四半期報告書-第120期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/07/30 9:44
【資料】
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【項目】
36項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は売上高2兆7,166億円と、前第1四半期連結累計期間(以下、「前年同累計期間」という。)に比べ438億円(1.6%)の減収となった。営業利益は前年同累計期間に比べ442億円(28.8%)減少し、1,091億円となった。
営業外損益は498億円の利益となり、前年同累計期間に比べ135億円増加した。その結果、経常利益は1,589億円となり、前年同累計期間に比べ307億円(16.2%)の減益となった。特別損益は15億円の利益となり、前年同累計期間に比べ50億円改善した。税金等調整前四半期純利益は1,604億円となり、前年同累計期間に比べ257億円(13.8%)の減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は1,158億円となり、前年同累計期間に比べ191億円(14.1%)の減益となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により3,223億円増加、投資活動により1,364億円減少、財務活動により2,055億円減少した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により131億円減少し、連結範囲の変更に伴い11億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し316億円(2.6%)減少の1兆1,744億円となった。
(3) 生産及び販売の状況
生産実績
会社所在地生産台数(台)増減前年同累計期間比
前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間(台)(%)
日本245,389229,217△16,172△6.6%
米国236,673200,075△36,598△15.5%
メキシコ220,444179,134△41,310△18.7%
英国120,897126,4225,5254.6%
スペイン26,41829,1362,71810.3%
ロシア11,36513,6042,23919.7%
タイ29,87038,8899,01930.2%
インドネシア3,1093,85374423.9%
フィリピン1,2941,047△247△19.1%
インド62,23642,956△19,280△31.0%
南アフリカ7,46310,8703,40745.7%
ブラジル14,62127,29412,67386.7%
エジプト2,8034,3251,52254.3%
合計982,582906,822△75,760△7.7%

(注)台数集約期間は平成30年4月から平成30年6月までである。
販売実績
仕向地販売台数(連結売上台数:台)増減前年同累計期間比
前第1四半期連結累計期間当第1四半期連結累計期間(台)(%)
日本123,652124,3026500.5%
北米537,303432,611△104,692△19.5%
内、米国392,544328,168△64,376△16.4%
欧州170,883154,609△16,274△9.5%
アジア87,71977,524△10,195△11.6%
その他110,946138,59327,64724.9%
合計1,030,503927,639△102,864△10.0%

(注)台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は平成30年1月から平成30年3月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは平成30年4月から平成30年6月までである。
(4) セグメントの業績
(事業セグメント)
a. 自動車事業
当第1四半期連結累計期間における当社グループのグローバル販売台数(小売り)は1,310千台となり前年同累計期間に対し3.0%減となった。
自動車事業の業績は、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、2兆4,636億円と、前年同累計期間に比べ679億円(2.7%)の減収となった。営業利益は380億円と前年同累計期間に比べ524億円(58.0%)の減益となった。主な減益要因は、原材料価格の上昇および為替変動によるものである。
b. 販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、2,937億円と、前年同累計期間に比べ203億円(7.4%)の増収となった。営業利益は、631億円と前年同累計期間に比べ83億円(15.1%)の増益となった。
(地域セグメント)
a.日本
国内の全体需要は前年同累計期間に対し1.0%減少し、当社グループの国内販売台数も前年同累計期間に対し0.8%減の130千台となった。その結果市場占有率は前年度と同水準の10.9%となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、1兆1,069億円と、前年同累計期間に比べ77億円(0.7%)の増収となった。
営業利益は、576億円となり前年同累計期間に比べ376億円(39.5%)の減益となった。
主な減益要因は、購買コスト削減による増益はあったものの、為替変動および原材料価格の上昇、また開発費や生産費の増加によるものである。
b.北米
米国の全体需要は前年同累計期間に対し1.8%増加したが、当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し9.5%減の365千台となり、市場占有率は8.1%となった。メキシコとカナダを含む北米市場では前年同累計期間に対し9.5%減の482千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、1兆4,361億円と、前年同累計期間に比べ1,664億円(10.4%)の減収となった。
営業利益は、495億円となり前年同累計期間に比べ13億円(2.6%)の減益となった。
主な減益要因は、為替変動および購買コスト削減による増益はあったものの、原材料価格の上昇および販売台数の減少によるものである。
c.欧州
欧州の全体需要は前年同累計期間に対し6.6%増加し、ロシアを除く当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し14.4%減の139千台、市場占有率は2.9%となった。ロシアにおける当社グループの販売台数は前年比0.6%減の23千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、4,480億円と、前年同累計期間に比べ267億円(6.3%)の増収となった。
営業損失は47億円となり、前年同累計期間に比べ20億円の悪化となった。主な悪化要因は、購買コスト削減による改善はあったものの、為替変動によるものである。
d.アジア
中国を除くアジア・オセアニア市場の販売台数は前年度比7.4%減の76千台となり、アジア・オセアニア地域における売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、3,747億円と、前年同累計期間に比べ208億円(5.9%)の増収となった。
営業利益は、178億円となり前年同累計期間に比べ4億円(1.9%)の増益となった。
中国の全体需要は前年同累計期間に対し2.3%増加し、当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し6.9%増の336千台となり、市場占有率は5.0%となった。なお、合弁会社である東風日産有限公司の業績は、持分法による投資利益として営業外利益に計上している。
e.その他
アフリカ、メキシコを除く中南米、中東を含むその他市場における当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し17.5%増の124千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、2,723億円と、前年同累計期間に比べ626億円(29.8%)の増収となった。
営業損失は2億円となり、前年同累計期間に比べ9億円の改善となった。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
営業活動
営業活動による収入は3,223億円となり、前年同累計期間の1,104億円の収入に対し2,119億円の収入の増加となった。これは主として、販売金融債権が増加から減少に転じたことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1,364億円となり、前年同累計期間の2,943億円の支出に対し1,579億円減少した。これは主として、拘束性預金の減少による収入が増加したことと、リース車両の純支出(取得と売却の純額)が減少したことによるものである。
財務活動
財務活動による支出は2,055億円となり、前年同累計期間の718億円の収入に対し2,773億円増加した。これは主として、短期借入金の純増加額が減少したことと、長期借入れによる収入が減少したことによるものである。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額により131億円減少し、連結範囲の変更に伴い11億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し316億円(2.6%)減少の1兆1,744億円となった。
b.財務政策
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
(6) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、人々の生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、その実現のために、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、アライアンスのもとに全てのステークホルダーに提供していくことを目指していく。
当社グループは、平成29年11月8日に、今後6年間どのような成長を果たし、その先の更なる成長へ向けてどのように準備を進めるのかを念頭に、新しい中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」を発表した。当該中期計画は、当社グループが常に前進し、進化を果たしていくことを表し、以下のドライバーにより構成されている。
・Mobility(モビリティー)
・Operational Excellence(オペレーション・エクセレンス)
・Value to Customers(カスタマーバリュー)
・Electrification(電動化)
「Nissan M.O.V.E. to 2022」のミッションとしては、これまで「日産パワー88」で築いた強固な事業基盤をもとに、ルノー及び三菱自動車とのアライアンスの利点を活かし、以下を目指す。
① 健全な収益性と安定したフリー・キャッシュ・フローを確保しながら、持続可能な成長を実現する。
② 「技術の日産」のDNAを活かし、自動車産業における技術及びビジネスの進化をリードする。
当社グループは、これから先10年から15年の間に本格的に訪れるであろう大きな技術革新、そしてそれに伴う市場やお客様の変化を見据え、「Nissan M.O.V.E. to 2022」に取り組むことによりそのミッションを果たしていく。
当社グループが平成29年11月8日に発表した中期計画「日産M.O.V.E to 2022」では、6年間で持続可能な成長を実現し、新技術とビジネスの両面で自動車産業をリードしていくことを目指している。当該中期計画は、管理指標のひとつとして、世界の自動車市場の中で現在最も重要な市場のひとつである中国で事業を行う合弁会社の業績を比例連結した営業利益率8%を採用している。6カ年計画の終了までに、この営業利益率を確保しながら、年間売上高を16兆5,000億円へ増加させ、累計2兆5,000億円の自動車事業のフリーキャッシュ・フローを実現することを目標としている。
(7) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間における事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
昨年に発覚した完成検査に係る不適切な取扱いに関する一連の問題以降、法令順守の状況について自主点検を行ってきた。その一環として、完成検査時の燃費・排出ガスの測定に関する調査の中で、一部の排出ガス・燃費測定試験において不適切な行為があったことを把握した。現在、その原因や行為に至った背景を含め、徹底した調査を進めている。
今回の事案は、社内での自主点検の過程の中で判明したものだが、引き続き、法規・法令遵守に関する仕組み・体制・プロセスの総点検を全社的な活動として徹底的に行っていく。
(8) 研究開発活動
当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は1,228億円である。