四半期報告書-第29期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 10:44
【資料】
PDFをみる
【項目】
34項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績等の状況
調剤薬局業界においては、新型コロナウイルスの感染拡大による患者様の医療機関への受診控え及び医療機関の外来診療の抑制により受付回数減少の影響を受ける等厳しい状況が続いております。また、2020年9月に施行された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律」(改正薬機法)によりオンライン服薬指導が全国で実施可能となる他、服薬期間中のフォローアップが義務化される等、より一層のオンラインの活用や生活様式の変化への対応が求められております。
当社グループではこのような激変した社会においても患者様に一番近い会社であり続けるため、引き続き新型コロナウイルスから患者様・従業員を守る経営を最優先してまいります。全社戦略についてはウィズコロナの時代の中で中期目標を実現するために、事業ポートフォリオの再構築を行い、「規模の拡大」「利益の最大化」「デジタル化」に全事業一体となって取り組んでおります。
オンライン服薬指導への対応としては、当社グループでは調剤薬局窓口支援システム「Pharms(ファームス)」をグループ薬局全店舗に順次導入を進め、受け入れ体制を整えております。
保険薬局事業の各拠点においては新型コロナウイルス感染拡大防止のため、従業員へのマスク配布、アクリルパーテーションの設置を行う他、オゾン除菌消臭器「AIR BUSTER(エアバスター)」を全国の当社グループ薬局に順次設置を進めるとともに、医療施設向けに同機器の販売促進活動を行っております。
当社グループでは、認知度向上による患者様・お客様の増加や、質の高いサービスを提供することによって定着化へ繋げるために、ブランディング戦略の一環として、商業施設への大型看板の設置や、薬剤師の活躍を描いたフジテレビドラマ「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」の番組連動CMを放映いたしました。
このような環境のもと、当第2四半期連結累計期間における当社グループ連結業績は、売上高79,090百万円(前年同期比2.7%減少)、営業利益2,080百万円(前年同期比39.4%減少)、経常利益2,109百万円(前年同期比41.7%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は630百万円(前年同期比65.6%減少)となりました。また、EBITDAについては、4,377百万円(前年同期比22.8%減少)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、97,909百万円となり、前連結会計年度末から4,963百万円減少しております。これは主に、現金及び預金が2,037百万円、受取手形及び売掛金が1,892百万円、のれんが1,103百万円減少したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、56,855百万円となり、前連結会計年度末から5,015百万円減少しております。これは主に、長期借入金が3,641百万円、未払法人税等が1,449百万円減少したことによるものであります。
当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、41,053百万円となり、前連結会計年度末から51百万円増加しております。これは主に、その他有価証券評価差額金が107百万円減少した一方、利益剰余金が100百万円、非支配株主持分が76百万円増加したことによるものであります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、「BPO事業」としていた報告セグメント名称を「医療関連事業」に変更しております。この変更はセグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。
①保険薬局事業
保険薬局事業の事業戦略については、M&Aや新規出店による規模の拡大、コスト構造改革による利益の最大化、次世代薬局などのデジタル化に取り組んでおります。
当第2四半期連結累計期間において、出店状況は、新規出店14店舗、事業譲受5店舗、子会社化による取得2店舗の計21店舗増加した一方、閉店等により7店舗減少した結果、当社グループ全体で店舗数は819店舗となりました。
また、当社グループでは新型コロナウイルス感染症による業績への影響を最小限にするための取り組みとしてコスト適正化プロジェクトによる、外部環境の変化に柔軟に対応できる強靭な企業体質への変革を進めております。
薬局運営においては、クオール薬局恵比寿店に自動薬剤ピッキング装置「ドラッグステーション」や、オープン型宅配便ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」、遠隔操作ロボット「newme(ニューミー)」等の最新鋭の技術を導入した次世代薬局のモデルを構築いたしました。
業績につきましては、処方の長期化による処方箋単価の上昇や、マスク・除菌消臭水などの感染予防商品の売上が増加した一方で、新型コロナウイルス感染症による受付回数の減少とそれに伴う技術料収入の減少、コンビニ店舗の売上減少等により減収減益となりましたが、国の求めるかかりつけ薬局・健康サポート薬局としての機能向上を進めるとともに、後発医薬品調剤体制加算や地域支援体制加算の取得店舗数を着実に伸ばしております。なお、健康サポート薬局の認定数は当第2四半期連結累計期間末時点で133店舗となりました。
その結果、売上高は前年同期比3,303百万円減少し72,336百万円(前年同期比4.4%減少)、営業利益は前年同期比1,704百万円減少し1,604百万円(前年同期比51.5%減少)となりました。
②医療関連事業
CSO事業においては、製薬メーカーのCMR(契約MR)の需要が増加しております。また、専門性の向上にも注力しており、一人当たりの派遣単価が上昇しました。今後も引き続き専門性の高いCMRや製薬企業への営業力などを強みに、ウィズコロナの時代に適した施策を提案してまいります。
紹介派遣事業においては、市場の需要と供給のバランスを鑑みた適正化を行っております。今後はM&Aによる職種増加と業界内シェア拡大を図ってまいります。
医薬品製造販売事業においては、当社グループ内での自社製品の販売促進と経費の見直しを行い、収益改善を実現しました。さらに、工場への設備投資、専門人材の採用や組織再編等、医薬品メーカーとしての機能強化も継続しており、受託製造をはじめとした事業の拡大に取り組んでおります。
その結果、売上高は前年同期比1,144百万円増加し6,754百万円(前年同期比20.4%増加)、営業利益は前年同期比144百万円増加し871百万円(前年同期比19.8%増加)となりました。
※EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
※CSO:Contract Sales Organizationの略
※CMR:Contract Medical Representativeの略
当第2四半期のセグメント利益と経営管理料調整後業績 (単位:百万円)
前第2四半期
(2019.4.1~2019.9.30)
当第2四半期
(2020.4.1~2020.9.30)
実績経営管理料調整後実績経営管理料調整後
保険薬局事業売上高75,639-75,63972,336-72,336
セグメント利益3,3095043,8131,6047972,402
利益率4.4%-5.0%2.2%-3.3%
医療関連事業売上高5,609-5,6096,754-6,754
セグメント利益7275177987163935
利益率13.0%-13.9%12.9%-13.8%


(2)キャッシュ・フロー
当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが2,862百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローが2,027百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローが2,875百万円の支出となりました。この結果、当第2四半期連結累計期間末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,040百万円減少し、13,726百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の減少額1,942百万円、税金等調整前四半期純利益1,886百万円、のれん償却額1,528百万円及び法人税等の支払額2,556百万円により、2,862百万円の収入(前年同期2,430百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出1,139百万円、敷金及び保証金の差入による支出448百万円、事業譲受による支出573百万円により、2,027百万円の支出(前年同期7,719百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の返済による支出4,713百万円、社債の償還による支出554百万円、配当金の支払額530百万円及び短期借入金の純増額2,000百万円、長期借入れによる収入1,000百万円により、2,875百万円の支出(前年同期3,346百万円の収入)となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
該当事項はありません。