有価証券報告書-第76期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)経営環境」に記載しました当連結会計年度の環境の下、採算性を重視した営業活動及び拡販活動に取り組み、建設コスト高を反映した価格改善に加え、顧客ニーズへの迅速かつ丁寧な対応により、受注の確保と収益性の拡大に注力してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態
・ 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億86百万円減少し、433億45百万円となりました。
・ 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ19億81百万円減少し、135億32百万円となりました。
・ 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ15億94百万円増加し、298億13百万円となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高は345億43百万円(前年同期比1.6%減)となりました。利益につきましては、営業利益14億10百万円(前年同期比32.7%増)、経常利益19億26百万円(前年同期比24.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は13億72百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ、15億25百万円増加の48億55百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は32億円の増加(前年同期は7億56百万円の増加)となりました。主な増加項目は税金等調整前当期純利益20億6百万円、棚卸資産の減少による資金の増加額16億94百万円であり、主な減少項目は仕入債務の減少による資金の減少額15億33百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は2億97百万円の減少(前年同期は1億61百万円の減少)となりました。主な減少項目は有形及び無形固定資産の取得による支出額4億76百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は13億77百万円の減少(前年同期は16億9百万円の減少)となりました。主な減少項目は短期借入金の減少額10億40百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の部門で示すと、次のとおりであります。
| 部門の名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 工場部門 | 1,478 | 6.2 |
(注)金額は受注加工製作額であり、販売価格によっております。
b.受注実績
工事及び製作加工は、取引先との契約締結後、ごく短い期間で工事施工開始又は製作加工品を納入するという業界の慣習・取引形態の特殊性により、受注高の集計は行っておりません。
c.販売実績
営業部門は取扱商品別に分かれておりません。当連結会計年度における売上形態区分別内訳は次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 販売 | 13,192 | △11.0 |
| 賃貸 | 4,400 | △0.5 |
| 工事 | 11,334 | 11.5 |
| 加工料 | 2,728 | 0.7 |
| 運送 | 2,888 | △2.9 |
| 合計 | 34,543 | △1.6 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 鹿島建設株式会社 | 3,504 | 10.0 | 3,890 | 11.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は433億45百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億86百万円の減少となりました。その主な内訳は、現金及び預金が増加、受取手形、売掛金及び契約資産と電子記録債権をあわせた売上債権、建設資材が減少したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は135億32百万円となり、前連結会計年度末と比較して19億81百万円の減少となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金と電子記録債務をあわせた仕入債務、返済により短期借入金が減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は298億13百万円となり、前連結会計年度末と比較して15億94百万円の増加となりました。その主な内訳は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加によるものであります。
以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ4.3ポイント上昇した68.8%となりました。
b.経営成績の分析
当社グループが属する建設業界におきましては、当面堅調に推移し重仮設業界における需要も足元では安定的と見込んでおりますが、原材料価格や労務費などの建設コストの上昇リスクが懸念されることから、受注環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。
このような環境の下、当連結会計年度の売上は、販売収入が前年同期比11.0%減の131億92百万円、賃貸収入が前年同期比0.5%減の44億円、工事収入が前年同期比11.5%増の113億34百万円、加工料収入が前年同期比0.7%増の27億28百万円、運送収入が前年同期比2.9%減の28億88百万円と、工事収入と加工料収入では増収となったものの、その他の項目で減収となったことにより、総売上高は前年同期比1.6%減の345億43百万円となりました。売上原価は前年同期比で原価率が2.1ポイント減少した284億11百万円(前年同期比4.0%減)、販売費及び一般管理費は47億21百万円(前年同期比6.2%増)となりました。この結果、営業利益は14億10百万円(前年同期比32.7%増)となりました。総売上高は減収となりましたが、採算性を重視した受注活動により利益率が改善され、営業利益段階では増益となりました。
営業外収益5億92百万円(前年同期比4.8%増)、営業外費用77百万円(前年同期比3.4%減)を加減し、経常利益は19億26百万円(前年同期比24.4%増)の増益となりました。政策保有株式の売却を含めた特別利益1億円、「令和6年1月能登半島地震」による特別損失19百万円及び法人税等合計6億34百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は13億72百万円(前年同期比32.1%増)となりました。
以上の結果、売上高営業利益率は、前年同期と比べ1.1ポイント上昇した4.1%となりました。また、自己資本利益率は、前年同期と比べ1.0ポイント上昇した4.7%となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの業績は建設業界を取り巻く環境に左右されます。足元では都市部の再開発事業などの大型プロジェクトや2025年まで実施される「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を柱とするインフラ基盤整備計画などの政府予算の下支えが期待され、建設需要は引き続き底堅い推移が見込まれます。一方で、従来からの技能労働者不足に加え、建設資材価格及び労務費等の高騰による建設コストの上昇が今後も続くと思われます。このような背景から、更なる受注競争の激化による採算面での厳しさが増すものと予想されます。
このような環境の下、当社グループは引き続き採算面での徹底した管理を行いながら受注活動に取り組んでまいります。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
今後の経営環境につきましては、雇用・所得環境が改善する中で、引き続き緩やかな景気回復が続くと見込まれます。一方で、世界的な金融引き締めに伴う影響や、中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとして懸念されます。
建設業界を取り巻く環境は、従来からの技能労働者不足に加え、原材料や鋼材価格の高騰により、建設コストの上昇が懸念されます。また、建設業及び運送業では2024年4月から労働基準法の改正による時間外労働の上限規制が適用となり、労働環境の見直しが余儀なくされる状況となっています。一方で、足元では都市部の再開発事業を中心とした民間の設備投資プロジェクトや2025年まで実施される「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を柱とするインフラ基盤整備計画などの政府予算の下支えが期待され、建設需要は引き続き底堅い推移が予想されます。
このような環境の下、当社グループは前中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)において、当初計画しました収益目標を達成し成長軌道への道筋をつけることができました。今後も国内の建設需要は底堅く推移すると予想されますが、建設コストの上昇リスクなど不確実性も存在することから、当社グループでは引き続き事業構造の変革を継続していく必要のある状況と認識しております。
この認識を踏まえ、当社グループは、持続的な成長とステークホルダーとの共生を図るため、「コア事業の基盤と次の100年の創造」という2030年に向けた中長期ビジョンを踏まえた中期経営計画(2025年3月度~2027年3月度)を策定しました。本中期経営計画では、2026年に到来する創業100周年も念頭に、中長期ビジョンを達成するための通過点として、戦略的には「事業構造の変革」「成長」「経営力」の3本柱で展開し、歴史に裏打ちされた会社基盤をさらに強化し、将来に向けた成長の種をまくことで、企業価値の向上に取り組んでまいります。詳しくは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載のとおりであります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は、営業活動に必要な運転資金として材料費、外注費、修理費、製作加工費、労務費等が主要な内容であります。経常的な運転資金については、一定水準の資金を確保しておく必要があります。設備投資などの資金の財源については、営業活動による収入で得た資金を投入し、不足する場合は有利子負債による資金調達を実施しております。