四半期報告書-第121期第1四半期(平成31年4月1日-令和1年6月30日)
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものである。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は売上高2兆3,724億円と、前第1四半期連結累計期間(以下、「前年同累計期間」という。)に比べ3,442億円(12.7%)の減収となった。営業利益は前年同累計期間に比べ1,075億円(98.5%)減少し、16億円となった。
営業外損益は337億円の利益となり、前年同累計期間に比べ161億円減少した。その結果、経常利益は353億円となり、前年同累計期間に比べ1,236億円(77.8%)の減益となった。特別損益は84億円の損失となり、前年同累計期間に比べ99億円悪化した。税金等調整前四半期純利益は269億円となり、前年同累計期間に比べ1,335億円(83.2%)の減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は64億円となり、前年同累計期間に比べ1,094億円(94.5%)の減益となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により2,758億円増加、投資活動により1,393億円減少、財務活動により2,668億円減少した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により34億円減少し、連結範囲の変更に伴い61億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,277億円(9.4%)減少の1兆2,314億円となった。
(3) 生産及び販売の状況
生産実績
(注)台数集約期間は2019年4月から2019年6月までである。
販売実績
(注)台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2019年1月から2019年3月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2019年4月から2019年6月までである。
(4) セグメントの業績
(事業セグメント)
a. 自動車事業
当第1四半期連結累計期間における当社グループのグローバル販売台数(小売り)は1,231千台となり前年同累計期間に対し6.0%減となった。
自動車事業の業績については、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は2兆1,250億円と、前年同累計期間に比べ3,386億円(13.7%)の減収となった。営業損失は575億円と前年同累計期間に比べ955億円の悪化となった。主な悪化要因は、購買コスト削減による増益はあったものの、販売台数の減少によるものである。
b. 販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、2,985億円と、前年同累計期間に比べ48億円(1.6%)の増収となった。営業利益は、564億円と、前年同累計期間に比べ67億円(10.8%)の減益となった。
(地域セグメント)
a.日本
国内の全体需要は前年同累計期間に対し2.8%増加した一方で、当社グループの国内販売台数は前年同累計期間に対し2.6%減の126千台となった。その結果、市場占有率は10.3%となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、9,577億円と、前年同累計期間に比べ1,492億円(13.5%)の減収となった。
営業利益は181億円となり、前年同累計期間に比べ395億円(68.6%)の減益となった。
主な減益要因は、購買コスト削減による増益はあったものの、販売台数の減少によるものである。
b.北米
米国の全体需要は前年同累計期間に対し1.5%減少し、当社グループの販売台数も前年同累計期間に対し3.7%減の351千台となった。その結果、市場占有率は7.9%となった。メキシコとカナダを含む北米市場では前年同累計期間に対し6.3%減の452千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、1兆2,796億円と、前年同累計期間に比べ1,565億円(10.9%)の減収となった。
営業利益は7億円となり、前年同累計期間に比べ488億円(98.6%)の減益となった。
主な減益要因は、販売台数の減少、仕様変更に伴う費用の増加及び原材料価格の上昇によるものである。
c.欧州
欧州の全体需要は前年同累計期間に対し2.3%減少し、ロシアを除く当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し15.3%減の117千台、市場占有率は2.4%となった。ロシアにおける当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し21.7%減の18千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、3,488億円と、前年同累計期間に比べ992億円(22.1%)の減収となった。
営業損失は114億円となり、前年同累計期間に比べ67億円の悪化となった。主な悪化要因は、購買コスト削減による改善はあったものの、販売台数の減少によるものである。
d.アジア
中国を除くアジア市場の販売台数は前年同累計期間に比べ5.5%減の57千台となり、アジア地域における売上高(所在地間の内部売上高を含む)は3,323億円と、前年同累計期間に比べ424億円(11.3%)の減収となった。
営業利益は106億円となり、前年同累計期間に比べ72億円(40.3%)の減益となった。
中国の全体需要は前年同累計期間に対し11.9%減少した一方で、当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し2.3%増の344千台となり、市場占有率は5.7%となった。なお、合弁会社である東風日産有限公司の業績は、持分法による投資利益として営業外利益に計上している。
e.その他
大洋州、中近東、アフリカ、メキシコを除く中南米における当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し16.3%減の117千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は1,690億円となり、前年同累計期間に比べ1,033億円(37.9%)の減収となった。
営業損失は51億円となり、前年同累計期間に比べ49億円の悪化となった。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
営業活動
営業活動による収入は2,758億円となり、前年同累計期間の3,223億円の収入に対し465億円の収入の減少となった。これは主として、販売金融債権の減少幅が大きくなったものの、税金等調整前四半期純利益の減少及び仕入債務の減少幅が大きくなったことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1,393億円となり、前年同累計期間の1,364億円の支出に対し29億円増加した。これは主として、固定資産の取得による支出が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動による支出は2,668億円となり、前年同累計期間の2,055億円の支出に対し613億円増加した。これは主として、長期借入金の返済による支出の増加によるものである。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額により34億円減少し、連結範囲の変更に伴い61億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,277億円(9.4%)減少の1兆2,314億円となった。
b.財務政策
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
(6) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、人々の生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、その実現のために、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、アライアンスのもとに全てのステークホルダーに提供していくことを目指していく。
当社グループは、2017年11月8日に、今後6年間どのような成長を果たし、その先の更なる成長へ向けてどのように準備を進めるのかを念頭に、新しい中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」を発表した。当該中期計画は、当社グループが常に前進し、進化を果たしていくことを表し、以下のドライバーにより構成されている。
・Mobility(モビリティー)
・Operational Excellence(オペレーション・エクセレンス)
・Value to Customers(カスタマーバリュー)
・Electrification(電動化)
「Nissan M.O.V.E. to 2022」のミッションとしては、これまで「日産パワー88」で築いた強固な事業基盤をもとに、ルノー及び三菱自動車とのアライアンスの利点を活かし、以下を目指す。
① 健全な収益性と安定したフリー・キャッシュ・フローを確保しながら、持続可能な成長を実現する。
② 「技術の日産」のDNAを活かし、自動車産業における技術及びビジネスの進化をリードする。
直面する課題に対するリカバリープランとして、米国事業のリカバリー、事業及び投資効率の適正化、新商品、新技術、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を軸にした着実な成長、という三点を主な取り組みとした事業改革計画を2019年5月14日に発表した。営業利益率8%から6%への大幅な見直しとなるが、従来の規模拡大路線から、より持続可能な成長路線への変換を目指していく。
当社とルノー及び三菱自動車工業は、2019年3月にアライアンス オペレーティング ボード(以下、アライアンス ボード)を新たに設立する意向を表明した。アライアンス ボードによるオペレーション上の意思決定は、アライアンスのWIN-WINの精神に則り、同ボードメンバーの合意に基づき、行われる。同ボードはパートナー3社の価値の拡大を実現する、新たな手法の提案及び実行を推進する為、具体的なテーマに沿ったプロジェクトを立ち上げていく。アライアンスボードは、日産、ルノー及び三菱自動車工業が力を合わせて急速な変化及び競争の激化に直面する世界の自動車業界においてトップの座に立つための一助となるべく設立される。
当社グループは、これから先10年から15年の間に本格的に訪れるであろう大きな技術革新、そしてそれに伴う市場やお客様の変化を見据え、「Nissan M.O.V.E. to 2022」に取り組むことによりそのミッションを果たしていく。
(7) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間における事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
2017年に発覚した完成検査に係る不適切な取扱いに関する一連の問題以降、法令順守の状況について自主点検を行ってきた。その一環として、完成検査時の燃費・排出ガスの測定に関する調査の中で、一部の排出ガス・燃費測定試験において不適切な行為があったことを把握した。それを踏まえて見直した対策や昨年来実施してきた再発防止策の振り返りを含めた実施状況の進捗を国土交通省に報告した。2018年12月19日、当社が完成検査に係る不適切事案に関し、国土交通省より業務改善指導を受けた。これを受けて、当社の業務改善状況等につき2019年5月17日に国土交通省に報告した。当社の自主点検において判明した事とはいえ、このような事案が継続していたことを厳粛に受け止め、引き続き、安全確保を第一に、法規・法令遵守に関する仕組み・体制・プロセスの総点検を全社的な活動として徹底的に行っていく。
当社の元代表取締役が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)で起訴されるとともに、元代表取締役会長においては会社法違反(特別背任罪)でも起訴された。併せて当社自身も金融商品取引法違反により起訴された。当社はこの事態を重く受け止め、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年3月27日に同委員会からガバナンスの改善策及び、将来にわたり事業活動を行っていくための基盤となる健全なガバナンス体制の在り方についての提言をまとめた報告書を受領した。
これを受け、当社は指名委員会等設置会社へ移行しており、引き続き、ガバナンスの改善、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めていく所存であることを表明している。
(8) 研究開発活動
当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は1,216億円である。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における当社グループの業績は売上高2兆3,724億円と、前第1四半期連結累計期間(以下、「前年同累計期間」という。)に比べ3,442億円(12.7%)の減収となった。営業利益は前年同累計期間に比べ1,075億円(98.5%)減少し、16億円となった。
営業外損益は337億円の利益となり、前年同累計期間に比べ161億円減少した。その結果、経常利益は353億円となり、前年同累計期間に比べ1,236億円(77.8%)の減益となった。特別損益は84億円の損失となり、前年同累計期間に比べ99億円悪化した。税金等調整前四半期純利益は269億円となり、前年同累計期間に比べ1,335億円(83.2%)の減益となった。親会社株主に帰属する四半期純利益は64億円となり、前年同累計期間に比べ1,094億円(94.5%)の減益となった。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間のキャッシュ・フローは、営業活動により2,758億円増加、投資活動により1,393億円減少、財務活動により2,668億円減少した。また、現金及び現金同等物に係る換算差額により34億円減少し、連結範囲の変更に伴い61億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,277億円(9.4%)減少の1兆2,314億円となった。
(3) 生産及び販売の状況
生産実績
会社所在地 | 生産台数(台) | 増減 | 前年同累計期間比 | |
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | (台) | (%) | |
日本 | 229,217 | 181,305 | △47,912 | △20.9 |
米国 | 200,075 | 189,061 | △11,014 | △5.5 |
メキシコ | 179,134 | 156,513 | △22,621 | △12.6 |
英国 | 126,422 | 83,016 | △43,406 | △34.3 |
スペイン | 29,136 | 18,852 | △10,284 | △35.3 |
ロシア | 13,604 | 14,165 | 561 | 4.1 |
タイ | 38,889 | 37,868 | △1,021 | △2.6 |
インドネシア | 3,853 | 888 | △2,965 | △77.0 |
フィリピン | 1,047 | 1,237 | 190 | 18.1 |
インド | 42,956 | 37,710 | △5,246 | △12.2 |
南アフリカ | 10,870 | 9,592 | △1,278 | △11.8 |
ブラジル | 27,294 | 26,736 | △558 | △2.0 |
アルゼンチン | ― | 2,178 | 2,178 | ― |
エジプト | 4,325 | 3,350 | △975 | △22.5 |
合計 | 906,822 | 762,471 | △144,351 | △15.9 |
(注)台数集約期間は2019年4月から2019年6月までである。
販売実績
仕向地 | 販売台数(連結売上台数:台) | 増減 | 前年同累計期間比 | ||
前第1四半期連結累計期間 | 当第1四半期連結累計期間 | (台) | (%) | ||
日本 | 124,302 | 123,765 | △537 | △0.4 | |
北米 | 432,611 | 368,922 | △63,689 | △14.7 | |
内、米国 | 328,168 | 288,862 | △39,306 | △12.0 | |
欧州 | 154,609 | 127,465 | △27,144 | △17.6 | |
アジア | 77,524 | 75,289 | △2,235 | △2.9 | |
その他 | 138,593 | 100,081 | △38,512 | △27.8 | |
合計 | 927,639 | 795,522 | △132,117 | △14.2 |
(注)台数集約期間は、アジアに含まれる中国、台湾は2019年1月から2019年3月まで、日本、北米、欧州、その他、並びに中国、台湾を除くアジアは2019年4月から2019年6月までである。
(4) セグメントの業績
(事業セグメント)
a. 自動車事業
当第1四半期連結累計期間における当社グループのグローバル販売台数(小売り)は1,231千台となり前年同累計期間に対し6.0%減となった。
自動車事業の業績については、売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は2兆1,250億円と、前年同累計期間に比べ3,386億円(13.7%)の減収となった。営業損失は575億円と前年同累計期間に比べ955億円の悪化となった。主な悪化要因は、購買コスト削減による増益はあったものの、販売台数の減少によるものである。
b. 販売金融事業
販売金融事業の売上高(セグメント間の内部売上高を含む)は、2,985億円と、前年同累計期間に比べ48億円(1.6%)の増収となった。営業利益は、564億円と、前年同累計期間に比べ67億円(10.8%)の減益となった。
(地域セグメント)
a.日本
国内の全体需要は前年同累計期間に対し2.8%増加した一方で、当社グループの国内販売台数は前年同累計期間に対し2.6%減の126千台となった。その結果、市場占有率は10.3%となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、9,577億円と、前年同累計期間に比べ1,492億円(13.5%)の減収となった。
営業利益は181億円となり、前年同累計期間に比べ395億円(68.6%)の減益となった。
主な減益要因は、購買コスト削減による増益はあったものの、販売台数の減少によるものである。
b.北米
米国の全体需要は前年同累計期間に対し1.5%減少し、当社グループの販売台数も前年同累計期間に対し3.7%減の351千台となった。その結果、市場占有率は7.9%となった。メキシコとカナダを含む北米市場では前年同累計期間に対し6.3%減の452千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、1兆2,796億円と、前年同累計期間に比べ1,565億円(10.9%)の減収となった。
営業利益は7億円となり、前年同累計期間に比べ488億円(98.6%)の減益となった。
主な減益要因は、販売台数の減少、仕様変更に伴う費用の増加及び原材料価格の上昇によるものである。
c.欧州
欧州の全体需要は前年同累計期間に対し2.3%減少し、ロシアを除く当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し15.3%減の117千台、市場占有率は2.4%となった。ロシアにおける当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し21.7%減の18千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は、3,488億円と、前年同累計期間に比べ992億円(22.1%)の減収となった。
営業損失は114億円となり、前年同累計期間に比べ67億円の悪化となった。主な悪化要因は、購買コスト削減による改善はあったものの、販売台数の減少によるものである。
d.アジア
中国を除くアジア市場の販売台数は前年同累計期間に比べ5.5%減の57千台となり、アジア地域における売上高(所在地間の内部売上高を含む)は3,323億円と、前年同累計期間に比べ424億円(11.3%)の減収となった。
営業利益は106億円となり、前年同累計期間に比べ72億円(40.3%)の減益となった。
中国の全体需要は前年同累計期間に対し11.9%減少した一方で、当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し2.3%増の344千台となり、市場占有率は5.7%となった。なお、合弁会社である東風日産有限公司の業績は、持分法による投資利益として営業外利益に計上している。
e.その他
大洋州、中近東、アフリカ、メキシコを除く中南米における当社グループの販売台数は前年同累計期間に対し16.3%減の117千台となった。
売上高(所在地間の内部売上高を含む)は1,690億円となり、前年同累計期間に比べ1,033億円(37.9%)の減収となった。
営業損失は51億円となり、前年同累計期間に比べ49億円の悪化となった。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.キャッシュ・フローの状況
営業活動
営業活動による収入は2,758億円となり、前年同累計期間の3,223億円の収入に対し465億円の収入の減少となった。これは主として、販売金融債権の減少幅が大きくなったものの、税金等調整前四半期純利益の減少及び仕入債務の減少幅が大きくなったことによるものである。
投資活動
投資活動による支出は1,393億円となり、前年同累計期間の1,364億円の支出に対し29億円増加した。これは主として、固定資産の取得による支出が増加したことによるものである。
財務活動
財務活動による支出は2,668億円となり、前年同累計期間の2,055億円の支出に対し613億円増加した。これは主として、長期借入金の返済による支出の増加によるものである。
また、現金及び現金同等物に係る換算差額により34億円減少し、連結範囲の変更に伴い61億円増加した結果、現金及び現金同等物の当第1四半期連結会計期間末残高は、前連結会計年度末残高に対し1,277億円(9.4%)減少の1兆2,314億円となった。
b.財務政策
金融市場の急激な環境変化などにより、資金の流動性には注視が必要であるが、当社グループは、現金及び現金同等物に加え、世界の主要銀行とコミットメントライン契約を締結しており、必要とされる充分な流動性を確保していると考えている。
(6) 経営方針・経営戦略等
当社グループは、人々の生活を豊かにすることをビジョンに掲げ、その実現のために、独自性に溢れ、革新的なクルマやサービスを創造し、その目に見える優れた価値を、アライアンスのもとに全てのステークホルダーに提供していくことを目指していく。
当社グループは、2017年11月8日に、今後6年間どのような成長を果たし、その先の更なる成長へ向けてどのように準備を進めるのかを念頭に、新しい中期計画「Nissan M.O.V.E. to 2022」を発表した。当該中期計画は、当社グループが常に前進し、進化を果たしていくことを表し、以下のドライバーにより構成されている。
・Mobility(モビリティー)
・Operational Excellence(オペレーション・エクセレンス)
・Value to Customers(カスタマーバリュー)
・Electrification(電動化)
「Nissan M.O.V.E. to 2022」のミッションとしては、これまで「日産パワー88」で築いた強固な事業基盤をもとに、ルノー及び三菱自動車とのアライアンスの利点を活かし、以下を目指す。
① 健全な収益性と安定したフリー・キャッシュ・フローを確保しながら、持続可能な成長を実現する。
② 「技術の日産」のDNAを活かし、自動車産業における技術及びビジネスの進化をリードする。
直面する課題に対するリカバリープランとして、米国事業のリカバリー、事業及び投資効率の適正化、新商品、新技術、「ニッサン インテリジェント モビリティ」を軸にした着実な成長、という三点を主な取り組みとした事業改革計画を2019年5月14日に発表した。営業利益率8%から6%への大幅な見直しとなるが、従来の規模拡大路線から、より持続可能な成長路線への変換を目指していく。
当社とルノー及び三菱自動車工業は、2019年3月にアライアンス オペレーティング ボード(以下、アライアンス ボード)を新たに設立する意向を表明した。アライアンス ボードによるオペレーション上の意思決定は、アライアンスのWIN-WINの精神に則り、同ボードメンバーの合意に基づき、行われる。同ボードはパートナー3社の価値の拡大を実現する、新たな手法の提案及び実行を推進する為、具体的なテーマに沿ったプロジェクトを立ち上げていく。アライアンスボードは、日産、ルノー及び三菱自動車工業が力を合わせて急速な変化及び競争の激化に直面する世界の自動車業界においてトップの座に立つための一助となるべく設立される。
当社グループは、これから先10年から15年の間に本格的に訪れるであろう大きな技術革新、そしてそれに伴う市場やお客様の変化を見据え、「Nissan M.O.V.E. to 2022」に取り組むことによりそのミッションを果たしていく。
(7) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間における事業上及び財務上の対処すべき課題は、次のとおりである。
2017年に発覚した完成検査に係る不適切な取扱いに関する一連の問題以降、法令順守の状況について自主点検を行ってきた。その一環として、完成検査時の燃費・排出ガスの測定に関する調査の中で、一部の排出ガス・燃費測定試験において不適切な行為があったことを把握した。それを踏まえて見直した対策や昨年来実施してきた再発防止策の振り返りを含めた実施状況の進捗を国土交通省に報告した。2018年12月19日、当社が完成検査に係る不適切事案に関し、国土交通省より業務改善指導を受けた。これを受けて、当社の業務改善状況等につき2019年5月17日に国土交通省に報告した。当社の自主点検において判明した事とはいえ、このような事案が継続していたことを厳粛に受け止め、引き続き、安全確保を第一に、法規・法令遵守に関する仕組み・体制・プロセスの総点検を全社的な活動として徹底的に行っていく。
当社の元代表取締役が金融商品取引法違反(虚偽有価証券報告書提出罪)で起訴されるとともに、元代表取締役会長においては会社法違反(特別背任罪)でも起訴された。併せて当社自身も金融商品取引法違反により起訴された。当社はこの事態を重く受け止め、独立第三者及び独立社外取締役で構成されるガバナンス改善特別委員会を設置し、2019年3月27日に同委員会からガバナンスの改善策及び、将来にわたり事業活動を行っていくための基盤となる健全なガバナンス体制の在り方についての提言をまとめた報告書を受領した。
これを受け、当社は指名委員会等設置会社へ移行しており、引き続き、ガバナンスの改善、企業風土の改革、企業倫理の再構築、企業情報の適切な開示、コンプライアンスを遵守した経営に努めていく所存であることを表明している。
(8) 研究開発活動
当社グループは、将来にわたって持続性のある車社会の実現に向けて、環境や安全など様々な分野での研究開発活動を積極的に行っている。
当第1四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発費の金額は1,216億円である。