有価証券報告書-第38期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループは、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念を掲げています。この実現に向けて、人々の心を豊かにする商品やサービスの企画、開発、提供に努め、持続的成長を目指しています。
当期(2025年4月‐2026年3月)においては、成長力と収益力を両輪とし、株主価値向上に取り組んで参りました。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態の状況
資産の部
流動資産は、74,083百万円と前連結会計年度末比4,242百万円の増加となりました。これは主に仕掛品、商品化権の増加および売上債権の減少によるものです。
有形固定資産は、10,866百万円と前連結会計年度末比635百万円の増加となりました。これは主に工具、器具及び備品の増加によるものです。
無形固定資産は、1,813百万円と前連結会計年度末比302百万円の減少となりました。これは主にのれんの減少によるものです。
投資その他の資産は、16,596百万円と前連結会計年度末比169百万円の減少となりました。
以上の結果、資産の部は103,360百万円と前連結会計年度末比4,406百万円の増加となりました。
負債の部
流動負債は、24,815百万円と前連結会計年度末比1,955百万円の減少となりました。これは主に仕入債務の減少によるものです。
固定負債は、12,357百万円と前連結会計年度末比3,577百万円の減少となりました。これは主に長期借入金の減少によるものです。
以上の結果、負債の部は37,173百万円と前連結会計年度末比5,532百万円の減少となりました。
純資産の部
純資産の部は、66,187百万円と前連結会計年度末比9,939百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものです。
②経営成績の状況
当連結会計年度の連結業績は、売上高174,142百万円(前年同期比23.9%増)、営業利益17,455百万円(同14.1%増)、経常利益17,751百万円(同7.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益13,050百万円(同17.0%増)となりました。
各事業セグメントの概況は、以下のとおりです。
コンテンツ&デジタル事業セグメント
円谷プロダクション全体の国内・海外別の事業概況は以下の通りです。
国内事業におきましては、ライセンス収入、MD(物販)収入および映像・イベント収入が総じて堅調に推移し、前年同期比で増収となりました。「ウルトラマンシリーズ放送開始60周年」記念施策の一環として、幅広い顧客層に支持されている優良なIPホルダーとのコラボレーションを積極的に行うことにより、幅広い顧客層に「ウルトラマン」の浸透を図っています。以上の結果、国内の売上高は、5,003百万円(同6.4%増)となりました。
海外事業におきましては、前年同期比で減収・減益となりましたが、「ウルトラマン」は中国市場において引き続き高い認知度とファン基盤を有しており、中長期的な成長ポテンシャルに変化は無いものと認識しています。最も信頼できるライセンシーとの戦略的なパートナーシップの強化を通じて、新規カテゴリーのライセンス及びMDの拡充に向けた取り組みを着実に推進しています。以上の結果、海外の売上高は、4,349百万円(同36.6%減)となりました。
<国内・海外別収入内訳>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減率(%) | ||
| 国内 | 4,702 | 5,003 | +6.4% | |
| 海外 | 6,856 | 4,349 | △36.6% | |
| 合計 | 11,559 | 9,352 | △19.1% | |
以上の結果、当連結会計年度において、売上高は9,352百万円(前年同期比19.1%減)となりました。
主要なカテゴリー別の内訳は以下の通りです。
<ライセンス収入:4,159百万円(前年同期比39.2%減)>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減率(%) | ||
| 国内 | 969 | 1,003 | +3.6% | |
| 中国 | 5,287 | 2,557 | △51.6% | |
| 北米・アジア等 | 580 | 598 | +3.2% | |
| 合計 | 6,836 | 4,159 | △39.2% | |
国内市場におきましては、「ウルトラマンシリーズ放送開始60周年」記念事業が着実に進展しました。今後は周年期間の本格化に伴い、多様なパートナーシップを通じた多角的な露出を加速させ、「ウルトラマン」の付加価値の向上を図ってまいります。一方、中国市場におきましては、ライセンス収入は減少となりましたが、映像配信や上海でのイベントや新規の有料舞台公演が寄与し、映像・イベント分野では増収となりました。
<映像・イベント収入:2,964百万円(前年同期比1.0%増)>(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減率(%) | ||
| 国内 | 2,101 | 2,130 | +1.4% | |
| 海外 | 832 | 833 | +0.2% | |
| 合計 | 2,933 | 2,964 | +1.0% | |
当期の映像・イベント収入は、隔年秋開催の『TSUBURAYA CONVENTION 2025』、『ウルトラヒーローズEXPO 2025(夏・冬)』での観客動員数の増加を主因にほぼ前年並みに推移しました。
以上の結果、当セグメントの売上高は13,874百万円(前年同期比15.4%減)、営業利益は934百万円(同67.0%減)となりました。
アミューズメント機器事業セグメント
当連結会計年度におきましては、『e 新世紀エヴァンゲリオン ~はじまりの記憶~』をはじめとする有力IPを搭載した複数機種の販売が好調に推移したことに加え、通期に渡り『L 東京喰種』の増産ニーズに対応した結果、販売台数は約27.4万台(前年同期比33.6%増)となりました。これにより、2025年度(2025年4月-2026年3月)の市場販売台数に占める当社シェアは約18.2%(当社調べ)となりました。
また、当期は当社販売機種導入店舗に対し専用景品コーナーの設置を提案する等、パーラーの集客最大化に向けた各種施策も併せて実施いたしました。
有力タイトルの好調な販売およびシェア拡大が寄与し、当セグメントの売上高は159,069百万円(前年同期比29.2%増)、営業利益は19,881百万円(同30.1%増)となりました。
[遊技機販売台数]
| 前連結会計年度 (2025年3月31日) | 当連結会計年度 (2026年3月31日) | 増減率(%) | ||
| パチンコ | 92,540台 | 142,479台 | +54.0% | |
| パチスロ | 113,161台 | 132,293台 | +16.9% | |
| 合計 | 205,701台 | 274,772台 | +33.6% | |
[当累計期間の主な販売タイトル]
| 区分 | 主な販売タイトル | 販売台数 (万台) |
| パチンコ | e シン・ウルトラマン | 14.2 |
| e東京喰種 | ||
| e 犬夜叉3.0 | ||
| e ベルセルク無双 第2章 | ||
| e 新世紀エヴァンゲリオン ~はじまりの記憶~ | ||
| パチスロ | Lパチスロ 機動戦士ガンダムSEED | 13.2 |
| L ULTRAMAN | ||
| スマスロ デビル メイ クライ5 スタイリッシュトライブ | ||
| L 絶対衝激~PLATONIC HEART~ | ||
| LBパチスロ ヱヴァンゲリヲン ~約束の扉~ | ||
| L ダーリン・イン・ザ・フランキス | ||
| スマスロ 新鬼武者3 | ||
| L 絶対衝激IV | ||
| L 無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 | ||
| 合計 | 27.4 |
その他事業
その他事業の当連結会計年度の業績は、売上高1,783百万円、営業利益39百万円となりました。
(注1)本報告書に記載の数値は各社・各団体の公表値または当社推計によるものです。
(注2)本報告書に記載の商品名は各社の商標または登録商標です。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ18百万円減少し、30,835百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、7,477百万円(前年同期は7,779百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益17,303百万円、棚卸資産の増加12,495百万円、売上債権の減少8,407百万円、仕入債務の減少5,147百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2,315百万円(前年同期は1,100百万円の収入)となりました。これは主に固定資産の取得による支出2,131百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、5,195百万円(前年同期は13,520百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額3,108百万円、長期借入金の返済による支出2,207百万円によるものです。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 6,687 | +8.2 |
| アミューズメント機器事業 | 38,493 | +6.0 |
| 合計 | 45,180 | +6.3 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.金額は、製造原価によっています。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 受注高 (百万円) | 前期比(%) | 受注残高 (百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 11,607 | △14.3 | 1,348 | +1.1 |
| アミューズメント機器事業 | 151,632 | +2.9 | 26,177 | △20.6 |
| 合計 | 163,240 | +1.4 | 27,525 | △19.8 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.当連結会計年度において、受注実績に著しい変動がありました。これは主にアミューズメント機器事業における遊技機受注の減少によるものです。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| コンテンツ&デジタル事業 | 13,468 | △15.9 |
| アミューズメント機器事業 | 158,899 | +29.3 |
| その他 | 1,773 | +6.0 |
| 合計 | 174,142 | +23.9 |
(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主要な販売先については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため、記載を省略しています。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは主にアミューズメント機器事業における遊技機販売の増加によるものです。
d. 商品仕入実績
当連結会計年度における商品仕入実績は、次のとおりです。
| セグメントの名称 | 仕入高(百万円) | 前期比(%) |
| アミューズメント機器事業 | 98,123 | +52.8 |
| 合計 | 98,123 | +52.8 |
(注)1.金額は、仕入価格によっています。
2.当連結会計年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは主にアミューズメント機器事業における遊技機仕入の増加によるものです。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国の経済は、物価の高止まりなど一部に課題は残るものの、個人消費や設備投資の持ち直しを背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しました。海外経済については、地政学的リスクや政策動向等に伴う不確実性が引き続き存在する中で、状況の早期安定化が望まれています。このような経済環境のもと、当社の注力分野であるエンターテインメント・コンテンツ市場においては、政府の後押しも相まって日本のIPが世界で注目を集める中、グローバルにビジネス機会を捉え成長する企業や、新たにIPビジネス展開に乗り出し期待を集める企業が出始めるなど、市場は一層の活性化を見せています。
長きにわたりIPビジネスを推進してきた㈱円谷プロダクションを中核企業に擁する当社グループとしましては、「すべての人に最高の余暇を」という企業理念のもと、こうした市場の活況を確実に収益へ結びつけるべく、事業基盤の強化と成長分野への投資を並行して進め、持続的な成長および長期的な企業価値創出に向けた施策を着実に推進してまいりました。
アミューズメント機器事業の中核を担うフィールズ㈱では、パーラーの期待に応える遊技機をお届けし続けることで信頼を着実に獲得し、市場のシェアを高める結果となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、運転資金および設備投資資金等です。これらの資金需要につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび自己資金のほか、金融機関からの借入による資金調達にて対応していくこととしています。
手許の運転資金につきましては、当社および一部の連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。また、突発的な資金需要に対しては、当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いていますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しています。