有価証券報告書-第126期(2024/04/01-2025/03/31)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。 (単位:百万円)
当連結会計年度の為替レートは以下のとおりです。
(注1)未入金かつ未予約のドル建売上高は当連結会計年度末のレートでもって円換算しております。
(注2)売上高平均レートは、「為替予約済レートを含む円換算売上高総額」÷「ドル建て売上高総額」であります。
(概況)
当連結会計年度の世界経済は大きな課題を抱えながらも底堅く成長を続けており、我が国経済も好調な企業業績・設備投資に支えられて良好な状態が続きましたが、グローバル的な不確実性は依然として高い水準にありました。
世界の新造船市場においては、2021年以降は受注量が竣工量を大きく上回る状況が続き、日本造船所はおよそ3.5~4年分の受注残を確保しておりますが、中国造船所は竣工量、受注量、手持工事量が載荷重量トン(DWT)で、それぞれ世界全体の55.7%、74.1%、63.1%と15年連続で世界一になる強大な存在となりました。
当連結会計年度の経営成績は、中核である新造船事業において、売上高平均為替レートが前期比6円42銭の円安であったことに加えてハンディ型撒積運搬船の大量連続建造効果により建造量が期初計画より増加し、修繕船事業、鉄構・機械事業においては構造改革が順調に進捗した結果、売上高は159,227百万円、営業利益は29,466百万円、経常利益は29,504百万円、税金等調整前当期純利益は29,590百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は26,245百万円となりました。

<セグメント別概況>(単位:百万円)
〈新造船事業〉
当連結会計年度の売上高は122,877百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は27,572百万円(前年同期比64.3%増)となりました。資機材価格の高騰や人件費の大幅な上昇があったものの、ドル円相場が円安水準で推移したこと、当期のグループ中核商品と位置付けているハンディ型撒積運搬船の連続・大量建造により建造量が期初計画より増加したこと、海外を含めたサプライチェーンの再編や設計・製造・調達など関係者一丸となった原価削減活動により想定以上の原価削減効果が出たこと等により、前期比で大幅な増収増益となりました。
当連結会計年度におきましては、ハンディ型撒積運搬船23隻に加えて、地球環境に配慮したLPG燃料対応大型LPG・アンモニア運搬船(VLGC)1隻およびLNG二元燃料大型撒積運搬船1隻を完工し、VLGC2隻および大型撒積運搬船10隻、ハンディ型撒積運搬船10隻を受注した結果、当連結会計年度末の受注残高は394,070百万円(前年同期比26.8%増)となりました。
〈修繕船事業〉
佐世保重工業株式会社と函館どつく株式会社が担う修繕船事業において、当連結会計年度の売上高は23,041百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益は3,636百万円(前年同期比105.8%増)となりました。主力の国内艦艇修繕工事が順調に完工したことに加えて、佐世保重工業株式会社においては、新造船部門から修繕船部門に移籍した人員の技術・技能習熟度の向上により事業基盤の強化が進み、技術難易度が高い民間船の大型修繕工事や米軍艦艇にも積極的に取り組み、函館どつく株式会社においては海上保安庁巡視船「えちご」の修復工事を14か月にわたり実施し完工するなど、両社の操業量が拡大し利益率も改善した結果、前期比で大幅な増収・増益となりました。
当連結会計年度末の受注残高は5,324百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
なお、復旧工事後の巡視船「えちご」は35年前の新造船建造時の性能を取り戻し、これに対して海上保安庁第九管区保安本部長より感謝状を賜りました。
〈鉄構・機械事業〉
当連結会計年度の売上高は6,225百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は115百万円(前年同期は122百万円の営業損失)となりました。鉄構橋梁部門において2023年7月に発生させました橋桁落下事故は、再発防止策を講じて慎重に施工を実施し、本年3月に竣工・引渡を完了いたしましたが、同部門の操業量や新規受注量は減少の止む無きに至りました。舶用機械部門においては、主力の舶用エンジン向けクランクシャフトの事業環境が改善し、課題であった原材料費の高騰対策についても調達先の多様化を進めたコスト削減に加え、生産効率の改善等により黒字転換を達成し、鉄構・機械事業としても営業利益を確保いたしました。
当連結会計年度末の受注残高は5,403百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
〈その他事業〉
当連結会計年度の売上高は7,084百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は836百万円(前年同期比63.6%増)となりました。
当連結会計年度末の受注残高は1,696百万円(前年同期比16.4%減)となりました。
(2)生産、受注および販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(3)財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度末の総資産は、業績の大幅な改善に加え、新造船の受注増による現預金の増加により、前連結会計年度末に比べて34,246百万円増加し、209,037百万円となりました。
負債は、新規受注案件の増加に伴う契約負債の増加や新規借入等により前連結会計年度末に比べて9,003百万円増加し、103,895百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を26,245百万円計上したこと等から、前連結会計年度末に比べて25,243百万円増加して105,142百万円となり、当連結会計年度末の自己資本比率は4.6ポイント増の50.0%となりました。
新造船事業においては進水時までに原価の85%の支払いが発生しているにも関わらず入金額が30~40%にすぎず、特に建造期間の長い大型船では造船所側の資金負担が重く、修繕船事業においても工事の大型化・長期化に関わらず工事代金の支払いが殆ど完工後で資金負担が重い状況にあります。
当社は「大型設備投資は不況時に」を原則に伊万里事業所の完成度を高めてまいりましたが、不況時における設備投資の過半を転換社債や増資で得た自己資金で賄ってきたことから、当連結会計年度末の有利子負債比率は17.0%と至って低水準で健全な状態にあります。
しかしながら、新造船事業や修繕船事業における運転資金負担の特異性、特に環境対応船の建造期間の長期化や研究開発の増加、函館どつく株式会社と佐世保重工業株式会社の老朽設備の更新と増強、当社伊万里事業所をはじめとする各工場のスマートファクトリー化などによる事業基盤強化など、さらなる成長のための長期資金の需要増に対応するために、直接金融に加えて有利子負債比率80%を限度に長期借入金の増額と当座貸越の増枠などの資金調達の方策を検討してまいります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」と言う)は、前連結会計年度末に比べ34,754百万円増加し、90,140百万円となりましたが、グループ内の資金需要が強く、さらなる上増しが必要であります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、業績の改善に加え、新造船の受注増により契約負債が増加したこと等により、37,727百万円の資金の増加になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得等により5,258百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新規借入等により2,287百万円の資金の増加となりました。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 財務政策
当社グループの事業活動にかかる運転資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源とし、必要に応じて不足分について銀行借入による調達を実施しております。設備投資資金等の長期的資金については、設備投資計画や事業投資計画に基づき、金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案した上で長期借入金(や社債)等により調達することを基本方針としております。また、国内金融機関とコミットメントライン契約を締結するなど、不測の事態にも対応できる体制を整えています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して34,754百万円増加し、90,140百万円となりました。引き続き長期的視野に立ったグループ経営を推進し、財務基盤の強化に努めてまいります。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、鋼材や資機材などの原材料費および外注加工費、人件費のほか、技術力強化や新船型開発、品質向上のための研究開発費が主な内容となっております。投資活動については、2022年度末に伊万里事業所先進化プロジェクトを発足させ、IoTやAI技術の活用による生産活動の合理化と省力化設備の導入による工場先進(スマートファクトリー)化の早期実現に向けて取り組んでおり、各製造拠点における生産性向上とコスト競争力強化を目的とした設備の近代化に加え、省エネ機器への代替や既存設備の予防保全、老朽化設備のリプレイス等の費用があります。
(6) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
(1)経営成績
当連結会計年度の業績は以下のとおりです。 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 売上高 | 135,006 | 159,227 | 24,221 | 17.9% |
| 営業利益 | 16,493 | 29,466 | 12,973 | 78.7% |
| 経常利益 | 20,007 | 29,504 | 9,497 | 47.5% |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 19,954 | 26,245 | 6,291 | 31.5% |
当連結会計年度の為替レートは以下のとおりです。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 差額 | |
| 期末レート (連結会計年度末)(注1) | 151.41円/US$ | 149.52円/US$ | 1.89円 円高 |
| 売上高平均レート(連結会計年度)(注2) | 143.58円/US$ | 150.00円/US$ | 6.42円 円安 |
(注1)未入金かつ未予約のドル建売上高は当連結会計年度末のレートでもって円換算しております。
(注2)売上高平均レートは、「為替予約済レートを含む円換算売上高総額」÷「ドル建て売上高総額」であります。
(概況)
当連結会計年度の世界経済は大きな課題を抱えながらも底堅く成長を続けており、我が国経済も好調な企業業績・設備投資に支えられて良好な状態が続きましたが、グローバル的な不確実性は依然として高い水準にありました。
世界の新造船市場においては、2021年以降は受注量が竣工量を大きく上回る状況が続き、日本造船所はおよそ3.5~4年分の受注残を確保しておりますが、中国造船所は竣工量、受注量、手持工事量が載荷重量トン(DWT)で、それぞれ世界全体の55.7%、74.1%、63.1%と15年連続で世界一になる強大な存在となりました。
当連結会計年度の経営成績は、中核である新造船事業において、売上高平均為替レートが前期比6円42銭の円安であったことに加えてハンディ型撒積運搬船の大量連続建造効果により建造量が期初計画より増加し、修繕船事業、鉄構・機械事業においては構造改革が順調に進捗した結果、売上高は159,227百万円、営業利益は29,466百万円、経常利益は29,504百万円、税金等調整前当期純利益は29,590百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は26,245百万円となりました。

<セグメント別概況>(単位:百万円)
| 売上高 | 営業利益(△は損失) | |||||||
| 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | 増減率 | 前連結 会計年度 | 当連結 会計年度 | 増減額 | 増減率 | |
| 新造船 | 102,834 | 122,877 | 20,043 | 19.5% | 16,780 | 27,572 | 10,792 | 64.3% |
| 修繕船 | 18,990 | 23,041 | 4,051 | 21.3% | 1,766 | 3,636 | 1,870 | 105.8% |
| 鉄構・機械 | 6,858 | 6,225 | △633 | △9.2% | △122 | 115 | 237 | - |
| その他 | 6,324 | 7,084 | 760 | 12.0% | 511 | 836 | 325 | 63.6% |
| 計 | 135,006 | 159,227 | 24,221 | 17.9% | 18,935 | 32,159 | 13,224 | 69.8% |
| 消去又は全社 | - | - | - | - | △2,442 | △2,693 | △251 | - |
| 連結 | 135,006 | 159,227 | 24,221 | 17.9% | 16,493 | 29,466 | 12,973 | 78.7% |
〈新造船事業〉
当連結会計年度の売上高は122,877百万円(前年同期比19.5%増)、営業利益は27,572百万円(前年同期比64.3%増)となりました。資機材価格の高騰や人件費の大幅な上昇があったものの、ドル円相場が円安水準で推移したこと、当期のグループ中核商品と位置付けているハンディ型撒積運搬船の連続・大量建造により建造量が期初計画より増加したこと、海外を含めたサプライチェーンの再編や設計・製造・調達など関係者一丸となった原価削減活動により想定以上の原価削減効果が出たこと等により、前期比で大幅な増収増益となりました。
当連結会計年度におきましては、ハンディ型撒積運搬船23隻に加えて、地球環境に配慮したLPG燃料対応大型LPG・アンモニア運搬船(VLGC)1隻およびLNG二元燃料大型撒積運搬船1隻を完工し、VLGC2隻および大型撒積運搬船10隻、ハンディ型撒積運搬船10隻を受注した結果、当連結会計年度末の受注残高は394,070百万円(前年同期比26.8%増)となりました。
〈修繕船事業〉
佐世保重工業株式会社と函館どつく株式会社が担う修繕船事業において、当連結会計年度の売上高は23,041百万円(前年同期比21.3%増)、営業利益は3,636百万円(前年同期比105.8%増)となりました。主力の国内艦艇修繕工事が順調に完工したことに加えて、佐世保重工業株式会社においては、新造船部門から修繕船部門に移籍した人員の技術・技能習熟度の向上により事業基盤の強化が進み、技術難易度が高い民間船の大型修繕工事や米軍艦艇にも積極的に取り組み、函館どつく株式会社においては海上保安庁巡視船「えちご」の修復工事を14か月にわたり実施し完工するなど、両社の操業量が拡大し利益率も改善した結果、前期比で大幅な増収・増益となりました。
当連結会計年度末の受注残高は5,324百万円(前年同期比50.3%減)となりました。
なお、復旧工事後の巡視船「えちご」は35年前の新造船建造時の性能を取り戻し、これに対して海上保安庁第九管区保安本部長より感謝状を賜りました。
〈鉄構・機械事業〉
当連結会計年度の売上高は6,225百万円(前年同期比9.2%減)、営業利益は115百万円(前年同期は122百万円の営業損失)となりました。鉄構橋梁部門において2023年7月に発生させました橋桁落下事故は、再発防止策を講じて慎重に施工を実施し、本年3月に竣工・引渡を完了いたしましたが、同部門の操業量や新規受注量は減少の止む無きに至りました。舶用機械部門においては、主力の舶用エンジン向けクランクシャフトの事業環境が改善し、課題であった原材料費の高騰対策についても調達先の多様化を進めたコスト削減に加え、生産効率の改善等により黒字転換を達成し、鉄構・機械事業としても営業利益を確保いたしました。
当連結会計年度末の受注残高は5,403百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
〈その他事業〉
当連結会計年度の売上高は7,084百万円(前年同期比12.0%増)、営業利益は836百万円(前年同期比63.6%増)となりました。
当連結会計年度末の受注残高は1,696百万円(前年同期比16.4%減)となりました。
(2)生産、受注および販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前年同期増減率(%) |
| 新造船事業 | 96,235 | △3.5 |
| 修繕船事業 | 18,550 | 13.1 |
| 鉄構・機械事業 | 5,805 | △13.8 |
| その他事業 | 6,355 | 9.2 |
| 合計 | 126,945 | △1.3 |
| (注) | 上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 |
② 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期 増減率(%) | 受注残高(百万円) | 前期末増減率(%) |
| 新造船事業 | 201,561 | 38.9 | 394,070 | 26.8 |
| 修繕船事業 | 19,915 | △7.5 | 5,324 | △50.3 |
| 鉄構・機械事業 | 6,136 | 14.9 | 5,403 | △21.8 |
| その他事業 | 7,180 | 3.3 | 1,696 | △16.4 |
| 合計 | 234,792 | 31.2 | 406,493 | 23.0 |
| (注) | 上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 |
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前年同期増減率(%) |
| 新造船事業 | 133,643 | 57.3 |
| 修繕船事業 | 25,306 | 33.0 |
| 鉄構・機械事業 | 7,640 | △3.0 |
| その他事業 | 7,513 | 9.8 |
| 合計 | 174,102 | 46.7 |
| (注) | 上記の金額は、「収益認識に関する会計基準」等によらず、工事の完成・引渡時点をもって算定された金額を記載しております。 |
(3)財政状態
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2024年3月31日) | 当連結会計年度末 (2025年3月31日) | 増減 | |
| 総資産 | 174,791 | 209,037 | 34,246 |
| 負債 | 94,892 | 103,895 | 9,003 |
| (内有利子負債) | (12,760) | (17,726) | (4,966) |
| 純資産 | 79,899 | 105,142 | 25,243 |
| 自己資本比率 | 45.4% | 50.0% | 4.6ポイント |
| 有利子負債比率 | 16.1% | 17.0% | 0.9ポイント |
当連結会計年度末の総資産は、業績の大幅な改善に加え、新造船の受注増による現預金の増加により、前連結会計年度末に比べて34,246百万円増加し、209,037百万円となりました。
負債は、新規受注案件の増加に伴う契約負債の増加や新規借入等により前連結会計年度末に比べて9,003百万円増加し、103,895百万円となりました。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益を26,245百万円計上したこと等から、前連結会計年度末に比べて25,243百万円増加して105,142百万円となり、当連結会計年度末の自己資本比率は4.6ポイント増の50.0%となりました。
新造船事業においては進水時までに原価の85%の支払いが発生しているにも関わらず入金額が30~40%にすぎず、特に建造期間の長い大型船では造船所側の資金負担が重く、修繕船事業においても工事の大型化・長期化に関わらず工事代金の支払いが殆ど完工後で資金負担が重い状況にあります。
当社は「大型設備投資は不況時に」を原則に伊万里事業所の完成度を高めてまいりましたが、不況時における設備投資の過半を転換社債や増資で得た自己資金で賄ってきたことから、当連結会計年度末の有利子負債比率は17.0%と至って低水準で健全な状態にあります。
しかしながら、新造船事業や修繕船事業における運転資金負担の特異性、特に環境対応船の建造期間の長期化や研究開発の増加、函館どつく株式会社と佐世保重工業株式会社の老朽設備の更新と増強、当社伊万里事業所をはじめとする各工場のスマートファクトリー化などによる事業基盤強化など、さらなる成長のための長期資金の需要増に対応するために、直接金融に加えて有利子負債比率80%を限度に長期借入金の増額と当座貸越の増枠などの資金調達の方策を検討してまいります。
(4)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」と言う)は、前連結会計年度末に比べ34,754百万円増加し、90,140百万円となりましたが、グループ内の資金需要が強く、さらなる上増しが必要であります。
営業活動によるキャッシュ・フローは、業績の改善に加え、新造船の受注増により契約負債が増加したこと等により、37,727百万円の資金の増加になりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得等により5,258百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、新規借入等により2,287百万円の資金の増加となりました。
(5) 資本の財源および資金の流動性についての分析
① 財務政策
当社グループの事業活動にかかる運転資金については、主として営業キャッシュ・フローで獲得した資金を財源とし、必要に応じて不足分について銀行借入による調達を実施しております。設備投資資金等の長期的資金については、設備投資計画や事業投資計画に基づき、金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案した上で長期借入金(や社債)等により調達することを基本方針としております。また、国内金融機関とコミットメントライン契約を締結するなど、不測の事態にも対応できる体制を整えています。
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して34,754百万円増加し、90,140百万円となりました。引き続き長期的視野に立ったグループ経営を推進し、財務基盤の強化に努めてまいります。
② 資金需要の主な内容
当社グループの資金需要は、営業活動については、鋼材や資機材などの原材料費および外注加工費、人件費のほか、技術力強化や新船型開発、品質向上のための研究開発費が主な内容となっております。投資活動については、2022年度末に伊万里事業所先進化プロジェクトを発足させ、IoTやAI技術の活用による生産活動の合理化と省力化設備の導入による工場先進(スマートファクトリー)化の早期実現に向けて取り組んでおり、各製造拠点における生産性向上とコスト競争力強化を目的とした設備の近代化に加え、省エネ機器への代替や既存設備の予防保全、老朽化設備のリプレイス等の費用があります。
(6) 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。