有価証券報告書-第47期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな景気回復基調で推移しましたが、世界経済は米中貿易摩擦の拡大や英国のEU離脱問題、中国・欧州の景気減速等の懸念材料が多く、先行きが不透明な状況が続きました。さらに、2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症が2020年2月以降世界的に拡散して大流行となり、世界各地で都市封鎖が行なわれるなど世界経済に深刻な影響を与えております。
流通業界におきましては、消費税率の引き上げや物価上昇に対する消費者の不安感が強く、消費税増税前の駆け込み需要があったものの、その後の反動が続きました。さらに、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、インバウンド客数の減少、行政からの要請による不要不急の外出自粛、商業施設の営業自粛や営業時間の短縮等により2020年2月下旬以降、ファッション業界の売上は低下傾向が顕著となりました。
このような状況下で、当社が2019年7月に株式会社三香堂を100%子会社にするなど、当社グループは積極的な事業展開を進めてまいりましたが、第3四半期連結会計期間以降、消費税増税後の反動や新型コロナウイルス感染症拡大の影響による売上高の減少を余儀なくされ、当連結会計年度の売上高は52,523百万円(前期比5.8%減)と減収となりました。それに伴い、営業利益は2,670百万円(同28.3%減)、経常利益は2,762百万円(同26.8%減)とそれぞれ減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失167百万円、固定資産除却損78百万円等を特別損失に計上したため、1,668百万円(同23.4%減)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
事業部門ごとの状況は、以下のとおりであります。以下の数値につきましては、事業部門内の取引消去後かつ事業部間の取引消去前のものを記載しております。
⦅小売事業等⦆
小売事業については、「プライベートブランド(PB)商品の強化」、「ナショナルプライベートブランド(NPB)商品の拡大」、「ECの強化」、「リアル店舗の変革」に努めてまいりました。
「PB商品の強化」については、「kissora」、「efffy」、「SALON de RUBAN」、「Ficce,Brave」、そして2019年7月より当社グループに加わった株式会社三香堂の「日乃本帆布」を基幹ブランドとし、一般店舗での取扱いを拡大するとともに、ブランディングの強化のために「kissora」のオンリーショップを3店舗、「efffy」を中心とした「efffy’s closet」を1店舗、「日乃本帆布」のオンリーショップを2店舗出店しました。
「NPB商品の拡大」については、新たな商品開発や展開店舗の拡張を行ない、売上、利益の拡大を図ってまいりました。
「ECの強化」については、取扱商品の拡充、人員の増強等に注力し、EC売上高前期比は22.8%増となりました。また、2019年7月より越境ECの取り組みを開始しました。なお、店舗とECのポイントシステム、顧客管理システム、在庫管理システム等の統合を計画しておりましたが、統合の実現は2021年3月期にずれ込むこととなりました。
「リアル店舗の変革」については、店舗に在庫のない商品を、店頭でお客様にタブレット端末を見ながらご購入いただき、商品は後日、お客様のご自宅にお届けし、あるいは、店舗でお渡しする「リアル店舗EC」の取扱いブランドやアイテムを拡充し、売上向上を図ってまいりました。また、新規ブランド商品の導入や新業態開発に注力し、新しいショップブランドとして「LAPAX」業態を進化させた「DOUX SAC’S」、感度の高いアクセサリー・雑貨とバッグの併設店舗である「Sacs de Bijoux」を開設いたしました。
店舗につきましては、大型ショッピングセンターを中心に商業施設に出店しましたが、高速道路のサービスエリア、ホテルという立地にも初出店し、年間出店数は19店舗となりました。地域別内訳は、北海道・東北地区1店舗、関東地区5店舗、中部地区4店舗、近畿地区3店舗、中国・四国地区2店舗、九州地区4店舗であります。ショップブランドでは、株式会社東京デリカが「SAC’S BAR」を中心に、「SAC’S BAR Jean」、「GRAN SAC’S」「Booth by FILTERS」、「DRASTIC THE BAGGAGE」、「DOUX SAC’S」、「kissora」、「ekissora」を、株式会社三香堂が「日乃本帆布」を出店いたしました。
一方、不採算店等23店舗を退店しましたが、2019年7月に株式会社三香堂の5店舗が加わったため、期末店舗数は前期末より1店舗増加して640店舗となりました。
既存店売上高前期比は、2020年1月累計で99.3%とほぼ前期並みとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、外出自粛要請や営業時間の短縮等により2月が92.7%、3月が62.4%と大幅に低下し、小売事業等の売上高前期比は94.0%に止まりました。
品種別の売上の状況は、ハンドバッグは、NPB商品の売上が伸長したものの、PB商品、一般の仕入商品の売上が低下したため、前期比6.3%減の8,293百万円となりました。カジュアルバッグは、大きなトレンドがなく全般的に売上の低迷が続いて同16.9%減の3,486百万円と大きく減少しました。一方、インポートバッグは、リーズナブルな価格帯のブランドに対する需要が高くなり、同1.3%減の4,426百万円と健闘しました。財布・雑貨類のうち、財布は小型の財布の売上が好調に推移して同3.7%減に止まりましたが、雑貨はアクセサリー類の売上低下が続いて8.8%減となり、財布・雑貨類としては同5.1%減の14,269百万円となりました。メンズ・トラベルバッグは、メンズバッグはやや弱含みに推移し、7.0%減の12,460百万円となり、トラベルバッグは堅調に推移していたものの、2月、3月に新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に売上が低下し、同6.6%減の5,638百万円となりました。
この結果、当事業部門の売上高は49,452百万円(前期比6.0%減)となりました。
また、売上構成比の高いメンズバッグの粗利益率が向上し、財布・雑貨の粗利益率も向上したものの、粗利益率の低いインポートバッグの売上構成比が高まり、その粗利益率がさらに低下し、ハンドバッグ、カジュアルバッグ、トラベルバッグの粗利益率もそれぞれ低下した結果、売上総利益率は前期比0.1ポイント向上し、47.9%となりました。一方、販売費及び一般管理費率は、第3四半期連結会計期間以降の売上高の低下に伴い上昇し、前期比1.9ポイント増加の43.4%となりました。
⦅製造・卸売事業⦆
製造・卸売事業につきましては、「LOJEL」ブランドのキャリーケースが好調を持続し、また、ゴールデンウィークが10連休となったこともキャリーケースの売上増に寄与して全般に好調に推移してきましたが、2020年2月に新型コロナウイルス感染症の国内外での拡大の影響により売上が減少に転じ、3月には売上が半減しました。
この結果、当事業部門の売上高は3,736百万円(前期比0.4%増)と微増収となりました。また、売上総利益率は前期と比較して為替が円高で推移したため、前期比0.6ポイントプラスの39.2%と改善しました。
b.財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,664百万円減少し、20,831百万円となりました。これは主に、商品及び製品が892百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2,195百万円減少、現金及び預金が265百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて231百万円増加し、19,276百万円となりました。これは主に、投資有価証券が214百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,432百万円減少し、40,108百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,883百万円減少し、5,815百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が714百万円減少、未払法人税等が413百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて280百万円増加し、5,052百万円となりました。これは主に、リース債務が101百万円減少した一方で、退職給付に係る負債が176百万円増加、資産除去債務が132百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,603百万円減少し、10,867百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて170百万円増加し、29,240百万円となりました。これは主に、剰余金の配当883百万円による減少、自己株式372百万円の増加があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,668百万円の計上等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて268百万円減少し、3,216百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて757百万円収入が減少し、2,693百万円のプラスとなりました。
主な収入要因は、税金等調整前当期純利益の計上額2,598百万円、売上債権の減少額2,206百万円であります。
一方、主な支出要因は、たな卸資産の増加額870百万円、仕入債務の減少額719百万円、法人税等の支払額1,268百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,272百万円支出が減少し、1,179百万円のマイナスとなりました。
主な支出要因は、新規出店及び改装等に伴う設備投資766百万円、投資有価証券の取得による支出300百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて392百万円支出が増加し、1,783百万円のマイナスとなりました。
主な支出要因は、配当金の支払額884百万円、リース債務の返済による支出464百万円であります。
③販売及び仕入の実績
当社グループは、鞄・袋物を核とする商品販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメントごとの記載はしておりませんが、販売実績及び仕入実績については、鞄・袋物等の品種別に区分して記載しております。
a.販売方法
連結子会社である株式会社東京デリカにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しており、また、一部、インターネットによる小売販売等を行なっております。
連結子会社であるロジェールジャパン株式会社においては、主として、メンズバッグ・トラベルバッグ等を大型量販店等に卸売販売を行なっております。
連結子会社である株式会社カーニバルカンパニーにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。
連結子会社である株式会社三香堂においては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。
b.品種別販売実績
(注) 1 連結子会社からの大型量販店への卸売販売等は、メンズ・トラベルバッグ部門に計上しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.商品仕入実績
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高の状況
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前期比5.8%減、当初目標比8.0%減の52,523百万円となりました。
⦅小売事業等⦆
小売事業等の売上高は、前期比6.0%減の49,452百万円となりました。当連結会計年度においては、新設の大型ショッピングセンターを中心に高速道路のサービスエリアやホテルという立地にも初出店し、19店舗の出店を行ないました。一方、不採算店等23店舗を退店しましたが、2019年7月に株式会社三香堂の5店舗が加わったため、期末店舗数は前期末より1店舗増加して640店舗となりました。既存店売上前期比は、消費税増税前後の駆け込み需要と反動減があったものの、2020年1月累計では前年同期比99.3%とほぼ前期並みとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、外出自粛要請や営業時間の短縮等により2月が92.7%、3月が62.4%と大幅に低下し、小売事業等の売上高前期比は94.0%に止まりました。当初目標は前期比2.4%増であったため、当初目標比8.2%減となりました。
品種別に前期と比較して見ますと、インポートバッグは、リーズナブルな価格帯のブランドに対する需要が高くなり、単価が5.1%下落したものの、販売点数が4.1%増加し、売上高が1.3%減に止まりました。財布・雑貨類は、売上高が5.1%減となりました。財布は、単価が4.8%上昇したものの、販売点数が8.0%減少し、売上高が3.7%減となりました。雑貨はアクセサリーの売上低下が続き、単価が2.5%上昇したものの、販売点数が11.0%減少し、売上高が8.8%減となりました。メンズ・トラベルバッグは、売上高が6.9%減となりました。メンズバッグは、単価が1.6%上昇したものの、販売点数が8.4%減となり、売上高は7.0%減となりましたが、ケース類を中心としたトラベルバッグは、2020年1月迄は堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大の影響を強く受けて、2月、3月に売上が大幅に減少し、売上高は6.6%減となりました。ハンドバッグは、単価は前期並みでしたが、販売点数が6.0%減となり、売上高が6.3%減となりました。カジュアルバッグは、単価は3.8%下落に止まりましたが、販売点数が13.5%減と大幅に減少したため、売上高が16.9%減と大きく減少しました。
⦅製造・卸売事業⦆
製造・卸売事業の売上高は、前期比0.4%増の3,736百万円と微増収に止まりました。「Lojel」ブランドのキャリーケースが好調を維持し、また、ゴールデンウィークが10連休となったこともキャリーケースの売上増に寄与し、好調に推移してきましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、2020年2月に売上が減少に転じ、3月には売上が半減したため、前期並みの売上に止まりました。当初目標は前期比1.5%増であったため、当初目標比1.1%減となりました。
b.営業利益の状況
当社グループの連結会計年度における営業利益は、前期比28.3%減の2,670百万円となりました。
売上総利益率は、小売事業等では品種別では粗利益率が一番低いインポートバッグの売上構成比が増え、さらにインポートバッグの粗利益率自体も低下したものの、メンズバッグ、財布、雑貨等の粗利益率が改善し、前期比0.1ポイント改善しました。製造・卸売事業では、当連結会計年度の為替が前期と比較して円高で推移したこと等により前期比0.6ポイントの改善となり、当社グループとしては前期比0.3ポイントの改善となりました。一方、販売費及び一般管理費率は、2月、3月の売上の大幅な低下により前期比1.9ポイント増加の42.8%となりました。
売上総利益率は0.3ポイント改善したものの、売上高の減少により販売費及び一般管理費率が1.9ポイント増加したため、営業利益は前期比28.3%減と大幅に減少しました。当初目標は前期比4.1%増であったため、当初目標比31.1%減となり、売上高営業利益率は5.1%減となりました。
c.経常利益の状況
当社グループの連結会計年度における経常利益は、前期比26.8%減の2,762百万円となりました。営業利益が前期比大幅減となったことに伴うものであります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益の状況
当社グループの連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.4%減の1,668百万円となりました。これは営業利益の大幅な減少に伴うものであります。
自己資本利益率は、5.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店及び改装等であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、私募債及び銀行借入による資金調達、設備資金は主としてリース及び割賦による資金調達にて対応していくこととしております。
なお、2020年3月31日現在、実施中又は計画中の重要な資本的支出及びその資金調達源は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
a.経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業収益や雇用環境の改善により緩やかな景気回復基調で推移しましたが、世界経済は米中貿易摩擦の拡大や英国のEU離脱問題、中国・欧州の景気減速等の懸念材料が多く、先行きが不透明な状況が続きました。さらに、2019年12月に中国で発生した新型コロナウイルス感染症が2020年2月以降世界的に拡散して大流行となり、世界各地で都市封鎖が行なわれるなど世界経済に深刻な影響を与えております。
流通業界におきましては、消費税率の引き上げや物価上昇に対する消費者の不安感が強く、消費税増税前の駆け込み需要があったものの、その後の反動が続きました。さらに、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、インバウンド客数の減少、行政からの要請による不要不急の外出自粛、商業施設の営業自粛や営業時間の短縮等により2020年2月下旬以降、ファッション業界の売上は低下傾向が顕著となりました。
このような状況下で、当社が2019年7月に株式会社三香堂を100%子会社にするなど、当社グループは積極的な事業展開を進めてまいりましたが、第3四半期連結会計期間以降、消費税増税後の反動や新型コロナウイルス感染症拡大の影響による売上高の減少を余儀なくされ、当連結会計年度の売上高は52,523百万円(前期比5.8%減)と減収となりました。それに伴い、営業利益は2,670百万円(同28.3%減)、経常利益は2,762百万円(同26.8%減)とそれぞれ減益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、減損損失167百万円、固定資産除却損78百万円等を特別損失に計上したため、1,668百万円(同23.4%減)となりました。
なお、当社グループの報告セグメントは単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
事業部門ごとの状況は、以下のとおりであります。以下の数値につきましては、事業部門内の取引消去後かつ事業部間の取引消去前のものを記載しております。
⦅小売事業等⦆
小売事業については、「プライベートブランド(PB)商品の強化」、「ナショナルプライベートブランド(NPB)商品の拡大」、「ECの強化」、「リアル店舗の変革」に努めてまいりました。
「PB商品の強化」については、「kissora」、「efffy」、「SALON de RUBAN」、「Ficce,Brave」、そして2019年7月より当社グループに加わった株式会社三香堂の「日乃本帆布」を基幹ブランドとし、一般店舗での取扱いを拡大するとともに、ブランディングの強化のために「kissora」のオンリーショップを3店舗、「efffy」を中心とした「efffy’s closet」を1店舗、「日乃本帆布」のオンリーショップを2店舗出店しました。
「NPB商品の拡大」については、新たな商品開発や展開店舗の拡張を行ない、売上、利益の拡大を図ってまいりました。
「ECの強化」については、取扱商品の拡充、人員の増強等に注力し、EC売上高前期比は22.8%増となりました。また、2019年7月より越境ECの取り組みを開始しました。なお、店舗とECのポイントシステム、顧客管理システム、在庫管理システム等の統合を計画しておりましたが、統合の実現は2021年3月期にずれ込むこととなりました。
「リアル店舗の変革」については、店舗に在庫のない商品を、店頭でお客様にタブレット端末を見ながらご購入いただき、商品は後日、お客様のご自宅にお届けし、あるいは、店舗でお渡しする「リアル店舗EC」の取扱いブランドやアイテムを拡充し、売上向上を図ってまいりました。また、新規ブランド商品の導入や新業態開発に注力し、新しいショップブランドとして「LAPAX」業態を進化させた「DOUX SAC’S」、感度の高いアクセサリー・雑貨とバッグの併設店舗である「Sacs de Bijoux」を開設いたしました。
店舗につきましては、大型ショッピングセンターを中心に商業施設に出店しましたが、高速道路のサービスエリア、ホテルという立地にも初出店し、年間出店数は19店舗となりました。地域別内訳は、北海道・東北地区1店舗、関東地区5店舗、中部地区4店舗、近畿地区3店舗、中国・四国地区2店舗、九州地区4店舗であります。ショップブランドでは、株式会社東京デリカが「SAC’S BAR」を中心に、「SAC’S BAR Jean」、「GRAN SAC’S」「Booth by FILTERS」、「DRASTIC THE BAGGAGE」、「DOUX SAC’S」、「kissora」、「ekissora」を、株式会社三香堂が「日乃本帆布」を出店いたしました。
一方、不採算店等23店舗を退店しましたが、2019年7月に株式会社三香堂の5店舗が加わったため、期末店舗数は前期末より1店舗増加して640店舗となりました。
既存店売上高前期比は、2020年1月累計で99.3%とほぼ前期並みとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、外出自粛要請や営業時間の短縮等により2月が92.7%、3月が62.4%と大幅に低下し、小売事業等の売上高前期比は94.0%に止まりました。
品種別の売上の状況は、ハンドバッグは、NPB商品の売上が伸長したものの、PB商品、一般の仕入商品の売上が低下したため、前期比6.3%減の8,293百万円となりました。カジュアルバッグは、大きなトレンドがなく全般的に売上の低迷が続いて同16.9%減の3,486百万円と大きく減少しました。一方、インポートバッグは、リーズナブルな価格帯のブランドに対する需要が高くなり、同1.3%減の4,426百万円と健闘しました。財布・雑貨類のうち、財布は小型の財布の売上が好調に推移して同3.7%減に止まりましたが、雑貨はアクセサリー類の売上低下が続いて8.8%減となり、財布・雑貨類としては同5.1%減の14,269百万円となりました。メンズ・トラベルバッグは、メンズバッグはやや弱含みに推移し、7.0%減の12,460百万円となり、トラベルバッグは堅調に推移していたものの、2月、3月に新型コロナウイルス感染症の影響により大幅に売上が低下し、同6.6%減の5,638百万円となりました。
この結果、当事業部門の売上高は49,452百万円(前期比6.0%減)となりました。
また、売上構成比の高いメンズバッグの粗利益率が向上し、財布・雑貨の粗利益率も向上したものの、粗利益率の低いインポートバッグの売上構成比が高まり、その粗利益率がさらに低下し、ハンドバッグ、カジュアルバッグ、トラベルバッグの粗利益率もそれぞれ低下した結果、売上総利益率は前期比0.1ポイント向上し、47.9%となりました。一方、販売費及び一般管理費率は、第3四半期連結会計期間以降の売上高の低下に伴い上昇し、前期比1.9ポイント増加の43.4%となりました。
⦅製造・卸売事業⦆
製造・卸売事業につきましては、「LOJEL」ブランドのキャリーケースが好調を持続し、また、ゴールデンウィークが10連休となったこともキャリーケースの売上増に寄与して全般に好調に推移してきましたが、2020年2月に新型コロナウイルス感染症の国内外での拡大の影響により売上が減少に転じ、3月には売上が半減しました。
この結果、当事業部門の売上高は3,736百万円(前期比0.4%増)と微増収となりました。また、売上総利益率は前期と比較して為替が円高で推移したため、前期比0.6ポイントプラスの39.2%と改善しました。
b.財政状態
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて1,664百万円減少し、20,831百万円となりました。これは主に、商品及び製品が892百万円増加した一方で、受取手形及び売掛金が2,195百万円減少、現金及び預金が265百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて231百万円増加し、19,276百万円となりました。これは主に、投資有価証券が214百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,432百万円減少し、40,108百万円となりました。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて1,883百万円減少し、5,815百万円となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が714百万円減少、未払法人税等が413百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて280百万円増加し、5,052百万円となりました。これは主に、リース債務が101百万円減少した一方で、退職給付に係る負債が176百万円増加、資産除去債務が132百万円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて1,603百万円減少し、10,867百万円となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べて170百万円増加し、29,240百万円となりました。これは主に、剰余金の配当883百万円による減少、自己株式372百万円の増加があった一方で、親会社株主に帰属する当期純利益1,668百万円の計上等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて268百万円減少し、3,216百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて757百万円収入が減少し、2,693百万円のプラスとなりました。
主な収入要因は、税金等調整前当期純利益の計上額2,598百万円、売上債権の減少額2,206百万円であります。
一方、主な支出要因は、たな卸資産の増加額870百万円、仕入債務の減少額719百万円、法人税等の支払額1,268百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて1,272百万円支出が減少し、1,179百万円のマイナスとなりました。
主な支出要因は、新規出店及び改装等に伴う設備投資766百万円、投資有価証券の取得による支出300百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて392百万円支出が増加し、1,783百万円のマイナスとなりました。
主な支出要因は、配当金の支払額884百万円、リース債務の返済による支出464百万円であります。
③販売及び仕入の実績
当社グループは、鞄・袋物を核とする商品販売を単一の報告セグメントとしているため、セグメントごとの記載はしておりませんが、販売実績及び仕入実績については、鞄・袋物等の品種別に区分して記載しております。
a.販売方法
連結子会社である株式会社東京デリカにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しており、また、一部、インターネットによる小売販売等を行なっております。
連結子会社であるロジェールジャパン株式会社においては、主として、メンズバッグ・トラベルバッグ等を大型量販店等に卸売販売を行なっております。
連結子会社である株式会社カーニバルカンパニーにおいては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。
連結子会社である株式会社三香堂においては、直営店舗において一般消費者に直接販売しております。
b.品種別販売実績
| 商品別 | 売上高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 商品販売 | ハンドバッグ | 8,293,022 | 93.7 |
| カジュアルバッグ | 3,486,449 | 83.1 | |
| インポートバッグ | 4,426,400 | 98.7 | |
| 財布・雑貨 | 14,269,389 | 94.9 | |
| メンズ・トラベルバッグ | 21,168,922 | 93.7 | |
| その他 | 717,127 | 151.9 | |
| 小計 | 52,361,311 | 94.1 | |
| 不動産賃貸収入 | 162,040 | 117.5 | |
| 合計 | 52,523,351 | 94.2 | |
(注) 1 連結子会社からの大型量販店への卸売販売等は、メンズ・トラベルバッグ部門に計上しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.商品仕入実績
| 商品別 | 仕入高(千円) | 前年同期比(%) | |
| 商品仕入 | ハンドバッグ | 3,942,083 | 87.4 |
| カジュアルバッグ | 1,808,466 | 89.0 | |
| インポートバッグ | 2,730,487 | 95.3 | |
| 財布・雑貨 | 7,646,036 | 96.9 | |
| メンズ・トラベルバッグ | 11,586,538 | 96.3 | |
| その他 | 373,571 | 165.9 | |
| 合計 | 28,087,182 | 95.0 | |
(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.売上高の状況
当社グループの当連結会計年度における売上高は、前期比5.8%減、当初目標比8.0%減の52,523百万円となりました。
⦅小売事業等⦆
小売事業等の売上高は、前期比6.0%減の49,452百万円となりました。当連結会計年度においては、新設の大型ショッピングセンターを中心に高速道路のサービスエリアやホテルという立地にも初出店し、19店舗の出店を行ないました。一方、不採算店等23店舗を退店しましたが、2019年7月に株式会社三香堂の5店舗が加わったため、期末店舗数は前期末より1店舗増加して640店舗となりました。既存店売上前期比は、消費税増税前後の駆け込み需要と反動減があったものの、2020年1月累計では前年同期比99.3%とほぼ前期並みとなっていましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、外出自粛要請や営業時間の短縮等により2月が92.7%、3月が62.4%と大幅に低下し、小売事業等の売上高前期比は94.0%に止まりました。当初目標は前期比2.4%増であったため、当初目標比8.2%減となりました。
品種別に前期と比較して見ますと、インポートバッグは、リーズナブルな価格帯のブランドに対する需要が高くなり、単価が5.1%下落したものの、販売点数が4.1%増加し、売上高が1.3%減に止まりました。財布・雑貨類は、売上高が5.1%減となりました。財布は、単価が4.8%上昇したものの、販売点数が8.0%減少し、売上高が3.7%減となりました。雑貨はアクセサリーの売上低下が続き、単価が2.5%上昇したものの、販売点数が11.0%減少し、売上高が8.8%減となりました。メンズ・トラベルバッグは、売上高が6.9%減となりました。メンズバッグは、単価が1.6%上昇したものの、販売点数が8.4%減となり、売上高は7.0%減となりましたが、ケース類を中心としたトラベルバッグは、2020年1月迄は堅調に推移していましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大の影響を強く受けて、2月、3月に売上が大幅に減少し、売上高は6.6%減となりました。ハンドバッグは、単価は前期並みでしたが、販売点数が6.0%減となり、売上高が6.3%減となりました。カジュアルバッグは、単価は3.8%下落に止まりましたが、販売点数が13.5%減と大幅に減少したため、売上高が16.9%減と大きく減少しました。
⦅製造・卸売事業⦆
製造・卸売事業の売上高は、前期比0.4%増の3,736百万円と微増収に止まりました。「Lojel」ブランドのキャリーケースが好調を維持し、また、ゴールデンウィークが10連休となったこともキャリーケースの売上増に寄与し、好調に推移してきましたが、新型コロナウイルス感染症の国内外での感染拡大に伴い、2020年2月に売上が減少に転じ、3月には売上が半減したため、前期並みの売上に止まりました。当初目標は前期比1.5%増であったため、当初目標比1.1%減となりました。
b.営業利益の状況
当社グループの連結会計年度における営業利益は、前期比28.3%減の2,670百万円となりました。
売上総利益率は、小売事業等では品種別では粗利益率が一番低いインポートバッグの売上構成比が増え、さらにインポートバッグの粗利益率自体も低下したものの、メンズバッグ、財布、雑貨等の粗利益率が改善し、前期比0.1ポイント改善しました。製造・卸売事業では、当連結会計年度の為替が前期と比較して円高で推移したこと等により前期比0.6ポイントの改善となり、当社グループとしては前期比0.3ポイントの改善となりました。一方、販売費及び一般管理費率は、2月、3月の売上の大幅な低下により前期比1.9ポイント増加の42.8%となりました。
売上総利益率は0.3ポイント改善したものの、売上高の減少により販売費及び一般管理費率が1.9ポイント増加したため、営業利益は前期比28.3%減と大幅に減少しました。当初目標は前期比4.1%増であったため、当初目標比31.1%減となり、売上高営業利益率は5.1%減となりました。
c.経常利益の状況
当社グループの連結会計年度における経常利益は、前期比26.8%減の2,762百万円となりました。営業利益が前期比大幅減となったことに伴うものであります。
d.親会社株主に帰属する当期純利益の状況
当社グループの連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比23.4%減の1,668百万円となりました。これは営業利益の大幅な減少に伴うものであります。
自己資本利益率は、5.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の概況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの主要な運転資金需要は、商品仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、主要な設備投資資金需要は、店舗の新規出店及び改装等であります。
これらの資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フロー及び自己資金のほか、私募債及び銀行借入による資金調達、設備資金は主としてリース及び割賦による資金調達にて対応していくこととしております。
なお、2020年3月31日現在、実施中又は計画中の重要な資本的支出及びその資金調達源は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。