有価証券報告書-第29期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 15:11
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148項目
(経営成績等の状況の概要)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」と言う)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 経営成績の状況
当連結会計年度における電子機器業界においては、産業用電子機器の需要が前年同期と同水準となったものの、電子部品・デバイスの需要が減少し、電子機器業界全体の市場は前年同期比減という状況で推移いたしました。
ASIC事業においては、これまでの主力分野であるゲーム機器、デジタルカメラ、事務機器分野に加え、産業機器分野における国内外の有力顧客に向け、顧客の機器・サービスのアプリケーションに最適なソリューションを提供しております。その競争力は、顧客のアプリケーションに関する深い理解と独自のコア技術を基に、アルゴリズム・アーキテクチャの開発から性能・コスト競争力に優れたシステムLSIの開発・供給を、上流の論理設計から下流の物理設計、製造オペレーション、品質保証に至るまで一貫したサポート体制で提供できることにあります。
ASSP事業においては、国内外の競合企業や市場環境の変化に適応しつつ、急速な情報通信技術の革新が進展する中で更なる成長を図るため、成長機器市場の有力グローバル企業に向けたビジネスを展開いたしました。また、それを担うグローバルに通用する人材の育成や体制強化を図ってまいりました。
当連結会計年度の業績につきましては、ゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が増加したことにより、売上高は951億4千5百万円(前年同期比6.9%増)となりました。また、企業買収によるのれん及び無形固定資産の償却費が25億7千9百万円発生したこと、将来に向けた開発投資のため研究開発費が78億4千3百万円(同25.4%増)となったことに加え、第1四半期においてMEMSタイミングデバイスの一部の特定製品の在庫評価の見直しにより8億6千9百万円を売上原価に計上したこと等が利益の押し下げ要因となり、のれん等償却前の営業利益は31億5千2百万円、のれん等償却後の営業利益は5億7千3百万円(同78.8%減)、経常利益は5億2百万円(同77.2%減)となりました。また、事業構造改革の一環として行った経営資源の配分の見直しに伴うものを主として、ソフトウェア等の除却による固定資産除却損を15億2千7百万円、固定費削減を目的とする人員減のための特別退職金を3億7千1百万円それぞれ特別損失に計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純損失は17億2千7百万円(前年同期は19億4千8百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(2) 財政状態の変動状況
当連結会計年度末における総資産は919億7千7百万円(前連結会計年度比26億5千5百万円の減少)となりました。主要な項目を前連結会計年度と比較すると、受取手形及び売掛金が129億5千9百万円増加した一方で、現金及び預金が94億3千4百万円、のれんが19億5千万円、投資有価証券が16億8千4百万円、ソフトウエアが12億2百万円それぞれ減少しております。
負債合計は657億5千3百万円(同23億4百万円の増加)となりました。主要な項目を前連結会計年度と比較すると、短期借入金が32億6千6百万円、1年内返済予定の長期借入金が55億円それぞれ増加した一方で、支払手形及び買掛金が51億4千8百万円、長期借入金が10億円それぞれ減少しております。
純資産は262億2千3百万円(同49億6千万円の減少)となりました。この結果、自己資本比率は28.5%(同4.5ポイントの下降)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、101億8千2百万円となり、前連結会計年度に比べ92億6千6百万円の減少(前年同期は74億9千4百万円の増加)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、137億円の資金の使用(前年同期は47億1千5百万円の資金の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が10億5千4百万円(前年同期は23億7千7百万円の税金等調整前当期純利益)となったこと、また、減価償却費が33億5千万円、のれん償却額が17億9千4百万円、固定資産除却損が15億2千7百万円発生した一方で、売上債権が131億1千2百万円の増加、仕入債務が49億7千2百万円の減少となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、24億9千9百万円の資金の使用(前年同期は50億7百万円の資金の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が10億1千7百万円、無形固定資産の取得による支出が7億9千6百万円、長期前払費用の取得による支出が6億1千8百万円それぞれあった一方で、事業譲渡による収入が7億5千9百万円あったことによるものであります。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合算したフリー・キャッシュ・フローは、162億円の資金の使用(前年同期は2億9千2百万円の資金の使用)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、70億4千万円の資金の獲得(前年同期は79億5千4百万円の資金の獲得)となりました。これは短期借入金が32億7千8百万円の純増となり、長期借入による収入が110億円あった一方で、長期借入金の返済による支出が65億円あったことによるものであります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当連結会計年度における生産実績、受注実績及び販売実績は次のとおりであります。
なお、当社グループは単一の事業セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
① 生産実績
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
生産高(千円)75,669,647110.5

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績はありません。
③ 受注実績
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
受注高(千円)94,977,484105.8
受注残高(千円)8,407,98598.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
④ 販売実績
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
販売高(千円)95,145,485106.9

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
相手先金額(千円)割合(%)
任天堂㈱42,135,65647.3
Macronix International Co.,Ltd.10,059,46111.3

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
相手先金額(千円)割合(%)
任天堂㈱44,240,91846.5
Macronix International Co.,Ltd.17,269,58418.2

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)
当連結会計年度における経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社グループの重要な判断と見積もりに大きな影響を及ぼすと考えられる特に重要な会計方針は以下のとおりであります。
① 貸倒引当金
貸倒引当金に関して、過去の貸倒実績率により算定した額のほか、個別に債権の回収可能性を見積って計上いたします。
② たな卸資産
たな卸資産に関して、正味売却価額が取得原価よりも下落した場合に評価の切り下げを行います。
③ 有価証券
有価証券に関して、時価が著しく低下した場合には、当該有価証券は時価で連結貸借対照表に計上し、時価と簿価との差額はその期間の損失として認識いたします。適正な時価が容易に入手できない場合で、当該有価証券の実質価額が著しく低下している場合は、実質価額まで評価の切り下げを行います。
④ 長期前払費用
長期前払費用に関して、回収見込額が取得価額よりも下落した場合に評価の切り下げを行います。
⑤ 工事損失引当金
工事契約に関して、工事原価総額が工事収益総額を超過する可能性が高く、かつ、その金額を合理的に見積もることができる場合に、その超過すると見込まれる額を計上いたします。
⑥ のれん
のれんに関して、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却いたします。その資産性の評価について検討し、将来において当初想定した収益が見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行います。
(2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 売上高
主にゲームソフトウェア格納用LSI(カスタムメモリ)の需要が増加したことにより、951億4千5百万円(前年同期比6.9%増)となりました。
② 売上原価・販売費及び一般管理費並びに営業利益
当連結会計年度の売上原価は、755億9百万円となりました。原価率は、第1四半期においてMEMSタイミングデバイスの一部の特定製品の在庫評価の見直しにより8億6千9百万円を費用計上したこと等により、前連結会計年度から3.4ポイント悪化の79.4%となり、売上総利益は196億3千6百万円(前年同期比8.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、今後の成長が見込める分野へ積極的な研究開発投資を行ったこと等により、190億6千2百万円となり、前連結会計年度と比較して3億4千5百万円増加いたしました。この主な内訳は、給料、賞与引当金繰入額等の人件費が54億1千2百万円(同20.7%減)、研究開発費が78億4千3百万円(同25.4%増)、海外企業の買収に伴うのれん償却額が17億9千4百万円(同1.2%減)となっております。
以上の結果、当連結会計年度の営業利益は5億7千3百万円(同78.8%減)となりました。
③ 税金等調整前当期純利益
為替差益が3億1千6百万円発生したこと、営業外費用として金融機関からの借入金に対する支払利息5億8百万円を計上したこと等により、営業外収益及び営業外費用の差引額は7千1百万円の費用となりました。
また、特別利益としてシステム事業部門の吸収分割による譲渡に伴う事業譲渡益3億2千9百万円を計上し、事業構造改革の一環として行った経営資源の配分の見直しに伴うものを主として、ソフトウェア等の除却による固定資産除却損を15億2千7百万円、固定費削減を目的とする人員減のための特別退職金を3億7千1百万円それぞれ特別損失に計上したこと等により、特別利益及び特別損失の差引額は15億5千7百万円の損失となりました。以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は10億5千4百万円(前年同期は23億7千7百万円の税金等調整前当期純利益)となりました。
④ 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の法人税、住民税及び事業税の額が7億1千8百万円(前年同期比7.1%減)、法人税等調整額がマイナス4千5百万円(前年同期はマイナス3億6千5百万円)となった結果、親会社株主に帰属する当期純損失は17億2千7百万円(前年同期は19億4千8百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
次期の社会環境においては、2020年代の社会を支える超高速通信ネットワークが急速に拡大し、ますます豊かな情報化社会の実現が目の前となり、さらには、地球環境維持を目的とした自然共生社会、低炭素社会、循環型社会の実現へ向けた取り組みは、継続されていくものと思われます。
当社を取り巻くエレクトロニクス産業においても、PCやモバイル機器などの民生用機器分野の成長は鈍化する一方で、今後の成長分野である車載分野、産業用機器分野の電子部品の高性能化や多機能化などのニーズが高まり、半導体製品においても高精度・多機能・小型・低消費電力などに貢献する製品を中心に需要の拡大が期待される状況となっております。
このような状況の下、当社グループは、ASIC事業を再成長路線に乗せ収益基盤を強化し、最終利益の黒字化を図る一方で、今後の成長が見込める車載・産業機器、通信インフラ分野へ経営資源を集中し、中長期の成長を加速させる考えです。
ASIC事業においては、アミューズメント向け事業の基盤強化を図るとともに、高速有線通信分野のコア技術を活用し、車載分野、産業機器分野向けに応用分野の拡大と国内外の有力顧客の獲得を図ります。
ASSP事業においては、MEMSタイミングデバイスを核として、グローバル有力顧客とのビジネス拡大を図るとともに、通信インフラ分野、高速有線通信分野を中心に新たなビジネスの育成を積極的に推進いたします。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性
① 財政状態
当連結会計年度末における総資産は919億7千7百万円(前連結会計年度末比26億5千5百万円の減少)となりました。流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金、たな卸資産を中心に610億5百万円(同41億3千1百万円の増加)となりました。主な項目を前連結会計年度と比較すると、現金及び預金が94億3千4百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が129億5千9百万円増加しております。固定資産では、のれんが19億5千万円、ソフトウエアが12億2百万円、投資有価証券が16億8千4百万円それぞれ減少しております。
当社グループの資産構成の特徴はその流動性の高さにあります。企業買収等による無形固定資産が一定割合を占めるものの、総資産の66.3%を流動資産が占めております。その一方で、主に短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の増加により流動負債は406億8千3百万円(同35億9千4百万円の増加)となりましたが、流動比率は150.0%(同3.3ポイントの悪化)となりました。流動資産から、たな卸資産76億8百万円を控除した資産の額は533億9千6百万円となっており、総資産の58.1%を占めております。このような資産構成は、当社グループが資金を長期に亘り固定化する生産設備等の資産を持たないファブレスメーカーとして事業を展開してきた結果であります。当社グループは、今後も流動性の向上と健全な資産構成のバランスシートの維持に努めてまいります。
当連結会計年度末の負債合計は657億5千3百万円(同23億4百万円の増加)となりました。負債の主な内容は、短期借入金203億2千7百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)325億円、LSI製品の製造委託先からの仕入等に対する仕入債務64億8百万円となっております。主な項目を前連結会計年度と比較すると、支払手形及び買掛金が51億4千8百万円の減少、また、運転資金の旺盛な資金需要に備えた結果、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む。)は45億円、短期借入金は32億6千6百万円の増加となっております。
純資産は262億2千3百万円(同49億6千万円の減少)となりました。主な項目を前連結会計年度と比較すると、親会社株主に帰属する当期純損失が17億2千7百万円、剰余金の配当が7億3千8百万円となり、その他有価証券評価差額が21億9千9百万円、為替換算調整勘定が3億4千2百万円の減少となっております。
以上の結果、有利子負債の増加が主な要因となり、自己資本比率は28.5%と(同4.5ポイントの悪化)となりました。
② キャッシュ・フロー
当連結会計年度においては、営業活動によるキャッシュ・フローが137億円の資金の使用(前年同期は47億1千5百万円の資金の獲得)、投資活動によるキャッシュ・フローが、24億9千9百万円の資金の使用(前年同期は50億7百万円の資金の使用)、財務活動によるキャッシュ・フローが70億4千万円の資金の獲得(前年同期は79億5千4百万円の資金の獲得)となった結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ92億6千6百万円減少し、101億8千2百万円となりました。
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。
回次第25期第26期第27期第28期第29期
決算年月2015年3月2016年3月2017年3月2018年3月2019年3月
自己資本比率(%)41.341.134.333.028.5
時価ベースの自己資本比率(%)43.041.787.393.242.6
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)471.4664.710,716.9955.7-
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)73.628.02.319.9-

(注)1.各指標の計算方法は下記のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い
2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数により算出しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5.第29期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオについては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
③ 資金需要及び財務政策
当社グループは、主に営業運転資金に充当するため、必要に応じて金融機関から資金を調達することとしております。営業運転資金は、新技術・新製品の研究開発費、売上原価、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであり、営業費用の主なものはLSI製品の製造委託費用であります。
当連結会計年度の資金調達について特記すべき事項はありません。当連結会計年度末における金融機関からの借入金残高は、運転資金目的の借入金の増加に伴い、総額528億2千7百万円となっております。
当社グループは、その健全な資産構成と財務状況をベースに、当社グループの成長に必要な資金を、保有する売掛債権の売却、銀行借入れ又は増資などにより、必要な時期に必要な金額を調達できるものと考えております。

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