有価証券報告書-第42期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
①売上高の状況
当社グループの連結会計年度における売上高は、前期比6.0%増の53,434百万円となりました。
当社グループの商品売上高は、前期比6.0%増の53,314百万円となりました。当連結会計年度においては、郊外の大型ショッピングセンターを中心に駅ビルやファッションビル、小商圏ショッピングセンター等に積極的に出店し、新規出店は39店舗となりました。一方、期中退店は11店舗となり、店舗数は純増28店となりました。既存店売上は、F1層向けブランドを中心としたカジュアルバッグ及びプライベートブランドや提携ブランドを中心としたハンドバッグの販売拡大、31店舗の店舗改装等により好調に推移し、既存店売上前期比は2月累計で103.1%となりました。3月は前期において消費税増税前の駆け込み需要により売上が大きく伸長したため、既存店売上前期比は3月単月で90.1%となりましたが、3月累計では101.7%と堅調に推移しました。さらに新規出店効果や前連結会計年度の出店店舗の売上増加等により、全体として売上高を伸長することができました。
品種別に見ますと、カジュアルバッグがF1層向けブランド数やアイテム数の拡大に伴い、前期と比較して販売点数が12.3%増加し、単価も13.5%上昇したため、売上高は27.4%増と大幅に伸長しました。ハンドバッグもプライベートブランドや提携ブランドなどを中心に販売点数が7.4%増となり、売上高が9.2%増と好調に推移しました。財布・雑貨類のうち、財布はF1層向けブランドの売上が伸長し、販売点数が6.1%増加し、売上高は7.4%増加しましたが、雑貨はアクセサリー類がやや低調に推移し、商品構成の見直しにより単価が4.8%上昇したものの、販売点数が5.7%減少し、売上高は1.2%減少しました。メンズ・トラベルバッグは、メンズバッグは堅調に推移しましたが、ケース類を中心としたトラベルバッグの売上が伸び悩み、売上高は3.5%増に止まりました。インポートバッグは、円安の影響もあり、売上高は4.9%減少しました。
②営業利益の状況
当社グループの連結会計年度における営業利益は、前期比9.0%増の4,700百万円となりました。
F1層向けブランドを中心としたカジュアルバッグ・財布の値入率の改善及びプライベートブランドや提携ブランドを中心としたハンドバッグの売上拡大等により商品粗利益率が前期比0.5ポイント改善しました。一方、販売促進費やクレジット手数料等の増加により販売費及び一般管理費率も0.3ポイント増加しました。この結果、営業利益の伸率が売上高の伸率を上回ることとなりました。
③経常利益の状況
当社グループの連結会計年度における経常利益は、前期比9.8%増の4,716百万円となりました。これは、営業利益の増加に伴うものであります。
④当期純利益の状況
当社グループの連結会計年度における当期純利益は、前期比18.0%増の2,762百万円となりました。これは主に営業利益の増加に伴うものであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(4) 経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。
次期につきましては、政府の経済政策等により景気の回復基調が引き続き見込まれるものの、個人消費については消費税増税や円安等による物価の上昇の影響が懸念され、先行きが不透明な状態が続くものと思われます。
このような状況下ではありますが、当社グループは「リフレッシュ」をテーマに掲げ、商品構成、取扱いブランド、売場、接客、人事組織等、全ての面において現状をリフレッシュし、活性化を図ってまいります。
好調に推移しているカジュアルバッグ・財布については、F1層向けの提携ブランド数をさらに拡大し、当社グループの独占販売、優先販売の商品のラインナップをより充実させていきます。販促活動にも積極的に取組み、認知度の向上、売上の拡大につなげてまいります。
ハンドバッグについては、プライベートブランド商品「kissora」、「efffy」や提携ブランドである「Moomin」の品揃えを拡充し、売上拡大を図ってまいります。
メンズバッグについては、商品構成の再構築、新規ブランドの導入に努め、さらに高級ゾーンのプライベートブランド商品「QUERENT」の取扱いを開始し、「地域一番店」戦略を推し進めてまいります。トラベルバッグについては、新規ブランドとの提携やブランド商品の強化、高機能、高品質のオリジナル商品の開発に取組んでまいります。
やや低調となっているインポートバッグについては、ブランドのラインナップを見直すとともに「Orobianco」等有力ブランドとの取組みを強化してまいります。雑貨については、商品構成や価格帯、ディスプレイの見直しを行ない、単独店舗、併設店舗ともに売上の拡大を図ってまいります。
また、引き続いて伸びが期待されるインバウンド需要に対しては、消費税免税対応店舗を増やし、日本製を中心とするインバウンド向けの商品の品揃えを強化し、売上の伸長を図ってまいります。
商品粗利益率につきましては、プライベートブランド商品やメーカーコラボレート商品の販売を強化し、向上を図ってまいります。
人事組織につきましては、若手社員の登用を積極的に行ない、組織の若返り、活性化を図り、効率的運営を図ってまいります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フロー
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
②財政状況
(資産の状況)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,050百万円増加し、20,682百万円となりました。これは主に、現金及び預金が109百万円減少、受取手形及び売掛金が297百万円減少した一方で、商品及び製品が1,434百万円増加したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて1,545百万円増加し、13,695百万円となりました。これは主に、投資有価証券が811百万円増加、敷金及び保証金が391百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて2,596百万円増加し、34,377百万円となりました。
(負債の状況)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて435百万円減少し、8,146百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が395百万円増加した一方で、1年内償還予定の社債が900百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて312百万円増加し、4,315百万円となりました。これは主に、社債が100百万円減少した一方で、リース債務が147百万円増加、退職給付に係る負債が196百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて123百万円減少し、12,461百万円となりました。
(純資産の状況)
当連結会計期間末における純資産は、前連結会計年度末に比べて2,719百万円増加し、21,915百万円となりました。これは主に、配当金541百万円の支払による減少があった一方で、当期純利益2,762百万円の計上等によるものであります。
(6) 経営者の問題認識と今後の方針について
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。