有価証券報告書-第141期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/07/15 10:00
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【項目】
153項目
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の持ち直しや設備投資の緩やかな増加、公共投資の底堅い動きがあったものの、米中通商問題やEU離脱問題等の海外経済の動向や消費税率引き上げ等の影響により、年度後半以降は不透明感が続く状況で推移してまいりました。さらに、年明け以降の新型コロナウィルス感染症の世界的な拡大により、景況感は急激に悪化しており、終息するまでは、景気の厳しい状況が続くものと思われます。
当業界におきましては、首都圏を中心とした再開発等の建設需要を背景に、建設投資は底堅く推移しておりましたが、依然として人手不足による労務単価の上昇や建設資機材価格の高止まり等の状況は継続しました。加えて新型コロナウィルス感染拡大の影響は建設分野にも及んでおり、当連結会計年度での当社の経営成績への影響は僅少であったものの、今後の客先投資計画の見直し等による影響は避け難いと思われます。
このような状況の中、当社は電気設備工事事業(内線・社会インフラ・送電)及び商品販売事業における提案営業力・コスト競争力強化に注力するとともに、成長戦略の施策と位置付けている事業間連携活動による事業機会の拡大に取り組んでまいりました。
これら事業活動により当期の経営成績は、売上高356億54百万円、営業利益は25億41百万円、経常利益は26億円(経常利益率7.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は17億37百万円(売上高当期純利益率4.9%)となり、直近の業績予想値と比較し利益はいずれも上回る結果となりました。また中期目標である「持続的に達成すべき指標」は全ての項目において達成となりましたが、大口案件の変動や業務革新を目的としたICT関連への先行投資等により、前年度比では売上高・当期純利益とも下回ることとなりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
a.電気設備工事事業
電気設備工事事業では、受注高は278億73百万円(対前年同期比8.1%減)となり、完成工事高は完成案件等の減少により266億37百万円(対前年同期比5.8%減)となりました。
b.商品販売事業
商品販売事業では、主力の機器品及び冷熱住設品が堅調に推移しましたが、重電品の大型案件減少等の影響により、商品売上高は90億16百万円(対前年度比2.6%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、16億94百万円となり、前連結会計年度末より85百万円増加となりました。
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

a.営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動による資金の減少は2億4百万円となりました。(前連結会計年度は22億32百万円の増加)これは主に、税金等調整前当期純利益26億円、法人税等の支払額13億59百万円、未払消費税等の減少額4億56百万円、仕入債務の減少額3億91百万円及び未収消費税等の増加額2億9百万円等によるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動による資金の増加は7億50百万円となりました。(前連結会計年度は15億2百万円の減少)これは主に、長期貸付金の回収による収入29億円及び長期貸付けによる支出20億円等によるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動による資金の減少は4億46百万円となりました。これは主に、配当金の支払額3億54百万円及び短期借入金の純減少額70百万円等によるものであります。
また、前連結会計年度と比べ2億55百万円の支出の増加となりました。

③ 生産、受注及び販売の実績
a.仕入実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
商品販売8,0817,852△2.8
合計8,0817,852△2.8

(注) 電気設備工事には仕入実績はありません。
b.受注実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
電気設備工事30,32227,873△8.1
合計30,32227,873△8.1

c.売上実績
セグメントの名称前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
(百万円)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
(百万円)
前年同期比(%)
電気設備工事28,26726,637△5.8
商品販売9,2609,016△2.6
合計37,52735,654△5.0

(注) 主な相手先の売上実績及び当該売上実績の総売上実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
三菱電機㈱5,68915.27,05219.8

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
d.電気設備工事における受注工事高及び完成工事高の状況
1)受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
期別区分前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成
工事高
(百万円)
次期繰越
工事高
(百万円)
前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
屋内線工事10,38524,41234,79821,90212,896
その他工事2,4944,3666,8604,4532,407
12,87928,77941,65926,35615,303
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
屋内線工事12,89622,84935,74521,32614,418
その他工事2,4074,4426,8494,3792,470
15,30327,29142,59525,70616,889

(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。
2.次期繰越工事高は(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)であります。
3.その他工事は、送電線工事、発変電工事、通信工事、空調工事であります。
2)受注工事高の受注方法別比率
工事受注方法は、特命と競争に大別されます。
期別区分特命(%)競争(%)合計(%)
前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
屋内線工事57.642.4100
その他工事37.862.2100
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
屋内線工事44.056.0100
その他工事57.642.4100

(注) 百分比は請負金額比であります。
3)完成工事高
期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)
前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
屋内線工事3,72218,17921,902
その他工事3734,0804,453
4,09622,25926,356
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
屋内線工事4,64716,67821,326
その他工事4833,8954,379
5,13120,57425,706

(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度請負金額3億円以上の主なもの
前田建設工業㈱
清水建設㈱
・青山ビル改修工事(Ⅱ期)
・町田小田急百貨店改修工事
三菱電機㈱・フリーフローETC設備他改修工事27-2-1
三菱電機㈱・フリーフローETC設備他改修工事27-1-1
三菱電機㈱・広畑第8工場1階局部変電所新設工事

当事業年度請負金額3億円以上の主なもの
東京都財務局
三菱電機㈱
・東京体育館(30)改修電気設備工事
・新衛星生産棟電気設備
学校法人慶應義塾・慶應義塾大学(日吉)記念館建て替え計画
鹿島建設㈱・キッコーマン野田新研究棟建設プロジェクト
東京都・警視庁新橋庁舎(30)電力その他設備改修Ⅰ期工事

2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度三菱電機㈱5,667百万円21.5%
当事業年度三菱電機㈱7,029百万円27.3%

4)次期繰越工事高 (2020年3月31日現在)
区分官公庁(百万円)民間(百万円)合計(百万円)
屋内線工事3,14011,27714,418
その他工事4102,0592,470
3,55113,33716,889

(注) 次期繰越工事のうち請負金額3億円以上の主なものは、次のとおりであります。
三菱地所プロパティマネジメント㈱1、2発電機設備更新工事(デュアルフューエル化)2021年11月完成予定
第一三共㈱葛西研究開発センター特高変電所更新工事2020年10月完成予定
清水建設㈱読売横浜工場受変電更新2021年3月完成予定
国土交通省東北地方整備局区界道路トンネル照明設備工事2021年1月完成予定
㈱フジタ(仮称)箱根強羅旅館計画2020年5月完成予定

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2020年7月15日)現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、5億91百万円の減少となりました。これは主に、流動資産その他がJV工事への材料立替の増加等により6億46百万円増加した一方で、売上高の減少により受取手形・完成工事未収入金等が1億48百万円減少した他、短期貸付金の減少5億47百万円、退職給付に係る資産が3億77百万円減少したことによるものであります。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、16億24百万円の減少となりました。これは主に、完成高減少に伴い完成工事原価が減少し、支払手形・工事未払金等が4億7百万円減少、また課税所得が減少し、未払法人税等が5億38百万円減少した他、前連結会計年度末に計上していた未払消費税が当連結会計年度末には未収消費税での計上となり、流動負債その他が6億1百万円減少したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計につきましては、前連結会計年度末に比べ、10億33百万円の増加となりました。これは主に、配当金の支払3億54百万円がある一方で、利益剰余金が13億82百万円増加したことによるものであります。
2)経営成績
(売上高)
完成工事高は、大口案件の変動等の要因により、前連結会計年度に比べ5.8%減の266億37百万円となりました。また、商品売上高につきましても特定顧客向けの大型案件が減少したことに伴い、前連結会計年度に比べ2.6%減の90億16百万円となりました。
(経常利益)
売上高が減少したことにより経常利益は、前連結会計年度に比べ8.0%減の26億円となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度より減少し8億49百万円となりました。これは主に、課税所得の減少により、法人税、住民税及び事業税が減少したためであります。
(非支配株主に帰属する当期純利益)
連結子会社弘電工事株式会社の非支配株主に帰属する損益からなっております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度は親会社株主に帰属する当期純利益17億37百万円となり、1株当たり当期純利益金額は979.42円となりました。
3)キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローについては、前掲「第2事業の状況 3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.流動性及び資金の状況
1)資金需要
当社グループの運転資金需要の主なものは、工事に係る材料費・外注費・経費、商品販売に係る製品の購入の他、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは従業員の人件費であります。
2)資金調達
当社グループは現在、運転資金及び設備投資資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しては、運転資金のみであり、期限が一年以内の短期借入金で、各々の連結会社が調達しております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は6億80百万円で、全て銀行借入金からなっております。
当社グループは、現在健全な財政状態を維持しており、また、営業活動によりキャッシュ・フローを生み出す能力もあるため、当社グループの成長を維持するために将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達することが可能と考えております。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標に達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2016年4月から2020年3月までの中期的な経営戦略において、連結売上高350億円以上、連結経常利益率4.0%以上、ROE6.0%以上を持続的に達成すべき経営指標としてまいりました。
中期的な経営戦略の最終年度である当連結会計年度は、連結売上高356億54百万円、連結経常利益率7.3%、ROE10.2%といずれも達成すべき経営指標を上回りました。
以上の結果を踏まえ、翌連結会計年度以降の新たな目標値として設定した「更なる高い指標の実現」に向け、取り組みを継続してまいります。(新たな目標値:売上高370億円以上・売上規模400億円の達成、連結経常利益率5.0%以上の確保、ROE8.0%以上の確保)
② 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収入・費用の報告数値等に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。このため、工事進行基準及び工事損失引当金、退職給付引当金、繰延税金資産等の見積り及び仮定設定の判断に対して、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、継続して評価を行っております。なお、新型コロナウィルス感染症の影響により著しく停滞している社会経済活動が、2020年下期以降には再開し、翌期における当社グループの事業展開を推進できる環境が整ってくることを前提として、会計上の見積りを行っております。この場合においては、翌年度の連結財務諸表に与える影響は軽微であると考えております。他方、一旦感染が収束したとしても、第二波、第三波と感染が拡がることで、世界経済の低迷が長期化した場合、全ての影響について合理的に見積り及び予測を行うことは困難な状況であるため、終息時期等によって変動する可能性があります。
実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、特に以下の重要な会計方針が、当社グループの連結財務諸表の作成において使用される当社の重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
a.工事進行基準による完成工事高の計上及び工事損失引当金の計上
当社グループの完成工事高の計上については、工事契約に関する会計基準を適用し、連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行基準(工事の進捗率の見積りは原価比例法)を、その他の工事については工事完成基準により完成工事高を計上しております。工事進行基準では、見積工事原価総額に対する発生原価の割合をもって工事の進捗率を見積り、工事収益総額に進捗率を乗じて完成工事高を計上しております。
また、工事損失引当金については当連結会計年度末手持工事のうち、損失が見込まれかつ、工事収益総額及び工事原価総額を合理的に見積もることが出来る工事について、将来の損失見込額を計上しております。
しかしながら、この見積りには工事仕様・施工方法の変更及び建設資材価格や外注工賃の変動、自然災害等の発生による工事の中断等の様々な要因により変動する可能性があり、実際の完成工事高、完成工事原価及び工事損失引当金の計上額と異なる可能性があります。
b.退職給付引当金
当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、数理計算上で使用される前提条件に基づいて算出されております。これら前提条件には、割引率や年金資産の長期期待運用収益率など、多くの見積りが存在しております。このため、実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があります。
c.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために、将来減算一時差異の解消見込年度のスケジューリング不能なものに対して評価性引当額を計上しております。当連結会計年度末において当該引当額を計上したものは、投資有価証券評価損が主なものであります。

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