有価証券報告書-第65期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当社グループは、資本市場における財務諸表の国際的な比較可能性の向上及びグループ内での会計処理の統一等を目的とし、2016年3月期から従来の日本基準に替えて国際会計基準(IFRS)を任意適用し、連結財務諸表を作成し開示しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
(資産、負債及び資本の状況)
当連結会計年度末の資産合計は1,603億8百万円となり、前連結会計年度末と比較して105億52百万円増加いたしました。当連結会計年度の期首より、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という。)を適用したこと、株式会社ジーンテクノサイエンス(以下「GTS」という。)の支配喪失に伴う持分法で会計処理されている投資への振替、及び株式会社JMDC(以下「JMDC」という。)が東京証券取引所マザーズ市場に上場したことにより、資産、負債及び資本合計が前連結会計年度末から増加しております。詳細は以下のとおりであります。
流動資産は、141億8百万円の増加となりました。これは主に現金及び現金同等物が225億89百万円増加し、売却目的で保有する資産が93億28百万円減少したことによるものです。
非流動資産は、35億55百万円の減少となりました。これは主にその他の金融資産が140億24百万円、繰延税金資産が14億37百万円減少し、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産が73億21百万円、持分法で会計処理されている投資が48億51百万円増加したことによるものです。
負債合計は46億90百万円の増加となりました。これは主にIFRS第16号の適用に伴いリース負債(流動・非流動)が77億56百万円、未払法人所得税22億33百万円、借入金(流動・非流動)が12億82百万円増加し、繰延税金負債が58億30百万円、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が16億7百万円減少したことによるものです。
資本合計は、58億62百万円の増加となりました。これは主にJMDCの上場に伴う一般公募増資、及び同社株式の一部売出し等に伴い資本剰余金が92億76百万円と非支配持分が23億41百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益12億89百万円、及びその他の包括利益から利益剰余金への振替41億92百万円等に伴い利益剰余金が48億66百万円増加し、その他の資本の構成要素が106億22百万円減少したことによるものです。
資本の財源及び資金の流動性に関しては以下のとおりであります。
当社グループでは純有利子負債EBITDA倍率が4倍を超過しない範囲を目安として調達をコントロールしております。
2021年3月期に計画している主な設備投資はものづくりセグメントにおける生産設備とヘルスケアセグメントにおける基幹系システム等であります。また2020年4月3日にAlphaTheta株式会社の株式を取得しております。それらに必要な資金については、自己資金もしくは銀行借入を予定しており、計画している投資に必要な資金については手元流動性を確保しております。
その他、提出日現在、大規模な投資計画については予定しておりません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループにおける資金繰りについても一定の影響を受ける可能性があります(各事業における具体的な影響は、「2 事業等のリスク (14) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク」をご参照ください)。その対策として、当社グループは手元現預金を一定の水準で保っており、親子間の融資が可能なようにしており、さらに当社及び一部の連結子会社は取引金融機関との間で短期借入枠を設定し、外部からの資金調達も可能な状態としております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物のアロケーション及び借入枠の未使用残高は以下のとおりであります。
(国内会社保有分) 49,852百万円
(海外子会社保有分) 309
(借入枠の未使用残高) 6,300
当連結会計年度において、継続して各分野の収益力・組織力の強化に取り組んでまいりました。中期経営計画の初年度である当連結会計年度を通じ、グループ全体の収益力向上のため、事業ポートフォリオの再編に着手いたしました。再編を推進する中で、ものづくり事業とヘルスケア事業をコア事業と定めた一方、株式会社日本再生医療(以下「JRM」という。)をGTSへ譲渡することにより経営資源を集中し、創薬事業より撤退いたしました。また、不採算事業の見直しと整理を実施し、アグリ・フード事業からも撤退を決定いたしました。
その結果、「創薬」「アグリ・フード」事業セグメントを廃止し、新たに「ものづくり」「ヘルスケア」「シニア・ライフ」「その他」の4つのセグメントに変更することといたしました。
当連結会計年度における事業の状況は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度に非継続事業に分類したNKアグリ株式会社(以下「NKA」という。)とJRM、及び当連結会計年度に確定した株式会社soliton corporation(以下「ソリトン」という。)の企業結合に係る取得対価の配分が完了したことにより、前連結会計年度の各数値は修正再表示しております。
(単位:百万円)
(注)事業EBITDA=営業利益±その他の収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
(売上収益)
ヘルスケアセグメントにおいて、医療情報に関する事業及び歯科材料・医療材料に関する事業が順調に成長したこと、及びシニア・ライフセグメントの事業が順調に成長した一方、ものづくりセグメントにおいては、ペン先部材・コスメ部材に関する事業において、上半期から顧客の在庫調整による影響を受けたこと及び当第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、金属部材に関する事業が成長したものの前年同期を下回り、グループトータルの売上収益は651億14百万円(前期比2.5%増)となりました。
(事業EBITDA)
当社グループにおいては、経営成績等の分析における重要な指標として事業EBITDAを設定しております。増収の主要因であったヘルスケアセグメントにおいては前連結会計年度と比較し8億35百万円の増加(前期比19.8%増)、シニア・ライフセグメントにおいては、株式会社ハルメクの増収増益に加え、株式会社全国通販の構造改革により売上収益は前連結会計年度に比較し減少したものの事業EBITDAは黒字化したことにより2億45百万円の増加(前期比36.7%増)となりました。ものづくりセグメントにおいては減収により3億57百万円の減少(前期比9.0%減)となりましたが、グループトータルの事業EBITDAは89億31百万円(前期比12.1%増)となりました。当社グループの経営目標である2022年3月期の事業EBITDA90~100億円の達成に向けて進捗いたしております。
なお、セグメント別の事業EBITDAは全社費用配賦前で分析しております。
(営業利益)
事業ポートフォリオの再編に伴い、当連結会計年度において創薬事業に属していたJRM、その他の事業に属していたbluevo株式会社等を第三者に譲渡いたしました。その結果、譲渡に係る損失をその他の費用に69百万円計上いたしました。また、第2四半期連結会計期間において、シニア・ライフセグメントに属するシニア向け通信販売事業を営む株式会社全国通販及びその他セグメントに属する株式会社キラリトの非金融資産について減損の兆候を認識し、減損テストを実施いたしました。入手できる情報を元に回収可能価額を見積ったところ、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、のれん、有形固定資産、使用権資産及び無形資産の減損損失25億97百万円をその他の費用に計上いたしました。これらの一過性の損失の計上により、事業EBITDAは前連結会計年度を上回ったものの、営業利益は37億82百万円(前期比37.5%減)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
税引前当期利益は、上記の損失に加え、持分法適用会社である、GTSの市場価格の下落による減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、持分法による投資損失に減損損失を7億31百万円計上いたしました。
法人所得税費用においては、当期実施した子会社の上場に伴う保有株式の一部売出や新株予約権取得に係る税効果14億14百万円、事業撤退に伴う税効果7億93百万円が法人所得税費用のマイナス効果となった一方、一部の子会社がグループ内での再編により連結納税グループから離脱したことや、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を税効果会計における見積りに考慮した結果、繰延税金資産を17億89百万円取崩しました。
非継続事業からの損益においては、第1四半期連結会計期間において、GTSが連結子会社から持分法適用会社に異動したことに伴うみなし売却益及び対応する税金費用を非継続事業からの当期利益として16億51百万円計上いたしました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は12億89百万円(前期比56.3%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
各セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を記載しており、また、セグメント利益は各セグメント間取引の調整額を加算したものであります。
なお、当連結会計年度において撤退した「創薬」「アグリ・フード」の各事業は非継続事業に分類いたしました。また、当連結会計年度において、「ものづくり」事業に属するソリトンの企業結合に係る取得対価の配分が完了したことにより関連する数値については修正再表示しております。
(単位:百万円)
(注)セグメント別の事業EBITDAは、全社費用配賦前のセグメント別利益に減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を加算しております。
a.ものづくり
当第4四半期連結会計期間において全世界的に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、ペン先部材・コスメ部材・金属部材等のものづくりに関する事業では減収要因となりました。主要な製品であるペン先部材においては期首より継続して顧客の在庫調整による影響を受けたこともあり、金属部材が第3四半期連結会計期間まで順調に成長したものの、売上収益は112億76百万円と前連結会計年度と比べ6億14百万円(前期比5.2%減)の減収となりました。
減収にあわせて一定経費の見直しは実施したものの、生産体制はしっかりと維持し、セグメント利益は、26億6百万円(前連結会計年度はセグメント利益30億12百万円)と前連結会計年度と比べ4億6百万円の減益となりました。
b.ヘルスケア
医療情報に関する事業、医療検査に関する事業、医療機関サポートに関する事業、及び歯科材料・医療材料に関する事業がそれぞれ順調に成長したことにより、売上収益は259億89百万円と前連結会計年度と比べ24億32百万円(前期比10.3%増)の増収となりました。
セグメント利益は、41億90百万円(前連結会計年度はセグメント利益31億79百万円)と前連結会計年度と比べ10億11百万円の増益となりました。
c.シニア・ライフ
売上収益はシニア向け雑誌の出版・通信販売に関する事業は減収、少額短期保険事業は増収となりセグメント全体で277億70百万円と前連結会計年度と比べ93百万円(前期比0.3%減)の減収となりましたが、シニア向け雑誌の出版・通信販売に関する事業については増益となりました。一方、少額短期保険事業においては、第3四半期連結会計期間に発生した台風の影響による保険金の支払いの増加と損害率の上昇により減益となりました。その結果、セグメント利益は、5億73百万円(前連結会計年度はセグメント利益41百万円)と前連結会計年度と比べ5億32百万円の増益となりました。
d.その他
その他の事業におきましては、売上収益が78百万円、セグメント損失が98百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
当連結会計年度において、中期経営計画の達成に向けた活動として、事業ポートフォリオの再編に着手してまいりました。その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ225億89百万円増加し、501億62百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主としてヘルスケアセグメントとものづくりセグメントの事業EBITDAにけん引され、営業活動によるキャッシュ・フローは70億64百万円の資金の増加となりました。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、減価償却費及び償却費27億61百万円、固定資産に係る損益27億5百万円、非継続事業からの税引前当期利益16億24百万円となっております。資金の減少の主な要因は、法人所得税費用の支払額18億43百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主としてGTSが連結子会社から持分法適用会社に異動したこと、ヘルスケアセグメントにおける買収等の活動、ものづくりセグメント及びヘルスケアセグメントにおける事業基盤を強化するための設備投資、保有していた上場株式を財務体質の強化を目的として売却したこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは13億45百万円の資金の減少となりました。
表示科目単位での資金の減少の主な要因は、その他の金融資産の取得による支出33億28百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の売却による支出21億16百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出14億78百万円、有形固定資産の取得による支出13億88百万円となっております。資金の増加の主な要因は、その他の金融資産の売却及び償還による収入79億84百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
JMDCの上場に伴う一般公募増資、及び同社株式の一部売出し等により財務活動によるキャッシュ・フローは149億10百万円の資金の増加となっております。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、非支配持分との取引による収入163億40百万円となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は標準的販売価格にて算出しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
b.受注実績
当社グループは、テイボー株式会社のマーキングペン先及びMIM部品について計画生産方式を採用しており、受注生産方式の該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」を目指し、事業活動を行っております。当連結会計年度において、経営課題である事業ポートフォリオの再編に取り組んでまいりました。その結果、事業セグメントのうち「ものづくり」及び「ヘルスケア」セグメントをコア事業として設定し、「シニア・ライフ」セグメントにおいては買収時との事業環境の変化に対応した構造改革の実施、アグリ・フード事業など不採算に陥っていた事業の整理を実行いたしました。基盤事業の収益力・成長分野への投資実効性の指標として、事業EBITDAを重要な管理指標として結果を分析、評価しております。その詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響は「2 事業等のリスク (14) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、当連結会計年度において事業ポートフォリオの再編に着手してまいりました。詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度末は、前連結会計年度末と比較し225億89百万円の資金の増加となりました。この資金の一部は2020年4月3日に連結子会社を通じて取得したAlphaTheta株式会社の取得対価の一部として活用しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.企業結合」をご参照ください。
資金の流動性については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
引き続き、基盤事業の収益力を高め、成長分野に適切に投資し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比 | ||
| 資産合計 | 149,755 | 160,308 | 10,552 | (7.0%) |
| 流動資産 | 60,806 | 74,914 | 14,108 | (23.2%) |
| 非流動資産 | 88,949 | 85,393 | △3,555 | (△4.0%) |
| 負債合計 | 71,784 | 76,474 | 4,690 | (6.5%) |
| 流動負債 | 30,273 | 34,034 | 3,761 | (12.4%) |
| 非流動負債 | 41,511 | 42,439 | 928 | (2.2%) |
| 資本合計 | 77,971 | 83,833 | 5,862 | (7.5%) |
| 親会社の所有者に帰属する持分 | 74,966 | 78,488 | 3,521 | (4.7%) |
| 非支配持分 | 3,004 | 5,345 | 2,341 | (77.9%) |
(資産、負債及び資本の状況)
当連結会計年度末の資産合計は1,603億8百万円となり、前連結会計年度末と比較して105億52百万円増加いたしました。当連結会計年度の期首より、IFRS第16号「リース」(以下「IFRS第16号」という。)を適用したこと、株式会社ジーンテクノサイエンス(以下「GTS」という。)の支配喪失に伴う持分法で会計処理されている投資への振替、及び株式会社JMDC(以下「JMDC」という。)が東京証券取引所マザーズ市場に上場したことにより、資産、負債及び資本合計が前連結会計年度末から増加しております。詳細は以下のとおりであります。
流動資産は、141億8百万円の増加となりました。これは主に現金及び現金同等物が225億89百万円増加し、売却目的で保有する資産が93億28百万円減少したことによるものです。
非流動資産は、35億55百万円の減少となりました。これは主にその他の金融資産が140億24百万円、繰延税金資産が14億37百万円減少し、IFRS第16号の適用に伴い使用権資産が73億21百万円、持分法で会計処理されている投資が48億51百万円増加したことによるものです。
負債合計は46億90百万円の増加となりました。これは主にIFRS第16号の適用に伴いリース負債(流動・非流動)が77億56百万円、未払法人所得税22億33百万円、借入金(流動・非流動)が12億82百万円増加し、繰延税金負債が58億30百万円、売却目的で保有する資産に直接関連する負債が16億7百万円減少したことによるものです。
資本合計は、58億62百万円の増加となりました。これは主にJMDCの上場に伴う一般公募増資、及び同社株式の一部売出し等に伴い資本剰余金が92億76百万円と非支配持分が23億41百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益12億89百万円、及びその他の包括利益から利益剰余金への振替41億92百万円等に伴い利益剰余金が48億66百万円増加し、その他の資本の構成要素が106億22百万円減少したことによるものです。
資本の財源及び資金の流動性に関しては以下のとおりであります。
当社グループでは純有利子負債EBITDA倍率が4倍を超過しない範囲を目安として調達をコントロールしております。
2021年3月期に計画している主な設備投資はものづくりセグメントにおける生産設備とヘルスケアセグメントにおける基幹系システム等であります。また2020年4月3日にAlphaTheta株式会社の株式を取得しております。それらに必要な資金については、自己資金もしくは銀行借入を予定しており、計画している投資に必要な資金については手元流動性を確保しております。
その他、提出日現在、大規模な投資計画については予定しておりません。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループにおける資金繰りについても一定の影響を受ける可能性があります(各事業における具体的な影響は、「2 事業等のリスク (14) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク」をご参照ください)。その対策として、当社グループは手元現預金を一定の水準で保っており、親子間の融資が可能なようにしており、さらに当社及び一部の連結子会社は取引金融機関との間で短期借入枠を設定し、外部からの資金調達も可能な状態としております。当連結会計年度末の現金及び現金同等物のアロケーション及び借入枠の未使用残高は以下のとおりであります。
(国内会社保有分) 49,852百万円
(海外子会社保有分) 309
(借入枠の未使用残高) 6,300
当連結会計年度において、継続して各分野の収益力・組織力の強化に取り組んでまいりました。中期経営計画の初年度である当連結会計年度を通じ、グループ全体の収益力向上のため、事業ポートフォリオの再編に着手いたしました。再編を推進する中で、ものづくり事業とヘルスケア事業をコア事業と定めた一方、株式会社日本再生医療(以下「JRM」という。)をGTSへ譲渡することにより経営資源を集中し、創薬事業より撤退いたしました。また、不採算事業の見直しと整理を実施し、アグリ・フード事業からも撤退を決定いたしました。
その結果、「創薬」「アグリ・フード」事業セグメントを廃止し、新たに「ものづくり」「ヘルスケア」「シニア・ライフ」「その他」の4つのセグメントに変更することといたしました。
当連結会計年度における事業の状況は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度に非継続事業に分類したNKアグリ株式会社(以下「NKA」という。)とJRM、及び当連結会計年度に確定した株式会社soliton corporation(以下「ソリトン」という。)の企業結合に係る取得対価の配分が完了したことにより、前連結会計年度の各数値は修正再表示しております。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比 | ||
| 売上収益 | 63,527 | 65,114 | 1,587 | (2.5%) |
| 事業EBITDA(注) | 7,965 | 8,931 | 966 | (12.1%) |
| 営業利益 | 6,053 | 3,782 | △2,271 | (△37.5%) |
| 税引前当期利益 | 5,954 | 214 | △5,739 | (△96.4%) |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 2,948 | 1,289 | △1,658 | (△56.3%) |
| 基本的1株当たり当期利益(円) | 82.80 | 36.22 | △46.58 | (△56.3%) |
| 希薄化後1株当たり当期利益(円) | 74.24 | 32.69 | △41.54 | (△56.0%) |
(注)事業EBITDA=営業利益±その他の収益・費用+減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)
(売上収益)
ヘルスケアセグメントにおいて、医療情報に関する事業及び歯科材料・医療材料に関する事業が順調に成長したこと、及びシニア・ライフセグメントの事業が順調に成長した一方、ものづくりセグメントにおいては、ペン先部材・コスメ部材に関する事業において、上半期から顧客の在庫調整による影響を受けたこと及び当第4四半期連結会計期間には新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け、金属部材に関する事業が成長したものの前年同期を下回り、グループトータルの売上収益は651億14百万円(前期比2.5%増)となりました。
(事業EBITDA)
当社グループにおいては、経営成績等の分析における重要な指標として事業EBITDAを設定しております。増収の主要因であったヘルスケアセグメントにおいては前連結会計年度と比較し8億35百万円の増加(前期比19.8%増)、シニア・ライフセグメントにおいては、株式会社ハルメクの増収増益に加え、株式会社全国通販の構造改革により売上収益は前連結会計年度に比較し減少したものの事業EBITDAは黒字化したことにより2億45百万円の増加(前期比36.7%増)となりました。ものづくりセグメントにおいては減収により3億57百万円の減少(前期比9.0%減)となりましたが、グループトータルの事業EBITDAは89億31百万円(前期比12.1%増)となりました。当社グループの経営目標である2022年3月期の事業EBITDA90~100億円の達成に向けて進捗いたしております。
なお、セグメント別の事業EBITDAは全社費用配賦前で分析しております。
(営業利益)
事業ポートフォリオの再編に伴い、当連結会計年度において創薬事業に属していたJRM、その他の事業に属していたbluevo株式会社等を第三者に譲渡いたしました。その結果、譲渡に係る損失をその他の費用に69百万円計上いたしました。また、第2四半期連結会計期間において、シニア・ライフセグメントに属するシニア向け通信販売事業を営む株式会社全国通販及びその他セグメントに属する株式会社キラリトの非金融資産について減損の兆候を認識し、減損テストを実施いたしました。入手できる情報を元に回収可能価額を見積ったところ、回収可能価額が帳簿価額を下回ったため、のれん、有形固定資産、使用権資産及び無形資産の減損損失25億97百万円をその他の費用に計上いたしました。これらの一過性の損失の計上により、事業EBITDAは前連結会計年度を上回ったものの、営業利益は37億82百万円(前期比37.5%減)となりました。
(親会社の所有者に帰属する当期利益)
税引前当期利益は、上記の損失に加え、持分法適用会社である、GTSの市場価格の下落による減損の客観的な証拠が存在すると判断したため、持分法による投資損失に減損損失を7億31百万円計上いたしました。
法人所得税費用においては、当期実施した子会社の上場に伴う保有株式の一部売出や新株予約権取得に係る税効果14億14百万円、事業撤退に伴う税効果7億93百万円が法人所得税費用のマイナス効果となった一方、一部の子会社がグループ内での再編により連結納税グループから離脱したことや、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響を税効果会計における見積りに考慮した結果、繰延税金資産を17億89百万円取崩しました。
非継続事業からの損益においては、第1四半期連結会計期間において、GTSが連結子会社から持分法適用会社に異動したことに伴うみなし売却益及び対応する税金費用を非継続事業からの当期利益として16億51百万円計上いたしました。
これらの結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は12億89百万円(前期比56.3%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
各セグメント別の売上収益は外部顧客への売上収益を記載しており、また、セグメント利益は各セグメント間取引の調整額を加算したものであります。
なお、当連結会計年度において撤退した「創薬」「アグリ・フード」の各事業は非継続事業に分類いたしました。また、当連結会計年度において、「ものづくり」事業に属するソリトンの企業結合に係る取得対価の配分が完了したことにより関連する数値については修正再表示しております。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比 | |||
| ものづくり | 売上収益 | 11,890 | 11,276 | △614 | (△5.2%) |
| セグメント利益 | 3,012 | 2,606 | △406 | (△13.5%) | |
| 事業EBITDA | 3,993 | 3,635 | △357 | (△9.0%) | |
| ヘルスケア | 売上収益 | 23,556 | 25,989 | 2,432 | (10.3%) |
| セグメント利益 | 3,179 | 4,190 | 1,011 | (31.8%) | |
| 事業EBITDA | 4,214 | 5,050 | 835 | (19.8%) | |
| シニア・ライフ | 売上収益 | 27,864 | 27,770 | △93 | (△0.3%) |
| セグメント利益 | 41 | 573 | 532 | (-%) | |
| 事業EBITDA | 667 | 913 | 245 | (36.7%) | |
| その他 | 売上収益 | 215 | 78 | △137 | (△63.7%) |
| セグメント利益 | 4 | △98 | △102 | (-%) | |
| 事業EBITDA | 10 | △84 | △94 | (-%) | |
| 全社費用 | 事業EBITDA | △920 | △582 | 337 | (-%) |
| 合計 | 売上収益 | 63,527 | 65,114 | 1,587 | (2.5%) |
| セグメント利益 | 6,237 | 7,272 | 1,034 | (16.6%) | |
| 事業EBITDA | 7,965 | 8,931 | 966 | (12.1%) | |
(注)セグメント別の事業EBITDAは、全社費用配賦前のセグメント別利益に減価償却費及び償却費(使用権資産の減価償却費を除く)を加算しております。
a.ものづくり
当第4四半期連結会計期間において全世界的に影響を及ぼした新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、ペン先部材・コスメ部材・金属部材等のものづくりに関する事業では減収要因となりました。主要な製品であるペン先部材においては期首より継続して顧客の在庫調整による影響を受けたこともあり、金属部材が第3四半期連結会計期間まで順調に成長したものの、売上収益は112億76百万円と前連結会計年度と比べ6億14百万円(前期比5.2%減)の減収となりました。
減収にあわせて一定経費の見直しは実施したものの、生産体制はしっかりと維持し、セグメント利益は、26億6百万円(前連結会計年度はセグメント利益30億12百万円)と前連結会計年度と比べ4億6百万円の減益となりました。
b.ヘルスケア
医療情報に関する事業、医療検査に関する事業、医療機関サポートに関する事業、及び歯科材料・医療材料に関する事業がそれぞれ順調に成長したことにより、売上収益は259億89百万円と前連結会計年度と比べ24億32百万円(前期比10.3%増)の増収となりました。
セグメント利益は、41億90百万円(前連結会計年度はセグメント利益31億79百万円)と前連結会計年度と比べ10億11百万円の増益となりました。
c.シニア・ライフ
売上収益はシニア向け雑誌の出版・通信販売に関する事業は減収、少額短期保険事業は増収となりセグメント全体で277億70百万円と前連結会計年度と比べ93百万円(前期比0.3%減)の減収となりましたが、シニア向け雑誌の出版・通信販売に関する事業については増益となりました。一方、少額短期保険事業においては、第3四半期連結会計期間に発生した台風の影響による保険金の支払いの増加と損害率の上昇により減益となりました。その結果、セグメント利益は、5億73百万円(前連結会計年度はセグメント利益41百万円)と前連結会計年度と比べ5億32百万円の増益となりました。
d.その他
その他の事業におきましては、売上収益が78百万円、セグメント損失が98百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前期比 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 7,099 | 7,064 | △34 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,572 | △1,345 | 226 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,610 | 14,910 | 17,520 |
| 現金及び現金同等物の 為替変動による影響額 | 1 | △6 | △8 |
| 現金及び現金同等物の増減額 (△は減少) | 2,919 | 20,623 | 17,703 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 27,573 | 50,162 | 22,589 |
当連結会計年度において、中期経営計画の達成に向けた活動として、事業ポートフォリオの再編に着手してまいりました。その結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ225億89百万円増加し、501億62百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
主としてヘルスケアセグメントとものづくりセグメントの事業EBITDAにけん引され、営業活動によるキャッシュ・フローは70億64百万円の資金の増加となりました。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、減価償却費及び償却費27億61百万円、固定資産に係る損益27億5百万円、非継続事業からの税引前当期利益16億24百万円となっております。資金の減少の主な要因は、法人所得税費用の支払額18億43百万円となっております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
主としてGTSが連結子会社から持分法適用会社に異動したこと、ヘルスケアセグメントにおける買収等の活動、ものづくりセグメント及びヘルスケアセグメントにおける事業基盤を強化するための設備投資、保有していた上場株式を財務体質の強化を目的として売却したこと等により、投資活動によるキャッシュ・フローは13億45百万円の資金の減少となりました。
表示科目単位での資金の減少の主な要因は、その他の金融資産の取得による支出33億28百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の売却による支出21億16百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出14億78百万円、有形固定資産の取得による支出13億88百万円となっております。資金の増加の主な要因は、その他の金融資産の売却及び償還による収入79億84百万円となっております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
JMDCの上場に伴う一般公募増資、及び同社株式の一部売出し等により財務活動によるキャッシュ・フローは149億10百万円の資金の増加となっております。
表示科目単位での資金の増加の主な要因は、非支配持分との取引による収入163億40百万円となっております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ものづくり | 11,673 | 0.8 |
| ヘルスケア | 159 | 3.5 |
| 合計 | 11,832 | 0.8 |
(注)1 金額は標準的販売価格にて算出しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
b.受注実績
当社グループは、テイボー株式会社のマーキングペン先及びMIM部品について計画生産方式を採用しており、受注生産方式の該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 前年同期比(%) |
| ものづくり | 11,276 | △5.2 |
| ヘルスケア | 25,989 | 10.3 |
| シニア・ライフ | 27,770 | △0.3 |
| その他 | 78 | △63.7 |
| 合計 | 65,114 | 2.5 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 総販売実績に対する割合が10%を超える相手先はありません。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4 上記には非継続事業からの実績は含んでおりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、「No.1/Only1を創造し続ける事業グループ」を目指し、事業活動を行っております。当連結会計年度において、経営課題である事業ポートフォリオの再編に取り組んでまいりました。その結果、事業セグメントのうち「ものづくり」及び「ヘルスケア」セグメントをコア事業として設定し、「シニア・ライフ」セグメントにおいては買収時との事業環境の変化に対応した構造改革の実施、アグリ・フード事業など不採算に陥っていた事業の整理を実行いたしました。基盤事業の収益力・成長分野への投資実効性の指標として、事業EBITDAを重要な管理指標として結果を分析、評価しております。その詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。また、新型コロナウイルス感染症の影響は「2 事業等のリスク (14) 新型コロナウイルス感染症の影響に関するリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、当連結会計年度において事業ポートフォリオの再編に着手してまいりました。詳細は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりでありますが、当連結会計年度末は、前連結会計年度末と比較し225億89百万円の資金の増加となりました。この資金の一部は2020年4月3日に連結子会社を通じて取得したAlphaTheta株式会社の取得対価の一部として活用しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 34.企業結合」をご参照ください。
資金の流動性については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
引き続き、基盤事業の収益力を高め、成長分野に適切に投資し、中長期的な企業価値の向上を目指してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」及び「2.作成の基礎 (4) 重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載しております。