有価証券報告書-第53期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
1.経営成績等の状況の概要
(1) 業績
当期におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、引き続き厳しい状況にあります。個人消費は、政府による給付金の実施や消費刺激策により持ち直しの動きが見られましたが、外出自粛や休業要請に伴い大きく落ち込みました。また、企業の設備投資については、IT投資は堅調だったものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する見通しのもと抑制傾向が継続しております。景気指標は改善の傾向が出てきているものの、新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、終息時期の見通しは立っておらず、世界や日本の経済へのマイナス影響は長期化することが懸念されています。
このような経済環境のもと、当社はテレワーク需要の拡大に合わせて、関連する製品やサービスを増加させたものの、主要なビジネス機器やレンズ交換式デジタルカメラの市場が大きく減少したことや、4月から5月にかけ全社的に輪番休業を実施したことで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、売上高は5,450億60百万円(前期比12.2%減)となりました。
利益につきましては、徹底した販管費の削減を継続して行うと共に、コンスーマ製品において高付加価値製品を中心に拡販に努めましたが、売上の減少による売上総利益の減少が大きく、営業利益は313億17百万円(前期比3.5%減)となりました。また、経常利益につきましては、雇用調整助成金の受給により352億36百万円(前期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失の計上等により219億97百万円(前期比1.1%減)となりました。
各報告セグメントは以下のとおりです。
コンスーマ
デジタルカメラは、Go To トラベル事業等により一時的に需要が増加したものの、依然として外出自粛等により個人のお客さまの購入に対するマインドは低く、需要は低調に推移しました。また、カメラ販売店や家電量販店等においては一時的に臨時休業や営業時間の短縮が実施される等、販売機会も制限されました。当社では、当期に発売したミラーレスカメラの「EOS R5」「EOS R6」「EOS Kiss M2」が好評をいただいたものの、レンズ交換式デジタルカメラ及びコンパクトデジタルカメラの売上は大幅に減少しました。
家庭用インクジェットプリンターは、在宅勤務やオンライン学習が増加したことにより需要が大きく伸び、当期に発売した新製品等の高付加価値製品を中心に好調に推移しました。また、特大容量タンク「GIGA TANK」を搭載した製品も引き続き好調に推移し、インクジェットプリンターの売上は大幅に増加しました。インクカートリッジについては、カラープリントや年賀状の減少等による市場の縮小に伴い、売上は減少しました。
ITプロダクトは、在宅勤務需要の高まりに伴いPCの周辺機器が増加したことや、ゲーミングPCの販売が引き続き伸び、売上は大幅に増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,248億74百万円(前期比6.0%減)となりました。セグメント利益につきましては、高付加価値製品の構成比を高めることや、市場の状況を見極め、広告宣伝費を中心とした販管費の抑制を行い、利益の確保に努めたことにより、122億18百万円(前期比78.0%増)となりました。
エンタープライズ
主要ビジネス機器の状況につきましては、オフィスMFPは年初から市場が低調に推移していたことに加え、輪番休業の実施に伴い営業活動に制限を受けたことによる案件の減少等により売上は減少しました。レーザープリンターにつきましては、オフィスMFP同様に営業活動の影響があったことや前期に大型案件が複数あったことの反動等により、売上は減少しました。オフィスMFPの保守サービス、レーザープリンターカートリッジにつきましては、お客さまのテレワークが継続したこと等により、オフィスにおけるプリントボリュームが減少し、売上は減少しました。
大手企業向けITソリューションにつきましては、第4四半期に向けて受注状況は改善してきたものの、前期にWindows7サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要や、SIサービス及び基盤システムにおいて大型案件があった反動減に加え、営業活動の縮小等による案件の減少や後ろ倒しの発生等により、売上は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,712億37百万円(前期比12.6%減)となりました。セグメント利益につきましては、89億20百万円(前期比11.4%減)となりました。
エリア
オフィスMFPやレーザープリンター等の主要ビジネス機器につきましては、第4四半期に、後ろ倒しになっていたオフィスMFPの案件が進んだものの、年初から市場が低調に推移していたことに加え、輪番休業の実施に伴い営業活動に制限を受けたこと等により、売上は減少しました。保守サービス及びレーザープリンターカートリッジにつきましては、徐々に持ち直しつつあるものの、テレワークが継続した影響によるプリントボリュームの減少により、売上は減少しました。
中小企業向けITソリューションにつきましては、テレワーク環境を構築するためのニーズが引き続き高く、IT支援クラウドサービス「HOME」が順調に推移したことに加え、ウイルス対策ソフト「ESET」やファイヤーウォール機器等のセキュリティプロダクトが増加しました。また、お客さまのIT機器等の保守や運用サービスの獲得に注力し、受注件数を伸ばしました。一方で、ビジネスPCはテレワークの需要があったものの、前期にWindows7サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要が大きく伸びていた反動等により減少しました。その結果、ITソリューションの売上は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は2,357億66百万円(前期比12.1%減)となりました。セグメント利益につきましては、98億98百万円(前期比31.3%減)となりました。
プロフェッショナル
(プロダクションプリンティング)
プロダクションプリンティング事業では、主に印刷業向けに、高速連帳プリンター及び高速カット紙プリンター等を提供しています。また、小売業向けにPOP制作関連のビジネスも提供しています。当期は、モノクロ連帳プリンター等が伸びたものの、プリントボリューム低下等に伴う消耗品販売の減少や、POP制作関連のビジネスが減少し、売上は減少しました。
(産業機器)
産業機器事業では、主に半導体メーカー向けに製造関連装置、検査計測装置等を提供しております。当期は、半導体製造関連装置が売上を伸ばしたものの、検査計測装置等が減少し、売上は減少しました。
(ヘルスケア)
ヘルスケア事業では、主に病院や診療所向けに電子カルテを中心としたシステム開発や基盤構築を提供するとともに、調剤薬局向けにレセコン等を提供しております。当期は、調剤薬局向けで前期の大型案件の反動があったものの、病院向けの電子カルテ及び医療IT基盤の構築等に係る複数の大型案件があったこと等により、売上は増加しました。
なお、本年1月に連結子会社であったキヤノンライフケアソリューションズ(株)の株式をキヤノンメディカルシステムズ(株)に譲渡しております。なお、キヤノンライフケアソリューションズ(株)の前期の売上高は110億円、営業利益は1億円となっておりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は307億10百万円(前期比29.7%減)となりました。セグメント利益につきましては、販管費の減少等により18億79百万円(前期比16.3%増)となりました。
(注)1 文中の数値には、消費税等は含まれておりません。
(注)2 各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものであります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は、384億90百万円(前連結会計年度は220億52百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、261億74百万円(前連結会計年度は945億84百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、65億87百万円(前連結会計年度は85億57百万円の減少)となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ56億37百万円増加して、601億31百万円となりました。
2.生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業形態は主に国内外から仕入を行い、国内での販売を主要業務としているため、生産実績及び受注実績に代えて仕入実績を記載しております。
(1) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
(注) 1.消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.総販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月26日)現在において、当社グループが判断しております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は不確実性が高いため、見積りの前提条件に変化が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当社グループにおける実質的資金である現金及び預金、有価証券、短期貸付金の合計額の増加156億32百万円、売上減少や子会社の連結除外等に伴う受取手形及び売掛金の減少73億38百万円、徹底的な在庫圧縮等に伴う商品及び製品の減少61億90百万円等により、前連結会計年度末より29億45百万円増加し、3,803億49百万円となりました。
なお、売掛債権の保有日数は、前連結会計年度末と比べて3日長くなり、68日となっております。
また、在庫回転日数は、前連結会計年度末と比べて2日短くなり、18日となっております。
(固定資産)
主に西東京データセンターⅡ期棟の竣工により、建物及び構築物が164億53百万円増加し、建設仮勘定が125億17百万円減少しております。また、レンタル資産の減少21億22百万円、繰延税金資産の減少15億72百万円等により、前連結会計年度末より39百万円減少し、1,262億55百万円となりました。
なお、有形固定資産は、新規取得による増加127億46百万円、減価償却による減少97億84百万円等により、前連結会計年度末より9億16百万円増加し、837億29百万円となりました。
また、無形固定資産は、新規取得による増加36億5百万円、減価償却による減少14億69百万円等により、前連結会計年度末より12億円増加し、56億69百万円となりました。
(流動負債)
売上減少による仕入額減少に伴う支払手形及び買掛金の減少74億35百万円等により、前連結会計年度末より115億83百万円減少し、1,084億40百万円となりました。
(固定負債)
退職給付債務の減少に伴う退職給付に係る負債の減少60億72百万円等により、前連結会計年度末より65億32百万円減少し、520億49百万円となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益による増加219億97百万円、配当金の支払64億83百万円、退職給付に係る調整累計額の増加52億53百万円等により、前連結会計年度末より210億22百万円増加し、3,461億14百万円となりました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末より29億5百万円増加し、5,066億4百万円となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、当社はテレワーク需要の拡大に合わせて、関連する製品やサービスを増加させたものの、主要なビジネス機器やレンズ交換式デジタルカメラの市場が大きく減少したことや、4月から5月にかけ全社的に輪番休業を実施したことで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、前連結会計年度と比べて12.2%減少し、5,450億60百万円となりました。
詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(売上原価)
売上原価は、開発部門及びサービス部門の人件費が含まれます。前連結会計年度と比べて14.1%減少し、3,610億77百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度と比べて8.5%減少し、1,839億82百万円となりました。
また、売上総利益率は、前連結会計年度と比べて1.4ポイント上昇し、33.8%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、グループとして経費削減に努めたこと等により、前連結会計年度と比べて9.4%減少し、1,526億65百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、徹底した販管費の削減を継続して行うと共に、コンスーマ製品において高付加価値製品を中心に拡販に努めましたが、売上の減少による売上総利益の減少が大きく、前連結会計年度と比べて3.5%減少し、313億17百万円となりました。
また、営業利益率は、前連結会計年度と比べて0.5ポイント上昇し、5.7%となりました。
詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(営業外損益)
営業外損益は、雇用調整助成金の受給等により、前連結会計年度の14億97百万円の利益から、39億18百万円の利益となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度と比べて3.8%増加し、352億36百万円となりました。
(特別損益)
特別損益は、前連結会計年度の6億34百万円の損失から、17億73百万円の損失になりました。主に、固定資産除売却損を10億21百万円、関係会社株式売却損を7億37百万円を計上したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて0.5%増加し、334億63百万円となりました。また、売上高に対する比率は、前連結会計年度と比べて0.8ポイント上昇し、6.1%となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度の109億63百万円から、当連結会計年度は113億92百万円となりました。なお、実効税率は、34.0%でした。実効税率が、法定実効税率を上回っているのは、主に子会社株式の投資簿価修正によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて1.1%減少し、219億97百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より1円95銭減少し、169円65銭となりました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度と比べて0.5ポイント低下し、6.6%となりました。
なおセグメント別業績の分析については「1.経営成績等の状況の概要 (1)業績」をご参照ください。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ56億37百万円増加して、601億31百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は384億90百万円(前連結会計年度は220億52百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益334億63百万円、減価償却費112億53百万円、たな卸資産の減少53億57百万円、売上債権の減少52億76百万円等による資金の増加と、仕入債務の減少62億62百万円、法人税等の支払135億74百万円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は261億74百万円(前連結会計年度は945億84百万円の減少)となりました。有形固定資産の取得による支出146億95百万円、短期貸付金の増加99億94百万円、無形固定資産の取得による支出37億29百万円等による資金の減少によるものであります。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計した、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローの資金の増加は、123億15百万円(前連結会計年度は725億32百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は65億87百万円(前連結会計年度は85億57百万円の減少)となりました。配当金の支払64億85百万円等によるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フローによっております。また、当社と連結子会社間におけるグループファイナンスの実施により、グループ内資金の有効活用を図っております。
運転資金、設備資金等、通常の資金需要につきましては、原則として営業活動によるキャッシュ・フローによる自己資金で充当することとしております。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「中期経営計画(2020年~2022年)」を策定し、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として下記の項目を掲げています。
当連結会計年度の計画に対しては、新型コロナウイルス感染症の拡大や、主要製品の市場の減少、輪番休業の実施などで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、売上高は大きく未達となりました。
売上の減少による売上総利益の減少も大きく、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益も計画に届かなかった一方で、高付加価値製品の拡販や、徹底した販管費の削減によって営業利益率は当初の目標を達成いたしました。
(1) 業績
当期におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響により、引き続き厳しい状況にあります。個人消費は、政府による給付金の実施や消費刺激策により持ち直しの動きが見られましたが、外出自粛や休業要請に伴い大きく落ち込みました。また、企業の設備投資については、IT投資は堅調だったものの、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する見通しのもと抑制傾向が継続しております。景気指標は改善の傾向が出てきているものの、新型コロナウイルス感染症が再拡大しており、終息時期の見通しは立っておらず、世界や日本の経済へのマイナス影響は長期化することが懸念されています。
このような経済環境のもと、当社はテレワーク需要の拡大に合わせて、関連する製品やサービスを増加させたものの、主要なビジネス機器やレンズ交換式デジタルカメラの市場が大きく減少したことや、4月から5月にかけ全社的に輪番休業を実施したことで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、売上高は5,450億60百万円(前期比12.2%減)となりました。
利益につきましては、徹底した販管費の削減を継続して行うと共に、コンスーマ製品において高付加価値製品を中心に拡販に努めましたが、売上の減少による売上総利益の減少が大きく、営業利益は313億17百万円(前期比3.5%減)となりました。また、経常利益につきましては、雇用調整助成金の受給により352億36百万円(前期比3.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損失の計上等により219億97百万円(前期比1.1%減)となりました。
各報告セグメントは以下のとおりです。
コンスーマ
デジタルカメラは、Go To トラベル事業等により一時的に需要が増加したものの、依然として外出自粛等により個人のお客さまの購入に対するマインドは低く、需要は低調に推移しました。また、カメラ販売店や家電量販店等においては一時的に臨時休業や営業時間の短縮が実施される等、販売機会も制限されました。当社では、当期に発売したミラーレスカメラの「EOS R5」「EOS R6」「EOS Kiss M2」が好評をいただいたものの、レンズ交換式デジタルカメラ及びコンパクトデジタルカメラの売上は大幅に減少しました。
家庭用インクジェットプリンターは、在宅勤務やオンライン学習が増加したことにより需要が大きく伸び、当期に発売した新製品等の高付加価値製品を中心に好調に推移しました。また、特大容量タンク「GIGA TANK」を搭載した製品も引き続き好調に推移し、インクジェットプリンターの売上は大幅に増加しました。インクカートリッジについては、カラープリントや年賀状の減少等による市場の縮小に伴い、売上は減少しました。
ITプロダクトは、在宅勤務需要の高まりに伴いPCの周辺機器が増加したことや、ゲーミングPCの販売が引き続き伸び、売上は大幅に増加しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,248億74百万円(前期比6.0%減)となりました。セグメント利益につきましては、高付加価値製品の構成比を高めることや、市場の状況を見極め、広告宣伝費を中心とした販管費の抑制を行い、利益の確保に努めたことにより、122億18百万円(前期比78.0%増)となりました。
エンタープライズ
主要ビジネス機器の状況につきましては、オフィスMFPは年初から市場が低調に推移していたことに加え、輪番休業の実施に伴い営業活動に制限を受けたことによる案件の減少等により売上は減少しました。レーザープリンターにつきましては、オフィスMFP同様に営業活動の影響があったことや前期に大型案件が複数あったことの反動等により、売上は減少しました。オフィスMFPの保守サービス、レーザープリンターカートリッジにつきましては、お客さまのテレワークが継続したこと等により、オフィスにおけるプリントボリュームが減少し、売上は減少しました。
大手企業向けITソリューションにつきましては、第4四半期に向けて受注状況は改善してきたものの、前期にWindows7サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要や、SIサービス及び基盤システムにおいて大型案件があった反動減に加え、営業活動の縮小等による案件の減少や後ろ倒しの発生等により、売上は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は1,712億37百万円(前期比12.6%減)となりました。セグメント利益につきましては、89億20百万円(前期比11.4%減)となりました。
エリア
オフィスMFPやレーザープリンター等の主要ビジネス機器につきましては、第4四半期に、後ろ倒しになっていたオフィスMFPの案件が進んだものの、年初から市場が低調に推移していたことに加え、輪番休業の実施に伴い営業活動に制限を受けたこと等により、売上は減少しました。保守サービス及びレーザープリンターカートリッジにつきましては、徐々に持ち直しつつあるものの、テレワークが継続した影響によるプリントボリュームの減少により、売上は減少しました。
中小企業向けITソリューションにつきましては、テレワーク環境を構築するためのニーズが引き続き高く、IT支援クラウドサービス「HOME」が順調に推移したことに加え、ウイルス対策ソフト「ESET」やファイヤーウォール機器等のセキュリティプロダクトが増加しました。また、お客さまのIT機器等の保守や運用サービスの獲得に注力し、受注件数を伸ばしました。一方で、ビジネスPCはテレワークの需要があったものの、前期にWindows7サポート終了に伴うビジネスPCの入れ替え需要が大きく伸びていた反動等により減少しました。その結果、ITソリューションの売上は減少しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は2,357億66百万円(前期比12.1%減)となりました。セグメント利益につきましては、98億98百万円(前期比31.3%減)となりました。
プロフェッショナル
(プロダクションプリンティング)
プロダクションプリンティング事業では、主に印刷業向けに、高速連帳プリンター及び高速カット紙プリンター等を提供しています。また、小売業向けにPOP制作関連のビジネスも提供しています。当期は、モノクロ連帳プリンター等が伸びたものの、プリントボリューム低下等に伴う消耗品販売の減少や、POP制作関連のビジネスが減少し、売上は減少しました。
(産業機器)
産業機器事業では、主に半導体メーカー向けに製造関連装置、検査計測装置等を提供しております。当期は、半導体製造関連装置が売上を伸ばしたものの、検査計測装置等が減少し、売上は減少しました。
(ヘルスケア)
ヘルスケア事業では、主に病院や診療所向けに電子カルテを中心としたシステム開発や基盤構築を提供するとともに、調剤薬局向けにレセコン等を提供しております。当期は、調剤薬局向けで前期の大型案件の反動があったものの、病院向けの電子カルテ及び医療IT基盤の構築等に係る複数の大型案件があったこと等により、売上は増加しました。
なお、本年1月に連結子会社であったキヤノンライフケアソリューションズ(株)の株式をキヤノンメディカルシステムズ(株)に譲渡しております。なお、キヤノンライフケアソリューションズ(株)の前期の売上高は110億円、営業利益は1億円となっておりました。
これらの結果、当セグメントの売上高は307億10百万円(前期比29.7%減)となりました。セグメント利益につきましては、販管費の減少等により18億79百万円(前期比16.3%増)となりました。
(注)1 文中の数値には、消費税等は含まれておりません。
(注)2 各セグメント別の売上高は、外部顧客への売上高にセグメント間の内部売上高又は振替高を加算したものであります。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は、384億90百万円(前連結会計年度は220億52百万円の増加)、投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、261億74百万円(前連結会計年度は945億84百万円の減少)となりました。財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は、65億87百万円(前連結会計年度は85億57百万円の減少)となりました。以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ56億37百万円増加して、601億31百万円となりました。
2.生産、受注及び販売の状況
当社グループの事業形態は主に国内外から仕入を行い、国内での販売を主要業務としているため、生産実績及び受注実績に代えて仕入実績を記載しております。
(1) 仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| コンスーマ(百万円) | 83,155 | 87.0 |
| エンタープライズ(百万円) | 70,746 | 80.5 |
| エリア(百万円) | 115,216 | 79.2 |
| プロフェッショナル(百万円) | 14,456 | 59.0 |
| 報告セグメント計(百万円) | 283,575 | 80.3 |
| その他(百万円) | ― | ― |
| 合計(百万円) | 283,575 | 80.3 |
(注) 1.消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) | 前年同期比(%) |
| コンスーマ(百万円) | 124,830 | 94.0 |
| エンタープライズ(百万円) | 162,068 | 86.8 |
| エリア(百万円) | 225,893 | 88.2 |
| プロフェッショナル(百万円) | 29,194 | 69.7 |
| 報告セグメント計(百万円) | 541,986 | 87.8 |
| その他(百万円) | 3,073 | 82.7 |
| 合計(百万円) | 545,060 | 87.8 |
(注) 1.消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引については相殺消去しております。
3.総販売実績に対して10%以上に該当する販売先はありません。
3.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年3月26日)現在において、当社グループが判断しております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しております。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性が伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症による経済活動への影響は不確実性が高いため、見積りの前提条件に変化が生じた場合には、当社の財政状態及び経営成績に少なからず影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
(2) 財政状態の分析
(流動資産)
当社グループにおける実質的資金である現金及び預金、有価証券、短期貸付金の合計額の増加156億32百万円、売上減少や子会社の連結除外等に伴う受取手形及び売掛金の減少73億38百万円、徹底的な在庫圧縮等に伴う商品及び製品の減少61億90百万円等により、前連結会計年度末より29億45百万円増加し、3,803億49百万円となりました。
なお、売掛債権の保有日数は、前連結会計年度末と比べて3日長くなり、68日となっております。
また、在庫回転日数は、前連結会計年度末と比べて2日短くなり、18日となっております。
(固定資産)
主に西東京データセンターⅡ期棟の竣工により、建物及び構築物が164億53百万円増加し、建設仮勘定が125億17百万円減少しております。また、レンタル資産の減少21億22百万円、繰延税金資産の減少15億72百万円等により、前連結会計年度末より39百万円減少し、1,262億55百万円となりました。
なお、有形固定資産は、新規取得による増加127億46百万円、減価償却による減少97億84百万円等により、前連結会計年度末より9億16百万円増加し、837億29百万円となりました。
また、無形固定資産は、新規取得による増加36億5百万円、減価償却による減少14億69百万円等により、前連結会計年度末より12億円増加し、56億69百万円となりました。
(流動負債)
売上減少による仕入額減少に伴う支払手形及び買掛金の減少74億35百万円等により、前連結会計年度末より115億83百万円減少し、1,084億40百万円となりました。
(固定負債)
退職給付債務の減少に伴う退職給付に係る負債の減少60億72百万円等により、前連結会計年度末より65億32百万円減少し、520億49百万円となりました。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益による増加219億97百万円、配当金の支払64億83百万円、退職給付に係る調整累計額の増加52億53百万円等により、前連結会計年度末より210億22百万円増加し、3,461億14百万円となりました。
これらの結果、総資産は前連結会計年度末より29億5百万円増加し、5,066億4百万円となりました。
(3) 経営成績の分析
(売上高)
売上高は、当社はテレワーク需要の拡大に合わせて、関連する製品やサービスを増加させたものの、主要なビジネス機器やレンズ交換式デジタルカメラの市場が大きく減少したことや、4月から5月にかけ全社的に輪番休業を実施したことで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、前連結会計年度と比べて12.2%減少し、5,450億60百万円となりました。
詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(売上原価)
売上原価は、開発部門及びサービス部門の人件費が含まれます。前連結会計年度と比べて14.1%減少し、3,610億77百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は、前連結会計年度と比べて8.5%減少し、1,839億82百万円となりました。
また、売上総利益率は、前連結会計年度と比べて1.4ポイント上昇し、33.8%となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、グループとして経費削減に努めたこと等により、前連結会計年度と比べて9.4%減少し、1,526億65百万円となりました。
(営業利益)
営業利益は、徹底した販管費の削減を継続して行うと共に、コンスーマ製品において高付加価値製品を中心に拡販に努めましたが、売上の減少による売上総利益の減少が大きく、前連結会計年度と比べて3.5%減少し、313億17百万円となりました。
また、営業利益率は、前連結会計年度と比べて0.5ポイント上昇し、5.7%となりました。
詳細は「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1.経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。
(営業外損益)
営業外損益は、雇用調整助成金の受給等により、前連結会計年度の14億97百万円の利益から、39億18百万円の利益となりました。
(経常利益)
経常利益は、前連結会計年度と比べて3.8%増加し、352億36百万円となりました。
(特別損益)
特別損益は、前連結会計年度の6億34百万円の損失から、17億73百万円の損失になりました。主に、固定資産除売却損を10億21百万円、関係会社株式売却損を7億37百万円を計上したことによるものであります。
(税金等調整前当期純利益)
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度と比べて0.5%増加し、334億63百万円となりました。また、売上高に対する比率は、前連結会計年度と比べて0.8ポイント上昇し、6.1%となりました。
(法人税等)
法人税等は、前連結会計年度の109億63百万円から、当連結会計年度は113億92百万円となりました。なお、実効税率は、34.0%でした。実効税率が、法定実効税率を上回っているのは、主に子会社株式の投資簿価修正によるものです。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べて1.1%減少し、219億97百万円となりました。
また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度より1円95銭減少し、169円65銭となりました。株主資本利益率(ROE)は、前連結会計年度と比べて0.5ポイント低下し、6.6%となりました。
なおセグメント別業績の分析については「1.経営成績等の状況の概要 (1)業績」をご参照ください。
(4) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ56億37百万円増加して、601億31百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの資金の増加は384億90百万円(前連結会計年度は220億52百万円の増加)となりました。税金等調整前当期純利益334億63百万円、減価償却費112億53百万円、たな卸資産の減少53億57百万円、売上債権の減少52億76百万円等による資金の増加と、仕入債務の減少62億62百万円、法人税等の支払135億74百万円等による資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は261億74百万円(前連結会計年度は945億84百万円の減少)となりました。有形固定資産の取得による支出146億95百万円、短期貸付金の増加99億94百万円、無形固定資産の取得による支出37億29百万円等による資金の減少によるものであります。
これらの結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計した、当連結会計年度のフリー・キャッシュ・フローの資金の増加は、123億15百万円(前連結会計年度は725億32百万円の減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの資金の減少は65億87百万円(前連結会計年度は85億57百万円の減少)となりました。配当金の支払64億85百万円等によるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フローによっております。また、当社と連結子会社間におけるグループファイナンスの実施により、グループ内資金の有効活用を図っております。
運転資金、設備資金等、通常の資金需要につきましては、原則として営業活動によるキャッシュ・フローによる自己資金で充当することとしております。
(6) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、「中期経営計画(2020年~2022年)」を策定し、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として下記の項目を掲げています。
| 指標 | 2019年度 (実績) | 2020年度 (計画) | 2020年度 (実績) | 前年比 | 計画達成率 | |
| 売上高 | (百万円) | 621,134 | 600,000 | 545,060 | 87.8% | 90.8% |
| 営業利益 | (百万円) | 32,439 | 34,000 | 31,317 | 96.5% | 92.1% |
| 営業利益率 | (%) | 5.2 | 5.7 | 5.7 | ― | ― |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | (百万円) | 22,250 | 22,800 | 21,997 | 98.9% | 96.5% |
当連結会計年度の計画に対しては、新型コロナウイルス感染症の拡大や、主要製品の市場の減少、輪番休業の実施などで、営業活動に大きな制限を受けた影響等により、売上高は大きく未達となりました。
売上の減少による売上総利益の減少も大きく、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益も計画に届かなかった一方で、高付加価値製品の拡販や、徹底した販管費の削減によって営業利益率は当初の目標を達成いたしました。