半期報告書-第46期(2024/03/01-2025/02/28)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間において、日本国内では雇用・所得環境の改善が進むなか、6月には定額減税とベースアップの賃金への反映の期待感から消費活動が活発となったほか、7月以降の記録的な猛暑により夏型商材の需要が増加し個人消費が上向きになったことで景気は緩やかに回復しました。しかしながら、海外景気の下振れが日本国内の景気の下押しリスクとなっているほか、不安定さを増す国際情勢による物価の高止まりにより消費者の節約志向が定着しており、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
このような環境において、当社グループは“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をミッションに掲げ、2024年度方針を「個店モデルの競争力向上(Newコンボストアモデル第2フェーズへの進化)と戦略的成長の推進」とし成長戦略と構造改革を推し進めました。
国内事業では、創業以来のコンボストアモデルの構成要素である「ファストフード」と「コンビニエント」両方の価値を磨き上げ個店競争力を高めるNewコンボストアモデル確立について、前期に推進した第1フェーズに引き続き、今期は「ファストフード」と「コンビニエント」それぞれの提供価値の更なる進化を遂げる第2フェーズを推し進めました。加えて、7月以降の記録的な猛暑を受けて当社の強みであるコールドスイーツを計画的に訴求したほか、こだわりの商品を紹介するテレビ企画で当社がこれまで磨き上げてきた商品価値がコンビニエンスストアでは初となる高い評価を受け、既存店日販が伸長しました。また5月に開店したNewコンボストアモデル第2フェーズの象徴的店舗であるフラッグシップ店舗では創業以来培ったノウハウとイオングループのシナジーを活かした取り組みを多数推進しました。これらの取り組みを成功カセットとして細分化し全店への水平展開を推し進めたほか、お客さま第一のマインドセットを醸成する「心装」を柱とした既存店活性化を52店舗で実施しました。
ミニストップパートナーシップ契約店舗は、2024年8月末時点で全体の4割を超える772店舗と期首計画より先行して移行が進みました。また、直営店は2024年8月末時点で240店舗と前年同期より70店舗増となりました。人員体制をはじめとした店舗運営体制の再設計と効果的・効率的な経営指導への転換を図る経営指導体制/本部改革をより一層加速してまいります。
新事業では、デリバリーサービスについて24時間受付店舗の拡大を推し進めたほか、品揃えを拡充し利便性の向上を図りました。またEコマースについて、酒類の取り扱いを開始したことに加え、お手頃価格の飲料を取り扱うネットショップを大手ECモール内に新たに開設しました。また、オリジナル冷凍スイーツを新発売し品揃えを拡大しました。職域事業について、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」をはじめ関連サービスを含む拠点数が2024年8月末時点で1,500拠点を超えました。近畿圏への拡大のほか新たなマーケットの開拓に向けレジを無くしたウォークスルー型店舗の実証やクラウドキッチンを開始し安定した事業利益を創出しております。
海外事業では、経済環境の急速な変化への対応を進めているベトナム事業について、出店拡大と黒字化に向けたMDプロセスの磨き直しおよび直営多店舗化事業としての後方支援体制の整備を推し進めました。24店舗を新規に出店するとともに、先行する消費動向の変化に対しお客さまニーズにお応えする価格政策および高付加価値商品の品揃えを推し進め、チェーン全店売上高は前年同期比124.1%伸長しました。1人の店舗責任者が複数店舗を管理するスーパーインテンデント制(以下、SI制)拡大に向けた業務効率化に取り組みました。
国内および海外事業で2024年度方針に基づく施策を遂行し成果を創出するマネジメントシステム改革を推進しました。また、人財採用・教育をはじめとした組織・風土改革を推し進めています。加えて、パーパス経営の実践に向け、ソフトクリームの新たなブランディングを推進する委員会の設置や従業員のエンゲージメント向上に向けた営業部門の管理職層の研修を皮切りに、新たな価値創造と社会課題の解決に向けた取り組みを推進しました。
この結果、当中間連結会計期間の営業総収入は445億10百万円(前年同期比109.3%)、営業損失7億99百万円(前年同期実績 営業利益4億56百万円)、経常損失5億91百万円(前年同期実績 経常利益7億59百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失6億84百万円(前年同期実績 親会社株主に帰属する中間純利益6億3百万円)となりました。
各セグメント別の業績は以下のとおりです。
[国内事業]
7月以降の記録的な猛暑を見据えた計画的なコールドスイーツの訴求や7月のテレビ企画で商品価値が高評価を受けたオリジナルスイーツを店頭訴求しミニストップ単体のチェーン全店売上高は前年同期比100.5%となりました。また、ミニストップ店舗の既存店1店1日あたりの売上高の前年比は100.2%となり、既存店平均客数は同100.0%、既存店平均客単価は同100.2%となりました。コンビニエンスストア商品の既存店日販は同98.6%、店内加工ファストフード商品の既存店日販は同108.6%となりました。売上総利益率は、お客さまの生活防衛意識にお応えするために、コンビニエンスストア商品のおにぎりや飲料で価格訴求型の品揃えを拡充したことにより、前年同期比0.1%減少し30.7%となりました。
創業以来のコンボストアの構成要素である「ファストフード」では、できたてのおいしさにこだわった高付加価値の商品をお客さまにお届けするとともに、“健康”の価値を加えた商品開発、環境にやさしいといった新たな価値を訴求するブランディングとデジタルを活用した商品価値訴求の刷新ならびに提供方法改革を推し進めました。
店内で炊き上げたご飯とこだわりの旬の具材を組み合わせた手づくりおにぎりでは、7月に夏の疲れや熱中症予防に効果的な食材として知られるうなぎを使った「うなぎごはん」を発売したほか、炭火で焼いた香ばしい豚肉とニンニクの芽を組み合わせた「スタミナ焼肉」を発売し好評を博しました。また、8月にはエビの食感と相性の良いふんわりとした天ぷらの衣を組み合わせた「天むす」を発売したほか、定番商品の「北海道産焼しゃけ」がテレビ番組で紹介され、ボリューム感ある具材と店内で炊き上げた国内産コシヒカリを組み合わせたおいしさで話題となり手づくりおにぎりの売上を押し上げました。引き続き、季節に合わせたおいしさと“健康”の価値を磨き上げた商品開発を推し進めてまいります。
当社の強みである高付加価値、できたてのおいしさをお届けするコールドスイーツでは、7月にこだわりの商品を紹介するテレビ企画にてコンビニエンスストアでは初となる全品高評価を受けました。すいかの旨味を感じていただくために収穫後2日以内に凍結した原料を使用した「ハロハロ果実氷すいか」や大粒のカナダ産ブルーベリーと北海道十勝産原料を使用したヘルシーなヨーグルトを組み合わせた「ブルーベリーヨーグルトパフェ」といった高付加価値商品が、原料や製法へのこだわりが評価されました。「おいしさ」にこだわり続け商品価値向上を追求する当社の姿勢を丁寧にお客さまに伝えることができ、インストアプロモーションと合わせてコールドスイーツの売上は好調に推移しました。
またソフトクリームでは、前期にSNSを活用した写真投稿数で世界記録を達成したことに続き、6月には世界記録超えを目指してX(旧Twitter)でのソフトクリームの写真投稿企画を実施し、多くのお客さまのご支持のもと前期の記録を2万件超上回る45,111件の投稿をいただき、改めて当社の看板商品としてのソフトクリームの強固なブランディングを確立しました。ソフトクリームは当社のパーパスの象徴的商品として「おいしさ」に加えて「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」の4つの新たな価値を訴求するなどブランディングを推進しております。おいしさへのこだわりでは、5月に長野県産シャインマスカットを使用し素材本来の味わいを追求した「シャインマスカットソフト」を発売したほか、8月には栗の名産地である茨城県笠間産の和栗を使用し原料全てで国産和栗のおいしさにこだわった「プレミアムソフト-贅沢和栗-」を発売し好評を博しました。
商品価値訴求の刷新では、当中間連結会計期間にて新たに293店舗で店内メニューをデジタルサイネージへ置き換え、2024年8月末時点で745店舗にて動画による商品訴求を実施しております。デジタルサイネージはイオングループ企業との協業が進んだほか、グループ外の新規取引先を拡大しリテールメディアとしての活用につながっております。提供方法改革では、お客さまがいつでも気軽にご注文いただけるようデジタル活用を推し進めており、昨年8月に開始したモバイルオーダーでは、お得なクーポンの配信およびモバイルオーダー限定商品の展開を進めました。引き続き、お客さま利便性の向上に向け取り組みを進めてまいります。
コンボストアのもう一つの構成要素である「コンビニエント」では、MDプロセスの磨き直しによる商品力向上、お客さまニーズにお応えする品揃えの拡充、イオングループの独自価値商品であるトップバリュの活用によるくらしの品の拡大と価格訴求を推し進めました。
MDプロセスの磨き直しによる商品力向上では、おいしさへのこだわりをさらに追求し7月のテレビ企画にてコンビニエンスストア商品のオリジナルスイーツも全品高評価を受けました。高評価を受けた商品では、6月に発売し台湾蜜いもとフランス産発酵バターを使用し原料にこだわっておいしさを追求した「台湾蜜いもバターどらやき」や、6月に製法にこだわったリニューアルを行い、チョコレート本来の味わいをお楽しみいただける人気定番商品の「ベルギーチョコパフェ」が好調な販売となり売上を押し上げました。
また、アイスクリームでは、1980年の発売から現在までの44年間、全く変わらないおいしさと容量でお客さまに根強くご支持いただいている「フローズンヨーグルト」について、爽快感ある味わいや低脂肪・低カロリーといった健康感が好評を博し販売を押し上げました。
昨年9月にリニューアルしたコンビニエンスストア商品のおにぎりでは、毎日お買い得価格でご購入いただける「いつも本体価格98円シリーズ」を発売し定番商品として定着させるための取り組みを推進しました。7月以降、シリーズとして計6品を発売しお手頃価格の商品群を一段展開し一体感をもって訴求するとともに売場展開の定着と品揃えの充実を図りました。これにより、お値打ち価格の商品でお客さまのご支持が伸長しております。また、たばこでは、2024年5月末までに従来の什器に陳列設備を増設する投資を1,300店舗規模で実行し当第2四半期においては品揃えの充実と認知を促進するための販促を実施しました。これらの取り組みが来店動機につながり、当第2四半期の客数は前年を上回り回復基調となりました。
くらしの品の拡大と価格訴求では、継続的な食品値上げのなかお客さまの節約志向の定着にお応えするために、イオングループの独自価値商品であるトップバリュの更なる活用を進めております。時短調理といった便利さの価値を訴求するパウチ総菜では、5月にテレビ番組でトップバリュ商品が紹介されたことに合わせ、計画的な売場づくりと品揃えの拡充を進めたことにより「チーズインハンバーグ(デミグラスソース)」や「牛肉カルビ焼き」といった商品がイオングループ企業で1位の販売実績となり売上を押し上げました。また、共同開発を進める調理パンでは、7月に本体価格198円のお手頃な価格設定で手作り感のあるたまごとツナやハムを組み合わせた「ツナとたまごのサンド」「ハムとたまごのサンド」を発売し好評を博したほか、定番商品で人気の「レタスサンド」や「たまごサンド」について価格据え置きで具材を増量した増量企画を実施し売上を押し上げました。価格訴求では、菓子やスナック、加工食品、ラーメンで品揃えを拡充しお客さまの購買行動に合わせた集中展開を行うことで菓子では「4種の野菜チップス」、ラーメンでは「カレーヌードルビッグ」といった商品がイオングループ内で売上1位となるなど、販売は好調に推移しました。引き続き、トップバリュの新商品やリニューアル商品の活用、定番の品揃えの拡充と価格優位性の高い商品の売場拡大に取り組み、価格と価値の両面をお客さまに訴求してまいります。
5月に開店したNewコンボストアモデル第2フェーズのフラッグシップ店舗では、「ファストフード」「コンビニエント」両方の進化に取り組むとともに、リアル店舗とデジタルサービスをインターフェースとなるミニストップアプリで融合するOMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)活用を推し進めました。7月には第2フェーズのあるべき姿をよりいっそう体現する形で再開店し既存店日販は平日で前年同期比125%超、休日で170%超となり、当社の取り組みが新たに多くのお客さまのご支持をいただいております。フラッグシップ店舗は成功カセットを創出するラボ店舗として位置づけており、既存店への水平展開に向けた多数の取り組みを進めました。「ファストフード」では、専門店品質の核商品として胚芽パンと粗挽きウインナーを使用した「ホットドッグ」を本体価格199円のお値打ち価格で発売し好評を博しました。効率的な提供オペレーションでスピーディにできたてのおいしさをお届けする主食の核商品として今後既存店に展開してまいります。また、オーダー端末を使用したご注文方法のデジタル化のほか、デジタルサイネージと店内放送を連動した音声動画による商品価値訴求を進めており、第2フェーズが目指す「ファストフード」の世界観の構築と水平展開を進めてまいります。「コンビニエント」では、イオングループの調達力を活用しくらしの品の拡大として季節感あるデイリー・農産品の品揃えを拡充したほか、冷凍食品の品揃えを既存店舗比3倍以上に拡充し販売は好調に推移しました。また即食では弁当類でイオングループの売れ筋商品を展開し売上を押し上げており、ワンストップショッピングの実現に向けた成功カセットとして既存店への水平展開を進めております。OMO活用では、インターフェースとなるミニストップアプリで、一定金額以上お買い上げいただいたお客さま限定で特典を配布するプレミアム会員制度を開始したほか、Eコマースサイトとの相互送客やEコマース商品の店頭取り扱いを進めております。引き続き創業以来のノウハウを結集した第2フェーズの取り組みを推進し成果の創出と水平展開に繋げてまいります。
Newコンボストアモデルの成功カセットを導入しお客さま第一のマインドセットを醸成する「心装」を柱とした既存店活性化を当中間連結会計期間末までに52店舗で実施しました。前期169店舗で実施した活性化の知見を踏まえ、休業期間の短縮、改装3か月前からの計画的な「心装」の推進、改装内容の厳選を図りました。先行して活性化に取り組んだ店舗の成功事例として、当社の強みである店内加工ファストフード商品の拡販をはじめとした具体的な競争店対策を明示するMD計画の立案と、稼働計画の設計を推進しました。また着実な実行に向けた経営者および従業員への動機づけと教育のプロセスの水平展開を推し進めました。活性化後は、店舗カルテを活用した振り返りと課題発見、対策の立案により個店競争力を継続的に向上させる取り組みを推進しました。加えて、活性化店舗をドミナントすることで地域の商勢圏を確立する取り組みを進め、当中間連結会計期間における24年度活性化店舗の1店1日当たり売上高の前年同期比は104.1%となりました。店舗カルテを活用した継続的改善のノウハウを活性化店舗で培うことにより、組織的学習が進み既存店への波及につながっております。
加盟店との新たな関係を築き、共に成長を目指すミニストップパートナーシップ契約店舗は2024年8月末時点で772店舗と前年同時期より255店舗拡大し期首計画より先行し全体の4割まで移行が進みました。加盟店と本部が一体となって売上を上げ、事業経費の負担を相互に適正化し創出した事業利益を分け合うビジネスモデルへの転換が進みました。これに対応し経営指導の質的転換を図り未着手領域に踏み込む経営指導体制/本部改革では、具体的施策を本部の適切な経営指導で店舗経営者に理解いただき実行する取り組みが緒に就いた段階となり、ビジネスモデル転換が先行して進む中、効果的・効率的な経営指導を通じた店頭実現100%による売上改善や店舗経営効率の改善に課題が残りました。本部支援の下、業績改善に向けて取り組む店舗の構成比が拡大したほか、直営店が2024年8月末時点で240店舗となり前年同時期より70店舗増加しました。業務効率化を推進し効果的な複数店舗の経営管理手法を確立するため、1人の店舗責任者が複数店舗を管理するSI制の導入を進める一方、不足人時の充足により人件費が増加しました。
経営指導体制/本部改革では、各営業地区の管理職や経営指導に携わるストアアドバイザーが組織的に店舗を巡回することで、より充実した加盟店への経営指導や支援を行うことを目的に会議体の再設計を行いました。店頭実現100%に向け、商品や売場づくり、販促に関する情報を本部からダイレクトに店舗とストアアドバイザーに伝えるとともに、管理職がストアアドバイザーと合同で店舗を巡回し課題解決に向けたプロセスを直接指導する機会や加盟店との対話・指導を行う時間を増やしました。また全店に導入したマネジメントタブレットを活用し経営指導を進めております。商品重点施策を直接伝える動画コンテンツの拡充や施策の実施理由と具体的行動を明確に整理した情報発信を実施しました。加えて、本部がハブとなり加盟店間のコミュニケーションを促進し店頭実現度を引き上げる取り組みでは、双方向チャットシステムの活用を推し進めました。毎週の重点取り組みテーマを設定し加盟店からの成功事例の発信と的確なフィードバックを行うことにより、加盟店同士で情報を共有し店頭の魅力を引き上げる風土の醸成につながっております。これらの取り組みは、第1四半期までに整備した販売計画書や、導入が進んでいる稼働計画を活用し52週MDに基づいて計画した売場づくりや販促企画といった店頭実現度の改善につながっております。
引き続き、共に繁栄する事業の共同体として加盟店と本部の役割分担のもと、お客さまニーズにお応えする売場づくりと効率的な店舗経営の実現に向け、経営指導体制/本部改革を構造改革の重点政策として経営資源を集中し推し進めてまいります。
新事業は、Newコンボストアモデルに統合する機能のパーツとして進化に取り組んでおります。デリバリーサービスは、2024年8月末時点で1,173店舗にて複数のデリバリーサービスを並行して展開したほか、お客さまの利便性向上に向け、一部デリバリーサービスの24時間受付対応を7月度より約700店舗で開始しました。また、日常使いニーズにお応えしコンビニエンスストア商品の品揃えを約900SKUまで拡充し冷凍食品や飲料、加工食品の取り扱いを充実させました。販売促進では、新規顧客獲得に向け週末限定での割引企画や送料無料のキャンペーンを展開したほか、人気の店内加工ファストフード商品のデリバリー限定半額セールを実施しました。これらの取り組みを夜間の注文対応教育や品切れを防止するオペレーション体制の構築と並行して推し進めたことにより、デリバリーサービス1拠点当たりの売上高は前年同期比30%超伸長しました。引き続き、お客さまのご注文にスムーズに対応するオペレーション体制構築に向けた経営指導を継続するほか、複数のデリバリーサービスタブレットを統合するといった業務効率化を推し進めてまいります。
Eコマースは、前期に整備した販売インフラに加え、新たなチャネルでの商品展開を開始したほか、商品カテゴリーの拡充、ミニストップオリジナル商品の拡充に取り組みました。6月には「MINISTOP Online」で酒類の取り扱いを開始し新たなお客さまニーズに対応いたしました。加えて7月には大手ECモール内に新たに「ミニストップネットショップ飲料店」をオープン、お手頃価格の飲料を取り揃えた専門店としてEコマースの売上を押し上げました。またEコマース限定のオリジナル商品として本物の果実を贅沢にトッピングしたアイスの「リッチバー」を7月に発売したほか、テレビ企画で好評を博した「フローズンヨーグルト」をより多くのお客さまにお楽しみいただけるようEコマースで取り扱いを開始し好評を博しました。相互送客では、イオングループのネットスーパー「Green Beans」へのミニストップオリジナル商品の展開のほか、ネットスーパーでの割引クーポンご利用でミニストップの店内セルフコーヒーが無料になる企画を実施しました。これらによりEコマースの売上は前年同期比50%超伸長し引き続きお客さまの購買行動を促すためのEコマースサイト上の訴求力向上および認知拡大に向けた販売促進、更なるオリジナル商品開発を推し進めてまいります。
OMOのインターフェースとなるミニストップアプリは、2024年8月末時点でダウンロード数が213万件を超え、会員売上高は前年同期比50%超伸長しました。1To1マーケティングでは、取り組みの深耕に向けて顧客セグメントを絞り込み、お客さまの属性やアプリの利用頻度、購入商品に応じて購入頻度の高い店内セルフコーヒーやお客さま支持の高い商品のクーポン配信ならびにプッシュ通知での販売促進に取り組みました。また、店頭での認知拡大に向け、新規会員登録でソフトクリームバニラ100円引きクーポンが貰えるチラシを活用して従業員が積極的にお客さまにご利用を促す取り組みを実施し成功事例の抽出と水平展開を推し進めました。お客さま利便性の向上では、7月にイオングループのコード決済サービスであるAEON Pay(イオンペイ)との連動を開始しました。引き続き、リアル店舗とデジタルをつなぐインターフェースとして、機能改善やお得なサービスの拡充に取り組んでまいります。
職域事業では、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」をはじめ関連サービスを含む拠点数が2024年8月末時点で1,530拠点に拡大しました。近畿圏への拠点拡大が進んでいるほか、新たなロケーションである半職域マーケットの開拓では、5月に開設した無人店舗の実験ユニットに続き、7月にはお客さまの利便性向上と新たな購買体験、運営の効率化を目的としたレジレスのウォークスルー型デジタル店舗を開設しました。加えて、ミニストップ店舗事業への商品供給も視野に、高付加価値商品の製造とデリバリーを行うクラウドキッチンの拡大を提携先とともに推進しております。オフィスのニーズに合わせた品揃えの拡充と品切れを防止する在庫管理システムの稼働により、1拠点当たりの売上高は前年同期比20%超伸長し安定した事業利益を継続して創出しております。引き続き、マーケットシェアの拡大を進めるとともに職域拠点とミニストップ店舗をOMOで融合し高付加価値商品の供給を行うなど、シナジーの創出に取り組んでまいります。
2024年度方針に基づく施策を着実に遂行し成果を創出するためのマネジメントシステム改革を推進しました。前期より推進している職務要件の明確化をベースとした役割分担ならびに成果と連動した評価、イオングループ内外からの知見とスキルを有した人財の確保と教育体系運用を含めた組織・風土改革を推し進めており、引き続き人事・採用・教育機能の増強を進めてまいります。
パーパス経営の実践に向け、イオングループ未来ビジョン及びミニストップのミッション“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をもとに、事業の成長が社会課題の解決に直結するよう事業活動を推進しております。パーパス経営の象徴としてソフトクリームのブランディングを推進し従来の「おいしさ」の価値軸に、「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」といった新たな価値創造を目的とした「ソフトクリーム委員会」を3月に立ち上げました。ソフトクリームの歴史と新たなソフトクリームの開発に挑戦していくことを誓ったナラティブ、お客さまをはじめとしたステークホルダーへの感謝と毎日食べていただけるよう環境やからだにもやさしいソフトクリームをご提供し続けることを表現したブランドストーリーを作成しました。今後社内外に向けて発信してまいります。
気候変動対応として、当社が算定した範囲内におけるCO2排出量の85.5%を占める店舗の電力使用量を削減することに注力しております。2030年までに店舗で排出するCO2を2013年比50%削減するという目標のもと、一部地域の使用電力源を再生可能エネルギーに切り替えるとともに、店内外の照明を蛍光灯からLEDに変更する取り組みを進めております。2023年度に目標を前倒しで達成したため、引き続き「2040年ネットゼロ(CO2排出量が実質ゼロ)」を目指し、更なる削減に取り組んでまいります。
資源循環の促進として、食品ロス削減については2025年までに2015年比50%削減するという目標のもと、値引き販売による「発生抑制(リデュース)」を9割の店舗で進めております。値引き販売の手順化による効率的な販売体制の構築によって不要な食品ロスを削減してまいります。
プラスチック使用量削減の取り組みでは、改めて8月にソフトクリームに添えている「食べるスプーン」をカーボンフットプリントの手法を使ってスプーンのライフサイクル上におけるCO2排出量を算定しました。石油由来プラスチックスプーンと比べて1本あたりのCO2排出量が3.1g-CO2eq少なく、約4割の削減となり、脱プラスチック化がCO2排出量削減にもつながることを可視化しました。流通段階における輸送の部分でCO2削減に向けた取り組みを進め、サプライチェーン全体での削減を推進してまいります。また5月に開店したフラッグシップ店舗では、全てのカトラリーの素材を石油由来プラスチックから環境配慮型の素材に切り替えており、今後も取り扱い店舗を拡大してまいります。アイスコーヒーについて、紙製カップとストローレスの蓋への切り替えを全店で進めてまいります。
地域とのつながりの取り組みとしては、小中学生向け職場体験学習「チャイルドインターンシップ」を2005年より実施しています。未来を担う子どもたちに向けて、イオンの理念を学んでいただくとともに、今期は身近なスイーツであるソフトクリームから環境問題を捉えていただくようプログラムを改訂しました。上期は、19校88名の生徒の皆さまにご参加いただきました。また、小学校に花の苗を届ける花の輪運動募金を通年で実施し、本年度も店舗のオーナーが地域の小学校に直接訪問して花を寄贈する予定です。
社会貢献の取り組みとしては、7月より24時間テレビ47「愛は地球を救う」募金を実施しました。「福祉」「環境」「災害復興」の3つの分野の支援活動に活用するために、お客さまのご協力のもと4,861,302円を寄付いたしました。
ネットワークサービス株式会社は、国内店舗向けの共同配送事業を展開しており、定温センター13ヶ所、常温センター6ヶ所、冷凍センター10ヶ所を運営しています。記録的な猛暑への対応として、需要が伸長する乳製品の納品便前倒しを推進したほか、配送ルート数および1ルートあたりの走行距離の適正化のほか、冷凍商品の納品形態変更を拡大しコスト削減とともにCO2排出量削減といった環境負荷の低減に取り組んでおります。また物流の「2024年問題」への対応について、店舗オペレーションの効率化や配送員の働き方を含めた物流改革の取り組みを継続しております。
店舗開発は6店舗を出店、6店舗を閉店し当中間連結会計期間末店舗数は1,856店舗となりました。エリア戦略に基づく出店活動を引き続き進めてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における国内事業の営業総収入は397億4百万円(前年同期比107.7%)、営業損失は1億66百万円(前年同期実績 営業利益6億13百万円)となりました。
[海外事業]
当中間連結会計期間において、ベトナムでは第2四半期(4月~6月)の実質GDP成長率(推計値)が前年同期比6.93%と発表され、5.87%だった前四半期(1月~3月)と比べ伸長しました。製造業が経済を牽引したほか、GDPの43.3%を占めるサービス業は運輸・倉庫やホテル・飲食などの成長率が11%超と好調に推移しマクロ経済は復調傾向にあります。
このような環境の中、ベトナムのMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、直営多店舗化事業として出店拡大と黒字化に向けたMDプロセスの磨き直しを進めています。出店は、ホーチミン市でのドミナント確立に向け当中間連結会計期間で24店舗を新規出店し2024年6月末時点の店舗数は183店舗となりました。ドミナント出店ならびに開店時プロモーションによるお客さま認知の向上により新店の立ち上がり時の1店1日当たり売上高は前年同時期の新店実績より伸長しました。
ベトナムの消費動向の変化に対応し小型スーパーや伝統的な市場との競争が激化するなか、普段使いの商品をお手頃価格でご購入いただけるよう価格改定を拡大したほか、価格優位性を確保するための施策としてコンビニエンスストアでは初となる100VND単位での価格表示を進めました。また、高付加価値の商品開発では、店内で加工する付加価値型のフルーツドリンクで品揃えの拡充を推し進め、「白桃ジャスミンティー」といった11の新商品を発売し好調な売れ行きとなったことで売上を押し上げました。フルーツドリンクの世界観を訴求する専用のドリンクカウンターを33店舗に導入し累計62店舗に設置しました。また、即食では「タイトムヤム風スパゲティー」などの麺類や「インドネシアカレー弁当」といった米飯のほかデザートが売上を押し上げました。これらによりチェーン全店売上高は前年同期比124.1%となりました。価格改定を行った商品の販売が拡大し客数が回復基調となる一方、売上総利益率は前年同時期から3.4%下回りました。
直営多店舗化を実現する後方支援体制の構築では、完全作業を実現するための作業手順書ならびにワークスケジュールの全店活用を推し進めたほか、1人の店舗責任者が複数店舗を管理するSI制の導入を推進しました。また、お客さまの視点であるべき売場づくりやサービスの提供ができているかを総合点検する店舗サポート体制を整備しました。店舗サポートの助言に対して店舗責任者が対策を立案し着実に実行することで店舗レベルの継続的な改善が進んでおり、売上に寄与しております。引き続き、SI店舗の拡大を目指し教育の充実と作業システム改革を推進してまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における海外事業の営業総収入は48億6百万円(前年同期比124.8%)、営業損失は6億32百万円(前年同期実績 営業損失1億57百万円)となりました。
[財政状態]
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ123億94百万円増加し、902億94百万円となりました。これは主に現金及び預金が76億84百万円、関係会社預け金が40億円、未収入金が25億71百万円増加し、償還により有価証券が11億94百万円減少したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べ135億55百万円増加し、507億74百万円となりました。これは主に買掛金が105億34百万円、未払金が21億36百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ11億61百万円減少し、395億19百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純損失を6億84百万円計上し、配当金の支払として2億90百万円があったことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比較して120億42百万円増加し、344億58百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、121億59百万円の収入(前年同期比91億49百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失9億11百万円に対し、増加要因として仕入債務の増加104億63百万円、未払金の増加19億71百万円、減価償却費16億30百万円等があり、また減少要因として、未収入金の増加26億18百万円等があったことによります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億87百万円の収入(前年同期実績54億65百万円の支出)となりました。これは主に、増加要因として有価証券の償還による収入20億円等があり、また減少要因として有形固定資産の取得による支出15億11百万円、無形固定資産の取得による支出8億55百万円によります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億52百万円の支出(前年同期実績4億37百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払い2億90百万円、リース債務の返済による支出1億31百万円等があったことによります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、当社グループの生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間において、日本国内では雇用・所得環境の改善が進むなか、6月には定額減税とベースアップの賃金への反映の期待感から消費活動が活発となったほか、7月以降の記録的な猛暑により夏型商材の需要が増加し個人消費が上向きになったことで景気は緩やかに回復しました。しかしながら、海外景気の下振れが日本国内の景気の下押しリスクとなっているほか、不安定さを増す国際情勢による物価の高止まりにより消費者の節約志向が定着しており、景気の先行きは不透明な状況が続いています。
このような環境において、当社グループは“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をミッションに掲げ、2024年度方針を「個店モデルの競争力向上(Newコンボストアモデル第2フェーズへの進化)と戦略的成長の推進」とし成長戦略と構造改革を推し進めました。
国内事業では、創業以来のコンボストアモデルの構成要素である「ファストフード」と「コンビニエント」両方の価値を磨き上げ個店競争力を高めるNewコンボストアモデル確立について、前期に推進した第1フェーズに引き続き、今期は「ファストフード」と「コンビニエント」それぞれの提供価値の更なる進化を遂げる第2フェーズを推し進めました。加えて、7月以降の記録的な猛暑を受けて当社の強みであるコールドスイーツを計画的に訴求したほか、こだわりの商品を紹介するテレビ企画で当社がこれまで磨き上げてきた商品価値がコンビニエンスストアでは初となる高い評価を受け、既存店日販が伸長しました。また5月に開店したNewコンボストアモデル第2フェーズの象徴的店舗であるフラッグシップ店舗では創業以来培ったノウハウとイオングループのシナジーを活かした取り組みを多数推進しました。これらの取り組みを成功カセットとして細分化し全店への水平展開を推し進めたほか、お客さま第一のマインドセットを醸成する「心装」を柱とした既存店活性化を52店舗で実施しました。
ミニストップパートナーシップ契約店舗は、2024年8月末時点で全体の4割を超える772店舗と期首計画より先行して移行が進みました。また、直営店は2024年8月末時点で240店舗と前年同期より70店舗増となりました。人員体制をはじめとした店舗運営体制の再設計と効果的・効率的な経営指導への転換を図る経営指導体制/本部改革をより一層加速してまいります。
新事業では、デリバリーサービスについて24時間受付店舗の拡大を推し進めたほか、品揃えを拡充し利便性の向上を図りました。またEコマースについて、酒類の取り扱いを開始したことに加え、お手頃価格の飲料を取り扱うネットショップを大手ECモール内に新たに開設しました。また、オリジナル冷凍スイーツを新発売し品揃えを拡大しました。職域事業について、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」をはじめ関連サービスを含む拠点数が2024年8月末時点で1,500拠点を超えました。近畿圏への拡大のほか新たなマーケットの開拓に向けレジを無くしたウォークスルー型店舗の実証やクラウドキッチンを開始し安定した事業利益を創出しております。
海外事業では、経済環境の急速な変化への対応を進めているベトナム事業について、出店拡大と黒字化に向けたMDプロセスの磨き直しおよび直営多店舗化事業としての後方支援体制の整備を推し進めました。24店舗を新規に出店するとともに、先行する消費動向の変化に対しお客さまニーズにお応えする価格政策および高付加価値商品の品揃えを推し進め、チェーン全店売上高は前年同期比124.1%伸長しました。1人の店舗責任者が複数店舗を管理するスーパーインテンデント制(以下、SI制)拡大に向けた業務効率化に取り組みました。
国内および海外事業で2024年度方針に基づく施策を遂行し成果を創出するマネジメントシステム改革を推進しました。また、人財採用・教育をはじめとした組織・風土改革を推し進めています。加えて、パーパス経営の実践に向け、ソフトクリームの新たなブランディングを推進する委員会の設置や従業員のエンゲージメント向上に向けた営業部門の管理職層の研修を皮切りに、新たな価値創造と社会課題の解決に向けた取り組みを推進しました。
この結果、当中間連結会計期間の営業総収入は445億10百万円(前年同期比109.3%)、営業損失7億99百万円(前年同期実績 営業利益4億56百万円)、経常損失5億91百万円(前年同期実績 経常利益7億59百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失6億84百万円(前年同期実績 親会社株主に帰属する中間純利益6億3百万円)となりました。
各セグメント別の業績は以下のとおりです。
[国内事業]
7月以降の記録的な猛暑を見据えた計画的なコールドスイーツの訴求や7月のテレビ企画で商品価値が高評価を受けたオリジナルスイーツを店頭訴求しミニストップ単体のチェーン全店売上高は前年同期比100.5%となりました。また、ミニストップ店舗の既存店1店1日あたりの売上高の前年比は100.2%となり、既存店平均客数は同100.0%、既存店平均客単価は同100.2%となりました。コンビニエンスストア商品の既存店日販は同98.6%、店内加工ファストフード商品の既存店日販は同108.6%となりました。売上総利益率は、お客さまの生活防衛意識にお応えするために、コンビニエンスストア商品のおにぎりや飲料で価格訴求型の品揃えを拡充したことにより、前年同期比0.1%減少し30.7%となりました。
創業以来のコンボストアの構成要素である「ファストフード」では、できたてのおいしさにこだわった高付加価値の商品をお客さまにお届けするとともに、“健康”の価値を加えた商品開発、環境にやさしいといった新たな価値を訴求するブランディングとデジタルを活用した商品価値訴求の刷新ならびに提供方法改革を推し進めました。
店内で炊き上げたご飯とこだわりの旬の具材を組み合わせた手づくりおにぎりでは、7月に夏の疲れや熱中症予防に効果的な食材として知られるうなぎを使った「うなぎごはん」を発売したほか、炭火で焼いた香ばしい豚肉とニンニクの芽を組み合わせた「スタミナ焼肉」を発売し好評を博しました。また、8月にはエビの食感と相性の良いふんわりとした天ぷらの衣を組み合わせた「天むす」を発売したほか、定番商品の「北海道産焼しゃけ」がテレビ番組で紹介され、ボリューム感ある具材と店内で炊き上げた国内産コシヒカリを組み合わせたおいしさで話題となり手づくりおにぎりの売上を押し上げました。引き続き、季節に合わせたおいしさと“健康”の価値を磨き上げた商品開発を推し進めてまいります。
当社の強みである高付加価値、できたてのおいしさをお届けするコールドスイーツでは、7月にこだわりの商品を紹介するテレビ企画にてコンビニエンスストアでは初となる全品高評価を受けました。すいかの旨味を感じていただくために収穫後2日以内に凍結した原料を使用した「ハロハロ果実氷すいか」や大粒のカナダ産ブルーベリーと北海道十勝産原料を使用したヘルシーなヨーグルトを組み合わせた「ブルーベリーヨーグルトパフェ」といった高付加価値商品が、原料や製法へのこだわりが評価されました。「おいしさ」にこだわり続け商品価値向上を追求する当社の姿勢を丁寧にお客さまに伝えることができ、インストアプロモーションと合わせてコールドスイーツの売上は好調に推移しました。
またソフトクリームでは、前期にSNSを活用した写真投稿数で世界記録を達成したことに続き、6月には世界記録超えを目指してX(旧Twitter)でのソフトクリームの写真投稿企画を実施し、多くのお客さまのご支持のもと前期の記録を2万件超上回る45,111件の投稿をいただき、改めて当社の看板商品としてのソフトクリームの強固なブランディングを確立しました。ソフトクリームは当社のパーパスの象徴的商品として「おいしさ」に加えて「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」の4つの新たな価値を訴求するなどブランディングを推進しております。おいしさへのこだわりでは、5月に長野県産シャインマスカットを使用し素材本来の味わいを追求した「シャインマスカットソフト」を発売したほか、8月には栗の名産地である茨城県笠間産の和栗を使用し原料全てで国産和栗のおいしさにこだわった「プレミアムソフト-贅沢和栗-」を発売し好評を博しました。
商品価値訴求の刷新では、当中間連結会計期間にて新たに293店舗で店内メニューをデジタルサイネージへ置き換え、2024年8月末時点で745店舗にて動画による商品訴求を実施しております。デジタルサイネージはイオングループ企業との協業が進んだほか、グループ外の新規取引先を拡大しリテールメディアとしての活用につながっております。提供方法改革では、お客さまがいつでも気軽にご注文いただけるようデジタル活用を推し進めており、昨年8月に開始したモバイルオーダーでは、お得なクーポンの配信およびモバイルオーダー限定商品の展開を進めました。引き続き、お客さま利便性の向上に向け取り組みを進めてまいります。
コンボストアのもう一つの構成要素である「コンビニエント」では、MDプロセスの磨き直しによる商品力向上、お客さまニーズにお応えする品揃えの拡充、イオングループの独自価値商品であるトップバリュの活用によるくらしの品の拡大と価格訴求を推し進めました。
MDプロセスの磨き直しによる商品力向上では、おいしさへのこだわりをさらに追求し7月のテレビ企画にてコンビニエンスストア商品のオリジナルスイーツも全品高評価を受けました。高評価を受けた商品では、6月に発売し台湾蜜いもとフランス産発酵バターを使用し原料にこだわっておいしさを追求した「台湾蜜いもバターどらやき」や、6月に製法にこだわったリニューアルを行い、チョコレート本来の味わいをお楽しみいただける人気定番商品の「ベルギーチョコパフェ」が好調な販売となり売上を押し上げました。
また、アイスクリームでは、1980年の発売から現在までの44年間、全く変わらないおいしさと容量でお客さまに根強くご支持いただいている「フローズンヨーグルト」について、爽快感ある味わいや低脂肪・低カロリーといった健康感が好評を博し販売を押し上げました。
昨年9月にリニューアルしたコンビニエンスストア商品のおにぎりでは、毎日お買い得価格でご購入いただける「いつも本体価格98円シリーズ」を発売し定番商品として定着させるための取り組みを推進しました。7月以降、シリーズとして計6品を発売しお手頃価格の商品群を一段展開し一体感をもって訴求するとともに売場展開の定着と品揃えの充実を図りました。これにより、お値打ち価格の商品でお客さまのご支持が伸長しております。また、たばこでは、2024年5月末までに従来の什器に陳列設備を増設する投資を1,300店舗規模で実行し当第2四半期においては品揃えの充実と認知を促進するための販促を実施しました。これらの取り組みが来店動機につながり、当第2四半期の客数は前年を上回り回復基調となりました。
くらしの品の拡大と価格訴求では、継続的な食品値上げのなかお客さまの節約志向の定着にお応えするために、イオングループの独自価値商品であるトップバリュの更なる活用を進めております。時短調理といった便利さの価値を訴求するパウチ総菜では、5月にテレビ番組でトップバリュ商品が紹介されたことに合わせ、計画的な売場づくりと品揃えの拡充を進めたことにより「チーズインハンバーグ(デミグラスソース)」や「牛肉カルビ焼き」といった商品がイオングループ企業で1位の販売実績となり売上を押し上げました。また、共同開発を進める調理パンでは、7月に本体価格198円のお手頃な価格設定で手作り感のあるたまごとツナやハムを組み合わせた「ツナとたまごのサンド」「ハムとたまごのサンド」を発売し好評を博したほか、定番商品で人気の「レタスサンド」や「たまごサンド」について価格据え置きで具材を増量した増量企画を実施し売上を押し上げました。価格訴求では、菓子やスナック、加工食品、ラーメンで品揃えを拡充しお客さまの購買行動に合わせた集中展開を行うことで菓子では「4種の野菜チップス」、ラーメンでは「カレーヌードルビッグ」といった商品がイオングループ内で売上1位となるなど、販売は好調に推移しました。引き続き、トップバリュの新商品やリニューアル商品の活用、定番の品揃えの拡充と価格優位性の高い商品の売場拡大に取り組み、価格と価値の両面をお客さまに訴求してまいります。
5月に開店したNewコンボストアモデル第2フェーズのフラッグシップ店舗では、「ファストフード」「コンビニエント」両方の進化に取り組むとともに、リアル店舗とデジタルサービスをインターフェースとなるミニストップアプリで融合するOMO(Online Merges with Offline、オンラインとオフラインの融合)活用を推し進めました。7月には第2フェーズのあるべき姿をよりいっそう体現する形で再開店し既存店日販は平日で前年同期比125%超、休日で170%超となり、当社の取り組みが新たに多くのお客さまのご支持をいただいております。フラッグシップ店舗は成功カセットを創出するラボ店舗として位置づけており、既存店への水平展開に向けた多数の取り組みを進めました。「ファストフード」では、専門店品質の核商品として胚芽パンと粗挽きウインナーを使用した「ホットドッグ」を本体価格199円のお値打ち価格で発売し好評を博しました。効率的な提供オペレーションでスピーディにできたてのおいしさをお届けする主食の核商品として今後既存店に展開してまいります。また、オーダー端末を使用したご注文方法のデジタル化のほか、デジタルサイネージと店内放送を連動した音声動画による商品価値訴求を進めており、第2フェーズが目指す「ファストフード」の世界観の構築と水平展開を進めてまいります。「コンビニエント」では、イオングループの調達力を活用しくらしの品の拡大として季節感あるデイリー・農産品の品揃えを拡充したほか、冷凍食品の品揃えを既存店舗比3倍以上に拡充し販売は好調に推移しました。また即食では弁当類でイオングループの売れ筋商品を展開し売上を押し上げており、ワンストップショッピングの実現に向けた成功カセットとして既存店への水平展開を進めております。OMO活用では、インターフェースとなるミニストップアプリで、一定金額以上お買い上げいただいたお客さま限定で特典を配布するプレミアム会員制度を開始したほか、Eコマースサイトとの相互送客やEコマース商品の店頭取り扱いを進めております。引き続き創業以来のノウハウを結集した第2フェーズの取り組みを推進し成果の創出と水平展開に繋げてまいります。
Newコンボストアモデルの成功カセットを導入しお客さま第一のマインドセットを醸成する「心装」を柱とした既存店活性化を当中間連結会計期間末までに52店舗で実施しました。前期169店舗で実施した活性化の知見を踏まえ、休業期間の短縮、改装3か月前からの計画的な「心装」の推進、改装内容の厳選を図りました。先行して活性化に取り組んだ店舗の成功事例として、当社の強みである店内加工ファストフード商品の拡販をはじめとした具体的な競争店対策を明示するMD計画の立案と、稼働計画の設計を推進しました。また着実な実行に向けた経営者および従業員への動機づけと教育のプロセスの水平展開を推し進めました。活性化後は、店舗カルテを活用した振り返りと課題発見、対策の立案により個店競争力を継続的に向上させる取り組みを推進しました。加えて、活性化店舗をドミナントすることで地域の商勢圏を確立する取り組みを進め、当中間連結会計期間における24年度活性化店舗の1店1日当たり売上高の前年同期比は104.1%となりました。店舗カルテを活用した継続的改善のノウハウを活性化店舗で培うことにより、組織的学習が進み既存店への波及につながっております。
加盟店との新たな関係を築き、共に成長を目指すミニストップパートナーシップ契約店舗は2024年8月末時点で772店舗と前年同時期より255店舗拡大し期首計画より先行し全体の4割まで移行が進みました。加盟店と本部が一体となって売上を上げ、事業経費の負担を相互に適正化し創出した事業利益を分け合うビジネスモデルへの転換が進みました。これに対応し経営指導の質的転換を図り未着手領域に踏み込む経営指導体制/本部改革では、具体的施策を本部の適切な経営指導で店舗経営者に理解いただき実行する取り組みが緒に就いた段階となり、ビジネスモデル転換が先行して進む中、効果的・効率的な経営指導を通じた店頭実現100%による売上改善や店舗経営効率の改善に課題が残りました。本部支援の下、業績改善に向けて取り組む店舗の構成比が拡大したほか、直営店が2024年8月末時点で240店舗となり前年同時期より70店舗増加しました。業務効率化を推進し効果的な複数店舗の経営管理手法を確立するため、1人の店舗責任者が複数店舗を管理するSI制の導入を進める一方、不足人時の充足により人件費が増加しました。
経営指導体制/本部改革では、各営業地区の管理職や経営指導に携わるストアアドバイザーが組織的に店舗を巡回することで、より充実した加盟店への経営指導や支援を行うことを目的に会議体の再設計を行いました。店頭実現100%に向け、商品や売場づくり、販促に関する情報を本部からダイレクトに店舗とストアアドバイザーに伝えるとともに、管理職がストアアドバイザーと合同で店舗を巡回し課題解決に向けたプロセスを直接指導する機会や加盟店との対話・指導を行う時間を増やしました。また全店に導入したマネジメントタブレットを活用し経営指導を進めております。商品重点施策を直接伝える動画コンテンツの拡充や施策の実施理由と具体的行動を明確に整理した情報発信を実施しました。加えて、本部がハブとなり加盟店間のコミュニケーションを促進し店頭実現度を引き上げる取り組みでは、双方向チャットシステムの活用を推し進めました。毎週の重点取り組みテーマを設定し加盟店からの成功事例の発信と的確なフィードバックを行うことにより、加盟店同士で情報を共有し店頭の魅力を引き上げる風土の醸成につながっております。これらの取り組みは、第1四半期までに整備した販売計画書や、導入が進んでいる稼働計画を活用し52週MDに基づいて計画した売場づくりや販促企画といった店頭実現度の改善につながっております。
引き続き、共に繁栄する事業の共同体として加盟店と本部の役割分担のもと、お客さまニーズにお応えする売場づくりと効率的な店舗経営の実現に向け、経営指導体制/本部改革を構造改革の重点政策として経営資源を集中し推し進めてまいります。
新事業は、Newコンボストアモデルに統合する機能のパーツとして進化に取り組んでおります。デリバリーサービスは、2024年8月末時点で1,173店舗にて複数のデリバリーサービスを並行して展開したほか、お客さまの利便性向上に向け、一部デリバリーサービスの24時間受付対応を7月度より約700店舗で開始しました。また、日常使いニーズにお応えしコンビニエンスストア商品の品揃えを約900SKUまで拡充し冷凍食品や飲料、加工食品の取り扱いを充実させました。販売促進では、新規顧客獲得に向け週末限定での割引企画や送料無料のキャンペーンを展開したほか、人気の店内加工ファストフード商品のデリバリー限定半額セールを実施しました。これらの取り組みを夜間の注文対応教育や品切れを防止するオペレーション体制の構築と並行して推し進めたことにより、デリバリーサービス1拠点当たりの売上高は前年同期比30%超伸長しました。引き続き、お客さまのご注文にスムーズに対応するオペレーション体制構築に向けた経営指導を継続するほか、複数のデリバリーサービスタブレットを統合するといった業務効率化を推し進めてまいります。
Eコマースは、前期に整備した販売インフラに加え、新たなチャネルでの商品展開を開始したほか、商品カテゴリーの拡充、ミニストップオリジナル商品の拡充に取り組みました。6月には「MINISTOP Online」で酒類の取り扱いを開始し新たなお客さまニーズに対応いたしました。加えて7月には大手ECモール内に新たに「ミニストップネットショップ飲料店」をオープン、お手頃価格の飲料を取り揃えた専門店としてEコマースの売上を押し上げました。またEコマース限定のオリジナル商品として本物の果実を贅沢にトッピングしたアイスの「リッチバー」を7月に発売したほか、テレビ企画で好評を博した「フローズンヨーグルト」をより多くのお客さまにお楽しみいただけるようEコマースで取り扱いを開始し好評を博しました。相互送客では、イオングループのネットスーパー「Green Beans」へのミニストップオリジナル商品の展開のほか、ネットスーパーでの割引クーポンご利用でミニストップの店内セルフコーヒーが無料になる企画を実施しました。これらによりEコマースの売上は前年同期比50%超伸長し引き続きお客さまの購買行動を促すためのEコマースサイト上の訴求力向上および認知拡大に向けた販売促進、更なるオリジナル商品開発を推し進めてまいります。
OMOのインターフェースとなるミニストップアプリは、2024年8月末時点でダウンロード数が213万件を超え、会員売上高は前年同期比50%超伸長しました。1To1マーケティングでは、取り組みの深耕に向けて顧客セグメントを絞り込み、お客さまの属性やアプリの利用頻度、購入商品に応じて購入頻度の高い店内セルフコーヒーやお客さま支持の高い商品のクーポン配信ならびにプッシュ通知での販売促進に取り組みました。また、店頭での認知拡大に向け、新規会員登録でソフトクリームバニラ100円引きクーポンが貰えるチラシを活用して従業員が積極的にお客さまにご利用を促す取り組みを実施し成功事例の抽出と水平展開を推し進めました。お客さま利便性の向上では、7月にイオングループのコード決済サービスであるAEON Pay(イオンペイ)との連動を開始しました。引き続き、リアル店舗とデジタルをつなぐインターフェースとして、機能改善やお得なサービスの拡充に取り組んでまいります。
職域事業では、オフィスなどの施設内に設置する無人コンビニ「MINISTOP POCKET(ミニストップ・ポケット)」をはじめ関連サービスを含む拠点数が2024年8月末時点で1,530拠点に拡大しました。近畿圏への拠点拡大が進んでいるほか、新たなロケーションである半職域マーケットの開拓では、5月に開設した無人店舗の実験ユニットに続き、7月にはお客さまの利便性向上と新たな購買体験、運営の効率化を目的としたレジレスのウォークスルー型デジタル店舗を開設しました。加えて、ミニストップ店舗事業への商品供給も視野に、高付加価値商品の製造とデリバリーを行うクラウドキッチンの拡大を提携先とともに推進しております。オフィスのニーズに合わせた品揃えの拡充と品切れを防止する在庫管理システムの稼働により、1拠点当たりの売上高は前年同期比20%超伸長し安定した事業利益を継続して創出しております。引き続き、マーケットシェアの拡大を進めるとともに職域拠点とミニストップ店舗をOMOで融合し高付加価値商品の供給を行うなど、シナジーの創出に取り組んでまいります。
2024年度方針に基づく施策を着実に遂行し成果を創出するためのマネジメントシステム改革を推進しました。前期より推進している職務要件の明確化をベースとした役割分担ならびに成果と連動した評価、イオングループ内外からの知見とスキルを有した人財の確保と教育体系運用を含めた組織・風土改革を推し進めており、引き続き人事・採用・教育機能の増強を進めてまいります。
パーパス経営の実践に向け、イオングループ未来ビジョン及びミニストップのミッション“私たちは、「おいしさ」と「便利さ」で、笑顔あふれる社会を実現します。”をもとに、事業の成長が社会課題の解決に直結するよう事業活動を推進しております。パーパス経営の象徴としてソフトクリームのブランディングを推進し従来の「おいしさ」の価値軸に、「環境にやさしい」「からだにやさしい」「地域とのつながり」「社会貢献」といった新たな価値創造を目的とした「ソフトクリーム委員会」を3月に立ち上げました。ソフトクリームの歴史と新たなソフトクリームの開発に挑戦していくことを誓ったナラティブ、お客さまをはじめとしたステークホルダーへの感謝と毎日食べていただけるよう環境やからだにもやさしいソフトクリームをご提供し続けることを表現したブランドストーリーを作成しました。今後社内外に向けて発信してまいります。
気候変動対応として、当社が算定した範囲内におけるCO2排出量の85.5%を占める店舗の電力使用量を削減することに注力しております。2030年までに店舗で排出するCO2を2013年比50%削減するという目標のもと、一部地域の使用電力源を再生可能エネルギーに切り替えるとともに、店内外の照明を蛍光灯からLEDに変更する取り組みを進めております。2023年度に目標を前倒しで達成したため、引き続き「2040年ネットゼロ(CO2排出量が実質ゼロ)」を目指し、更なる削減に取り組んでまいります。
資源循環の促進として、食品ロス削減については2025年までに2015年比50%削減するという目標のもと、値引き販売による「発生抑制(リデュース)」を9割の店舗で進めております。値引き販売の手順化による効率的な販売体制の構築によって不要な食品ロスを削減してまいります。
プラスチック使用量削減の取り組みでは、改めて8月にソフトクリームに添えている「食べるスプーン」をカーボンフットプリントの手法を使ってスプーンのライフサイクル上におけるCO2排出量を算定しました。石油由来プラスチックスプーンと比べて1本あたりのCO2排出量が3.1g-CO2eq少なく、約4割の削減となり、脱プラスチック化がCO2排出量削減にもつながることを可視化しました。流通段階における輸送の部分でCO2削減に向けた取り組みを進め、サプライチェーン全体での削減を推進してまいります。また5月に開店したフラッグシップ店舗では、全てのカトラリーの素材を石油由来プラスチックから環境配慮型の素材に切り替えており、今後も取り扱い店舗を拡大してまいります。アイスコーヒーについて、紙製カップとストローレスの蓋への切り替えを全店で進めてまいります。
地域とのつながりの取り組みとしては、小中学生向け職場体験学習「チャイルドインターンシップ」を2005年より実施しています。未来を担う子どもたちに向けて、イオンの理念を学んでいただくとともに、今期は身近なスイーツであるソフトクリームから環境問題を捉えていただくようプログラムを改訂しました。上期は、19校88名の生徒の皆さまにご参加いただきました。また、小学校に花の苗を届ける花の輪運動募金を通年で実施し、本年度も店舗のオーナーが地域の小学校に直接訪問して花を寄贈する予定です。
社会貢献の取り組みとしては、7月より24時間テレビ47「愛は地球を救う」募金を実施しました。「福祉」「環境」「災害復興」の3つの分野の支援活動に活用するために、お客さまのご協力のもと4,861,302円を寄付いたしました。
ネットワークサービス株式会社は、国内店舗向けの共同配送事業を展開しており、定温センター13ヶ所、常温センター6ヶ所、冷凍センター10ヶ所を運営しています。記録的な猛暑への対応として、需要が伸長する乳製品の納品便前倒しを推進したほか、配送ルート数および1ルートあたりの走行距離の適正化のほか、冷凍商品の納品形態変更を拡大しコスト削減とともにCO2排出量削減といった環境負荷の低減に取り組んでおります。また物流の「2024年問題」への対応について、店舗オペレーションの効率化や配送員の働き方を含めた物流改革の取り組みを継続しております。
店舗開発は6店舗を出店、6店舗を閉店し当中間連結会計期間末店舗数は1,856店舗となりました。エリア戦略に基づく出店活動を引き続き進めてまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における国内事業の営業総収入は397億4百万円(前年同期比107.7%)、営業損失は1億66百万円(前年同期実績 営業利益6億13百万円)となりました。
[海外事業]
当中間連結会計期間において、ベトナムでは第2四半期(4月~6月)の実質GDP成長率(推計値)が前年同期比6.93%と発表され、5.87%だった前四半期(1月~3月)と比べ伸長しました。製造業が経済を牽引したほか、GDPの43.3%を占めるサービス業は運輸・倉庫やホテル・飲食などの成長率が11%超と好調に推移しマクロ経済は復調傾向にあります。
このような環境の中、ベトナムのMINISTOP VIETNAM COMPANY LIMITEDは、直営多店舗化事業として出店拡大と黒字化に向けたMDプロセスの磨き直しを進めています。出店は、ホーチミン市でのドミナント確立に向け当中間連結会計期間で24店舗を新規出店し2024年6月末時点の店舗数は183店舗となりました。ドミナント出店ならびに開店時プロモーションによるお客さま認知の向上により新店の立ち上がり時の1店1日当たり売上高は前年同時期の新店実績より伸長しました。
ベトナムの消費動向の変化に対応し小型スーパーや伝統的な市場との競争が激化するなか、普段使いの商品をお手頃価格でご購入いただけるよう価格改定を拡大したほか、価格優位性を確保するための施策としてコンビニエンスストアでは初となる100VND単位での価格表示を進めました。また、高付加価値の商品開発では、店内で加工する付加価値型のフルーツドリンクで品揃えの拡充を推し進め、「白桃ジャスミンティー」といった11の新商品を発売し好調な売れ行きとなったことで売上を押し上げました。フルーツドリンクの世界観を訴求する専用のドリンクカウンターを33店舗に導入し累計62店舗に設置しました。また、即食では「タイトムヤム風スパゲティー」などの麺類や「インドネシアカレー弁当」といった米飯のほかデザートが売上を押し上げました。これらによりチェーン全店売上高は前年同期比124.1%となりました。価格改定を行った商品の販売が拡大し客数が回復基調となる一方、売上総利益率は前年同時期から3.4%下回りました。
直営多店舗化を実現する後方支援体制の構築では、完全作業を実現するための作業手順書ならびにワークスケジュールの全店活用を推し進めたほか、1人の店舗責任者が複数店舗を管理するSI制の導入を推進しました。また、お客さまの視点であるべき売場づくりやサービスの提供ができているかを総合点検する店舗サポート体制を整備しました。店舗サポートの助言に対して店舗責任者が対策を立案し着実に実行することで店舗レベルの継続的な改善が進んでおり、売上に寄与しております。引き続き、SI店舗の拡大を目指し教育の充実と作業システム改革を推進してまいります。
以上の結果、当中間連結会計期間における海外事業の営業総収入は48億6百万円(前年同期比124.8%)、営業損失は6億32百万円(前年同期実績 営業損失1億57百万円)となりました。
[財政状態]
当中間連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ123億94百万円増加し、902億94百万円となりました。これは主に現金及び預金が76億84百万円、関係会社預け金が40億円、未収入金が25億71百万円増加し、償還により有価証券が11億94百万円減少したことによります。
負債は、前連結会計年度末に比べ135億55百万円増加し、507億74百万円となりました。これは主に買掛金が105億34百万円、未払金が21億36百万円増加したことによります。
純資産は、前連結会計年度末に比べ11億61百万円減少し、395億19百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する中間純損失を6億84百万円計上し、配当金の支払として2億90百万円があったことによります。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末と比較して120億42百万円増加し、344億58百万円となりました。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、121億59百万円の収入(前年同期比91億49百万円の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純損失9億11百万円に対し、増加要因として仕入債務の増加104億63百万円、未払金の増加19億71百万円、減価償却費16億30百万円等があり、また減少要因として、未収入金の増加26億18百万円等があったことによります。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億87百万円の収入(前年同期実績54億65百万円の支出)となりました。これは主に、増加要因として有価証券の償還による収入20億円等があり、また減少要因として有形固定資産の取得による支出15億11百万円、無形固定資産の取得による支出8億55百万円によります。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、4億52百万円の支出(前年同期実績4億37百万円の収入)となりました。これは主に、配当金の支払い2億90百万円、リース債務の返済による支出1億31百万円等があったことによります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。
(5) 従業員数
当中間連結会計期間において、当社グループの従業員数の著しい増減はありません。
(6) 生産、受注及び販売の実績
当中間連結会計期間において、当社グループの生産、受注および販売実績の著しい変動はありません。