有価証券報告書-第44期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/27 16:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
177項目
当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。
1.経営成績等の概要
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の改善等により個人消費に持ち直しが見られるものの、輸出や設備投資に弱さが散見され、米中貿易摩擦や通商問題への懸念等により先行き不透明感が強まってまいりました。加えて、2019年10月の消費税増税により、百貨店を中心とした小売業で大幅な消費減退が生じるなど、消費マインドの減退リスクが継続し、厳しい経営環境が続いております。
インバウンド情勢は、日韓関係の悪化等によって韓国からの訪日客が大幅に減少した一方で、航空便の新規就航や増便等によって中国をはじめとしたアジア諸国や北米からの訪日客数が堅調に推移し、更に「ラグビーワールドカップ2019」の開催等によってEU諸国からの訪日客も増加しました。その結果、2019年12月末時点の訪日外国人の累計は3,188万2,000人(推計)と前年比2.2%増加し、訪日外国人消費額は4兆8,113億円(前年比6.5%増)となりました。
当社グループは、幅広いジャパンプレミアム(メイドインジャパンの優れた商品・サービス)を世界中の方々に多用なチャネルを通じてお届けすることでグローバルライフスタイルを実現していくことを最重要課題とし、物販を中心とした“モノ”消費から体験型の“コト”消費に至る様々な商品を国内外の消費者へお届けする取組みを継続してきました。
当連結会計年度では、インバウンド需要だけでなくアウトバウンド需要(過去訪日した外国人観光客が自国ECサイトでリピート購入をすること)への対応として、中国向けの貿易事業やグローバルEC事業の拡大を図るとともに、昨今増加している個人旅行(FIT=Foreign Independent Tour)を取り込むべく、9月にグループ横断的に商品戦略策定・商品開発機能の強化を行う商品戦略本部を新設しました。さらに、12月には第三者割当により8,434百万円の資金調達を行いました。
以上の結果、当期における連結業績は、グローバル事業の拡大が寄与し、売上高は129,520百万円(前年同期比9.8%増)となった一方で、損益面は生活ファッション事業における一時費用の増加や、エンターテインメント事業における損失計上によって、営業損失は3,103百万円(前年同期は943百万円の損失)、経常損失は3,684百万円(前年同期は1,341百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純損失は7,872百万円(前年同期は1,077百万円の損失)となりました。
事業の種類別セグメントの業績は、次の通りです。
①インバウンド事業
インバウンド事業は、米中貿易摩擦による元安方向への為替変動や、顧客ニーズの変化によって日用雑貨・理美容品・食品などの購買が増加しております。その中で、当社グループは中国からのツアー団体だけでなく、個人旅行(FIT=Foreign Independent Tour)の集客のため、中国内のSNSであるWeChatやWeiboなどを使った販売促進や「Laox限定・日本限定・期間限定・数量限定」といった商品を取り揃えた「超絶限定祭」等を実施し、当連結会計年度における当社免税店のレジ通過数(客数)は2,446,372人(前年比100.2%)と前年を維持しました。しかしながら、購買トレンドの変化によって平均購買単価は低下したほか、度重なる暴風雨の発生等で秋期以降に中国団体ツアーが減少した影響もあり、当セグメントの売上高は前年比減収となりました。損益面は、団体ツアー・FIT・日本のお客様にも楽しんで頂ける新コンセプト大型店の開店と小規模店舗の閉鎖・集約を図ることで各種費用の削減を実施し、店舗運営の効率化を進めた結果、前年比増益となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は42,520百万円(前年同期比9.6%減)、営業利益は1,724百万円(前年同期比6.4%増)となりました。
②グローバル事業
グローバル事業は、化粧品、日用品、家電製品など、引き続き品質の高い日本製品に対する根強い需要に支えられ、貿易・越境ECともに売上規模は急拡大しました。中国のセールスイベントである「818セール」や「淘宝造物節」等で前年を上回る売上を確保したほか、毎年11月に開催される中国最大のEC商戦である「ダブルイレブン(シングルデー)」においては、日本の化粧品・ベビー用品が人気を博しました。また、日本の家電メーカーと共同開発した限定温水便座は11日までに約3万台を販売し、中国グローバルECプラットフォームであるT-mall Global(天猫国際)、Suning.com(蘇寧易購)、Kaola.com(網易コアラ)等のこのイベントにおける総売上は前年比145%と過去最高となり、当セグメントの売上高は前年比増収となりました。損益面は、増収に伴い赤字額縮小となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は18,951百万円(前年同期比151.7%増)、営業損失は9百万円(前年同期は178百万円の損失)となりました。
③生活ファッション事業
靴事業は、昨今のスニーカーブームに乗じてカジュアルシューズを投入したほか、“リラックス&ヘルシー”をコンセプトにシューズやバッグ、アクセサリーを取り揃える新業態ショップ「Fountain BLUE」をオープンしました。しかしながら、個人消費における低価格・節約志向を背景に、百貨店での小売および専門店への卸売が苦戦したほか、夏物の立ち上がり時期での梅雨寒や秋冬物の立ち上がり時期での残暑、台風などの暴風雨によって、各地の百貨店がたびたび臨時休業するなど天候不順の影響を受けた一年でもあり、売上高は前年比減収となりました。損益面は、仕入コストの圧縮や不採算店舗の閉鎖など構造改革を実施したものの、収益確保に至らず損失計上となりました。
ギフト販売事業は、中元・歳暮市場の縮小を背景としたビジネスモデルの再構築を進めてまいりました。4月に中国「緑地グローバル商品貿易港」内の常設展示場に出店したほか、5月に中国のECサイトKaola.com(網易コアラ)に旗艦店を出店、10月に楽弘益(上海)企業管理有限公司と合弁会社を設立し、中国でのギフト事業に取組むなど、新規市場への参入準備に注力してまいりました。市場の縮小は想定を上回ったものの、当事業は2018年5月にグループ傘下となったことから、当連結会計年度において12か月での決算を計上した結果、売上高は前年比増収となりました。一方、損益面は、次期に向けた新規のマーケティング費用の先行投資や物流拠点の統廃合など、構造改革による損益改善に遅延が発生し損失計上となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は65,674百万円(前年同期比6.5%増)、営業損失は1,694百万円(前年同期は480百万円の利益)となりました。
④エンターテインメント事業
エンターテインメント事業は、既存運営施設の売上並びに収益改善に注力するとともに、新規施設の運営や2019年8月に宅地建物取扱業取得により不動産売買業務および仲介業務を開始しました。
千葉ポートスクエア ポートタウンでは、6月に生鮮品に特化したスーパーマーケット「フードウェイ生鮮びっくり市場千葉ポートタウン店」、12月にはドラッグストア「マツモトキヨシ千葉ポートタウン店」を誘致・オープンさせたほか、不採算事業の改廃も実施しました。
リバーウォーク北九州では、2019年5月より九州最大級の屋内型テーマパーク「リバチカこども王国ジャイアントスタジアム」を自社開業し、通期で福岡県内の家族向け人気施設ランキングで上位を維持するなど、入場者数が堅調に推移しました。
不動産事業においては、当社グループ内の遊休不動産を集約し、外部に対して販売や賃貸を行うことで売買益および賃貸収入の確保、既存施設のリーシングコストの削減など、グループ保有不動産の収益改善を行いました。
その結果、不動産関連事業の売上高は前年比をやや下回った一方で、損益面は取り組みが功を奏し赤字額が縮小しました。
飲食事業では、中国国内における日本食ブームの高まりから、11月に中国都市部の若者をターゲットにおにぎりやお弁当を提供する「八十八屋」をオープンし、運営は堅調に推移しています。また、運営する「くろぎ上海」、会員制社交倶楽部「New City Club of Tokyo」は1周年を迎えました。「くろぎ上海」は高級志向の日本料理店として高い評価を得ているほか、「New City Club of Tokyo」は会員制ながら多数のお客様にご利用いただいており、売上高は前年比増収、損益面は赤字額縮小となりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は2,373百万円(前年同期比32.2%増)、営業損失は1,475百万円(前年同期は、1,591百万円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における総資産は、85,327百万円(前連結会計年度末84,538百万円)となりました。総資産の増加は、主に、現金及び預金が4,013百万円、流動資産その他が2,860百万円増加したものの、建物及び構築物や土地などの有形固定資産が4,625百万円、リース資産などの無形固定資産が813百万円減少したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、41,105百万円(前連結会計年度末40,559百万円)となりました。負債の増加は、主に、支払手形及び買掛金が3,465百万円、電子記録債務が934百万円減少したものの、短期借入金が2,507百万円、一年内返済長期借入金が2,273百万円増加したことによるものです。
(純資産)
純資産合計は、44,221百万円(前連結会計年度末43,979百万円)となりました。純資産の増加は、主に、株式発行に伴う資本金等が8,434百万円増加したものの、利益剰余金が7,923百万円減少したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ8,637百万円増加し、13,684百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,879百万円の支出(前連結会計年度は5,780百万円の支出)となりました。これは主に、たな卸資産の減少2,799百万円があったものの、仕入債務の減少5,010百万円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、159百万円の支出(前連結会計年度は5,182百万円の収入)となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入6,399百万円があったものの、有形固定資産の取得による支出860百万円、短期貸付けによる支出4,000百万円、定期預金の預入による支出1,848百万円があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、11,684百万円の収入(前連結会計年度は1,593百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,050百万円があったものの、株式の発行による収入8,340百万円、短期借入による収入5,307百万円があったことによるものです
(4)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
連結子会社において、生産を行っておりますが、連結全体における重要性が低いため、生産実績については記載しておりません。
②受注状況
該当事項はありません。
③仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
インバウンド事業25,60873.2
グローバル事業18,157751.7
生活ファッション事業43,47599.8
エンターテインメント事業55858.9
合計87,800107.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。
④販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
インバウンド事業42,52090.4
グローバル事業18,951251.7
生活ファッション事業65,674106.5
エンターテインメント事業2,373132.2
合計129,520109.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 記載の金額には消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性がございます。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては一定の会計基準の範囲内で見積りがなされ、たな卸資産の評価、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高
売上高は、前連結会計年度に比べて、11,525百万円増加し129,520百万円となりました。売上高の内訳の詳細については、「1.経営成績等の概要(1)経営成績の分析」をご参照ください。
②売上原価
売上原価は、前期比12,223百万円増加の92,483百万円となりました。また、売上原価率は71.4%(前期比3.4ポイント増加)となりました。
③販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、前期比1,462百万円増加の40,140百万円となりました。また、売上高に対する比率は、32.8%から31.0%へと1.8ポイント減少しました。
④損益の状況
営業利益は、売上高の増収や販売費及び一般管理費率の改善はあったものの、原価率の悪化等により、3,103百万円の営業損失(前年同期は943百万円の営業損失)となりました。経常利益は、貸倒引当金繰入額を計上したこと等により、3,684百万円の経常損失(前年同期は1,341百万円の経常損失)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失2,772百万円を計上したことや繰延税金資産の取崩しにより法人税等調整額1,158百万円を計上したこと等により、7,872百万円の親会社株主に帰属する当期純損失(前年同期は1,077百万円の当期純損失)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループが事業を展開していくうえで、経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に記載しておりますので、ご参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、人件費、店舗家賃および物流費などの営業費用によるものです。また、設備投資資金需要のうち主なものは、新規出店および既存店の改装などによる有形固定資産投資、敷金や保証金の差し入れ等によるものです。
これらの資金需要は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。当連結会計年度末においては、取引銀行4行と当座借越契約、取引銀行1行とコミットメントライン契約を締結しております。なお、2019年12月には第三者割当増資を行っており、事業運営上必要な資金の確保および流動性の維持を図っております。
(5)事業等のリスクに記載した重要事象等を解消するための対応策
当社グループは、当連結会計年度において、営業損失3,103百万円、経常損失3,684百万円、親会社株主に帰属する当期純損失7,872百万円を計上し、2期連続で損失を計上いたしました。
このような状況を解消すべく、当社グループでは、以下の対応を行っております。
①インバウンド事業の免税店舗に関しては、従来から続く中国団体ツアー顧客中心の集客のみならず、個人旅行(FIT)および国内のお客様の集客にも注力致します。個人旅行(FIT)および国内のお客様向けに食品なども含めた商品ラインナップを揃える新コンセプトの大型店舗をオープンし、顧客の裾野を広げることにより売上拡大を図ります。また同時に、小規模店の統廃合を進め、運営コストの効率化に努めてまいります。
②急成長しておりますグローバル事業においては、過去訪日したお客様が自国ECサイトでリピート購入できるよう中国市場での日本製品に対するニーズを十分に満たすべく、商品供給を行えるようサプライチェーンの強化を図ります。また、中国のグローバルECプラットフォームの一つであるsuning.com内の「日本購」を受託運営し、製品供給だけでなく、日本国内企業の中国プラットフォーム進出支援など支援も含めて手数料収入を新規に獲得し、中国での収益基盤の拡大を図ります。
③エンターテインメント事業の不動産事業においては、2019年度後半より新たに取り組んでいる不動産仲介および不動産売買で取引高を増やすとともに、仲介手数料・売買益を着実に積み上げて参ります。また、既存商業施設のコンテンツの充実、新たなテナントの誘致を通じ、集客および売上の増加を図ることで弊社グループが保有している不動産物件の価値向上に努めてまいります。
④グループ組織横断でシナジー効果を高めるべく、より効率的な組織運営を行うため人員数の見直し、それに伴う人件費・販売費一般管理費の削減を実施し、総コストを改善することでより確実に収益の出る体質にします。
上記施策の実行に加えまして、当社グループは、2019年12月に蘇寧国際有限公司を親会社とするGRANDA GALAXY LIMITEDを主な引受先とする第三者割当増資を実施し、資本金等が8,434百万円増加しております。これにより財務体質が強化され、財務面における安定性については十分に確保されていると考えていることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断し、連結財務諸表および財務諸表への注記は記載しておりません。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。