有価証券報告書-第39期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、個人消費及び経済活動の低迷が続き、厳しい状況となりました。
外食産業におきましても、政府・自治体の外出自粛要請や営業時間短縮要請等により、非常に厳しい状況が続いております。
このような状況の中、「すき家」をはじめとする牛丼カテゴリーの既存店売上高前年比は96.1%、「ココス」、「ジョリーパスタ」をはじめとするレストランカテゴリーの既存店売上高前年比は78.8%、「はま寿司」をはじめとするファストフードカテゴリーの既存店売上高前年比は90.1%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,950億48百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益120億88百万円(同42.2%減)、経常利益122億15百万円(同38.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22億59百万円(同81.1%減)となりました。
当連結会計年度末の店舗数につきましては、9,948店舗(FC4,395店舗含む)となりました。
セグメント別の概況につきましては、以下の通りであります。
a. 外食事業
外食事業の当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、売上高は5,076億28百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は105億71百万円(同48.0%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、お客様の生活スタイルの変化に対応した販売体制の強化を行ってまいりました。しかしながら、2021年1月に2回目の緊急事態宣言が発出されるなど厳しい経営環境が続いております。
外食事業における主要カテゴリーの状況は、以下の通りであります。
(牛丼カテゴリー)
牛丼カテゴリーの当連結会計年度の売上高は、2,162億43百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
株式会社すき家が経営する牛丼チェーンの「すき家」につきましては、「ニンニクの芽牛丼」(並盛500円)、「横濱オム牛丼」(同520円)、「食べラー・メンマ牛丼」(同520円)等の新商品を導入し、商品力の強化に努めてまいりました。また、「家でもおいしい」をテーマに、冬の定番商品である各種鍋商品をお持ち帰り可能にするなど、お客様の新しい生活スタイルへの対応にも積極的に取り組んでまいりました。今後ともお客様に愛される店舗づくりを目指すとともに、安全でおいしい商品を安心して召し上がっていただけるよう、さらなる品質管理の徹底と店舗水準の向上に努めてまいります。
株式会社なか卯が経営する丼ぶり・京風うどんの「なか卯」につきましては、新商品・季節限定商品の投入、既存商品のブラッシュアップによる商品力の強化、テイクアウト商品の充実、効果的な店舗販促を行い、業績の向上に努めてまいりました。
なお、牛丼カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、112店舗出店、45店舗退店した結果、3,064店舗(FC9店舗含む)となりました。
(レストランカテゴリー)
レストランカテゴリーの当連結会計年度の売上高は、941億92百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
株式会社ココスジャパンが経営するファミリーレストランの「ココス」につきましては、メニューのラインアップ強化、ごちそう感あふれるフェアメニューの投入、サービス水準の向上、テイクアウト商品のさらなる充実を図り、業績の向上に努めてまいりました。
株式会社ビッグボーイジャパンが経営するハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」等につきましては、メイン商品のブラッシュアップを図るとともに、お客様からご支持の高いサラダバー・スープバーをさらに充実させ、テイクアウト商品の強化を行うなど、業績の向上に努めてまいりました。
株式会社ジョリーパスタが経営するパスタ専門店の「ジョリーパスタ」につきましては、「おいしさと楽しさを追求するパスタ専門店」として、メニューのラインアップ拡充、安全でおいしい旬の食材を活かした新商品の投入を行い、一層のおいしさと楽しさを追求してまいりました。
株式会社TAG-1が経営する焼肉レストランの「熟成焼肉いちばん」、「宝島」、「牛庵」、「いちばん」等につきましては、業態コンセプトのブラッシュアップを図るとともに、肉の専門レストランとして厳選された牛肉と旬の食材を活かした品質の高い商品の提供、店舗サービス水準の向上に努めてまいりました。
株式会社華屋与兵衛が経営する和食レストランの「華屋与兵衛」につきましては、お客様の満足度向上を図るため、旬の食材を活かした和の魅力あふれる商品の開発、店舗従業員のサービス水準向上、労働生産性の改善等に努めてまいりました。
なお、レストランカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、43店舗出店、140店舗退店した結果、1,265店舗(FC79店舗含む)となりました。
(ファストフードカテゴリー)
ファストフードカテゴリーの当連結会計年度の売上高は、1,385億78百万円(前年同期比7.7%減)となりました。
株式会社はま寿司が経営する100円寿司チェーンの「はま寿司」につきましては、積極的な出店による業容の拡大を図るとともに、旬の食材を活かしたフェアメニューの投入及び商品品質の向上、店舗サービス・販促の強化、テイクアウト商品の充実等に努めてまいりました。
TCRS Restaurants Sdn.Bhd.が経営するチキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」は、ハラル認証を受け、マレーシアで広く展開しており、老若男女問わずファミリー層に支持されています。
なお、ファストフードカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、35店舗出店、11店舗退店した結果、957店舗(FC1店舗含む)となりました。
(その他カテゴリー)
その他カテゴリーの当連結会計年度の売上高は、586億14百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
当カテゴリーの主な内訳は、米国、カナダ、オーストラリアで寿司のテイクアウト店を展開しているAdvanced Fresh Concepts Corp.、家庭用冷凍食品販売の株式会社トロナジャパン、グループの物流機能を担う株式会社グローバルフレッシュサプライ、備品・ユニフォーム等を調達する株式会社グローバルテーブルサプライ等であります。
なお、その他カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、195店舗出店、191店舗退店した結果、4,533店舗(FC4,306店舗含む)となりました。
b. 小売事業
小売事業の当連結会計年度の売上高は、874億19百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は15億16百万円(同154.6%増)となりました。
当事業の内訳は、スーパーマーケット事業を展開する株式会社ジョイマート※及び青果販売等の株式会社ユナイテッドベジーズ等であります。
※株式会社ジョイマート(旧 株式会社マルヤ)は、小売事業の更なるマネジメントの強化を図るため2021年3月にグループ小売事業会社4社(株式会社マルエイ、株式会社尾張屋、株式会社フレッシュコーポレーション、株式会社アタック)を吸収合併いたしました。
なお、小売事業の当連結会計年度末の店舗数につきましては、2店舗出店、5店舗退店した結果、129店舗となりました。
当連結会計年度末における資産は3,960億23百万円となり、前連結会計年度末から301億69百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金、有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は3,105億92百万円となり、前連結会計年度末から315億32百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は854億30百万円となり、前連結会計年度末から13億62百万円減少いたしました。これは主に、自己株式の取得等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、自己株式の取得等を行った一方で、有形固定資産及び劣後特約付ローン等に伴う有利子負債の増加があった結果、当連結会計年度末には期首対比87億15百万円増加し、376億43百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、減価償却費等により、296億86百万円の資金の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、新規出店に伴う有形固定資産取得等により、235億19百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有利子負債の増加等により、17億53百万円の資金の増加となりました。
(注) フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりです。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりです。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における外食産業をとりまく状況は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、個人消費及び経済活動の低迷が続き、厳しい状況となりました。
外食産業におきましても、政府・自治体の外出自粛要請や営業時間短縮要請等により、非常に厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高5,950億48百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益120億88百万円(同42.2%減)、経常利益122億15百万円(同38.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22億59百万円(同81.1%減)となりました。
また、外食事業の当連結会計年度の売上高は5,076億28百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は105億71百万円(同48.0%減)、小売事業の当連結会計年度の売上高は、874億19百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は15億16百万円(同154.6%増)となりました。
当連結会計年度末における資産は3,960億23百万円となり、前連結会計年度末から301億69百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金、有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は3,105億92百万円となり、前連結会計年度末から315億32百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は854億30百万円となり、前連結会計年度末から13億62百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の減少及び自己株式の取得等によるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が一部で開始されたものの、感染症の収束時期は依然として不透明であります。このような経営環境のもと、当社は「食のインフラ」として、お客様に安全でおいしい食をお届けすることを基本方針とし、感染症拡大に対する政府及び各自治体のガイドラインに基づき、状況に応じて必要な取り組みを随時行ってまいります。
当社グループは、今後も食材調達から製造、物流、店舗での販売まで一貫して設計・運営を行うマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)の強みを活かして、安全でおいしい食を手軽な価格で提供する企業としてフード業世界一を目指し、さらなる成長を続けてまいります。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2019年5月14日に公表いたしました中期経営計画の進捗は下記の通りであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた政府・自治体の外出自粛要請の影響により既存店売上高が計画に達しなかったこと、及び新規出店数が下回ったこと等により2021年3月期は中期経営計画に対して未達となりました。
なお、2022年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、当初の中期経営計画の目標を修正した金額・指標としております。
(億円未満切捨て)
また、中期目標としてROE10%の達成、株主利益の増大と企業価値の向上のための重要な長期経営指標として売上高経常利益率10%を目指しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローが減価償却費等により296億86百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが新規出店に伴う有形固定資産取得等により235億19百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが有利子負債の増加等により17億53百万円の資金の増加となりました。
その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より87億15百万円増加し、376億43百万円となりました。
当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定ですが、新たな収益の源泉となり企業価値向上に貢献しうるM&A等の投資の検討も継続的に行っており、金融機関からの借入等による資金調達も併せて検討しております。
当社の発行登録予備格付けは、㈱日本格付研究所(JCR)からBBB格を取得しております。
手許の資金につきましては、複数の金融機関との連携強化により安定的に資金調達が出来る体制を整えており、十分な水準の資金を確保しております。また当社グループとしては、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。日本国内においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(10)その他の連結財務諸表作成のための重要な事項」に記載のとおり、当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
b.有形固定資産、無形固定資産等の減損
当社グループは、店舗資産をはじめとする有形固定資産、無形固定資産等について、店舗など概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングし、管理会計で使用している営業活動から生ずるキャッシュ・フローが継続してマイナスの資産グループについて減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定された資産について減損損失を計上しております。減損損失の認識の判定にあたっては、資産グループの割引前将来キャッシュ・フローの総額と、資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間は主要な資産の平均残存耐用年数としております。
認識すべきと判定された資産の減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は主に使用価値を使用しております。使用価値は、資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としております。
一方、耐用年数を確定できない商標権については、減損の兆候の有無にかかわらず連結会計年度末までに年に1度、減損テストを実施しております。減損テストは、商標権の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は使用価値(将来キャッシュ・フローの現在価値)を使用しております。
減損損失計上の判断にあたっては、主要な資産の平均残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において直営店舗他の減損損失(1,663百万円)を計上しております。
c.のれんの減損
当社グループは、のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位でグルーピングを行っており、その営業損益(のれん償却費考慮後)が継続してマイナスの事業について、のれんに減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定されたのれんについて減損損失を計上しております。
減損損失の認識の判定にあたっては、のれんが帰属する事業の割引前将来キャッシュ・フローの総額とのれんを含む資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間はのれんの残存耐用年数としております。
認識すべきと判定されたのれんの減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は使用価値を使用しております。使用価値は、のれんが帰属する事業の将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としております。
減損損失計上の判断にあたっては、のれんの残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度においてのれんの減損損失(596百万円)を計上しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、個人消費及び経済活動の低迷が続き、厳しい状況となりました。
外食産業におきましても、政府・自治体の外出自粛要請や営業時間短縮要請等により、非常に厳しい状況が続いております。
このような状況の中、「すき家」をはじめとする牛丼カテゴリーの既存店売上高前年比は96.1%、「ココス」、「ジョリーパスタ」をはじめとするレストランカテゴリーの既存店売上高前年比は78.8%、「はま寿司」をはじめとするファストフードカテゴリーの既存店売上高前年比は90.1%となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高5,950億48百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益120億88百万円(同42.2%減)、経常利益122億15百万円(同38.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22億59百万円(同81.1%減)となりました。
当連結会計年度末の店舗数につきましては、9,948店舗(FC4,395店舗含む)となりました。
セグメント別の概況につきましては、以下の通りであります。
a. 外食事業
外食事業の当連結会計年度の業績につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化しており、売上高は5,076億28百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は105億71百万円(同48.0%減)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、お客様の生活スタイルの変化に対応した販売体制の強化を行ってまいりました。しかしながら、2021年1月に2回目の緊急事態宣言が発出されるなど厳しい経営環境が続いております。
外食事業における主要カテゴリーの状況は、以下の通りであります。
(牛丼カテゴリー)
牛丼カテゴリーの当連結会計年度の売上高は、2,162億43百万円(前年同期比1.6%減)となりました。
株式会社すき家が経営する牛丼チェーンの「すき家」につきましては、「ニンニクの芽牛丼」(並盛500円)、「横濱オム牛丼」(同520円)、「食べラー・メンマ牛丼」(同520円)等の新商品を導入し、商品力の強化に努めてまいりました。また、「家でもおいしい」をテーマに、冬の定番商品である各種鍋商品をお持ち帰り可能にするなど、お客様の新しい生活スタイルへの対応にも積極的に取り組んでまいりました。今後ともお客様に愛される店舗づくりを目指すとともに、安全でおいしい商品を安心して召し上がっていただけるよう、さらなる品質管理の徹底と店舗水準の向上に努めてまいります。
株式会社なか卯が経営する丼ぶり・京風うどんの「なか卯」につきましては、新商品・季節限定商品の投入、既存商品のブラッシュアップによる商品力の強化、テイクアウト商品の充実、効果的な店舗販促を行い、業績の向上に努めてまいりました。
なお、牛丼カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、112店舗出店、45店舗退店した結果、3,064店舗(FC9店舗含む)となりました。
(レストランカテゴリー)
レストランカテゴリーの当連結会計年度の売上高は、941億92百万円(前年同期比21.8%減)となりました。
株式会社ココスジャパンが経営するファミリーレストランの「ココス」につきましては、メニューのラインアップ強化、ごちそう感あふれるフェアメニューの投入、サービス水準の向上、テイクアウト商品のさらなる充実を図り、業績の向上に努めてまいりました。
株式会社ビッグボーイジャパンが経営するハンバーグ&ステーキレストランの「ビッグボーイ」等につきましては、メイン商品のブラッシュアップを図るとともに、お客様からご支持の高いサラダバー・スープバーをさらに充実させ、テイクアウト商品の強化を行うなど、業績の向上に努めてまいりました。
株式会社ジョリーパスタが経営するパスタ専門店の「ジョリーパスタ」につきましては、「おいしさと楽しさを追求するパスタ専門店」として、メニューのラインアップ拡充、安全でおいしい旬の食材を活かした新商品の投入を行い、一層のおいしさと楽しさを追求してまいりました。
株式会社TAG-1が経営する焼肉レストランの「熟成焼肉いちばん」、「宝島」、「牛庵」、「いちばん」等につきましては、業態コンセプトのブラッシュアップを図るとともに、肉の専門レストランとして厳選された牛肉と旬の食材を活かした品質の高い商品の提供、店舗サービス水準の向上に努めてまいりました。
株式会社華屋与兵衛が経営する和食レストランの「華屋与兵衛」につきましては、お客様の満足度向上を図るため、旬の食材を活かした和の魅力あふれる商品の開発、店舗従業員のサービス水準向上、労働生産性の改善等に努めてまいりました。
なお、レストランカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、43店舗出店、140店舗退店した結果、1,265店舗(FC79店舗含む)となりました。
(ファストフードカテゴリー)
ファストフードカテゴリーの当連結会計年度の売上高は、1,385億78百万円(前年同期比7.7%減)となりました。
株式会社はま寿司が経営する100円寿司チェーンの「はま寿司」につきましては、積極的な出店による業容の拡大を図るとともに、旬の食材を活かしたフェアメニューの投入及び商品品質の向上、店舗サービス・販促の強化、テイクアウト商品の充実等に努めてまいりました。
TCRS Restaurants Sdn.Bhd.が経営するチキンライス専門店の「The Chicken Rice Shop」は、ハラル認証を受け、マレーシアで広く展開しており、老若男女問わずファミリー層に支持されています。
なお、ファストフードカテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、35店舗出店、11店舗退店した結果、957店舗(FC1店舗含む)となりました。
(その他カテゴリー)
その他カテゴリーの当連結会計年度の売上高は、586億14百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
当カテゴリーの主な内訳は、米国、カナダ、オーストラリアで寿司のテイクアウト店を展開しているAdvanced Fresh Concepts Corp.、家庭用冷凍食品販売の株式会社トロナジャパン、グループの物流機能を担う株式会社グローバルフレッシュサプライ、備品・ユニフォーム等を調達する株式会社グローバルテーブルサプライ等であります。
なお、その他カテゴリーの当連結会計年度末の店舗数につきましては、195店舗出店、191店舗退店した結果、4,533店舗(FC4,306店舗含む)となりました。
b. 小売事業
小売事業の当連結会計年度の売上高は、874億19百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は15億16百万円(同154.6%増)となりました。
当事業の内訳は、スーパーマーケット事業を展開する株式会社ジョイマート※及び青果販売等の株式会社ユナイテッドベジーズ等であります。
※株式会社ジョイマート(旧 株式会社マルヤ)は、小売事業の更なるマネジメントの強化を図るため2021年3月にグループ小売事業会社4社(株式会社マルエイ、株式会社尾張屋、株式会社フレッシュコーポレーション、株式会社アタック)を吸収合併いたしました。
なお、小売事業の当連結会計年度末の店舗数につきましては、2店舗出店、5店舗退店した結果、129店舗となりました。
当連結会計年度末における資産は3,960億23百万円となり、前連結会計年度末から301億69百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金、有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は3,105億92百万円となり、前連結会計年度末から315億32百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は854億30百万円となり、前連結会計年度末から13億62百万円減少いたしました。これは主に、自己株式の取得等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況
金額 | |
現金及び現金同等物の期首残高 | 289億28百万円 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 296億86百万円 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △235億19百万円 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 17億53百万円 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 376億43百万円 |
(参考)フリー・キャッシュ・フロー | 61億66百万円 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、自己株式の取得等を行った一方で、有形固定資産及び劣後特約付ローン等に伴う有利子負債の増加があった結果、当連結会計年度末には期首対比87億15百万円増加し、376億43百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、減価償却費等により、296億86百万円の資金の増加となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、新規出店に伴う有形固定資産取得等により、235億19百万円の資金の減少となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、有利子負債の増加等により、17億53百万円の資金の増加となりました。
(注) フリー・キャッシュ・フローは、以下の計算式を使っております。
フリー・キャッシュ・フロー=営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績は次のとおりです。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
生産金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
外食事業 | 71,272 | 100.6 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b. 受注状況
該当事項はありません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりです。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | |
金額(百万円) | 前年同期比(%) | |
外食事業 | 507,628 | 92.7 |
小売事業 | 87,419 | 105.6 |
合計 | 595,048 | 94.4 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における外食産業をとりまく状況は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、個人消費及び経済活動の低迷が続き、厳しい状況となりました。
外食産業におきましても、政府・自治体の外出自粛要請や営業時間短縮要請等により、非常に厳しい状況が続いております。
このような状況の中、当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、売上高5,950億48百万円(前年同期比5.6%減)、営業利益120億88百万円(同42.2%減)、経常利益122億15百万円(同38.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益22億59百万円(同81.1%減)となりました。
また、外食事業の当連結会計年度の売上高は5,076億28百万円(前年同期比7.3%減)、営業利益は105億71百万円(同48.0%減)、小売事業の当連結会計年度の売上高は、874億19百万円(前年同期比5.6%増)、営業利益は15億16百万円(同154.6%増)となりました。
当連結会計年度末における資産は3,960億23百万円となり、前連結会計年度末から301億69百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金、有形固定資産の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における負債は3,105億92百万円となり、前連結会計年度末から315億32百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債の増加等によるものであります。
当連結会計年度末における純資産は854億30百万円となり、前連結会計年度末から13億62百万円減少いたしました。これは主に、利益剰余金の減少及び自己株式の取得等によるものであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
今後の見通しにつきましては、新型コロナウイルス感染症に対するワクチン接種が一部で開始されたものの、感染症の収束時期は依然として不透明であります。このような経営環境のもと、当社は「食のインフラ」として、お客様に安全でおいしい食をお届けすることを基本方針とし、感染症拡大に対する政府及び各自治体のガイドラインに基づき、状況に応じて必要な取り組みを随時行ってまいります。
当社グループは、今後も食材調達から製造、物流、店舗での販売まで一貫して設計・運営を行うマス・マーチャンダイジング・システム(MMD)の強みを活かして、安全でおいしい食を手軽な価格で提供する企業としてフード業世界一を目指し、さらなる成長を続けてまいります。
② 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
2019年5月14日に公表いたしました中期経営計画の進捗は下記の通りであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた政府・自治体の外出自粛要請の影響により既存店売上高が計画に達しなかったこと、及び新規出店数が下回ったこと等により2021年3月期は中期経営計画に対して未達となりました。
なお、2022年3月期の連結業績予想につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえ、当初の中期経営計画の目標を修正した金額・指標としております。
(億円未満切捨て)
2020年 3月期 | 2021年 3月期 | 2022年 3月期 | ||||||
中期 経営計画 | 実績 | 差異 | 中期 経営計画 | 実績 | 差異 | 中期 経営計画 | 予想 | |
売上高 | 6,613 | 6,304 | △309 | 6,896 | 5,950 | △946 | 7,217 | 6,880 |
営業利益 | 238 | 209 | △29 | 269 | 120 | △149 | 307 | 225 |
(対売上高%) | (3.6%) | (3.3%) | (3.9%) | (2.0%) | (4.3%) | (3.3%) | ||
経常利益 | 221 | 199 | △22 | 251 | 122 | △129 | 288 | 207 |
(対売上高%) | (3.3%) | (3.2%) | (3.6%) | (2.1%) | (4.0%) | (3.0%) | ||
親会社株主に帰属 する当期純利益 | 104 | 119 | +15 | 120 | 22 | △98 | 145 | 91 |
(対売上高%) | (1.6%) | (1.9%) | (1.7%) | (0.4%) | (2.0%) | (1.3%) |
また、中期目標としてROE10%の達成、株主利益の増大と企業価値の向上のための重要な長期経営指標として売上高経常利益率10%を目指しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、営業活動によるキャッシュ・フローが減価償却費等により296億86百万円の資金の増加、投資活動によるキャッシュ・フローが新規出店に伴う有形固定資産取得等により235億19百万円の資金の減少、財務活動によるキャッシュ・フローが有利子負債の増加等により17億53百万円の資金の増加となりました。
その結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末より87億15百万円増加し、376億43百万円となりました。
当面の設備投資及び株主還元などは自己資金で賄う予定ですが、新たな収益の源泉となり企業価値向上に貢献しうるM&A等の投資の検討も継続的に行っており、金融機関からの借入等による資金調達も併せて検討しております。
当社の発行登録予備格付けは、㈱日本格付研究所(JCR)からBBB格を取得しております。
手許の資金につきましては、複数の金融機関との連携強化により安定的に資金調達が出来る体制を整えており、十分な水準の資金を確保しております。また当社グループとしては、当社及び国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。回収可能性がない部分については評価性引当額を認識し、繰延税金資産の帳簿価額より減額しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当社グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。日本国内においては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)(10)その他の連結財務諸表作成のための重要な事項」に記載のとおり、当社及び一部の連結子会社は連結納税制度を適用しており、法人税にかかわる部分については連結納税グループ全体として見積りしております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降において、繰延税金資産の回収可能性に変動が生じ、評価性引当額の追加認識又は取り崩しが生じ、当該期間の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
b.有形固定資産、無形固定資産等の減損
当社グループは、店舗資産をはじめとする有形固定資産、無形固定資産等について、店舗など概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングし、管理会計で使用している営業活動から生ずるキャッシュ・フローが継続してマイナスの資産グループについて減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定された資産について減損損失を計上しております。減損損失の認識の判定にあたっては、資産グループの割引前将来キャッシュ・フローの総額と、資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間は主要な資産の平均残存耐用年数としております。
認識すべきと判定された資産の減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は主に使用価値を使用しております。使用価値は、資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としております。
一方、耐用年数を確定できない商標権については、減損の兆候の有無にかかわらず連結会計年度末までに年に1度、減損テストを実施しております。減損テストは、商標権の帳簿価額と回収可能価額を比較することにより実施し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合には、その回収可能価額まで帳簿価額を減額し、減損損失を認識することとなります。回収可能価額は使用価値(将来キャッシュ・フローの現在価値)を使用しております。
減損損失計上の判断にあたっては、主要な資産の平均残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において直営店舗他の減損損失(1,663百万円)を計上しております。
c.のれんの減損
当社グループは、のれんが帰属する事業に関連する複数の資産グループにのれんを加えた、より大きな単位でグルーピングを行っており、その営業損益(のれん償却費考慮後)が継続してマイナスの事業について、のれんに減損の兆候が認められると判断し、減損損失を認識するかどうかの判定を行い、認識すべきと判定されたのれんについて減損損失を計上しております。
減損損失の認識の判定にあたっては、のれんが帰属する事業の割引前将来キャッシュ・フローの総額とのれんを含む資産グループの帳簿価額を比較しており、割引前将来キャッシュ・フローの見積期間はのれんの残存耐用年数としております。
認識すべきと判定されたのれんの減損損失は、帳簿価額を回収可能価額まで減じた額としており、回収可能価額は使用価値を使用しております。使用価値は、のれんが帰属する事業の将来キャッシュ・フローの現在価値とし、現在価値の算定に際して用いられる割引率は、貨幣の時間価値を反映した税引前の利率としております。
減損損失計上の判断にあたっては、のれんの残存耐用年数、将来の事業計画における売上高・材料費及び労務費等の営業損益項目を基礎とした将来キャッシュ・フロー、割引率その他の指標(成長率等)について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の事業計画や経済条件等の変化によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌年度以降の連結財務諸表において認識する金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は一時的には利益水準の落ち込みが見込まれる一方で、中長期的には影響はないものと仮定しております。
当社グループは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(連結損益計算書関係) ※4減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度においてのれんの減損損失(596百万円)を計上しております。