有価証券報告書-第28期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 9:27
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(1)経営成績の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等という)の状況の概要は以下のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、アメリカと中国の貿易摩擦による中国経済の低迷の影響で、製造業を中心に人手不足や材料価格の高騰も相まって苦戦を強いられております。また、先行きの景況感につきましても、貿易摩擦やイギリスのEU離脱問題の混乱、中東情勢の混沌など対外的なリスクが残っており、なお一層、不安定感が増しております。
このような状況のもと、当社は、事業方針「高精度・高機能に特化した樹脂製品の提供」と期初に掲げた「対処すべき課題」の具体的な施策である、
1.当社の強みを活かした営業力の強化2.顧客提案力の向上と開発効率の向上3.経費の削減と人材育成
を引き続き推進してまいりました。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業での取組みとしましては、引き続き大手エレクトロニクス機器メーカーなどに機能性素子部品を継続的に提供しています。これからも、高感度・超高速で進化するCMOSイメージセンサーを支える部品として、付加価値の高い分野でコストパフォーマンスに優れた製品を提供してまいります。
また、「対処すべき課題」の具体的な施策である「当社の強みを活かした営業力の強化」では、機能性部品で培った強み・特徴を活かし、他市場・他分野(産業用機器、OA機器やレジャー関連分野等)への水平展開をこれまで積極的に推進してまいりました。その結果、マイクロ・テクノロジー関連分野を中心に、試作案件や量産案件の金型の売上高が2018年3月期に引き続き、2019年3月期も順調に伸びております。
次事業年度以降、これら案件の中から成形品の量産へ移行し、ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業の売上高の増加が見込まれます。
パルスインジェクター®は、展示会や技術紹介の専門サイトなどを通じて積極的なアプローチにより、大学研究室及び各企業の研究・開発部門に対するフォローアップを強化し、顧客と連携して国内新産業創生への展開を推進した結果、装置を中心に多くの受注があり、売上に貢献いたしました。
マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、一般の高圧受配電盤や重電業界向け成形品の需要は堅調に推移しているものの、成形材料の販売量は伸びず、部品や原材料の値上りの影響もあり、利益を出しにくい状況が続いております。
高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」につきましては、引き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカーなどへサンプル供給しながら事業を展開・推進しております。また、レジャー関連分野の製品においては、量産へ移行しており、売上に貢献しております。
以上の結果、当事業年度の全社の業績は売上高835百万円(前年同期比12.4%増)、売上総利益287百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益24百万円(前年同期比2.1%減)、経常利益27百万円(前年同期比0.2%増)、当期純利益20百万円(前年同期比49.2%減)となりました。
当事業年度のセグメントの業績は次のとおりであります。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料及び機能性精密成形品並びにPIJ関連製品の売上高は629百万円(前年同期比11.2%増)、セグメント利益は250百万円(前年同期比5.6%減)となりました。
マクロ・テクノロジー関連事業につきましては、機能性樹脂複合材料、樹脂成形碍子及び金型・部品の売上高は197百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益は33百万円(前年同期比22.9%増)となりました。
その他事業につきましては、医療薬品容器の異物検査事業などにより、売上高は8百万円(前年同期比15.0%減)、セグメント利益は4百万円(前年同期比9.9%増)となりました。
このような状況下において、当社は、当事業年度の「対処すべき課題」である経営の安定化としての黒字経営の持続の具体的な施策を推進し、営業損益は2期連続して黒字となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ31百万円増加し、当事業年度末には187百万円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、60百万円の増加となりました。これは、主に、当期純利益27百万円、減価償却費14百万円、たな卸資産の減少12百万円、売上債権の減少9百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、28百万円の減少となりました。これは、主に、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは0百万円の減少となりました。これは、主に、自己株式の取得によるものです。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当事業年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業(千円)369,592117.2
マクロ・テクノロジー関連事業(千円)164,200115.6
報告セグメント計(千円)533,793116.7
その他事業(千円)6,113120.1
合計(千円)539,906116.7

(注)1. 上記の金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業648,083113.970,888136.3
マクロ・テクノロジー関連事業205,284119.335,915126.2
報告セグメント計853,368115.2106,804132.7
その他事業6,18083.42379.9
合計859,548114.9107,041129.2

(注)1.上記の金額は販売価格によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
前年同期比(%)
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業(千円)629,201111.2
マクロ・テクノロジー関連事業(千円)197,832117.8
報告セグメント計(千円)827,033112.7
その他事業(千円)8,34385.0
合計(千円)835,377112.4

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり であります。
相手先前事業年度当事業年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
長瀬産業株式会社440,95459.3436,65852.3
安達新産業株式会社79,77110.771,3708.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。健全な財務報告を行うためには、財務諸表の作成にあたって収益・費用又は資産・負債の状況に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りは、過去の実績やその時点において入手可能な情報及び合理的であると判断した一定の前提に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため実際の結果とは異なることがあります。
当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5経理の状況1財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりですが、見積りによって重要な影響を受ける可能性がある会計方針は、貸倒引当金、賞与引当金、繰延税金資産であり、その金額は過去の実績や将来予測に基づく一定のルールや内規に基づいて合理的に決定しております。繰延税金資産については毎期慎重に回収可能性を判断し、将来の事業年度において回収が見込まれない税金の額は、繰延税金資産から控除しております。なお、貸倒引当金は貸倒実績及び貸倒懸念債権等の回収不能見込額がないため計上しておりません。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
全社及びセグメントごとの業績の概要と分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの分析
「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
④ 経営戦略の現状と見通し
各関連事業(ナノ/マイクロ・テクノロジー関連及びマクロ・テクノロジー関連)の主な製品である機能性精密成形品及び機能性樹脂複合材料、固形封止材「エポクラスター®クーリエ」、パルスインジェクター®、樹脂成形碍子関連分野の内容及び今後の展開の方向性等についての概要は以下のとおりです。
ナノ/マイクロ・テクノロジー関連事業
本事業の進捗状況及び今後の見通しにつきましては、映像機器分野におけるデジタルカメラ市場の急激な変化のため、当社の想定を超える縮小の見通しとなりましたが、他市場、他製品への水平展開は比較的順調に進捗しております。
(機能性精密成形品及び機能性樹脂複合材料)
当社は、機能性精密成形品の製造を主力としていますが、これとともに独自技術による機能性樹脂複合材料も研究・開発しておりますので、両方の技術を使って高精度・高機能精密成形品の要求に対する個別ユーザーのニーズに対応して差別化を図っています。また、業種の異なる分野でも、自社単独でいわゆる水平展開が可能であり、デジタルカメラ向け機能性精密成形品を中心とした映像機器分野のみならず、OA機器、産業機器、レジャー関連等の分野で展開を強化し、売上拡大を図ってまいります。
「当社の強みをお客様の付加価値の向上に繋げる!」というスローガンのもとで、数々の提案を通して、数多くの金型の売上につながりました。今後も早期の成形品の量産化を進めていき、より一層売上に貢献してまいります。
(固形封止材)
高耐熱性・高熱伝導性・低温硬化などの固形封止材「エポクラスター®クーリエ」につきましては、レジャー関連分野においては、量産へ移行しており、売上に貢献しております。引き続き半導体デバイスメーカーや産業機器メーカーなどへサンプル供給しながら事業を展開・推進してまいります。
(パルスインジェクター®)
パルスインジェクター®は、単ノズルで取り扱いが容易である事、耐薬品性に優れ、水から有機溶剤に至るまで幅広い液体に対応できる特徴から、引き続き研究開発分野への販売展開を進めてまいります。企業の研究所や大学を中心として各研究機関(地域・行政)等の研究室等に認知していただいたと考えております。最近は、プリンタブルエレクトロニクス、3Dプリンター、捺染(布地に印刷する)など産業用途にもインクジェット技術が展開され、基礎検討も盛んに行われております。再生医療や予防医療の方面だけではなく、診断医療、個別化医療などバイオ分野へも活用されております。インクジェット技術は多くの分野で適用性を検討され、パルスインジェクター®はますますインクジェットの技術革新の一翼を担うケースがこれから増えてくるとみております。
マクロ・テクノロジー関連事業
(樹脂成形碍子関連分野)
樹脂成形碍子関連分野は、海外製品に浸食され、原材料や部品の値上げも相まって苦戦を余儀なくされてきました。こうした状況の中、電線の地中化に伴う樹脂絶縁部品の新規案件の他、従来からのセラミック碍子を当社の樹脂成形碍子に置き換える案件や、樹脂成形碍子以外の重電機器部品における新規案件なども出始めており、引き続き新規開拓を進めてまいります。
しかしながら、今後の売上高の大幅な増加は見込みにくい状況であり、当社といたしましては、製造原価の見直しと効率化、合理化をより一層進めてまいります。
⑤ 財政状態についての分析
a.資産
当事業年度末の資産は、前事業年度より23百万円増加し、1,393百万円となりました。
これは、主に現金及び預金の増加31百万円によるものです。
b.負債
負債合計は、前事業年度より2百万円増加し、126百万円となりました。
c.純資産
純資産は、前事業年度より20百万円増加し、1,267百万円となりました。これは主として、当期純利益20百万円の計上によるものです。
(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
a.資金需要
当社の運転資金需要のうち、主なものは製品の製造にかかる原材料の購入、金型及びその労務費、販売並びに一般管理、研究開発の労務費や経費などの販売費及び一般管理費です。
また、成形機をはじめとする生産設備の更新、増強による設備投資、情報システムの更新のための資金需要が生じております。
b.財務政策
当社の運転資金につきましては、現在、借り入れを行うことなく、内部資金(現金及び預金)にて調達しております。なお、2019年3月期の資産における流動比率は884.8%となっております。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2事業の状況2事業等のリスク」に記載のとおりであります。

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