有価証券報告書-第34期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/26 14:46
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態および経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、雇用・所得環境の改善がみられ緩やかな回復基調で推移した一方、資源価格の高騰、物価上昇への懸念、中国経済の減速、米国の関税政策等の不安定な世界情勢により先行きの不透明感が継続しております。このような環境の下で、当社グループは2027年度を目標年次とする新中期経営戦略「Innovate100」を当期よりスタートいたしました。半導体、AI/IoTソリューション等から成る事業ポートフォリオを活かしつつ、今後の経済社会において、AI活用ユースケースの適用加速に寄与する革新的なソリューションを提供し、経済社会の生産性向上に取り組み、2027年度に連結売上高100億円超の実現を目指します。
当連結会計年度の売上高は、LSI事業では、国内市場においてOA機器市場向けで需要の回復傾向がみられた一方、アミューズメント市場向け等で在庫調整等の影響が継続し、また海外市場においても米国市場向けは順調に推移しましたが、中国市場向けは関税懸念の影響等により受注が減少し、全体として前期比2%の減少となりました。AIOT事業では、スマートメーター向け通信モジュール製品の量産出荷を開始したほか自動体外式除細動器(AED)、エレベータ遠隔監視用途向け等の製品出荷も順調に推移し、前期比5%の増加となりました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、46億39百万円(前期比0.5%増)となり、売上総利益は22億85百万円(前期比9.6%減)となりました。販売費及び一般管理費については、新中期経営戦略「Innovate100」目標の達成に向けた戦略的な研究開発投資(13億21百万円、前期比14.5%増)を行った結果、販売費及び一般管理費全体として、26億28百万円(前期比5.1%増)となりました。これらの結果、当連結会計年度の営業損失は3億42百万円(前期は営業利益28百万円)、減価償却費を考慮しない営業利益(EBITDA※)はマイナス2億68百万円(前期は1億25百万円)となりました。また、前期末比で為替が円高進行した影響により為替差損65百万円を計上する等した結果、経常損失は4億3百万円(前期は経常利益2億64百万円)、保有する一部の投資有価証券の売却を行い投資有価証券売却益1億34百万円を計上する等した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は3億34百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純利益3億39百万円)となりました。
※EBITDA(Earnings before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization):当社グループでは簡易的に営業利益に減価償却費を加えて算出しております。
セグメント別の状況
当社グループは、LSI事業とAIOT事業を事業セグメント区分としております。
なお、セグメント間の取引を相殺消去後の金額で記載しております。
(単位:百万円)
2025年12月期2024年12月期増減率(%)
LSI事業売上高2,8302,887△2.0
営業利益△324△134-
EBITDA△255△41-
AIOT事業売上高1,8091,726+4.8
営業利益△17162-
EBITDA△13167-
合計売上高4,6394,614+0.5
営業利益△34228-
EBITDA△268125-

(LSI事業)
当連結会計年度のLSI事業の売上高は、日本市場では一部において需要の回復傾向がみられましたが、引き続き顧客の在庫調整等の影響が継続し、また海外市場においても米国市場向けは順調に推移しましたが、中国市場等において関税懸念の影響等もあり、全体として前期比2.0%の減少となりました。
産業機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の73%を占めております。OA機器市場向けでは顧客需要が順調に回復し、製品出荷が増加いたしましたが、アミューズメント機器市場向けにおいては依然として顧客の在庫調整等の影響が解消されず回復は翌期以降に持ち越しとなり、産業機器市場向け全体としては前期比で概ね同水準(前期比0.6%増)となりました。
車載機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の16%を占めております。EVパネル向け新製品等の出荷が増加し、米国市場向け等において前期比で出荷が増加しましたが、中国市場向け等においては関税懸念の影響等もあり減少した結果、全体としては前期比概ね同水準(前期比1.0%減)となりました。
民生機器市場向けビジネスは、LSI事業の売上全体の11%を占めております。2023年度より提供を開始した次世代高速インターフェース標準技術「V-by-One®HS plus Standard」の提供は順調に進行しておりますが、民生機器市場向け全体としては前期比17%の減少となりました。
これらの結果、LSI事業全体の売上高は28億30百万円(前期比2.0%減)、売上総利益は18億91百万円(前期比3.1%減)となりました。
当連結会計年度においては、中期経営戦略「Innovate100」目標の達成に向けた戦略的な研究開発を積極的に実施しました。世界初のDSPレス技術により低遅延・低消費電力を実現するAIデータセンター向け光半導体製品の開発、EVパネル向け高速インターフェースV-by-One®HS新製品のラインアップ拡充、新規電源製品の開発、スマートモジュール活用ソリューションの開発、5Gを遥かに超える次世代高速無線通信技術の開発等を行い、これらの活動により、当連結会計年度において研究開発費12億82百万円を計上しました。なお、当社のAIデータセンター向け光半導体製品の開発については、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)における令和7年度社会実装・海外展開志向型戦略プログラムの活動として採択されており、研究開発活動の一部については翌期以降に助成を受ける見込みです。
これらの結果、LSI事業の当連結会計年度における営業損失は3億24百万円(前期は営業損失1億34百万円)、EBITDAはマイナス2億55百万円(前期はマイナス41百万円)となりました。
(AIOT事業)
当連結会計年度のAIOT事業の売上高は、ドライブレコーダ向けおよび自動販売機向け等において顧客需要の減少による受注減少がありましたが、当期下半期よりスマートメーター用無線通信モジュールの量産出荷を本格開始したほか、自動体外式除細動器(AED)・エレベータ等の遠隔監視等向けの製品出荷が順調に推移し、前期比で4.8%の増加となりました。これらの結果、AIOT事業の売上高は18億9百万円(前期比4.8%増)、売上総利益は3億94百万円(前期比31.8%減)となりました。
当連結会計年度においては、AI・IoTを活用する新ニーズの拡大による新しいアプリケーション市場の拡大を見据えたソリューションの開発に取り組み、音声通話機能付きゲートウェイ新製品の開発、スマートIoTルーターの開発等を行い、全体として研究開発費39百万円を計上いたしました。
これらの結果、AIOT事業の当連結会計年度における営業損失は17百万円(前期は営業利益1億62百万円)、EBITDAはマイナス13百万円(前期はEBITDA1億67百万円)となりました。
当社グループは半導体、AI/IoTソリューション等の事業間でのシナジーを一層高めるため、2025年7月1日付で、当社グループのAIOT事業の中核企業であるキャセイ・トライテック株式会社を「ザイン・モバイルテック株式会社」に社名変更いたしました。当社グループにおいてザイン(THine)ブランドのシナジーを活かした革新的ソリューション提供と社会貢献を目指して参ります。また、当社グループはAIOT事業の一環として、2024年度にサーバー事業を立ち上げ、連結子会社ザイン・ハイパーデータ株式会社を中国企業と合弁にて設立致しましたが、昨今の米中問題に起因する当社事業環境の変化に鑑み、日本市場に対応した事業を進めるため合弁契約を解消し、当社の100%子会社化して事業を推進していくこととしました。
※「V-by-One」はザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。
b.財政状態
当連結会計年度における資産合計は、売掛金および棚卸資産が増加した一方、現金及び預金および投資有価証券の減少等により、前連結会計年度末と比較して6億64百万円の減少となりました。また、負債合計は、流動負債その他の増加等により11百万円の増加となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上、配当金の支払いおよび自己株式の取得等により6億75百万円の減少となりました。
これらの結果、当連結会計年度末における自己資本比率は、90.4%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前当期純損失を2億54百万円計上したことに加え、売上債権が3億42百万円、棚卸資産が89百万円増加したことおよび法人税等を純額で95百万円支払ったこと等により、7億7百万円のマイナスとなりました。(前期は73百万円のマイナス)
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、固定資産および投資有価証券の取得による支出の一方、投資有価証券の売却等により1億94百万円のプラスとなりました。(前期は15百万円のプラス)
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、配当金の支払いおよび自己株式の取得等により3億39百万円のマイナスとなりました。(前期は1億61百万円のマイナス)
これらの結果により、現金及び現金同等物は現金及び現金同等物に係る換算差額を加味した全体として8億51百万円減少し、当連結会計年度末残高は64億54百万円となりました。当社グループとしては、機動的な研究開発リソースの確保やM&Aの機会に迅速に対応できるよう内部留保を厚くする方針であり、資金運用に関しても流動性を重視した運用を行うこととしております。
③生産、受注および販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
前期比(%)
LSI事業(千円)1,004,603121.1
AIOT事業(千円)--
合計1,004,603121.1

(注)金額は、製造原価によっております。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
前期比(%)
LSI事業(千円)71,45383.0
AIOT事業(千円)1,454,593121.7
合計1,526,047119.3

(注)金額は、仕入価格によっております。
c.受注実績
当社グループは、一部、受注生産を行っておりますが、基本的には販売先から入手するフォーキャストに基づく見込生産を行っておりますので、記載を省略しております。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年1月1日
至 2025年12月31日)
前期比(%)
LSI事業(千円)2,830,13498.0
AIOT事業(千円)1,809,267104.8
合計4,639,402100.5

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社マクニカ980,54721.3872,88818.8
加賀電子株式会社487,13310.6557,75812.0
富士通株式会社--750,53416.2

(注)前連結会計年度の富士通株式会社の販売実績および総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満ですので、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針および会計上の見積りと当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを実施しております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針および会計上の見積りと当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)および注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載されているとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容
a.経営成績等に関する分析
イ.経営成績
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.経営成績」に記載のとおりであります。
ロ.財政状態
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」に記載のとおりであります。
ハ.キャッシュ・フローの状況
当該事項につきましては、本報告書の「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループは半導体業界の常に新しい技術が創出され技術の陳腐化の早い環境下にあり、この環境の変化に対応するため、機動的な研究開発リソースの確保やM&Aの機会に迅速に対応できるよう内部留保を厚くし、資金の流動性を高く維持する方針としております。

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