訂正有価証券報告書-第97期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や金融政策の効果により企業業績や雇用・所得環境等に引き続き改善の傾向が見られ、第3四半期までは緩やかな回復基調となりました。しかしながら、一部の国・地域における地政学的リスクの顕在化、中国や新興国経済の成長鈍化、米国の保護主義の影響による世界経済の減速懸念に加え、第4四半期での新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大や原油価格の下落など、不安定な国際情勢を背景に依然として先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況の中で、中期経営計画の初年度において産業機械事業とエレクトロニクス事業から分離独立した新セグメント「自動車事業」を発足し、また、5G通信システムや自動車業界におけるCASE投資拡大などの需要を取り込み、第4四半期はじめまで業績はおおむね順調に推移しました。新型コロナウイルス感染症の影響により受注の減速が出始めたもののその影響は顕著ではなく、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べて4億15百万円減少の1,614億76百万円(前期比0.3%減)とほぼ横ばいとなりました。
売上原価は、84百万円減少の1,375億37百万円(前期比0.1%減)となりました。なお、売上総利益率は、産業機械関連事業の粗利率低下などにより、前期の15.0%から14.8%へと減少しました。この結果、売上総利益は3億30百万円減少の239億38百万円(前期比1.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費が増加したことなどにより、2億44百万円増加の169億40百万円(前期比1.5%増)となりました。
この結果、営業利益は5億75百万円減少の69億98百万円(前期比7.6%減)となり、営業利益率は前期の4.7%から4.3%へと減少しました。
営業外損益においては、営業外収益は、仕入割引が減少したことなどにより67百万円減少の8億28百万円(前期比7.5%減)となりました。営業外費用は、前期並みの4億円(前期比1.2%増)となりました。この結果、営業外損益は前期より71百万円減少の4億27百万円の収益となり、経常利益は6億46百万円減少の74億26百万円(前期比8.0%減)となりました。
特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益等84百万円を計上したものの、特別損失として投資有価証券評価損等3億21百万円を計上したため、差引き2億36百万円の損失となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益71億89百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)23億9百万円ならびに非支配株主に帰属する当期純利益3百万円を差引き、4億18百万円増加の48億76百万円(前期比9.4%増)となりました。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の10.1%から10.4%へと増加しました。今後も、中期経営計画の基本方針に則り、更なる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
プラント・エネルギー事業
海外向け大型肥料プラント用設備等の売上があり、また、リチウムイオン・バッテリー(LIB)製造設備等の販売が好調であったため、売上高は71億33百万円増加の428億35百万円(前期比20.0%増)、セグメント利益(営業利益)は3億59百万円増加の11億12百万円(前期比47.7%増)となりました。
本事業は、近年、LIB製造関連ビジネスが急成長しております。特に当連結会計年度は欧州の電池製造が加速する中で、韓国のCIS社とドイツに設立したLIB製造装置販売の合弁会社「DC ENERGY GMBH」における引き合いは順調であり、業界のニーズに対応できております。次世代エネルギーにおいてはバイナリー発電ビジネスが軌道に乗り始めているほか、高効率な薄膜軽量フレキシブル太陽光パネルの日本国内における独占販売代理店としての活動もスタートいたしました。また、日本の優れた技術や製品、サービスの提供を通じて発展途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分けあう「二国間クレジット制度」も積極的に活用しながら、脱炭素社会への実現に向けての取り組みを今後も強化してまいります。
産業機械事業
プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機及び周辺機器、自動加工機等の売上が減少したため、売上高は70億9百万円減少の248億6百万円(前期比22.0%減)、セグメント利益(営業利益)は7億83百万円減少の4億54百万円(前期比63.3%減)となりました。
本事業は、合成樹脂等の射出成形を中心としたビジネスから、塗装や外観検査といったプロセス機器や自動化機能を加えた複合商材の充実を図り、業界の領域拡大も進んでおります。高い造形技術を持つ産業用3Dプリンターのビジネスもこのところ本格的な動きを見せており、引き合いの多さに今後の期待が高まっております。また、カテーテル製造装置をはじめとする医療機器、食品、物流資材、住設関連等、領域・分野を広く捉え、新たな市場や商材の開拓を積極化させております。当事業がエレクトロニクス、自動車の事業を生み出したように、新たな事業を創出する母体となるよう活動フィールドを広げてまいります。
エレクトロニクス事業
IT及びデジタル関連機器製造会社向けの電子部品製造関連設備等の販売が減少したため、売上高は77億14百万円減少の408億75百万円(前期比15.9%減)、セグメント利益(営業利益)は4億74百万円減少の22億28百万円(前期比17.5%減)となりました。
本事業は、主力商材である電子部品実装機の販売に加え、前後工程を含めた設備の組み合わせや搬送ロボットを用いたオートメーション化など、工場全体のスマートファクトリーを指向するシステム販売が増加し、特に中国、東南アジアといったエリアを中心に好調を維持しております。また、中国に偏りつつあったサプライチェーンが見直され、生産拠点をベトナム、フィリピン、タイなどへ移転させる動きが出始めているほか、欧州では特に東欧にて受託製造サービス(EMS)が始まっております。当社グループの海外ネットワークを生かし、第5世代移動通信システム(5G)やデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きにも追随しながら、各地域での受注獲得に注力してまいります。
自動車事業
自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の販売が増加したため、売上高は41億34百万円増加の357億46百万円(前年同期比13.1%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は1百万円減少の14億91百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
本事業は、エレクトロニクスと産業機械のクロスポイントから独立し、スムーズな立ち上がりとなりました。次世代型自動車に必要となる各製品をテーマに、新たな設備提案が軌道に乗り始めております。特に、内燃機関から電動化への劇的な変化を捉え、モーター・インバータに関するあらゆる設備を組み立てからモーターシミュレーター、検査装置等、生産ライン全体をパートナーメーカーと連携しながら提案する取り組みは、お客様より評価いただいております。競争力をさらに高めていくため、国内のみならず中国や東南アジア地域における商材・パートナーの開拓を進めながら、サプライチェーンの裾野が広い自動車産業での存在感を示してまいります。
ファーマ事業
錠剤外観検査装置やパッケージング用機器・装置等の売上が増加したため、売上高は4億80百万円増加の102億94百万円(前期比4.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1億73百万円増加の11億28百万円(前期比18.2%増)となりました。
本事業は、錠剤外観検査機を中心に錠剤印刷機、包装機等の主力商材に加え、医療機器や液剤に関わる商材の拡大を図ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響によりさらなる健康意識の高まりが見込まれる中、健康食品、予防医療、再生医療の領域まで幅広い分野でビジネスを拡大することを指向し、2020年4月より「ヘルスケア事業」に改称いたしました。組織内にエンジニアリング部を新設し、またグループ会社の第一実業ビスウィル㈱(メーカー機能)と㈱第一メカテック(サービス機能)との三位一体により、生産ラインを一括受注するビジネススタイルをさらに強化させていく計画です。事業領域とワンストップソリューションの拡大により、業績数値倍増を目指してまいります。
航空事業
航空機地上支援機材及び空港施設関連機器等の売上が増加したため、売上高は25億12百万円増加の67億75百万円(前期比58.9%増)、セグメント利益(営業利益)は2億45百万円増加の5億34百万円(前期比85.0%増)となりました。
本事業は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、地上支援機材や空港施設用機器等の販売が非常に好調でした。大会の開催は延期となりましたが、当社グループの役割として高機能な機材・機器を滞りなく提供することができました。セグメントの売上高構成比はまだ低いものの、売上高営業利益率は約8%となり、存在感を示すまでに成長しております。防災分野においては非常時に出動する特殊車両や大型の救護車両等、商材の拡充も進んでおり、災害への備えという観点からも有用性のある商材開拓に努め、事業展開を図ってまいります。
その他
売上高は47百万円増加の1億42百万円(前期比50.3%増)、セグメント損益(営業損益)は25百万円減少の21百万円の損失となりました。
今後も、中期経営計画の基本方針であります「時流に適合した事業軸の進化と収益力のさらなる向上」、「経営推進力の強化」及び「会社の『品質』向上」を念頭に、事業拡大と収益力強化をより一層図ってまいります。
受注、販売及び仕入の実績は、次のとおりであります。
① 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、販売実績と概ね連動しているため記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、10億74百万円減少の1,114億86百万円(前期比1.0%減)となりました。流動資産は7億85百万円減少の970億33百万円(前期比0.8%減)、固定資産は2億89百万円減少の144億53百万円(前期比2.0%減)となりました。
流動資産の減少は、現金及び預金の増加があったものの、債権回収に伴う受取手形及び売掛金の減少が主な要因であります。固定資産の減少は、有形及び無形固定資産の減価償却による減少に加えて、時価評価による投資有価証券の減少が主な要因であります。
負債の合計は38億11百万円減少の630億40百万円(前期比5.7%減)となりました。流動負債は32億96百万円減少の620億25百万円(前期比5.0%減)、固定負債は5億14百万円減少の10億14百万円(前期比33.6%減)となりました。
流動負債の減少は、前受金の増加があったものの、債務支払いに伴う支払手形及び買掛金の減少が主な要因であります。固定負債の減少は、長期借入金の返済が主な要因であります。
純資産の合計は27億36百万円増加の484億46百万円(前期比6.0%増)となりました。配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益48億76百万円を計上したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前期の40.5%から43.4%へと増加しました。
有利子負債は、前期比48百万円増加の78億50百万円(前期比0.6%増)となりました。内訳は短期借入金74億27百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、長期借入金75百万円、その他3億47百万円であります。長期借入金は太陽光発電事業資産取得及びバイナリー発電装置の製造販売権取得に対応するものであります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.16倍となり、前期の0.17倍から減少しております。
今後も、中期経営計画「FACE2021」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、22億70百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は231億37百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、50億6百万円の増加(前期比10億65百万円減)となりました。これは主に、仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、9億10百万円の減少(前期比13百万円増)となりました。これは主に、投資有価証券の売却収入があったものの、投資有価証券の取得支出や無形固定資産の取得支出があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、16億25百万円の減少(前期比2億76百万円増)となりました。これは主に、借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備ならびに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本ならびに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております。
資金の流動性については、取引銀行5行と100億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、手元流動性を売上高のおおむね1ヶ月分相当に維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。
株主還元については、株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、業績に応じた適正な配当を実施することを基本方針としております。今後とも、投資家等との対話を通じて適切な資本コストの把握に努め、事業投資や株主還元に生かしてまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産及び負債の金額、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与える様々な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験や新型コロナウイルス感染症の影響を含むその時点の状況として妥当と考えられるさまざまな要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社グループの判断の基礎となっております。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
当社グループの経営成績等に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下の通りです。
① 投資有価証券
投資有価証券については、時価又は実質価額が帳簿価額を下回り、かつ、時価又は実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価又は実質価額の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、などを含めた基準により四半期毎に判断しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額は影響を受ける可能性があります。
② 固定資産の減損
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しておりますが、回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後固定資産の使用方法を変更した場合、又は、市場価値が変動した場合には、新たに減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸倒引当金
当社グループの債権は、ほとんどが売上債権であります。その債権に対して貸倒引当金を計上しており、その貸倒引当金は体系的かつ継続的なレビュー及び評価、過去の損失の実績、現在の経済的な事象及び状況、担保物の見積公正価値及びその十分性、ならびにその他の関連する要因に基づき算定されております。現在入手可能な情報に基づき、貸倒引当金は十分であると考えておりますが、将来の期待キャッシュ・フローの変化を示す情報の入手、経済及びその他の事象又は状況の変化などにより、追加の引当金が必要となってくる可能性があります。これらの要因により貸倒引当金を大幅に増加させる必要が生じた場合、将来の当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
④ アフターサービス引当金
当社グループでは、取引の完了後に発生が想定される保守・調整等の費用を「アフターサービス引当金」として計上しております。アフターサービス引当金の算定には得意先との取決め等に基づき、仕入先と事前に協議を行い、当社グループが費用負担するべき部材の摩耗や高頻度での調整作業が必要な設備についての追加での見積りを入手しております。個別の設備ごとにこの見積算定処理を行い、引当金の前提条件と算定方法は適切であり、計上は妥当と判断しておりますが、これらの前提条件には管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は、前提条件に変更がある場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
退職給付債務及び費用の計算には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれています。これらの仮定と実績の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
退職給付債務及び費用の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の長期期待運用収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される優良債券の利回りなどを考慮して決定しております。長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
使用した前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、これらの前提条件には管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は、前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性もあります。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来加算・減算一時差異の解消、課税所得の見積り、及びタックスプランニング等を要素として評価されます。当社グループは、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しております。
現時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っていると判断しておりますが、予想し得ない要因や変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済対策や金融政策の効果により企業業績や雇用・所得環境等に引き続き改善の傾向が見られ、第3四半期までは緩やかな回復基調となりました。しかしながら、一部の国・地域における地政学的リスクの顕在化、中国や新興国経済の成長鈍化、米国の保護主義の影響による世界経済の減速懸念に加え、第4四半期での新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大や原油価格の下落など、不安定な国際情勢を背景に依然として先行き不透明な状況で推移しました。
このような状況の中で、中期経営計画の初年度において産業機械事業とエレクトロニクス事業から分離独立した新セグメント「自動車事業」を発足し、また、5G通信システムや自動車業界におけるCASE投資拡大などの需要を取り込み、第4四半期はじめまで業績はおおむね順調に推移しました。新型コロナウイルス感染症の影響により受注の減速が出始めたもののその影響は顕著ではなく、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べて4億15百万円減少の1,614億76百万円(前期比0.3%減)とほぼ横ばいとなりました。
売上原価は、84百万円減少の1,375億37百万円(前期比0.1%減)となりました。なお、売上総利益率は、産業機械関連事業の粗利率低下などにより、前期の15.0%から14.8%へと減少しました。この結果、売上総利益は3億30百万円減少の239億38百万円(前期比1.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費が増加したことなどにより、2億44百万円増加の169億40百万円(前期比1.5%増)となりました。
この結果、営業利益は5億75百万円減少の69億98百万円(前期比7.6%減)となり、営業利益率は前期の4.7%から4.3%へと減少しました。
営業外損益においては、営業外収益は、仕入割引が減少したことなどにより67百万円減少の8億28百万円(前期比7.5%減)となりました。営業外費用は、前期並みの4億円(前期比1.2%増)となりました。この結果、営業外損益は前期より71百万円減少の4億27百万円の収益となり、経常利益は6億46百万円減少の74億26百万円(前期比8.0%減)となりました。
特別損益においては、特別利益として投資有価証券売却益等84百万円を計上したものの、特別損失として投資有価証券評価損等3億21百万円を計上したため、差引き2億36百万円の損失となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、税金等調整前当期純利益71億89百万円から法人税等(法人税等調整額を含む)23億9百万円ならびに非支配株主に帰属する当期純利益3百万円を差引き、4億18百万円増加の48億76百万円(前期比9.4%増)となりました。
当連結会計年度における自己資本当期純利益率(ROE)は、前期の10.1%から10.4%へと増加しました。今後も、中期経営計画の基本方針に則り、更なる収益性の向上を目指し、自己資本の充実を図りつつ、ROEの維持・向上を目指してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
プラント・エネルギー事業
海外向け大型肥料プラント用設備等の売上があり、また、リチウムイオン・バッテリー(LIB)製造設備等の販売が好調であったため、売上高は71億33百万円増加の428億35百万円(前期比20.0%増)、セグメント利益(営業利益)は3億59百万円増加の11億12百万円(前期比47.7%増)となりました。
本事業は、近年、LIB製造関連ビジネスが急成長しております。特に当連結会計年度は欧州の電池製造が加速する中で、韓国のCIS社とドイツに設立したLIB製造装置販売の合弁会社「DC ENERGY GMBH」における引き合いは順調であり、業界のニーズに対応できております。次世代エネルギーにおいてはバイナリー発電ビジネスが軌道に乗り始めているほか、高効率な薄膜軽量フレキシブル太陽光パネルの日本国内における独占販売代理店としての活動もスタートいたしました。また、日本の優れた技術や製品、サービスの提供を通じて発展途上国の温室効果ガスの削減など持続可能な開発に貢献し、その成果を二国間で分けあう「二国間クレジット制度」も積極的に活用しながら、脱炭素社会への実現に向けての取り組みを今後も強化してまいります。
産業機械事業
プラスチックス製品・食品関連業界向けの成形機及び周辺機器、自動加工機等の売上が減少したため、売上高は70億9百万円減少の248億6百万円(前期比22.0%減)、セグメント利益(営業利益)は7億83百万円減少の4億54百万円(前期比63.3%減)となりました。
本事業は、合成樹脂等の射出成形を中心としたビジネスから、塗装や外観検査といったプロセス機器や自動化機能を加えた複合商材の充実を図り、業界の領域拡大も進んでおります。高い造形技術を持つ産業用3Dプリンターのビジネスもこのところ本格的な動きを見せており、引き合いの多さに今後の期待が高まっております。また、カテーテル製造装置をはじめとする医療機器、食品、物流資材、住設関連等、領域・分野を広く捉え、新たな市場や商材の開拓を積極化させております。当事業がエレクトロニクス、自動車の事業を生み出したように、新たな事業を創出する母体となるよう活動フィールドを広げてまいります。
エレクトロニクス事業
IT及びデジタル関連機器製造会社向けの電子部品製造関連設備等の販売が減少したため、売上高は77億14百万円減少の408億75百万円(前期比15.9%減)、セグメント利益(営業利益)は4億74百万円減少の22億28百万円(前期比17.5%減)となりました。
本事業は、主力商材である電子部品実装機の販売に加え、前後工程を含めた設備の組み合わせや搬送ロボットを用いたオートメーション化など、工場全体のスマートファクトリーを指向するシステム販売が増加し、特に中国、東南アジアといったエリアを中心に好調を維持しております。また、中国に偏りつつあったサプライチェーンが見直され、生産拠点をベトナム、フィリピン、タイなどへ移転させる動きが出始めているほか、欧州では特に東欧にて受託製造サービス(EMS)が始まっております。当社グループの海外ネットワークを生かし、第5世代移動通信システム(5G)やデジタルトランスフォーメーション(DX)の動きにも追随しながら、各地域での受注獲得に注力してまいります。
自動車事業
自動車関連業界向けの自動組立ライン、塗装ライン、車載電子部品製造関連設備等の販売が増加したため、売上高は41億34百万円増加の357億46百万円(前年同期比13.1%増)となりましたが、セグメント利益(営業利益)は1百万円減少の14億91百万円(前年同期比0.1%減)となりました。
本事業は、エレクトロニクスと産業機械のクロスポイントから独立し、スムーズな立ち上がりとなりました。次世代型自動車に必要となる各製品をテーマに、新たな設備提案が軌道に乗り始めております。特に、内燃機関から電動化への劇的な変化を捉え、モーター・インバータに関するあらゆる設備を組み立てからモーターシミュレーター、検査装置等、生産ライン全体をパートナーメーカーと連携しながら提案する取り組みは、お客様より評価いただいております。競争力をさらに高めていくため、国内のみならず中国や東南アジア地域における商材・パートナーの開拓を進めながら、サプライチェーンの裾野が広い自動車産業での存在感を示してまいります。
ファーマ事業
錠剤外観検査装置やパッケージング用機器・装置等の売上が増加したため、売上高は4億80百万円増加の102億94百万円(前期比4.9%増)、セグメント利益(営業利益)は1億73百万円増加の11億28百万円(前期比18.2%増)となりました。
本事業は、錠剤外観検査機を中心に錠剤印刷機、包装機等の主力商材に加え、医療機器や液剤に関わる商材の拡大を図ってまいりました。新型コロナウイルス感染症の影響によりさらなる健康意識の高まりが見込まれる中、健康食品、予防医療、再生医療の領域まで幅広い分野でビジネスを拡大することを指向し、2020年4月より「ヘルスケア事業」に改称いたしました。組織内にエンジニアリング部を新設し、またグループ会社の第一実業ビスウィル㈱(メーカー機能)と㈱第一メカテック(サービス機能)との三位一体により、生産ラインを一括受注するビジネススタイルをさらに強化させていく計画です。事業領域とワンストップソリューションの拡大により、業績数値倍増を目指してまいります。
航空事業
航空機地上支援機材及び空港施設関連機器等の売上が増加したため、売上高は25億12百万円増加の67億75百万円(前期比58.9%増)、セグメント利益(営業利益)は2億45百万円増加の5億34百万円(前期比85.0%増)となりました。
本事業は、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向け、地上支援機材や空港施設用機器等の販売が非常に好調でした。大会の開催は延期となりましたが、当社グループの役割として高機能な機材・機器を滞りなく提供することができました。セグメントの売上高構成比はまだ低いものの、売上高営業利益率は約8%となり、存在感を示すまでに成長しております。防災分野においては非常時に出動する特殊車両や大型の救護車両等、商材の拡充も進んでおり、災害への備えという観点からも有用性のある商材開拓に努め、事業展開を図ってまいります。
その他
売上高は47百万円増加の1億42百万円(前期比50.3%増)、セグメント損益(営業損益)は25百万円減少の21百万円の損失となりました。
今後も、中期経営計画の基本方針であります「時流に適合した事業軸の進化と収益力のさらなる向上」、「経営推進力の強化」及び「会社の『品質』向上」を念頭に、事業拡大と収益力強化をより一層図ってまいります。
受注、販売及び仕入の実績は、次のとおりであります。
① 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
| プラント・エネルギー事業 | 47,452 | +0.7 | 45,252 | +11.4 |
| 産業機械事業 | 19,022 | △44.5 | 9,020 | △39.1 |
| エレクトロニクス事業 | 41,490 | △3.3 | 10,710 | +6.1 |
| 自動車事業 | 36,459 | △10.9 | 24,415 | +3.0 |
| ファーマ事業 | 10,754 | △2.4 | 5,222 | +9.6 |
| 航空事業 | 6,404 | △7.8 | 4,319 | △7.9 |
| その他 | 394 | +311.5 | 456 | +123.7 |
| 合計 | 161,979 | △11.6 | 99,396 | +0.5 |
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| プラント・エネルギー事業 | 42,835 | +20.0 |
| 産業機械事業 | 24,806 | △22.0 |
| エレクトロニクス事業 | 40,875 | △15.9 |
| 自動車事業 | 35,746 | +13.1 |
| ファーマ事業 | 10,294 | +4.9 |
| 航空事業 | 6,775 | +58.9 |
| その他 | 142 | +50.3 |
| 合計 | 161,476 | △0.3 |
注 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績は、販売実績と概ね連動しているため記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は、10億74百万円減少の1,114億86百万円(前期比1.0%減)となりました。流動資産は7億85百万円減少の970億33百万円(前期比0.8%減)、固定資産は2億89百万円減少の144億53百万円(前期比2.0%減)となりました。
流動資産の減少は、現金及び預金の増加があったものの、債権回収に伴う受取手形及び売掛金の減少が主な要因であります。固定資産の減少は、有形及び無形固定資産の減価償却による減少に加えて、時価評価による投資有価証券の減少が主な要因であります。
負債の合計は38億11百万円減少の630億40百万円(前期比5.7%減)となりました。流動負債は32億96百万円減少の620億25百万円(前期比5.0%減)、固定負債は5億14百万円減少の10億14百万円(前期比33.6%減)となりました。
流動負債の減少は、前受金の増加があったものの、債務支払いに伴う支払手形及び買掛金の減少が主な要因であります。固定負債の減少は、長期借入金の返済が主な要因であります。
純資産の合計は27億36百万円増加の484億46百万円(前期比6.0%増)となりました。配当金の支払いがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益48億76百万円を計上したことが主な要因であります。この結果、自己資本比率は前期の40.5%から43.4%へと増加しました。
有利子負債は、前期比48百万円増加の78億50百万円(前期比0.6%増)となりました。内訳は短期借入金74億27百万円(1年内返済予定の長期借入金を含む)、長期借入金75百万円、その他3億47百万円であります。長期借入金は太陽光発電事業資産取得及びバイナリー発電装置の製造販売権取得に対応するものであります。なお、当連結会計年度末における有利子負債比率(DER)は0.16倍となり、前期の0.17倍から減少しております。
今後も、中期経営計画「FACE2021」のビジョンと基本方針に沿って、実施計画を着実に実践しながら、当社グループ全体の資金をグローバルレベルで有効に活用することにより、財務体質の更なる強化を図ってまいります。
(3) キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、22億70百万円の増加となり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は231億37百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローは、50億6百万円の増加(前期比10億65百万円減)となりました。これは主に、仕入債務の減少があったものの、税金等調整前当期純利益の計上があったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、投資活動によるキャッシュ・フローは、9億10百万円の減少(前期比13百万円増)となりました。これは主に、投資有価証券の売却収入があったものの、投資有価証券の取得支出や無形固定資産の取得支出があったことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において、財務活動によるキャッシュ・フローは、16億25百万円の減少(前期比2億76百万円増)となりました。これは主に、借入金の返済や配当金の支払いがあったことによるものであります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの主要な資金は、商品やサービスの購入のために費やされており、他には販売費及び一般管理費、設備ならびに新規事業分野への投資、M&Aやアライアンスにも活用しております。これらの資金需要について、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資本ならびに銀行その他の金融機関からの短期・長期借入による資金調達にて対応していくこととしております。
資金の流動性については、取引銀行5行と100億円の貸出コミットメント契約を締結し、機動的かつ安定的な調達手段を確保しております。世界情勢の急激な変化等による資金需要に対応するため、手元流動性を売上高のおおむね1ヶ月分相当に維持することなどにより、流動性リスクを管理しております。
株主還元については、株主に対する利益還元を経営の重要政策の一つとして位置づけており、業績に応じた適正な配当を実施することを基本方針としております。今後とも、投資家等との対話を通じて適切な資本コストの把握に努め、事業投資や株主還元に生かしてまいります。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産及び負債の金額、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与える様々な見積りを行う必要があります。見積りは、過去の経験や新型コロナウイルス感染症の影響を含むその時点の状況として妥当と考えられるさまざまな要素に基づき行っており、他の情報源からは得られない資産及び負債の帳簿価額について当社グループの判断の基礎となっております。ただし、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なる可能性があります。
当社グループの経営成績等に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下の通りです。
① 投資有価証券
投資有価証券については、時価又は実質価額が帳簿価額を下回り、かつ、時価又は実質価額の低下が一時的でないと判断される場合は、評価損が計上されます。当社グループは、投資有価証券の時価又は実質価額の下落が一時的であるかどうかを、下落の期間や程度、発行体の財政状態や業績の見通し、又は時価の回復が予想される十分な期間にわたって保有する意思、などを含めた基準により四半期毎に判断しております。
当社グループは、評価損を判断する基準は合理的なものであると考えておりますが、市場の変化や、予測できない経済及びビジネス上の前提条件の変化によって個々の投資に関する状況の変化があった場合には、投資有価証券の評価額は影響を受ける可能性があります。
② 固定資産の減損
固定資産については、資産グループの回収可能価額が帳簿価額を下回った場合に、その差額を減損損失に計上しておりますが、回収可能価額は、資産グループの時価から処分費用見込み額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか大きい方としていることから、今後固定資産の使用方法を変更した場合、又は、市場価値が変動した場合には、新たに減損損失が発生し、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
③ 貸倒引当金
当社グループの債権は、ほとんどが売上債権であります。その債権に対して貸倒引当金を計上しており、その貸倒引当金は体系的かつ継続的なレビュー及び評価、過去の損失の実績、現在の経済的な事象及び状況、担保物の見積公正価値及びその十分性、ならびにその他の関連する要因に基づき算定されております。現在入手可能な情報に基づき、貸倒引当金は十分であると考えておりますが、将来の期待キャッシュ・フローの変化を示す情報の入手、経済及びその他の事象又は状況の変化などにより、追加の引当金が必要となってくる可能性があります。これらの要因により貸倒引当金を大幅に増加させる必要が生じた場合、将来の当社グループの経営成績等に影響を与える可能性があります。
④ アフターサービス引当金
当社グループでは、取引の完了後に発生が想定される保守・調整等の費用を「アフターサービス引当金」として計上しております。アフターサービス引当金の算定には得意先との取決め等に基づき、仕入先と事前に協議を行い、当社グループが費用負担するべき部材の摩耗や高頻度での調整作業が必要な設備についての追加での見積りを入手しております。個別の設備ごとにこの見積算定処理を行い、引当金の前提条件と算定方法は適切であり、計上は妥当と判断しておりますが、これらの前提条件には管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は、前提条件に変更がある場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 退職給付債務及び費用
退職給付債務及び費用の計算には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれています。これらの仮定と実績の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
退職給付債務及び費用の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率と年金資産の長期期待運用収益率です。割引率は、現在利用可能で、かつ、年金給付の支払期日までの間利用可能と予想される優良債券の利回りなどを考慮して決定しております。長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
使用した前提条件と方法は適切であると判断しておりますが、これらの前提条件には管理不能な不確実性が含まれているため、前提条件と実際の結果が異なる場合、又は、前提条件の変更がある場合には、当社グループの退職給付債務及び費用に影響を与える可能性もあります。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産の回収可能性は、将来加算・減算一時差異の解消、課税所得の見積り、及びタックスプランニング等を要素として評価されます。当社グループは、税務上の繰越欠損金、税額控除及び将来減算一時差異のうち、将来課税所得を減算できる可能性が高いものに限り繰延税金資産を認識しております。
現時点で利用可能な情報に基づいた最善の見積りを行っていると判断しておりますが、予想し得ない要因や変化が生じた場合には、繰延税金資産の回収可能性の評価を見直す可能性があります。