有価証券報告書-第78期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
・当連結会計年度末の資産合計は459億55百万円となり、前連結会計年度末と比較して19億86百万円の増加となりました。その主な要因は、工場の設備投資に伴う有形固定資産の増加、保有する投資有価証券の時価評価によるものであります。
・当連結会計年度末の負債合計は132億22百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億78百万円の増加となりました。その主な要因は、電子記録債務の減少に伴い仕入債務が減少、未払法人税等、繰延税金負債が増加したことによります。
・当連結会計年度末の純資産合計は327億33百万円となり、前連結会計年度末と比較して18億7百万円の増加となりました。その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加によるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高403億40百万円(前年同期比13.4%増)となりました。利益につきましては、営業利益21億10百万円(前年同期比33.6%増)、経常利益26億63百万円(前年同期比28.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は19億65百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ、7億12百万円減少の43億79百万円となりました。当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は22億55百万円の増加(前年同期は14億47百万円の増加)となりました。主な増加項目は税金等調整前当期純利益28億32百万円、棚卸資産の減少による資金の増加額4億77百万円であり、主な減少項目は仕入債務の減少による資金の減少額9億25百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は15億95百万円の減少(前年同期は8億5百万円の減少)となりました。主な減少項目は有形及び無形固定資産の取得による支出額16億87百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は13億73百万円の減少(前年同期は4億4百万円の減少)となりました。主な減少項目は自己株式の取得による支出額8億98百万円、配当の支払額4億64百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の部門で示すと、次のとおりであります。
| 部門の名称 | 生産高(百万円) | 前年同期比(%) |
| 工場部門 | 1,848 | 124.9 |
(注)金額は受注加工製作額であり、販売価格によっております。
b.受注実績
工事及び製作加工は、取引先との契約締結後、ごく短い期間で工事施工開始又は製作加工品を納入するという業界の慣習・取引形態の特殊性により、受注高の集計は行っておりません。
c.販売実績
営業部門は取扱商品別に分かれておりません。当連結会計年度における売上形態区分別内訳は次のとおりであります。
| 区分 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 販売 | 13,613 | 110.2 |
| 賃貸 | 5,299 | 113.8 |
| 工事 | 14,897 | 118.3 |
| 加工料 | 3,200 | 115.6 |
| 運送 | 3,328 | 103.5 |
| 合計 | 40,340 | 113.4 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 鹿島建設株式会社 | 5,334 | 15.0 | 4,013 | 9.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は459億55百万円となり、前連結会計年度末と比べ19億86百万円の増加となりました。
流動資産につきましては、当連結会計年度末の合計は318億60百万円となり、前連結会計年度末と比べ9億94百万円の減少となりました。その主な内訳は、工場の設備投資及び自己株式の取得により現金及び預金が前連結会計年度末と比べ7億12百万円、建設資材が前連結会計年度末と比べ4億94百万円、それぞれ減少したことによります。
有形固定資産につきましては、当連結会計年度末の合計は78億7百万円となり、前連結会計年度末と比べ10億69百万円の増加となりました。その主な内訳は、建物及び構築物が前連結会計年度末と比べ5億12百万円、機械装置及び運搬具が前連結会計年度末と比べ5億55百万円、それぞれ増加したことによります。当社グループは、中期経営計画で掲げた経営基盤の強化の一環として、工場の整備能力・生産性向上のための整備ラインのオートメーション化および工場内の環境改善に取り組んでおり、建物附属設備や機械装置の取得等を実施しております。また、工事収益強化のために、工事用機械の購入も実施しております。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は132億22百万円となり、前連結会計年度末と比べ1億78百万円の増加となりました。その主な内訳は、電子記録債務の減少に伴い仕入債務が減少した一方で、未払法人税等と繰延税金負債が増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は327億33百万円となり、前連結会計年度末と比べ18億7百万円の増加となりました。株主配当金4億65百万円の支払による減少と親会社株主に帰属する当期純利益19億65百万円の剰余金への組み入れによります。この結果、自己資本比率は71.2%となり、前連結会計年度末と比べ0.9ポイント上昇しました。
今後も経営基盤の強化と成長に向けた投資を計画、実施していきながら業績面での利益水準の向上を図り、財務の健全性を維持しつつ資本コストや資本収益性を意識した最適資本構成の実現に向けた取り組みを継続してまいります。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の項目別売上は、販売収入が前年同期比10.2%増の136億13百万円、賃貸収入が前年同期比13.8%増の52億99百万円、工事収入が前年同期比18.3%増の148億97百万円、加工収入が前年同期比15.6%増の32億円、運送収入が前年同期比3.5%増の33億28百万円となり、総売上高は前年同期比13.4%増収の403億40百万円となりました。売上原価は前年同期比11.6%増の325億5百万円となりました。売上総利益の段階では前年同期比21.3%増の78億34百万円となりました。建設コストを反映した価格改善の取り組みは概ね順調に浸透しており、採算性を重視した受注活動を展開した結果、全項目で増収となりました。売上高の各項目の構成比では、受注工事拡大に注力した結果、工事収入が全体の36.9%を占めるまでに進捗いたしました。販売費及び一般管理費は前年同期比17.3%増の57億24百万円を計上した結果、営業利益は前年同期比33.6%増の21億10百万円となりました。将来の成長・変革を担う人材の確保・育成に注力し人的資本への投資を実施しており、今後も継続してまいります。この結果、総売上高、営業利益ともに増収・増益の結果となりました。
営業外収益6億34百万円(前年同期比7.2%増)、工場設備の入れ替えに伴う処分損を含む営業外費用81百万円(前年同期比12.5%減)を加減した結果、経常利益は26億63百万円(前年同期比28.2%増)となりました。政策保有株式の売却益を含めた特別利益1億70百万円(前年同期比65.4%増)を計上し、法人税等合計8億66百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は19億65百万円(前年同期比28.1%増)となりました。
c.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの業績は建設業界を取り巻く環境に左右されます。当連結会計年度における建設業界の状況については、国内の公共投資や設備投資には底堅さが見られ、都市部の再開発事業や民間設備投資プロジェクトと国土強靭化、インフラ対策等の公共投資に下支えされていると認識しております。
一方で、エネルギー価格や原材料価格の高止まりによるインフレ圧力の持続、資機材および労務費の高騰など建設コストの上昇の懸念に加えて、建設業界の慢性的な人手不足による労務需給の逼迫、時間外労働の上限規制適用等の影響が工事の着工遅延、進捗遅れ等につながるリスクがあり、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことも想定されます。
また、中東情勢不安が長期化した場合は、機械類および輸送、塗装関係にかかるコストの上昇が、工事計画の延期や中止につながる懸念があります。採算面での厳しさが一層増すものと予想され、動向を注視した対応が必要と認識しています。
d.経営者の問題認識と今後の方針について
国内の建設需要は今後も中長期的には底堅い推移が見込まれますが、当連結会計年度末時点で当社経営における課題として認識しているのは「稼ぐ力の強化」「工場設備の更新の必要性」「人員確保」の3点です。
第1に「稼ぐ力」をどのように強化していくかという点では、一昨年から好調に推移する工事部門の収益拡大に向け、更なる人材の確保と新工法の導入、新たな工事用重機の購入等に注力していく方針であります。
第2に工場部門では協力会社の高齢化、生産効率向上が喫緊の課題と認識しており、設備投資を積極的に進め、整備能力・生産性向上に資する機械設備の導入を進めてまいります。
最後に全社的な人材の確保・育成に注力してまいります。そのためには、新卒採用以外にも、中途採用も積極的に行うと同時に、社員のスキルの向上を目的に業務全般に必要な知識を習得していくことが重要と捉え、研修制度を充実させ、社員育成を継続的に実施してまいります。
当社は、経営成績に重要な影響を与える要因について認識し、様々な経営課題に対応していくための新たな中期経営計画を2026年度からスタートいたしました。具体的な方針および施策については、当社ホームページニュースリリース(2026年5月14日 「中期経営計画の策定と資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(アップデート)」)をご参照ください(https://www.mrfj.co.jp/ir)。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容ならびに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しているとおりであります。
b.資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要は、営業活動に必要な運転資金として材料費、外注費、修理費、製作加工費、労務費等が主要な内容であります。経常的な運転資金については、一定水準の資金を確保しておく必要があります。設備投資などの資金の財源については、営業活動による収入で得た資金を投入し、不足する場合は有利子負債による資金調達を実施しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。