5月に契約を更新しておりますが、当連結会計年度末における当該コミットメントライン契約に基づく借入実行残高はありません。
なお、エプソンは、株式会社格付投資情報センターから信用格付を取得しており、当連結会計年度末において、A(シングルA)となっております。
③経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
エプソンは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、「省・小・精」の技術・思想を基盤として、精密技術と現場で培った知見を掛け合わせ、最適解を産業と社会に実装していくことを通して、「産業の生産性と信頼性を高め、持続可能な成長を実現すること」「学び・働き・暮らしに新たな価値を創出し可能性を広げていくこと」「人と地球がともに前に進み続けられるよう、社会価値と企業価値を同時に高めていくこと」を、新長期ビジョン「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿と定めています。
「ENGINEERED FUTURE 2035」で目指す姿を達成するために、10年間を三つのPhaseに分け、2026年度から2028年度までの中期経営計画をPhase 1と定めています。Phase 1においては「収益基盤の変革」と「成長領域への資源集中投下」を実行し、2028年度までにROIC 8.0%の達成を目指します。
さらに、持続可能な社会の前提である環境への取り組みに関するビジョン「環境ビジョン2050」を策定し、2050年に「カーボンマイナス」と「地下資源(※2)消費ゼロ」の達成を目指しています。
※2 原油、金属等の枯渇性資源
なお、当該長期ビジョンの実現に向けて設定した財務目標は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。
④重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
エプソンの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、エプソンの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積りおよび見積りを伴う判断」に記載しております。