四半期報告書-第128期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)

【提出】
2023/11/14 15:34
【資料】
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【項目】
35項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものでありますが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではありません。
(1) 経営成績の状況
当社第2四半期(2023年4月1日~2023年9月30日)における当社グループを取り巻く事業環境は、世界的なインフレによる原材料価格・エネルギーコストの市況高騰や、各国の利上げによる景気の下振れリスクなど、依然として不透明な状況が続いております。
このような状況下、当第2四半期連結累計期間(注)における当社グループの業績は、半導体供給不足の影響が段階的に改善していることや、日本・北米・欧州を中心とした自動車需要の回復、円安の影響などにより、売上高は812億円と対前年同期比100億円(+14.0%)の増収となりました。
利益面では、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁や生産性改善などの合理化を進めたものの、原材料価格・エネルギーコストの高止まりによる負担増などにより、営業損失は2億円(前期は営業損失3億円)となりました。経常利益は、為替相場の変動により当社が保有する海外子会社への外貨建ての貸付金に対して発生した為替差益を計上し12億円となったものの、対前年同期比では38億円(△76.6%)の減益となりました。
特別損益については、2022年6月に閉鎖したアラス工場(フランス)の不動産売却により固定資産売却益を計上しました。これにより、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億円となったものの、対前年同期比では39億円(△83.6%)の減益となりました。
(単位:億円)
前期当期増減増減率
売上高71281210014.0%
営業利益△3△21-%
経常利益4912△38△76.6%
税金等調整前四半期純利益5415△38△71.2%
親会社株主に帰属する四半期純利益468△39△83.6%

セグメントごとの業績は次のとおりです。
(単位:億円)
売上高営業利益
前期当期増減増減率前期当期増減増減率
日本323342196.0%4117186.9%
北米1882395127.0%△12△21△9-%
欧州61751422.6%△326-%
中国515659.2%△3△4△2-%
タイ323200.8%32△1△27.8%
インドネシア1061211614.7%88△0△3.0%
連結消去△49△54△5-%11019.4%
連結71281210014.0%△3△21-%

① 日本
半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産による受注の増加、原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁などにより、売上高は342億円と対前年同期比19億円(+6.0%)の増収となりました。
利益面では、前期から継続する原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響があるものの、上記販売価格への転嫁に加え、前期に実施した早期退職措置等による労務費の適正化や生産性向上などの合理化により、営業利益は11億円と対前年同期比7億円(+186.9%)の増益となりました。
② 北米
半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産による受注増加に加え、前期の後半に立ち上がった新型車向け製品により、売上高は239億円と対前年同期比51億円(+27.0%)の増収となりました。
利益面では原材料価格やエネルギーコストの市況高騰影響の販売価格への転嫁に努めているものの、摩擦材製品の開発費用の増加、賃金上昇による労務費の増加、生産合理化や経費削減の大幅な遅れを背景に、営業損失は21億円(前期は営業損失12億円)となりました。
③ 欧州
前期にフランスのアラス工場を閉鎖したことによる売上高の減少がありましたが、半導体の供給改善に伴う完成車メーカーの挽回生産によりスロバキア工場の受注が増加したため、売上高は75億円と対前年同期比14億円(+22.6%)の増収となりました。
利益面では、アラス工場閉鎖による固定費削減効果やスロバキア工場の受注増加の影響により、営業利益は2億円(前期は営業損失3億円)となりました。
④ 中国
ガソリン車の購入税優遇政策の終了等で主要な日系完成車メーカーを中心に受注が減少した一方で、前期の後半に立ち上がった中国系完成車メーカー向け製品売上の増加により、売上高は56億円と対前年同期比5億円(+9.2%)の増収となりました。
利益面では、生産性向上などの合理化に取り組んだものの、主要な日系完成車メーカー向け製品の受注減少や利益率の高い摩擦材製品の生産が減少した影響により、営業損失は4億円(前期は営業損失3億円)となりました。
⑤ タイ
一部車種の半導体不足による主要な日系完成車メーカー向け製品の受注減少があったものの、円安影響により売上高は32億円と対前年同期比0.3億円(+0.8%)の増収となりました。
利益面では、生産性向上などの合理化に取り組んだものの、受注減少及びエネルギーコストなどの市況高騰影響により、営業利益は2億円と対前年同期比1億円(△27.8%)の減益となりました。
⑥ インドネシア
経済全体が堅調に推移しており、小型乗用車用製品を中心とした受注が好調なことから、売上高は121億円と対前年同期比16億円(+14.7%)の増収となりました。
利益面では、受注増加の影響や生産性向上等の合理化を実施しましたが、賃金上昇による労務費増加が影響し、営業利益は8億円と対前年同期比0.2億円(△3.0%)の減益となりました。
(注) 当第2四半期連結累計期間とは
(1) 北米・中国・タイ・インドネシア:2023年1月~2023年6月
(2) 日本・欧州 :2023年4月~2023年9月 となります。
(2) 財政状態の状況
資産、負債及び純資産の状況
(単位:億円)
(資産の部)前期末当期末増減(負債・純資産の部)前期末当期末増減
流動資産73976425流動負債329842513
現金及び預金255250△5仕入債務2052127
売上債権28530419有利子負債14494480
棚卸資産1771814その他11013626
その他22297固定負債58190△491
固定資産67472753有利子負債4822△480
有形固定資産49451419その他9988△11
投資有価証券669327負債合計91093222
その他1151216純資産50355956
総資産1,4131,49178負債・純資産1,4131,49178

(資産)
当期末の資産は1,491億円と前期末比78億円の増加となりました。流動資産は764億円と前期末比25億円の増加となりました。これは主に、円安の影響などにより売上債権が19億円増加したことによるものです。固定資産は727億円と前期末比53億円の増加となりました。これは主に、株価の上昇により投資有価証券が27億円増加したこと並びに減価償却費を計上した一方で設備投資及び円安の影響により有形固定資産が19億円増加したことによるものです。
(負債)
当期末の負債は932億円と前期末比22億円の増加となりました。これは主に、円安の影響などにより仕入債務が7億円増加したことや、上述投資有価証券の増加に伴い繰延税金負債が9億円増加したことによるものです。なお、前期末比で固定負債の有利子負債が480億円減少し、流動負債の有利子負債が480億円増加しております。これは主に、返済期日が1年内となったことから、長期借入金が1年内返済予定の長期借入金に振り替わったことによるものです。
有利子負債残高496億円から「現金及び預金」を控除したネット有利子負債残高は246億円であります。
(純資産)
当期末の純資産は559億円と前期末比56億円の増加となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が8億円増加したことや株価の上昇により有価証券評価差額金が19億円増加したこと、円安の影響により為替換算調整勘定が22億円増加したことによるものです。
(3) キャッシュ・フローの状況
当期末の現金及び現金同等物は、前期末比5億円減少の250億円となりました。
(単位:億円)
前期当期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー4429△14
投資活動によるキャッシュ・フロー△32△1319
(フリー・キャッシュ・フロー)12164
財務活動によるキャッシュ・フロー△16△18△2
換算差額△31△328

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主な要因として、税金等調整前四半期純利益15億円や減価償却費32億円があった一方で、法人税等の支払額7億円や事業再編による支出4億円などがあり、資金が増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主な要因として、フランスにおける閉鎖した拠点の資産売却などにより有形及び無形固定資産の売却による収入5億円があった一方で、日本・北米・インドネシアを中心とした設備投資により有形及び無形固定資産の取得による支出18億円の計上などがあり、資金が減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
主な要因として、長期借入金の返済による支出12億円及び非支配株主への配当金の支払額4億円などにより、資金が減少となりました。
(4) 経営方針
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき課題について重要な変更はありません。
2019年9月18日付「『事業再生計画』の株式会社東京証券取引所への提出に関するお知らせ」にて公表したとおり、産業競争力強化法に基づく特定認証紛争解決手続(事業再生ADR手続)の中で全てのお取引金融機関からご同意いただいた事業再生計画に沿って、事業再構築のための各施策に引き続き取り組んでまいります。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は1,199百万円であり、この他に日常的な改良に伴って発生した研究開発関連の費用は2,067百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 主要な設備
当第2四半期連結累計期間において、主要な設備の状況に重要な変更はありません。
なお、当社は2023年10月20日開催の取締役会において、米国子会社であるAkebono Brake Corporationの事業を縮小し、米国2工場のうち、Akebono Brake, Elizabethtown Plant(米国ケンタッキー州)の生産を終了・閉鎖することを決議いたしました。閉鎖予定は2025年12月です。