有価証券報告書-第39期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:03
【資料】
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【項目】
109項目
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の激化等により先行きの不透明感が高まる中、2020年1月には、新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、その後、外出自粛などの影響を受け景況感が急激に悪化しました。
外食業界におきましては、停滞する個人消費、原材料価格の上昇や人手不足を背景とした人件費高騰に加え、消費税増税の影響など、依然として経営環境は厳しい状況の中、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きな逆風となりました。
このような環境下で、当社は、爆弾ハンバーグを中心とした商品力の向上に取り組んでまいりました。
店舗数につきましては、当事業年度中に台風による水害の影響により水戸北IC店を閉店いたしましたので、当事業年度末の店舗数は60店舗となりました。
当事業年度の業績につきましては、販売促進に努めたものの、既存店の売上高が伸び悩み、かつ、つくば西平塚店の改装休業、台風による被害や新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛による売上高減少等により、売上高は7,031,646千円(前年同期比4.0%減)となりました。
利益面では、原価率の低減やコストコントロールに努めたものの、売上高減少に伴う売上総利益の減少を補えず、当事業年度の営業利益は105,670千円(前年同期比64.2%減)、経常利益は144,920千円(前年同期比55.8%減)、当期純利益は水戸北IC店の台風被害にかかる保険差益73,678千円、つくば西平塚店の移転新築による収用補償金87,180千円及び同店舗の固定資産圧縮損71,809千円並びに減損損失56,138千円の計上等により、91,841千円(前年同期比66.7%減)と減収減益となりました。
②財政状態の状況
当事業年度末の資産の状況につきましては、流動資産は前事業年度末と比べて145,972千円減少し、718,629千円となりました。これは主として現金及び預金の減少によるものであります。固定資産につきましては前事業年度末と比べて1,530千円増加し、2,481,607千円となりました。これは主として有形固定資産の増加によるものであります。
この結果、総資産は前事業年度末に比べて144,441千円減少し、3,200,236千円となりました。
負債の状況につきましては、流動負債は前事業年度末と比べて184,896千円減少し、777,840千円となりました。これは主として未払金の減少及び圧縮未決算特別勘定の減少によるものであります。固定負債につきましては前事業年度末と比べて8,028千円減少し、479,477千円となりました。これは主として長期借入金の減少によるものであります。
この結果、総負債は前事業年度末に比べて192,925千円減少し、1,257,317千円となりました。
純資産の状況につきましては、前事業年度末に比べて48,483千円増加し、1,942,919千円となりました。これは主として配当金の支払及び当期純利益の計上によるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末と比べ84,869千円減少し、290,750千円となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動の結果得られた資金は、249,652千円(前年同期比28.1%減)となりました。これは主に税引前当期純利益176,436千円及び減価償却費182,405千円を計上したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動の結果使用した資金は234,504千円(前年同期比44.1%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出286,491千円を計上したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動の結果使用した資金は100,017千円(前年同期比30.0%減)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出56,558千円及び配当金の支払額43,459千円を計上したことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
生産実績を品目別に示すと、以下のとおりであります。
品 目前事業年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当事業年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額構成比金額構成比
千円%千円%
ハンバーグ571,109100.0545,264100.0
571,109100.0545,264100.0

(注)1 上記は、栃木工場における生産実績であります。
2 金額は製造原価によって表示しております。
3 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
b.食材等仕入実績
第38期及び第39期の食材等仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品 目第38期
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第39期
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額(千円)構成比(%)金額(千円)構成比(%)
肉類987,36344.9953,75344.7
米穀類188,7978.6176,0068.3
ドリンク類169,0477.7167,0257.8
青果類113,5945.2139,9746.6
その他741,49833.6693,83732.6
2,200,301100.02,130,596100.0

(注)1 金額は仕入価額によって表示しております。
2 上記の金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社は、最終消費者へ直接販売する飲食業を行っておりますので、受注状況は記載しておりません。
d.販売実績
第39期における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。なお当社は一般顧客を対象とした店舗販売ですので、特定の販売先はありません。
事業部門第39期
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
ファミリーレストラン部門(千円)7,031,64696.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
e.収容能力及び収容実績
地域第38期
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第39期
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
客席数
(席)
構成比
(%)
来店客数
(千人)
構成比
(%)
客席数
(席)
構成比
(%)
来店客数
(千人)
構成比
(%)
栃木県1,38126.71,59926.11,38127.01,54226.0
群馬県94418.21,26020.594418.51,21620.5
埼玉県1,44527.91,81829.61,44528.31,72129.1
茨城県1,07320.71,03816.91,00319.61,03317.5
千葉県3386.54246.93386.64096.9
合計5,181100.06,141100.05,111100.05,922100.0

(注) 客席数は、各店舗座席数を営業日数で加重平均して計算しております。
f.地域別販売実績
地域第38期
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
第39期
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
販売高(千円)構成比(%)販売高(千円)構成比(%)
栃木県1,917,00226.21,863,55426.5
群馬県1,452,90819.91,415,35420.1
埼玉県2,126,67929.02,031,16329.0
茨城県1,324,34118.11,233,54917.5
千葉県500,9456.8488,0246.9
合計7,321,877100.07,031,646100.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、事業年度末現在において判断したものであります。
また、セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、当社はファミリーレストラン事業の単一セグメントであることから記載を省略いたします。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、前事業年度に比べて減収減益となりました。この要因としては、前年に対して来客数が減少したことが挙げられます。これは、爆弾ハンバーグを中心とした販売促進が想定を下回ったこと及び2月以降の新型コロナウイルス感染拡大による来客数の大幅な減少の結果と考えます。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因として、人件費の上昇及び円安等による原材料費の上昇があります。これに対して、労働環境の整備と省力化による人件費の抑制、仕入方法の改善や商品開発の強化による原価率の低減に取り組んでまいります。
また、喫緊の課題として、新型コロナウイルス感染拡大による、来客数の急激な減少があり、これに対処すべくテイクアウト販売の強化等による売上高の確保、当座貸越枠16億円の増枠による資金繰りの安定化、休業補償等による雇用の維持、作業の見直し等による店舗の労働生産性の向上などに取り組みます。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容及び資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当事業年度のキャッシュ・フローは、税引前当期純利益の減少を主因とする営業キャッシュ・フローの減少等により、現金及び現金同等物は前年より減少いたしました。
当社の資本の財源及び資金の流動性については、運転資金は、修繕費他営業費用になります。設備資金は、店舗の改装及び空調機器の入替等です。資金については、利益及び内部留保を考慮しながら、最低限の銀行借り入れを活用しております。リースに関しては条件等を考慮して活用する方針です。
なお、新型コロナウイルス感染拡大による来客数の急激な減少に備えるため、当座貸越枠16億円の増枠など、保守的に手元資金を確保するための対策を行っております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、当社の経営陣は決算日における資産・負債の金額、並びに報告期間における収益・費用の金額のうち、見積りが必要となる事項について、過去の実績、現在の状況を勘案して可能な限り正確な見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これら見積りと異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項」に記載しておりますが、以下の会計方針及び見積りが財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。
a.固定資産の減損
当社は、郊外型レストラン「フライングガーデン」を多店舗展開しており、店舗に係る多額の固定資産を保有しております。
固定資産の減損については、キャッシュ・フローを生み出す最小単位として店舗を基本としたグルーピングを行っており、固定資産の回収可能価額が帳簿価額を下回った場合には減損処理を行っております。回収可能価額の評価にあたっては、将来キャッシュ・フローや資産グループの時価等の仮定を用いて合理的に見積りを行っておりますが、今後、店舗の業績悪化や地価等の大幅な下落等が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価して繰延税金資産を計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の評価については、当社の業績の推移等を踏まえ、将来の課税所得を十分に検討し、合理的なスケジューリングを考慮した上で判断しておりますが、今後、将来の課税所得やスケジューリングの予測に影響を与える変化が生じた場合には、繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。
c.資産除去債務の計上
当社は、店舗及び工場用土地並びに建物の不動産賃貸借契約に伴う原状回復義務等に備えるために資産除去債務を計上しております。
資産除去債務の計上にあたっては、賃貸借契約の満了期間(最長20年)を使用見込期間とし、閉店による退去等による過去の実績を基に算定した原状回復費用の見積り額を現在価値に割り引いて算出しておりますが、今後、閉店による退去によって使用見込期間や原状回復費用の見積り額等に影響を与える新たな事実が発生した場合には、資産除去債務の見積り額が変動する可能性があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、「第5 経理の状況 1(1)財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。