四半期報告書-第201期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものです。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は,引き続き設備投資の増加や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど,緩やかな回復基調となりました。また,世界経済については,米国の政策動向や東アジアなどにおける地政学的リスクにより不確実性が高まっているものの,欧米を中心に成長が継続し,中国及び新興国も堅調に推移しています。
このような事業環境下において,当社グループの当第3四半期連結累計期間の受注高は前年同期比5.3%増の9,775億円となりました。また,売上高は前年同期比9.0%増の1兆1,313億円となりました。
損益面では,営業利益は,プロセスプラントで採算が悪化したものの,前年同期にあったF-LNG・海洋構造物やボイラにおける採算悪化が解消したことや,各報告セグメントでの増収による増益及び民間向け航空エンジンの採算改善などにより,320億円増益の515億円となりました。経常利益は,持分法による投資損益が悪化したことなどにより増益幅が縮小し,209億円増益の296億円となり,親会社株主に帰属する四半期純損益は,190億円増益の98億円となりました。
持分法による投資損益の悪化については,当社の関連会社であるジャパン マリンユナイテッド株式会社(以下,JMU)が建造中のLNG船において,防熱工事の工程遅延などを受けて,建造工程やコストを見直したことなどによるものです。
なお,当連結会計年度においても,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更しており,該当する連結子会社の会計期間が12か月となっています。この影響により,売上高で579億円,営業利益で14億円(前連結会計年度では,売上高で252億円,営業利益で27億円)がそれぞれ増加しています。
当第3四半期連結累計期間の報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,ボイラで増加したものの,プロセスプラントや原子力で減少しました。
売上高は,報告期間統一の影響のほか,プロセスプラントにおいて大型プロジェクトが進捗したことや,ボイラや原子力,陸舶用原動機で増収となりました。
営業損益は,プロセスプラントで採算が悪化したものの,ボイラでの採算悪化の解消や上記の増収により,赤字幅が縮小しました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,シールドシステムで減少したものの,橋梁・水門でムンバイ湾横断道路橋を受注したことにより,増加しました。
売上高は,シールドシステムで統合の効果や工事進捗に伴う増収があったものの,F-LNG・海洋構造物や交通システムで減収となりました。
営業損益は,前年同期に計上したF-LNG・海洋構造物の赤字が解消したことなどにより,営業黒字となりました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,車両過給機や熱・表面処理で増加しました。
売上高は,報告期間統一の影響に加えて,車両過給機の中国向け販売台数が増加したことなどにより,増収となりました。
営業利益は,上記の増収はあったものの,販管費の増加などにより,ほぼ横ばいとなりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,防衛機器システムで減少したものの,民間向け航空エンジンで増加し,ほぼ横ばいとなりました。
売上高は,民間向け航空エンジンやロケットシステム・宇宙利用で増収となりました。
営業利益は,新型のPW1100Gエンジンの販売増加による採算悪化や販管費の増加はあったものの,民間向け航空エンジンのスペアパーツの増加や為替の好転などにより,増益となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は,1兆6,771億円となり,前連結会計年度末と比較して156億円減少しました。主な減少項目は受取手形及び売掛金で424億円,投資有価証券で206億円,流動資産その他で103億円,主な増加項目は仕掛品で568億円です。
負債は1兆3,267億円となり,前連結会計年度末と比較して284億円減少しました。主な減少項目は,流動負債その他で276億円,長期借入金で247億円,受注工事損失引当金で140億円,前受金で115億円,主な増加項目はコマーシャル・ペーパーで250億円,未払法人税等で128億円,支払手形及び買掛金で115億円です。
純資産は3,504億円となり,前連結会計年度末と比較して127億円増加しました。これには親会社株主に帰属する四半期純利益98億円,為替換算調整勘定の増加39億円,剰余金の配当による減少46億円が含まれています。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の18.8%から19.6%となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,627億円であり,前連結会計年度末と比較して91億円減少しています。これは売上債権の回収が進んだことや,投資有価証券の売却により投資の回収が進んだことが要因となっています。
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は1,085億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における,グループ全体の研究開発活動の金額は242億円です。なお,当第3四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営方針,経営戦略,対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において,経営方針,経営戦略,対処すべき課題について重要な変更はありません。
当社グループは,平成28年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づく取組みを進めています。同方針で掲げている「収益基盤の強化」を実現するため,① 品質を含めたものづくり力を強化する,② 事業戦略の実行力を高める,③ 工事利益を安定的に確保できる体制を整備する,④ お客さまの価値創造に向けたソリューションを提供し,製品・サービスを高度化する,という4つの方針に基づく各種施策を実施しています。
当連結会計年度については,「信頼回復・そして変える」をスローガンとして掲げ,通期業績見通しと「グループ経営方針2016」にて掲げる平成30年度経営目標の達成を確実なものとすべく,リスクマネジメントの徹底により業績下振れを防止するとともに,上記の4つの方針に基づく施策に取り組み,収益基盤の強化を図っています。また合わせて,労働生産性の向上などを目指した働き方改革を推進しています。
なお,当社グループが北米で遂行中のプロセスプラント案件で,当初見積時から物量が増加したため,調達費や建設費が増加するとともに工程遅れが生じ,建設計画全体の見直しが必要となりました。これに伴い,工程キャッチアップのための費用を織り込んだことにより,採算が悪化いたしました。外注の管理も含めたきめ細かな進捗管理を実施するとともに,海外現地工事に精通した有識者を投入するなど,プロジェクト遂行体制を更に強化し,採算悪化リスクの低減を図っています。
持分法による投資損益の悪化については,JMUが建造中のLNG船における防熱工事の工程遅延に対して,当社グループとして建造工程が全体最適になるように,作業分担や手順の見直しを行なっています。グループの総力を結集して工事の完工を目指してまいります。
また,当社グループの原子力事業につきまして,当社は米原発大手ウエスチングハウス社が建設を担っている米国内二か所の原子力発電所の機器製作に携わっていますが,そのうちのサウスカロライナ州の原子力発電所については建設中止となり,もう一方のジョージア州の原子力発電所については平成29年12月に州規制局により建設継続が承認されました。プロジェクトの再開を受けて,引き続き当社の所掌範囲について適切に対応してまいります。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間のわが国経済は,引き続き設備投資の増加や個人消費に持ち直しの動きが見られるなど,緩やかな回復基調となりました。また,世界経済については,米国の政策動向や東アジアなどにおける地政学的リスクにより不確実性が高まっているものの,欧米を中心に成長が継続し,中国及び新興国も堅調に推移しています。
このような事業環境下において,当社グループの当第3四半期連結累計期間の受注高は前年同期比5.3%増の9,775億円となりました。また,売上高は前年同期比9.0%増の1兆1,313億円となりました。
損益面では,営業利益は,プロセスプラントで採算が悪化したものの,前年同期にあったF-LNG・海洋構造物やボイラにおける採算悪化が解消したことや,各報告セグメントでの増収による増益及び民間向け航空エンジンの採算改善などにより,320億円増益の515億円となりました。経常利益は,持分法による投資損益が悪化したことなどにより増益幅が縮小し,209億円増益の296億円となり,親会社株主に帰属する四半期純損益は,190億円増益の98億円となりました。
持分法による投資損益の悪化については,当社の関連会社であるジャパン マリンユナイテッド株式会社(以下,JMU)が建造中のLNG船において,防熱工事の工程遅延などを受けて,建造工程やコストを見直したことなどによるものです。
なお,当連結会計年度においても,一部の海外連結子会社の決算日を12月31日から3月31日に変更しており,該当する連結子会社の会計期間が12か月となっています。この影響により,売上高で579億円,営業利益で14億円(前連結会計年度では,売上高で252億円,営業利益で27億円)がそれぞれ増加しています。
当第3四半期連結累計期間の報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
報告セグメント | 受注高 | 前第3四半期 | 当第3四半期 | 前年同期比 増減率 | |||||
前第3 四半期 連結 累計期間 | 当第3 四半期 連結 累計期間 | 前年 同期比 増減率 (%) | 連結累計期間 | 連結累計期間 | |||||
(28.4~28.12) | (29.4~29.12) | (%) | |||||||
売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | 売上高 | 営業 損益 | ||||
資源・ エネルギー・ 環境 | 2,698 | 2,651 | △1.7 | 2,973 | △158 | 3,518 | △107 | 18.3 | - |
社会基盤・海洋 | 911 | 1,045 | 14.7 | 1,075 | △167 | 1,046 | 84 | △2.7 | - |
産業システム・ 汎用機械 | 3,186 | 3,526 | 10.7 | 2,985 | 112 | 3,314 | 109 | 11.0 | △3.2 |
航空・宇宙・防衛 | 2,341 | 2,358 | 0.7 | 3,226 | 416 | 3,265 | 467 | 1.2 | 12.4 |
報告セグメント 計 | 9,137 | 9,582 | 4.9 | 10,261 | 203 | 11,146 | 554 | 8.6 | 172.6 |
その他 | 500 | 554 | 10.9 | 487 | 10 | 463 | 8 | △5.1 | △12.8 |
調整額 | △350 | △361 | - | △367 | △18 | △296 | △47 | - | - |
合計 | 9,287 | 9,775 | 5.3 | 10,382 | 194 | 11,313 | 515 | 9.0 | 164.5 |
⦅資源・エネルギー・環境⦆
受注高は,ボイラで増加したものの,プロセスプラントや原子力で減少しました。
売上高は,報告期間統一の影響のほか,プロセスプラントにおいて大型プロジェクトが進捗したことや,ボイラや原子力,陸舶用原動機で増収となりました。
営業損益は,プロセスプラントで採算が悪化したものの,ボイラでの採算悪化の解消や上記の増収により,赤字幅が縮小しました。
⦅社会基盤・海洋⦆
受注高は,シールドシステムで減少したものの,橋梁・水門でムンバイ湾横断道路橋を受注したことにより,増加しました。
売上高は,シールドシステムで統合の効果や工事進捗に伴う増収があったものの,F-LNG・海洋構造物や交通システムで減収となりました。
営業損益は,前年同期に計上したF-LNG・海洋構造物の赤字が解消したことなどにより,営業黒字となりました。
⦅産業システム・汎用機械⦆
受注高は,車両過給機や熱・表面処理で増加しました。
売上高は,報告期間統一の影響に加えて,車両過給機の中国向け販売台数が増加したことなどにより,増収となりました。
営業利益は,上記の増収はあったものの,販管費の増加などにより,ほぼ横ばいとなりました。
⦅航空・宇宙・防衛⦆
受注高は,防衛機器システムで減少したものの,民間向け航空エンジンで増加し,ほぼ横ばいとなりました。
売上高は,民間向け航空エンジンやロケットシステム・宇宙利用で増収となりました。
営業利益は,新型のPW1100Gエンジンの販売増加による採算悪化や販管費の増加はあったものの,民間向け航空エンジンのスペアパーツの増加や為替の好転などにより,増益となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は,1兆6,771億円となり,前連結会計年度末と比較して156億円減少しました。主な減少項目は受取手形及び売掛金で424億円,投資有価証券で206億円,流動資産その他で103億円,主な増加項目は仕掛品で568億円です。
負債は1兆3,267億円となり,前連結会計年度末と比較して284億円減少しました。主な減少項目は,流動負債その他で276億円,長期借入金で247億円,受注工事損失引当金で140億円,前受金で115億円,主な増加項目はコマーシャル・ペーパーで250億円,未払法人税等で128億円,支払手形及び買掛金で115億円です。
純資産は3,504億円となり,前連結会計年度末と比較して127億円増加しました。これには親会社株主に帰属する四半期純利益98億円,為替換算調整勘定の増加39億円,剰余金の配当による減少46億円が含まれています。
以上の結果,自己資本比率は,前連結会計年度末の18.8%から19.6%となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第3四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース債務を含めて3,627億円であり,前連結会計年度末と比較して91億円減少しています。これは売上債権の回収が進んだことや,投資有価証券の売却により投資の回収が進んだことが要因となっています。
当第3四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物は1,085億円であり,主要銀行とのコミットメントライン契約や当座貸越枠,コマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段とあわせて,十分な流動性を確保しています。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における,グループ全体の研究開発活動の金額は242億円です。なお,当第3四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営方針,経営戦略,対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において,経営方針,経営戦略,対処すべき課題について重要な変更はありません。
当社グループは,平成28年度を初年度とする3か年の中期経営計画「グループ経営方針2016」に基づく取組みを進めています。同方針で掲げている「収益基盤の強化」を実現するため,① 品質を含めたものづくり力を強化する,② 事業戦略の実行力を高める,③ 工事利益を安定的に確保できる体制を整備する,④ お客さまの価値創造に向けたソリューションを提供し,製品・サービスを高度化する,という4つの方針に基づく各種施策を実施しています。
当連結会計年度については,「信頼回復・そして変える」をスローガンとして掲げ,通期業績見通しと「グループ経営方針2016」にて掲げる平成30年度経営目標の達成を確実なものとすべく,リスクマネジメントの徹底により業績下振れを防止するとともに,上記の4つの方針に基づく施策に取り組み,収益基盤の強化を図っています。また合わせて,労働生産性の向上などを目指した働き方改革を推進しています。
なお,当社グループが北米で遂行中のプロセスプラント案件で,当初見積時から物量が増加したため,調達費や建設費が増加するとともに工程遅れが生じ,建設計画全体の見直しが必要となりました。これに伴い,工程キャッチアップのための費用を織り込んだことにより,採算が悪化いたしました。外注の管理も含めたきめ細かな進捗管理を実施するとともに,海外現地工事に精通した有識者を投入するなど,プロジェクト遂行体制を更に強化し,採算悪化リスクの低減を図っています。
持分法による投資損益の悪化については,JMUが建造中のLNG船における防熱工事の工程遅延に対して,当社グループとして建造工程が全体最適になるように,作業分担や手順の見直しを行なっています。グループの総力を結集して工事の完工を目指してまいります。
また,当社グループの原子力事業につきまして,当社は米原発大手ウエスチングハウス社が建設を担っている米国内二か所の原子力発電所の機器製作に携わっていますが,そのうちのサウスカロライナ州の原子力発電所については建設中止となり,もう一方のジョージア州の原子力発電所については平成29年12月に州規制局により建設継続が承認されました。プロジェクトの再開を受けて,引き続き当社の所掌範囲について適切に対応してまいります。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。