有価証券報告書-第73期(令和1年11月1日-令和2年10月31日)

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2021/01/28 15:04
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染封じ込めを目的とした移動や外出制限などにより経済活動は大きな打撃を受けました。食品業界におきましては、土産物、外食がマイナスの影響を受ける一方、食品スーパー、通販、持ち帰りなどが売り上げを伸ばすなど、消費者の購買行動の変化への対応が重要となりました。
このような状況にあって当社グループは、国内外のグループ生産工場製品の販売増強を図るとともに、安心・安全な生産体制やリテール事業の強化に向けた設備投資を行ってまいりました。
これらの結果、売上面については、食品スーパー、ドラッグストアなど新たな販路を開拓し、菓子・リテール食品はファミリー向け商品や健康志向への遡及などで堅調に推移しましたが、外食業界向けや、オフィス街、観光地向けの食材への原材料売上が減少したことなどから、当連結会計年度の連結売上高は、前年同期比4.9%減の1,005億72百万円となりました。
利益面につきましては、利益率の高い付加価値商品が好調に推移したことから、営業利益は前年同期比2.6%増の41億97百万円、経常利益は7.1%増の43億8百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比5.5%増の27億97百万円となりました。
当期の品目別の業績は次の通りであります。
(乳製品・油脂類)
飲料向けの原料やバターなどの新たな販路を拡大しましたが、新型コロナウイルスの影響による外出自粛等により期の後半にはバター・粉乳の需要が減少し、これまで伸びてきた輸入乳製品売上が鈍化しました。また国内生産の練乳類などの販売が減少となりました。これらの結果、乳製品・油脂類売上高は346億23百万円(前期比96.3%)となりました。
(製菓原材料類)
焼き菓子加工品、フルーツ洋酒漬け、ペースト品などは堅調でしたが、新型コロナウイルスの影響により贈答用の栗製品や国内仕入品を中心にデパート、専門店、コンビニエンスストアで販売されている洋菓子向け原材料販売などが低調に推移しました。これらの結果、製菓原材料類売上高は154億53百万円(前期比91.3%)となりました。
(乾果実・缶詰類)
新型コロナウイルスの影響により学校給食や外食産業向け原材料販売が不調となり、また価格の低下も影響し日本国内での売上が減少となりました。また、海外では米国での売上は増加しましたが、中国では日本同様に新型コロナウイルスの影響から売上が減少となりました。これらの結果、乾果実・缶詰類売上高は316億63百万円(前期比90.6%)となりました。
(菓子・リテール商品類)
リテール商品については、在宅勤務や学校休校の影響で食品スーパーなどでの需要が拡大し健康志向も背景に順調に推移しました。菓子類についても積極的な販促活動が奏功しNB商品も順調に伸長し、PB、NBともに増収となりました。これらの結果、菓子・リテール商品類売上高は185億30百万円(前期比104.8%)となりました。
当期のセグメントの業績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
報告セグメント調整額連結損益
計算書計上額
日本米国中国
売上高91,3456,9777,304105,627△5,055100,572
セグメント利益又は損失(△)4,346413△1724,587△3894,197

(注)1.セグメント利益又は損失(△)の調整額△389百万円には、セグメント間消去△15百万円、全社費用△374百万円が含まれております。全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
2.セグメント利益又は損失(△)は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
3.「(会計方針の変更)」に記載のとおり当連結会計年度より「顧客との契約から生じる収益」(ASC第606号)を適用しております。この結果、従来の方法によった場合と比べて、米国の売上高は、6,169百万円減少しております。なお、セグメント利益又は損失(△)に与える影響はありません。
(日本)
当地域の売上高は、生産工場を活用した製菓材料や菓子・リテール商品は好調に推移しましたが、新型コロナウイルスの影響から、コンビニエンスストアなどで販売されている菓子やパン、また土産品、贈答品、外食向け食材などが前年比で減少となりました。この結果、前年同期比4.4%減の913億45百万円となりました。
一方、セグメント利益は、ナッツ類の原料価格安定推移による利益率改善や乳製品・油脂類の販売先の拡大などがあり、前年同期比6.7%増の43億46百万円となりました。
(米国)
当地域の売上高は、日本向けプルーン輸出は減少となりましたが、主力のクルミ事業の売上が増加しました。一方、「(会計方針の変更)」に記載の「顧客との契約から生じる収益」(ASC第606号)の適用があり、前年同期比49.8%減の69億77百万円となりました。
セグメント利益は、クルミ事業は期末にかけての価格低下により第3四半期までの利益からは減少となりましたが、工場での生産性改善努力や第1四半期計上の農園事業の採算改善から、前年同期比13.0%増の4億13百万円となりました。
(中国)
当地域の売上高は、生産子会社2社では、中国で生産拡大中の欧米を中心とする外資食品メーカーへの原材料販売が増加しましたが、輸出は新型コロナウイルスの影響を受け欧州向けシード類の需要が減退し減少となりました。一方、前年からの米中貿易摩擦による関税引き上げにより仕入れ価格が上昇したことから、輸入商品の国内販売が大きく減少となりました。これらの結果、前年同期比19.7%減の73億4百万円となりました。
セグメント損益は、国内販売は増益となりましたが、新型コロナウイルスの影響による需要減少などから輸入販売の採算が悪化し輸出商品でも相場が下落したことから、1億72百万円のセグメント損失(前年同期は92百万円の利益)となりました。
当連結会計年度末の財政状態は次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期に比べ9億56百万円増加し、765億82百万円となりました。その主な要因は、流動資産については、「受取手形及び売掛金」が7億10百万円、「原材料及び貯蔵品」が1億26百万円それぞれ増加したものの、「現金及び預金」が16億34百万円、「商品及び製品」が21億39百万円それぞれ減少したことから、前年同期に比べ27億61百万円減少し、464億41百万円(構成比60.6%)となりました。固定資産については、有形固定資産が35億2百万円、投資その他の資産が1億99百万円それぞれ増加したことから、前年同期に比べ37億18百万円増加し、301億41百万円(構成比39.4%)となりました。
(負債)
負債合計は、前年同期に比べ2億63百万円減少し、354億30百万円(構成比46.2%)となりました。その主な要因は、流動負債については、「支払手形及び買掛金」が4億79百万円、「短期借入金」が4億56百万円それぞれ減少したものの、「1年内返済予定の長期借入金」が28億41百万円、「未払金」が8億5百万円、「未払法人税等」が1億95百万円それぞれ増加したことから、前年同期に比べ25億42百万円増加し、283億55百万円(構成比37.0%)となりました。固定負債については、「長期借入金」が27億7百万円、「繰延税金負債」が1億56百万円、「役員退職慰労引当金」が2億36百万円それぞれ減少したことから、前年同期に比べ28億6百万円減少し、70億75百万円(構成比9.2%)となりました。
(純資産)
純資産合計は、前年同期に比べ12億20百万円増加し、411億52百万円(構成比53.8%)となりました。その主な要因は、「利益剰余金」が20億4百万円、「自己株式」が4億98百万円それぞれ増加し、「その他有価証券評価差額金」が2億51百万円減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期比16億34百万円減の94億26百万円となりました。
各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、57億94百万円(前年同期比13億76百万円減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益41億9百万円、減価償却費23億3百万円、役員退職慰労引当金の減少2億36百万円、支払利息1億89百万円、売上債権の増加7億10百万円、たな卸資産の減少19億74百万円、仕入債務の減少額4億71百万円、未払金の増加3億93百万円、未払消費税等の減少4億47百万円、利息の支払額1億89百万円、法人税等の支払額13億22百万円によるものです。
前年同期比で資金が減少となりました要因は、税金等調整前当期純利益が1億13百万円増加、減価償却費が2億42百万円増加、たな卸資産の増減額が17億8百万円増加、未払金の増減額が5億12百万円増加したものの、役員退職慰労引当金の増加額が2億54百万円減少、売上債権の増減額が18億65百万円増加、仕入債務の増減額が11億25百万円減少、未払消費税等の増減額が8億92百万円減少したこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、57億44百万円(前年同期比19億93百万円増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得によるものです。
前年同期比で使用した資金が増加となりました要因は、有形固定資産の取得による支出額が19億73百万円増加したことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、17億20百万円(前年同期比37億48百万円増)となりました。これは主に短期借入金の純減額4億86百万円、長期借入による収入4億円、長期借入金の返済による支出2億65百万円、自己株式取得による支出5億20百万円、配当金の支払7億93百万円によるものです。
前年同期比で資金が減少となりました要因は、長期借入金の返済による支出が6億34百万円減少したものの、短期借入金の純減額が1億34百万円増加、自己株式取得による支出が5億19百万円増加、長期借入による収入が37億40百万円減少したことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
(生産実績)
当連結会計年度における生産実績をセグメントの区分に替えて事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
乳製品・油脂類9,667,46199.7
製菓原材料類5,168,29096.6
乾果実・缶詰類18,439,23097.4
菓子・リテール商品類17,908,117105.4
合計51,183,099100.4

(注) 1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(仕入実績)
当連結会計年度における仕入実績をセグメントの区分に替えて事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
乳製品・油脂類25,520,39497.1
製菓原材料類9,189,64389.4
乾果実・缶詰類9,177,09787.1
菓子・リテール商品類563,29698.9
その他355,40082.6
合計44,805,83293.1

(注) 1.金額は仕入価格によっております。
2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(受注実績)
当社および連結子会社は需要見込による生産方式をとっているため、該当事項はありません。
(販売実績)
当連結会計年度における販売実績をセグメントの区分に替えて事業の部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門の名称当連結会計年度
(自 2019年11月1日
至 2020年10月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
乳製品・油脂類34,623,46496.3
製菓原材料類15,453,67591.3
乾果実・缶詰類31,663,01690.6
菓子・リテール商品類18,530,116104.8
その他302,43788.4
合計100,572,71095.0

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成にあたっては、当社経営陣による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積もりを必要といたします。経営陣は、これらの見積もりについて過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積もり特有の不確実性があるため、これらの見積もりと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積もりの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
(たな卸資産の評価)
通常の販売目的で保有するたな卸資産については、主として先入先出法による原価法により評価しており、期末における正味売却価額(売却市場における市場価額または合理的に算出された価額から見積もり追加製造原価および見積もり販売直接経費を控除したもの)が取得原価よりも下落している場合は、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。合理的に算出された価額は、期末前後での販売実績に基づく価額を用いる場合や、契約により取り決められた一定の売価を用いるなどの方法で算出しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産の将来の回収可能性の評価に際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積もりに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産は減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
固定資産の遊休や著しい収益性の低下により減損の兆候がある場合には減損損失を計上いたします。この場合、必要に応じて固定資産を他の固定資産と概ね独立したキャッシュフローを生み出すグループに分類し、割引前将来キャッシュフローの総額と帳簿価額を比較し、帳簿価額を下回る場合には減損損失を計上いたします。キャッシュフローの算定には将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により長期的な見積もりに基づいております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等の分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載の通りです。
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載の通りですが、中でも、海外も含めた産地からの農産物の調達・仕入れにつきましては、世界的な気候変動や自然災害の影響によって、作柄が影響を受け調達が難しくなる可能性があります。また、これに加え、主要消費地の需要や関税など貿易の枠組みの変化によって、価格が上下する可能性があります。これらの結果、仕入れのタイミングなどで仕入価格と販売価格の変動に時間差が発生する場合には、利益の増減要因となります。当社では販売担当とは別に商品別の担当者を置き、産地の状況を常に把握することで、価格変動リスクに備えると同時に、仕入先の分散や販売先の必要量の把握などにより、このようなリスクの低減を図っております。
経営上の目標の達成状況については以下の通りです。当社グループでは、日本、米国、中国の3地域に有している生産拠点を活用し、日本国内のみならず、中国、アジア、米国、欧州等の海外での売上も拡大しております。この結果、2015年10月期以来、連結売上高で1,000億円以上を維持しております。一方、現地価格や為替相場の変動による輸入食材の単価の変動がある場合には、販売数量が変わらない場合でも売上高の増減要因となります。従って、売上高よりも、売上総利益や営業利益での増益を主要な経営目標としております。また、企業価値の向上を目指し、ROE(株主資本利益率)で8%以上を目指す方針としております。当連結事業年度の達成状況は、下記の通りであります。
(単位:百万円)前期2020年10月期前期比計画比
実績期初計画実績
売上105,800108,000100,572△4.9%△6.8%
営業利益4,0874,4004,1972.6%△4.6%
経常利益4,0204,3004,3087.1%0.1%
親会社株主に帰属する
当期純利益
2,6512,8502,7975.5%△1.8%
ROE6.8%8.0%以上7.0%

当社グループでは安全・安心に向けた設備投資の継続などで一層の付加価値商品をご提供し、ROE8%以上を早期に達成していきたいと考えております。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料等の仕入費用や生産子会社の製造費用並びに、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は生産施設における建物及び構築物の新改築や機械装置等の充実のための事業投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金で賄うことを基本方針としつつ、不足分は金融機関からの短期・長期借入金により調達しております。また、一部はグループ内で資金の効率化を目的としてグループ会社間で融資を行っております。

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