有価証券報告書-第90期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 10:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
69項目

対処すべき課題

今後の当社グループを取り巻く経営環境を展望しますと、世界経済は成長のペースが緩やかに加速する可能性が高いと見込まれます。新興国経済の一部では景気の停滞が継続するものの、米国を中心に先進国経済では景気回復の動きが徐々に強まると考えられます。但し、先進国の金融政策の変更等を受けて金融環境に変化が生じ、為替や株価、商品市場が急変するリスク、並びにそれらの金融市場の急変が資産価格の変動等を通じて、世界経済に悪影響を及ぼすリスクには、引続き十分な注意を払う必要があります。日本経済は、平成25年度に生じた消費税率引上げ前の駆込み需要の反動減や増税による負担増を受けて、成長ペースが鈍化しますが、平成25年度補正予算による成長の下支えや金融緩和の継続等もあり、景気の回復基調を維持すると見込まれます。
・中期経営計画「Brand-new Deal 2014」の更なる推進
当社グループは、中期経営計画「Brand-new Deal 2014」(2013年度から2014年度までの2ヵ年計画)の後半となる2014年度においても、ビジネスの基本である「稼ぐ」「削る」「防ぐ」を引継ぎ、更なる成長を実現するために、以下の3点を「Brand-new Deal 2014」の基本方針として掲げております。
1点目は「収益拡大」です。前中期経営計画期間中に実行した約9,700億円の新規投資案件の着実な育成と収益の拡大を図ると同時に、既存ビジネスにおいても経営改善努力を継続し収益性の向上を実現していきます。更に、2ヵ年でネット8,000億円、グロス投資ベースで1兆円を上限とした新規投資を優良案件に厳選したうえで積極的に取組み、更なる収益基盤の拡充を実現します。
2点目は「バランスの取れた成長」です。新規投資については非資源と資源のバランスを考慮し、当社の強みである生活消費関連の更なる強化や、機械や化学品等の基礎産業関連の収益の底上げを実現することにより、非資源No.1商社を目指し、その地位を確固たるものにしていきます。更に、国内ビジネスやトレードビジネスの再強化にも注力します。また、分野ごとにポジションは違うものの、商社機能・付加価値を更につけて存在感を増し、それぞれの分野で強みを発揮することにより、総合力を一段と強化します。
3点目は「財務規律遵守と低重心経営」です。積極的な投資実行と並行して、営業キャッシュフローの拡大や政策目的保有株式のEXIT等を促進するとともに、収益の積上げによる株主資本の拡充を進めます。NET DERについては健全な水準を維持していきます。また、引続き売総経費率の改善に努め、不透明な経営環境の中で経営の低重心化を実践していきます。
経営基盤の強化にも引続き取組みます。海外コンプライアンス体制の強化を継続するとともに、国内外における贈収賄・独禁法リスクについても、実効的・効率的な調査・モニタリング体制の構築を図ります。また、コーポレート・ガバナンスについては、複数名の社外取締役を含む取締役会と社外監査役が過半を占める監査役会を基礎とした企業統治体制といたします。