有価証券報告書-第20期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/25 9:30
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(1)経営成績等の状況の概況
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、地政学的リスク等の不透明感はあったものの、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調となりました。人手不足を背景とした企業の設備投資は底堅く推移しましたが、物価高や社会保障負担増が個人消費を抑制しました。北海道内ではインバウンドや半導体関連需要が景気を支えた一方、人口減少・高齢化による労働力不足や医療提供体制の維持が課題となり、景況感は横ばい圏内で推移しました。
当社グループが事業展開する医療・介護を中心としたヘルスケア分野におきましては、住み慣れた地域で医療・介護等を一体的に提供する「地域包括ケアシステム」の構築が2025年を目処に推進されてきました。しかし、各地域で実践が進む一方、医療技術の進歩等を背景に高齢化は想定以上の速度で進行しています。今後は2040年に向け85歳以上人口が急増する超高齢社会への移行が見込まれており、持続可能なサービス提供体制の確立が喫緊の課題となっております。
このような事業環境の中、当社グループは地域包括ケアシステムの深化に向けた体制整備を推進してまいりました。医薬品卸売事業の株式会社ほくやくは、2026年2月に旭川支店を新築移転いたしました。GDP(医薬品の適正流通ガイドライン)に準拠した最先端の設備や、災害時にも稼働可能な自家発電の導入に加えて、倉庫スペースを約1.5倍に拡大するなど、上川地区の医療を支える基盤機能の強化を進めております。介護事業の株式会社マルベリーは、2025年11月にさわやかセンター室蘭登別を新築・拡大移転いたしました。福祉用具を実際に見て・触れて・体験できる相談機能を強化し、多様化する地域の介護ニーズにより的確に応える体制を構築しております。
また、当社は2026年6月26日開催予定の第20回定時株主総会における議案の承認を条件として、同年9月29日付で商号を「株式会社TSUMUGU HOLDINGS(つむぐホールディングス)」へ変更することを決定いたしました。新社名のもと、医薬品卸売、医療機器卸売、薬局、介護、ICT各事業間の連携をいっそう強固にし、「健やかな地域社会の実現」と「地域包括ケアシステム」のさらなる深化に貢献してまいります。
当連結会計年度においては、過去最高額の売上を確保いたしましたが、利益面では仕入価格の高騰に加えて経費面での情報セキュリティ体制の強化、全従業員に向けた物価上昇対策のための特別手当の支給もあり減益となりました。
以上の状況のもと、当連結会計年度における売上高は3,036億67百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は16億90百万円(同42.3%減)、経常利益は24億17百万円(同33.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、16億83百万円(同31.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。
(医薬品卸売事業)
医薬品卸売事業におきましては、2025年4月に薬価改定が実施されました。また、後発医薬品における供給面での混乱は未だに継続している状況です。加えて、2024年10月から導入された選定療養の影響が引き続き生じており、長期収載品の売上が減少する傾向も依然として続いています。前年同期比では新型コロナウイルス治療薬や検査キット、およびコロナワクチンの売上減少などマイナスの影響はあったものの、抗がん剤を中心とした新薬創出加算品の販売に積極的に取り組んだ結果、公費助成による帯状疱疹ワクチンの需要増もあり売上全体では増収となりました。利益につきましては、物流コストの削減など経費率の圧縮に全社で取り組みましたが、全社員に向けた物価上昇対策のための特別手当の支給や仕入原価の上昇により減益となりました。
その結果、売上高は2,232億44百万円(前年同期比6.5%増)、営業利益は12億2百万円(同31.5%減)となりました。
(医療機器卸売事業)
医療機器卸売事業におきましては、国立大学病院をはじめとした基幹病院における経営環境の悪化は続いており、備品の売上が前年同期比81%と大幅に減少しました。しかしながら、主要なお得意先における手術や検査などの症例件数は引き続き増加傾向となり、売上は微増となりました。利益につきましては、商品仕入金額の上昇や販売コストの増加もあり、減益となりました。
その結果、売上高は701億45百万円(前年同期比0.2%増)、営業利益は8億99百万円(同19.1%減)となりました。
(薬局事業)
薬局事業におきましては、売上では、高額医薬品の処方増により薬剤料単価は7.5%、技術料単価は2.8%増加となり処方箋単価は6.5%の上昇となりました。しかしながら、2025年4月に実施された薬価引き下げに加えて、前年度の店舗閉鎖や医療機関の閉院等が重なり、処方箋枚数が7.1%減少となった結果、減収となりました。利益につきましては、医療用医薬品等の仕入原価の上昇に加え、経費圧縮に取り組みましたが、今後のドミナント戦略への展開を見据え全店舗の名称を「そえる薬局」に統一するブランディング推進の費用計上もあり大幅な減益となりました。
その結果、売上高は126億49百万円(前年同期比1.1%減)、営業損失は1億3百万円(前年同期は営業利益1億5百万円)となりました。
(介護事業)
介護事業におきましては、福祉用具レンタルにおいて、最適な福祉用具の提案からモニタリングまで一貫した顧客重視の提案型営業により利用者が増加しました。また、福祉施設において介護ロボット等の導入に向け営業強化を行い、売上は順調に推移しました。サービス付高齢者向け住宅においては、「ふれあいの森南12条館」に併設する「看護小規模多機能型居宅介護」の「デイサービス」への一部事業変更がありましたが、売上は順調に増加しました。利益に関しては経費圧縮に努めましたが、仕入原価の上昇等により減益となりました。
その結果、売上高は47億41百万円(前年同期比8.0%増)、営業利益は2億68百万円(同15.8%減)となりました。
(ICT事業)
ICT事業におきましては、マイクロソフト社のWindows10サポート終了に伴うパソコン入替案件などの物販需要が引き続き堅調に推移したほか、医療機関向けシステムの販売終了に伴う入替需要や、グループ会社における基幹システムの機器更新案件も順調に進み、売上・利益ともに前年を大きく上回りました。
その結果、売上高は26億71百万円(前年同期比12.4%増)、営業利益は2億1百万円(同971.5%増)となりました。
(その他事業)
その他事業(子会社の経営指導等)におきましては、売上高は18億11百万円(前年同期比2.7%増)、営業利益は32百万円(同90.1%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は1,075億9百万円となり、前連結会計年度末に比べ36億89百万円増加いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が34億18百万円、商品及び製品が1億23百万円、前払費用が1億24百万円および未収歩戻金が5億44百万円増加した一方、現金及び預金で6億50百万円減少したことによるものであります。固定資産は481億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億43百万円増加いたしました。これは主に建物及び構築物が20億52百万円および投資有価証券で23億74百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は、1,556億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ82億33百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は869億38百万円となり、前連結会計年度末に比べ45億91百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金が38億75百万円、電子記録債務が4億55百万円および未払法人税等で1億59百万円増加したことによるものであります。固定負債は40億83百万円となり、前連結会計年度末に比べ8億39百万円増加いたしました。これは主に繰延税金負債が5億46百万円、長期未払金が1億15百万円および資産除去債務が1億53百万円増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は910億21百万円となり、前連結会計年度末に比べ54億31百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は646億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ28億1百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金が12億65百万円、その他有価証券評価差額金が17億94百万円および退職給付に係る調整累計額が1億44百万円増加した一方、自己株式の取得により4億円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は41.5%(前連結会計年度末は41.9%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億50百万円減少し、170億89百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は24億68百万円(前年同期は2億62百万円の資金の使用)となりました。これは、資金の増加要素として税金等調整前当期純利益27億77百万円(前年同期比25.7%減)、減価償却費12億97百万円(同13.1%増)、減損損失3億9百万円(同43.1%増)および仕入債務の増加43億30百万円(前年同期は5億64百万円の減少)などがありましたが、減少要素として持分法による投資利益1億6百万円(前年同期比4.4%減)、投資有価証券売却益7億29百万円(前年同期は19百万円)、売上債権の増加33億25百万円(前年同期比142.2%増)、棚卸資産の増加1億24百万円(同90.2%減)、未収歩戻金の増加5億44百万円(前年同期は3億65百万円の減少)および法人税等の支払額12億41百万円(前年同期比9.2%減)などがあったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は22億7百万円(前年同期比21.2%増)となりました。これは資金の増加要素として、投資有価証券の売却による収入10億54百万円(前年同期は41百万円の収入)などがありましたが、減少要素として、有形固定資産の取得による支出29億31百万円(同46.3%増)および無形固定資産の取得による支出3億5百万円(同29.1%減)があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は9億10百万円(前年同期比8.1%減)となりました。これは主に自己株式の取得4億円(同7.2%減)、配当金の支払い4億19百万円(同1.5%減)、リース債務の返済88百万円(同5.8%増)があったことによるものです。
④ 仕入及び販売の実績
a.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)211,534106.2
医療機器卸売事業(百万円)64,819102.1
薬局事業(百万円)1,274156.4
介護事業(百万円)854117.5
ICT事業(百万円)1,744119.2
その他事業(百万円)--
合計(百万円)280,228105.4

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
b.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品卸売事業(百万円)215,897106.9
医療機器卸売事業(百万円)69,698100.3
薬局事業(百万円)12,63898.9
介護事業(百万円)4,717107.8
ICT事業(百万円)68076.0
その他事業(百万円)3459.8
合計(百万円)303,667104.9

(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概況 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社グループは、これまでキャッシュ・フロー重視の経営を行ってきており、運転資金および設備資金につきましては、基本的には手元流動資金により賄うことを基本方針としております。この方針は今後も継続することとしておりますが、子会社個々の資金ポジションや拠点設備の狭窄化・老朽化に伴う設備投資など新たな投資計画の集中化も予想され、一時的に運転資金が不足することも考えられます。そうした場合には、当座貸越など、金融機関からの一時的な借入も合わせて検討していく予定であります。
c.資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。また、株主還元については、財務の健全性等に留意しつつ、会社業績と配当政策に基づき実施してまいります。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因として、主力事業である医薬品卸売事業、医療機器卸売事業、薬局事業の経営における、国の医療費抑制策や診療報酬改定と薬価や償還価格の引き下げなどは、当社グループの売上や利益を左右する大きな要因となっております。また、国より薬価制度の抜本改革に向けた基本方針が示され薬価の毎年調査・改定と国主導で医療用医薬品の流通改善に継続した取組が必要となっております。さらに「医薬品の供給と品質管理に関する実践規範(JGSP)」改定に伴い物流品質の保証をする監視・監査の機関の設置や医薬品販売情報提供活動ガイドライン施行に伴って医薬品販売情報を監視・監査することで適正に推進する必要があります。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く環境は、地域に根ざす医療・介護・福祉の垣根のない連携がさらに必要となる市場へと変貌していきます。医療機関の機能分化と連携、医療・介護の総合確保、デジタル化が同時に進行する中で、グループ各社はそれぞれの専門性を強化するだけでなく、グループ全体として地域固有のニーズに対応するサービス展開が求められています。
今後、「在宅医療へのシフト」と「医療と介護の連携」が北海道内の各地域で進んでまいります。各地域の状況を的確に分析し、最適なニーズを把握するため、エリアサミットの体制を強化しました。当社グループでは、医療機関および調剤薬局向けの医薬品卸売事業と、医療機関向けの医療機器卸売事業に加えて、薬局事業および介護事業を通じて地域社会の一人ひとりに直接つながる事業を展開しています。この強みを生かし、「在宅医療へのシフト」や「医療と介護の連携」における地域固有のニーズを迅速に捉えることが可能です。これまでのエリアサミットでは、グループ間の相乗効果を生むための相互理解活動から始まり、地域ごとにお客様にグループのサービスを認知していただく活動を通じて、医療機関との連携強化や地域とのコラボレーションを進めてきました。次期以降は、地域ごとの成果を評価し、DXを活用した新たな連携機会の創出など、グループとして貢献できる次なる展開を検討してまいります。
一方、政府による医療DX工程表が公表されるなど、医療・介護業界におけるDXの進展も加速しております。当社グループは、DXを戦略の重要な柱と位置づけ、①地域包括ケアを目指した事業連携の支援、②業務プロセスの構造改革による効率化、③経営データの可視化とデータベース化、④厚生労働省の医療DXへの対応、という4つの柱を中心に推進しております。これらの柱に共通する目的は、「デジタルでつながる」ことであり、人材・モノ・組織、さらには地域をつなぎ、新たな価値・製品・サービスを創造することにあります。
DXの推進をさらに深め、グループ各社の事業に貢献するためには、1)自動化による省力化・効率化、2)業務プロセスの高度化による従業員のスキルアップとノウハウの蓄積、3)組織化による部門間の協働・連携・役割分担の明確化、4)可視化による業務・プロジェクトの業績・進捗管理の容易化、といったDXの効用を十分に検討する必要があります。​過去に​、当社グループは一部サーバーが外部からの不正アクセスによるランサムウェア攻撃を受け、データの一部が暗号化されるという被害に遭いました。この経験は、社内のICTに関する様々な側面を見直し、改善する契機となりました。今後、「デジタルでつながる」というDXの目標に向けて、情報共有などの取組を大きく前進させる機会と捉えております。
今後の戦略および方針として、医療機関の分化と連携、地域包括ケアシステムの推進に対応し、当社グループは医療・介護業界に貢献できると確信しております。具体的には、1)医薬品卸売事業においては、在宅医療を含む地域医療を支える選ばれる卸として、物流体制への投資と整備を進め、コストの最適化を図り、医療環境の変化に対応するインフラ機能とその継続性を高めます。2)医療機器卸売事業においては、医療機関の新たな変化に対応するとともに、医療機器メーカーの適正な商材物流管理のニーズを支援し、北海道内でのシェア拡大を目指します。さらに、3)薬局事業および介護事業においては、地域社会の皆様と直接的なつながりを築くことができる強みを生かし、ブランド価値の向上、人材育成、組織力の強化に取り組みます。4)ICT事業においては、前述のDXを推進し、「デジタルでつながる」ことを目指します。
当社グループは、第6次中期経営計画が終了する2027年3月期を見据え、2026年9月に設立20周年を迎えます。​この節目を「第二の創業」と位置づけ、新たな企業理念を策定するとともに、社名を「株式会社TSUMUGU HOLDINGS」へ変更する予定です。今後はグループ各事業の連携をさらに強固に「紡ぎ合わせ」、​医療・介護・​福祉分野のインフラを支える企業グループとして、地域医療・介護・​福祉に貢献できる事業の継続性をさらに高める課題に真摯に取り組んでいく所存です。

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