有価証券報告書-第73期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
a. 財政状態
総資産は、「受取手形及び売掛金」が増加したこと等により、前連結会計年度末比4.2%増の956億67百万円となりました。
負債は、「繰延税金負債」が増加したこと等により、前連結会計年度末比4.2%増の456億10百万円となりました。
純資産は、「利益剰余金」が増加したこと等により、前連結会計年度末比4.2%増の500億56百万円となりました。なお、自己資本比率は、52.3%となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度のわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進む中、緩やかな回復基調が続きましたが、米中貿易摩擦の激化による世界経済への不安の高まり、新興国通貨の急激な為替変動等により、先行きは不透明な状況で推移しました。
エレクトロニクス業界におきましては、AI及びビッグデータ活用のためのデータセンターの増加、IoT関連機器の需要増加、自動車の電装化比率の拡大により、上期の電子部品等の生産は堅調に推移しましたが、下期については、米中貿易摩擦の激化に伴う中国経済減速の影響により低調に推移しました。スマートフォン市場は、主に中国での普及一巡に伴う需要停滞の影響により低調に推移しました。
このような状況の中、当社グループは、自動車向け各種関連部材に注力した販売活動に努めましたが、スマートフォンの普及一巡に伴う需要停滞の影響を受け、当連結会計年度の売上高は、前期比6.5%減の1,833億99百万円となりました。
利益面につきましては、売上高の減少に伴い売上総利益も減少し、営業利益は、前期比2.2%減の63億35百万円となりました。
経常利益は、営業利益が減少したものの、為替差損の縮小及び金利の上昇に伴う受取利息の増加等により、前期比1.7%増の61億88百万円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、連結子会社から当社への配当方針を見直したことに伴い、当社が将来の配当受取り時に納付すると想定される税金総額を繰延税金負債として10億84百万円計上し、法人税等調整額が増加したことから、前期比23.1%減の33億64百万円となりました。
セグメント別の概況
当社グループの報告セグメントを基にした、当連結会計年度における地域別販売状況の概要は、以下のとおりであります。
(日本)
売上高は、自動車向け各種関連部材の販売は増加したものの、スマートフォン向けディスプレイ関連部材の販売が減少したことから、前期比10.8%減の961億36百万円となりました。営業利益は、前期比6.4%増の29億46百万円となりました。
(中国)
売上高は、テレビ向けディスプレイ関連部材の販売が減少したことから、前期比7.3%減の420億46百万円となりました。営業利益は、前期比13.6%減の13億51百万円となりました。
(その他アジア)
売上高は、医療機器関連部材の販売は増加したものの、スマートフォン向けディスプレイ関連部材の販売が減少したことから、前期比0.7%減の332億43百万円となりました。営業利益は、前期比6.6%減の11億90百万円となりました。
(欧米)
売上高は、自動車向け各種関連部材及びテレビ向けディスプレイ関連部材の販売が増加したことから、前期比24.1%増の119億73百万円となりました。営業利益は、前期比5.0%増の3億95百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より1億79百万円減少し、257億14百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、10億9百万円の収入(前年同期は192億57百万円の収入)となりました。主な要因としましては、税金等調整前当期純利益が61億64百万円、売上債権の増加による資金流出が28億69百万円、たな卸資産の増加による資金流出が15億20百万円、仕入債務の増加による資金獲得が2億89百万円、法人税等の支払による資金流出が15億58百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、74百万円の収入(前年同期は51百万円の支出)となりました。主な要因としましては、有形固定資産の取得による資金流出が2億32百万円、保険積立金の解約による資金獲得が3億78百万円であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、14億1百万円の支出(前年同期は35億47百万円の支出)となりました。主な要因としましては、配当金の支払による資金流出が14億32百万円であります。
③ 仕入及び販売の実績
a. 生産実績及び受注実績
該当事項はありません。
b. 仕入実績
当連結会計年度における商品の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 110,560 | △6.3 |
| 中国(百万円) | 27,307 | △9.9 |
| その他アジア(百万円) | 20,683 | △12.9 |
| 欧米(百万円) | 8,082 | 57.6 |
| 合計(百万円) | 166,633 | △5.9 |
(注)1.セグメント間の取引について相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における商品の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 日本(百万円) | 96,136 | △10.8 |
| 中国(百万円) | 42,046 | △7.3 |
| その他アジア(百万円) | 33,243 | △0.7 |
| 欧米(百万円) | 11,973 | 24.1 |
| 合計(百万円) | 183,399 | △6.5 |
(注)1.セグメント間の取引について相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な販売先グループ(主な販売先とその子会社)別の販売実績及び当該販売実績
の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| ㈱ジャパンディスプレイ グループ | 25,009 | 12.7 | - | - |
(注)当連結会計年度においては当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであり
ます。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループにおける重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結
財務諸表 注記事項3.会計方針に関する事項」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等の状況
当社グループは、低迷する市場環境の影響を受け、スマートフォン向けディスプレイ関連部材が大幅な減収となりました。一方、自動車の電装化比率がますます拡大している自動車市場において、EV関連ビジネスやドライブレコーダー、バックアイカメラ等安全対策関連ビジネス等の取り組み強化を行った結果、自動車向け各種関連商材が増収となりました。
また、当社グループは、グローバル化が加速するエレクトロニクス業界において、さらなる事業拡大を行うため、ASEAN及び欧米地域への経営資源の重点配分や積極的な事業展開を図ること、非日系顧客への販路拡大を図ることを重点施策の一つとしておりますが、社内教育制度の拡充等、グローバル人材育成のための積極投資を行い、リスクマネジメント及びガバナンスの強化も図っております。
なお、当社は連結子会社から当社への配当方針を変更したことに伴い、法人税等調整額が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益が大幅に減少いたしました(「3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」ご参照)。本件は一時的な経理処理による影響であり、当社の収益力低下を意味するものではなく、当該影響を控除したところでは増益を達成しております。
今後のエレクトロニクス業界におきましては、これまで成長を牽引してきたスマートフォンから、電装化比率がますます拡大する自動車へと成長の牽引役が変化するものと予想されておりますが、当社グループは、このような成長市場の変化を従前より予想しており、2011年8月に豊田通商株式会社と資本業務提携契約の締結を行いました。また、業務効率化・人手不足等を背景に自動化・省力化需要が高まり、ロボット市場の急速な成長が予想されておりますが、当社グループは、ロボット及びロボット関連システムの取扱い拡充を図ってまいりました。
今後も、成長市場の自動車分野に強い豊田通商グループとのシナジー効果最大化を追求し、ロボット関連ビジネスへの取り組み強化に加え、商材のモジュール化提案強化等も行うことで付加価値向上を図り、さらなる企業価値向上を図ってまいります。
b. 資本の財源及び資金の流動性の分析
資金需要の主なものは、商品の購入代金及び人件費等の販売費及び一般管理費の支払いによるものであります。当社グループは、これらの資金需要に対し、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分について金融機関からの借入により調達しております。
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは、主に税金等調整前当期純利益が61億64百万円、売上債権の増加による資金流出が28億69百万円、たな卸資産の増加による資金流出が15億20百万円、仕入債務の増加による資金獲得が2億89百万円、法人税等の支払による資金流出が15億58百万円により、10億9百万円の収入となりました。その結果、当連結会計年度末の資金需要に対する金融機関からの借入はございませんでした。
なお、当連結会計年度末の流動比率は204.3%となっており、流動性の点で当社グループの財務健全性を維持しております。