有価証券報告書-第95期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/30 16:00
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
世界経済につきましては、一部に持ち直しの動きが見られるものの、米国における通商政策の動向に加え、中東地域情勢の緊迫化やロシア・ウクライナ情勢の長期化に起因する地政学的リスクの高まり等により、エネルギー価格や国際物流への影響を含め、先行きの不確実性が依然として高い状況が続いております。
我が国の経済においても、物価上昇の影響が個人消費に及んでおり、内需回復の動きは緩やかなものにとどまっております。このような環境のもと、当社グループが属する自動車業界では、中国市場を中心とした電気自動車(BEV)へのシフトの進展に加え、国際情勢や通商政策を巡る不確実性等を背景として、事業環境は引き続き厳しい状況が続くものと認識しております。
このような経営環境下において、当社グループは、中期経営計画「Kasai Turnaround Aspiration」に基づく施策を着実に実行するとともに、不採算拠点からの撤退、固定費削減、価格是正の進展等、事業構造改革を継続的に推進してまいりました。
a.財政状態
総資産は1,453億29百万円と前連結会計年度末に比べ、4億97百万円の増加(+0.3%)となりました。
負債は1,185億35百万円と前連結会計年度末に比べ、33億86百万円の減少(△2.8%)となりました。
純資産は267億93百万円と前連結会計年度末に比べ、38億84百万円の増加(+17.0%)となりました。
b.経営成績
売上高は1,961億89百万円と前連結会計年度に比べ226億11百万円(△10.3%)の減収となりました。営業利益は65億76百万円(前連結会計年度は2億89百万円の営業損失)、経常利益は57億2百万円(前連結会計年度は12億88百万円の経常損失)、親会社株主に帰属する当期純利益は40億52百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失91億82百万円)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(日本)
売上高は516億97百万円と前連結会計年度に比べ5億9百万円(△1.0%)の減収となり、セグメント利益は46億59百万円と前連結会計年度に比べ94百万円の減益となりました。
(北米)
売上高は1,088億23百万円と前連結会計年度に比べ80億64百万円(△6.9%)の減収となり、セグメント損失は4億75百万円と前連結会計年度に比べ58億49百万円の大幅な改善となりました。
(欧州)
売上高は144億17百万円と前連結会計年度に比べ131億31百万円(△47.7%)の減収となり、セグメント利益は4億57百万円と前連結会計年度に比べ7億52百万円の増益となりました。
(アジア)
売上高は212億51百万円と前連結会計年度に比べ9億4百万円(△4.1%)の減収となり、セグメント利益は18億8百万円と前連結会計年度に比べ3億10百万円の増益となりました。

② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、235億59百万円(前連結会計年度末比31億71百万円の減少)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益47億94百万円の計上に加え、主として減価償却費62億26百万円等による資金の増加があり、一方で、仕入債務の減少27億4百万円等により、96億11百万円の収入(前連結会計年度は9億11百万円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出58億95百万円、定期預金の預入による支出26億33百万円等により、78億23百万円の支出(前連結会計年度は51億70百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の減少25億2百万円、長期借入金の返済による支出10億3百万円、リース債務による返済の支出8億78百万円等により、49億21百万円の支出(前連結会計年度は73億2百万円の収入)となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高
(百万円)
前年同期比
(%)
日本51,602△1.2
北米108,790△6.9
欧州13,926△49.4
アジア21,211△4.3
合計195,530△10.6

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によるものであります。
3 当連結会計年度において、欧州セグメントの生産高に著しい変動がありました。
これはドイツ拠点における事業撤退の影響によるものであります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
日本51,611△0.33,981+10.1
北米109,627△7.09,192△2.6
欧州13,696△51.6931△60.9
アジア20,484△4.91,152△11.9
合計195,420△11.015,258△8.9

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、欧州セグメントの受注高及び受注残高に著しい変動がありました。
これはドイツ拠点における事業撤退の影響によるものであります。

c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高
(百万円)
前年同期比
(%)
日本51,697△1.0
北米108,823△6.9
欧州14,417△47.7
アジア21,251△4.1
合計196,189△10.3

(注) 1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 当連結会計年度において、欧州セグメントの販売高に著しい変動がありました。
これはドイツ拠点における事業撤退によるものであります。
3 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
日産自動車株式会社111,33150.9103,14752.6
本田技研工業株式会社45,45620.842,53021.7

4 上記の日産自動車株式会社の販売高には、同社の関係会社( 日産車体株式会社、Nissan North America, Inc.、Nissan Mexicana, S.A. De C. V.、Nissan Motor Manufacturing (UK) Ltd.、東風汽車有限公司、Nissan Motor (Thailand) Co., Ltd.、鄭州日産汽車有限公司、日産(中国)投資有限公司、東風汽車有限公司東風日産乗用車公司、NISSAN TRADING CHINA CO.,LTD.、NISSAN TRADING (THAILAND) CO.,LTD.、PT. Nissan Motor Indonesia、Nissan Motor Asia Pacific Co., Ltd.の13社)の販売高を含めております。
5 上記の本田技研工業株式会社の販売高には、同社の関係会社(株式会社本田技術研究所、Honda Development and Manufacturing of America, LLC、Honda Manufacturing of Alabama, LLC、Honda Manufacturing of Indiana, LLC、Honda Canada Inc.、Honda de Mexico S.A. de C.V.、広汽本田汽車有限公司、東風本田汽車有限公司、本田技研科技(中国)有限公司、Honda Automobile (Thailand) Co.,Ltd.、Honda Trading Asia Co., Ltd.、P.T. Honda Prospect Motorの12社)の販売高を含めております。
(2) 経営者の視点による経営成績の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
(資産の部)
総資産は1,453億29百万円と前連結会計年度末に比べ、4億97百万円の増加(+0.3%)となりました。この主な要因は、現金及び預金が12億27百万円減少、受取手形及び売掛金が13億52百万円減少した一方で、退職給付に係る資産等の投資その他の資産が26億68百万円増加したことによるものであります。
(負債の部)
負債は1,185億35百万円と前連結会計年度末に比べ、33億86百万円の減少(△2.8%)となりました。この主な要因は、賞与引当金が5億81百万円増加、その他流動負債が25億90百万円増加した一方で、支払手形及び買掛金が23億48百万円減少、電子記録債務が12億87百万円減少、長期借入金が21億13百万円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
純資産は267億93百万円と前連結会計年度末に比べ、38億84百万円の増加(+17.0%)となりました。この主な要因は、利益剰余金が40億52百万円増加したことによるものであります。
(b)経営成績の分析
(前連結会計年度と当連結会計年度の増減分析)
当連結会計年度の売上高は、主要販売先OEMの生産台数の減少及び事業撤退の影響等により、1,961億89百万円と前連結会計年度に比べ226億11百万円(△10.3%)の減収となりましたが、収益構造の改善が進展したことにより、営業利益は65億76百万円(前連結会計年度は営業損失2億89百万円)と黒字転換し、経常利益は57億2百万円(前連結会計年度は経常損失12億88百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は、40億52百万円(前連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純損失91億82百万円)となりました。
(計画値と実績値の増減分析)
売上高は主要販売先OEMの生産台数等の減少などにより予想値に比べ1.9%減となりました。北米地域における収益性改善の進展及び、日本地域における固定費削減の原価低減効果等により、営業利益は予想値より約25億円増加しました。経常利益も予想値より約32億円増加し、親会社株主に帰属する当期純利益も約30億円の増加となり、親会社株主に帰属する当期純利益は約40億円となりました。
2026年3月期
(計画)
2026年3月期
(実績)
2026年3月期
(計画比)
売上高200,000百万円196,189百万円3,811百万円減 (△1.9%減)
営業利益4,000百万円6,576百万円2,576百万円増 (64.4%増)
経常利益2,500百万円5,702百万円3,202百万円増 (128.1%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益
1,000百万円4,052百万円3,052百万円増 (305.2%増)

(注) 計画値は、2026年2月16日付け「通期連結業績予想の修正に関するお知らせ」にて公表した数値であります。
(c)当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(d)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 会社の経営の基本方針」に記載のとおりであります。
(e)セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(日本)
物価上昇の影響により、内需の中心である個人消費の低迷が続いたことから、売上高は516億97百万円と前連結会計年度比5億9百万円の減収(△1.0%)となりました。一方で、構造改革に伴う一時的な費用の影響等により、セグメント利益は46億59百万円と前連結会計年度比94百万円の減益(△2.0%)となりましたが、構造改革費用を含む一時的な損益影響を除いた通常の事業活動で継続的に創出される基礎的な収益力は概ね堅調に推移しました。
(北米)
販売先OEMの生産台数の減少や為替の影響により、売上高は1,088億23百万円と前連結会計年度比80億64百万円の減収(△6.9%)となりましたが、生産効率改善、固定費削減、価格是正の進展等、再建施策の着実な実行により、セグメント損失は4億75百万円(前連結会計年度はセグメント損失63億25百万円)と大幅に改善しました。
(欧州)
ドイツ拠点における事業撤退の影響により、売上高は144億17百万円と前連結会計年度比131億31百万円の減収(△47.7%)となりました。一方で不採算拠点の事業撤退効果によりセグメント利益は4億57百万円(前連結会計年度はセグメント損失2億94百万円)となりました。
(アジア)
中国地域では新車効果の寄与があったものの前期比では減収となり、加えて、アセアン地域においても販売先OEMの販売不振の影響を受けたことから、売上高は212億51百万円と前連結会計年度比9億4百万円の減収(△4.1%)となりましたが、不採算拠点の会社清算による連結除外効果等により、セグメント利益は18億8百万円と前連結会計年度比3億10百万円の増益(+20.7%)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b)当社グループの資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、材料費、経費、労務費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、新規車種の生産準備に係わる金型、生産設備、新工場の増新設及び設備の更新等の投資資金であります。
当社グループは事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としており、これら資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローを主とし、必要に応じて金融機関からの借入等により資金を充当しております。また、国内連結子会社にCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入、海外連結子会社についても当社がグループ資金を一元管理することで資金の効率化を図っております。さらに、当社は適時に資金繰り計画を作成・更新し、手元流動性を検証することなどにより流動性のリスクを管理しております。
当社は、2024年11月1日、当社グループの安定的な事業運営の継続、自己資本の充実による財務体質の改善・強化及び経営再建を確実とするための抜本的な構造改革施策の実施に必要な資金を確保することを目的として、日産自動車株式会社より、総額60億円の本第三者割当増資を実行いただきました。また、2024年11月1日、株式会社りそな銀行はデットデットスワップ(以下、「本DDS」といいます。)を実行しました。このように、急速な外部環境の変化に対応するため手元流動性を高め、緊急時の資金対応に備えております。
(c)資金配分について
当社グループ全体として得られた資金は、設備投資、元資金に振り分けております。設備投資については、経営戦略を踏まえた投資意義や投資資金の回収可能性を検討の上、投資の可否を判断しております。また、手元資金については、適切な事業環境に応じて一定の水準に抑えることでグループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。
なお、翌連結会計年度の設備投資予定額につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

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