有価証券報告書-第67期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/16 13:07
【資料】
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【項目】
124項目

対処すべき課題

世界の経済情勢は、米国では底堅い回復が続き、欧州においても債務問題沈静化により回復が予想され、アジアにおいても安定的成長が継続することが予測されます。また、国内においても経済対策が景気を下支えし、緩やかな回復基調が続くものと予測されます。
このような状況のもと当社グループでは、基盤事業での収益性向上、環境分野を中心とした新規事業拡大に取り組んでおります。
中期経営計画の重点戦略は下記のとおりです。
(1) 既存事業強化 基盤事業の収益性の向上と海外市場戦略強化
既存事業分野においては、成熟した国内市場で、機械安全、防爆安全分野をはじめとして、顧客ニーズに基づく制御ソリューション展開を強化し、差別化によるシェア拡大、既存製品の収益性の向上を図ってまいります。そのための基盤としても、商品企画、設計開発、生産技術などの技術者を本社/技術研究センターに結集し、顧客ニーズに即した製品、ソリューションを機動的に開発提供するとともに、既存製品の収益改善にも一丸となって取り組んでいく体制を整備しました。
また、成長、拡大するアジア市場において、リスク回避とともに地域に密着し「地産地消」の構造を構築するためにタイでの生産、販売拠点の立ち上げを進めております。さらに今後アジアでも拡大が見込まれる高度な自動化、省力化のニーズに対応していくためにも、中国にソフトウェア開発会社を設立し、顧客対応力強化を図ってまいります。
(2) 新規事業拡大 環境・エネルギー分野を中心に新規事業展開
新規事業分野においては、社会的ニーズが高まっている再生可能エネルギー分野において、IDECグループのコア技術を活かしてパワーコンディショナおよび周辺システムを提供していくとともに、メガソーラーシステムの設計から施工、保守メンテナンスまでワンストップで提供していくことで、顧客ニーズに対応し、事業の拡大を推進してまいります。
また、微細気泡生成技術(GALF)を活用した汚染土壌浄化事業や実践型農業研究施設による農業のオートメーション化事業の立ち上げを進めてまいります。
成長する自動認識機器市場においては、制御機器で培った技術を活かした製品開発に取り組むとともに、世界有数の自動認識機器メーカーであるDATALOGIC社(イタリア)との戦略的なパートナーシップのもと、国内の自動認識機器の販売をIDEC AUTO-ID SOLUTIONS株式会社に再編、集約し、設計から販売まで一貫して推進する体制を整備しました。今後、当社技術を活かした製品、制御機器と組み合わせたソリューションを提供し事業拡大を図ってまいります。
(3) 事業基盤の整備 企業風土改革・業務改革による収益基盤強化
確固たる事業基盤の整備のため、IDECグループとして改めて「顧客視点」を徹底し、顧客から真に選ばれる「プリファード・サプライヤー」を目指します。また、新たな研究開発拠点での開発・生産のコラボレーションにより、ものづくり力を強化するとともに、プロダクト・ライフサイクル・マネジメントを徹底し、さらなる収益性の向上を図ってまいります。
(4) CSRへの取り組み
当社は、1945年の創業以来、「企業の発展を通じて社会に貢献する」ことを経営の基本方針のひとつとしており、長年の安全関連製品の開発実績に基づく「安全の普及」と「地球環境保護への貢献」をCSR活動の中心に据えております。また、国連グローバル・コンパクトへの参加企業として、企業の社会的責任を果たすための取り組みを積極的に推進しております。
安全分野では、ものづくりに関する豊富な知識・経験と、機械安全に対する高度な知見を有した多数のセーフティ・アセッサ有資格者を各部門に配置し、安全思想の社会への浸透および当社製品への反映、また安全性と生産性の両立を目指した安全コンサルティングを展開しています。今後は国内のみならず、経済発展を背景に産業現場の安全に対する意識の高まりが見られるアジア地域においても、「安全をつくる」このような取り組みを推進してまいります。
地球環境保護という点におきましては、再生可能エネルギーの活用促進という観点から、大規模な産業向けから家庭環境向けまで幅広い範囲で太陽光発電における電力マネジメント事業に取り組み、環境・エネルギー問題への貢献に努めております。また、当社の技術・製品の組み合わせにより、お客さまのさまざまなニーズに対応する形で、社会的な環境配慮、環境負荷低減の取り組みに貢献しております。