有価証券報告書-第70期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国の相互関税政策の影響が顕在化する中、外需の減少により景気は減速傾向にありました。しかしその後、関税交渉の進展と過度な悲観の後退を受けて回復基調へ転じ、日銀短観においても大企業・製造業を中心に景況感の改善が見られるようになりました。足元では、AI需要を背景とした機械・半導体製造装置関連業種の改善が続いており、大企業・非製造業は消費関連業種が全体を下支えするかたちで横ばいを維持し、景気は緩やかな回復基調を維持しております。先行きの経済は、継続的な賃上げとインフレ率の低下による実質的な購買力の改善を背景に、個人消費の緩やかな増加が景気を下支えすることが見込まれます。また、AI関連需要による情報関連財輸出の下支えや、各国の緩和的な財政・金融政策を受けた世界景気の持ち直しにより、輸出が押し上げられる効果も期待されます。一方、原油高を背景とした企業の財輸出やインバウンド需要の下押し、対米貿易黒字を巡る追加関税リスクなど下振れ要因も残存しており、景気の回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しであります。
一方、世界経済は、米国では、関税政策を巡る不透明感の高まりを背景に、個人消費を中心として景気が減速し、企業景況感も悪化する局面が続きました。その後、非製造業の好調や企業の設備投資意欲の回復により一部で持ち直しの動きが見られ、足元ではISM景況感指数が節目を上回り、新規受注や生産・事業活動の拡大が確認されるなど、企業活動に明るさが見られます。他方、雇用環境の悪化を背景とした個人消費の減速が引き続き内需を下押ししており、景気は全体として減速する動きを見せております。中国では、対中追加関税の引き下げを受けて内外受注が底打ちし、当初は持ち直しの動きを見せました。その後は米国向け輸出の減少が下押し要因となったものの、ASEAN・NIEsやEU・アフリカ向けへの輸出多角化により外需は増勢を維持しました。一方、政府による耐久消費財補助の効果が低減し、内需は総じて減速傾向にあります。最も、足元では春節連休効果を背景にサービス消費が持ち直し、インフラ投資や輸出入も増加するなど一時的な上振れが見られますが、基調としては内需が軟調な状態が続いております。先行きは米国においては、関税政策による物価上昇や雇用環境の悪化が個人消費を中心とした内需を下押しし、引き続き景気は減速基調をたどると予想されます。ただし、AI関連分野を中心とした企業活動の活発さや、既往の利下げ効果の波及により年後半には景気が持ち直しに転じる見通しであり、実質GDP成長率は底堅い水準を維持する公算であります。中国においては、半導体関税の導入によるASEAN向け電子部品輸出の足踏みや、高い若年失業率・不動産の過剰在庫といった構造問題が未解決であることから、自律的な民需の回復は見込めず、政府主導のインフラ投資は継続されるものの、内外需ともに減速すると予想され、景気の本格的な回復には時間を要する見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景に急落し、30,357円まで下落しました。しかし、上乗せ分の関税について90日間の一時停止が発表されたことにより急反発した後に堅調に推移し、5月中旬には38,000円台まで値を戻しました。以降は同水準を中心とした保ち合いが続きましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。7月前半は上値の重い展開となりましたが、後半には日米関税交渉の合意が好感され42,000円台まで上昇しました。その後、調整局面を経て米国の関税交渉を巡る不透明感の後退から8月中旬には44,000円台目前まで続伸し、その後は利益確定の売りに押される場面もありましたが、9月に入ると世界的な株価の上昇が支援要因となり、45,000円台まで到達しました。10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しましたが、11月に入り、高値警戒感や利益確保の動きから軟調に推移、50,000円を挟んだ保ち合い相場となりました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込みました。
商品市場においては、原油は米国の相互関税政策を背景に金融市場でリスクオフ姿勢が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合で5月分の自主減産枠が予想を上回る規模で縮小されたことから急落し、52,000円を割り込みました。その後は中東で地政学リスクが高まったことや、米中貿易摩擦の緩和を背景に55,000円近辺での保ち合いが続きました。しかし6月に入り、イスラエルによるイランの核関連施設などへの攻撃、さらに米国もイランの核施設への攻撃に踏み切ったことを受けて急伸し、66,000円台まで上昇しました。その後、米国大統領がSNSで「イスラエルとイランは完全かつ全面的な停戦で合意した」と発表したことで大幅に下落し、57,000円を割り込みました。一方で、イエメンの親イラン武装組織が貨物船攻撃を再開したことにより中東の地政学リスクの高まりから60,000円を回復し、さらに米国がロシアへの経済制裁を一段と強化する考えを示したことから65,000円目前まで値を上げました。8月に入ると、OPECプラス有志国による自主減産が9月で終了することが決定し、需給緩和懸念から再び60,000円を割り込みましたが、ロシアがディーゼル燃料やガソリンの輸出制限方針を発表したことから、9月下旬にかけて堅調な推移となりました。10月に入り、イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザを巡る和平計画の第一段階で合意したことから地政学リスクの低下を背景に56,000円まで軟化しましたが、その後は米国によるロシアへの制裁によりロシア産原油に対する供給懸念から反発場面となり、11月は60,000円台前半での推移となりました。12月に入ると、ウクライナを巡る和平協議が進展するとの期待が高まり56,000円台まで下落しましたが、その後はベネズエラ産原油の輸出が減少するとの思惑から値を戻し58,000円台で推移しました。1月に入り米国がイランへの軍事介入の可能性を示唆したことや、米国の歴史的な大寒波を背景に64,000円台まで上昇、2月前半は63,000円を中心とした推移になりましたが、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したことからNY原油は119.48ドルまで急騰、国内市場も一時93,000円台まで上昇しました。
金は米国の相互関税政策による世界同時株安を背景として、マージンコール(追加証拠金の要求)を確保するための売りが金市場に波及し、一時14,000円台を割り込みました。ただし売りが一巡した後は、安全資産としての金を選好する動きが強まったほか、イラン核開発問題を巡る地政学リスクの高まりもあって反発し、NY市場では過去最高値を更新して3,500ドル台に乗せたことを背景に、国内市場も連れ高となりました。5月に入ると、米国の相互関税政策への過度な警戒感が後退したことから、軟調な場面も見られたものの、ウクライナとロシアの停戦期待が後退したことや、格付け大手による米国債格下げを受けて徐々に下値を切り上げ、6月には16,000円台まで到達しました。その後はNY市場が3,300ドルを中心とした保ち合いに終始し、国内市場も16,000円前半で高値警戒感から上値の重い展開が続きました。9月に入り米国の9月利下げを織り込み始める中、雇用情勢の悪化など米国景気減速懸念を背景に国内外ともに連日高値を更新し、世界最大の金ETFの金保有残高が増加傾向にあることも支援要因となり、10月にはNY市場が4,000ドルを突破、国内市場も20,000円台に達しました。調整場面の後、12月のFOMCで米国が3会合連続の利下げを決定したことや、くすぶる地政学リスクを背景に新高値を更新し、23,400円台に到達しました。1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となりました。2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したため、「有事の金買い」が台頭して堅調に始まりましたが、戦域が拡大して長期化するとの見方を背景に株式市場が急落、損失補填の換金売りやポジション調整の売りが強まり、再度22,000円台まで割り込みました。その後はインフレ再燃が懸念され値を戻し、24,000円台で取引を終えました。
為替市場においては、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高が進行しました。5月に入ると日米両中央銀行が政策変更に慎重な姿勢を示したことや米中関税交渉の進展によりリスク回避姿勢が和らぎ、148円台後半までドル高・円安が進行し、荒い動きとなりました。続いて144円近辺での推移となり、6月後半には中東情勢の緊迫化で一時148円台前半までドル高・円安が進行しました。しかし米国の仲介によりイスラエルとイランが停戦に合意したことで市場の緊張感が和らぎ、144円台前半までドル安・円高が進行しました。一方、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。しかし8月に入ると米国雇用統計が市場予想を下回ったことからFRBによる利下げ観測が強まり、146円台前半までドル安・円高が進みました。これを受けて147円台での一進一退の展開となりましたが、9月に入り日本国内の政局不安を背景に150円目前までドル高・円安が進行しました。しかし日銀高官の利上げに前向きな発言などを受けて147円台後半までドル安・円高が進みました。10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。12月は米国が利下げを実施した一方、日銀の金融政策決定会合後の日銀総裁の記者会見でのハト派的な発言など、強弱材料の綱引きとなり156円台を挟んで一進一退の展開となりました。1月は衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しましたが、ニューヨーク連銀がレートチェックを実施したとの報道を受けて日米協調介入の思惑が高まり、152円台前半まで急落しました。その後、衆議院選挙期間中は財政悪化懸念が強まり、ドル円は一時157円台後半まで反発しましたが、与党の衆議院選大勝により政権基盤が安定するとの見方から調整場面となり再び152円台までドル安・円高が進みました。3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,387千枚(前年同期比9.3%増)及び金融商品取引の総売買高1,999千枚(前年同期比14.4%減)となり、受入手数料12,510百万円(前年同期比66.0%増)、トレーディング損益198百万円の利益(前年同期比614.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
a. 営業収益
当連結会計年度の営業収益は12,991百万円(前年同期比69.6%増・5,329百万円増加)となりました。受入手数料は12,510百万円(前年同期比66.0%増・4,973百万円増加)、トレーディング損益は198百万円の利益(前年同期比614.1%増・170百万円増加)、金融収益は249百万円、その他の営業収益は32百万円(前年同期比66.0%減・64百万円減少)となりました。
b. 金融費用
当連結会計年度の金融費用は22百万円(前年同期比21.3%増・3百万円増加)となりました。
c. 純営業収益
当連結会計年度の純営業収益は12,969百万円(前年同期比69.7%増・5,325百万円増加)となりました。
d. 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,684百万円(前年同期比20.0%増・1,115百万円増加)となりました。この主な内訳は、人件費が4,500百万円(前年同期比25.7%増・920百万円増加)、租税公課が167百万円(前年同期比65.4%増・66百万円増加)、貸倒引当金繰入額が113百万円(前年同期比463.8%増・93百万円増加)、その他(電算機費等)が679百万円(前年同期比3.6%増・23百万円増加)となっております。
e. 営業利益
前連結会計年度に比べて純営業収益は5,325百万円増加し、販売費及び一般管理費は1,115百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は6,284百万円(前年同期比203.0%増・4,210百万円増加)となりました。
f. 営業外収益
当連結会計年度の営業外収益は96百万円(前年同期比5.0%増・4百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取配当金が56百万円(前年同期比4.2%増・2百万円増加)、その他(雑収入等)が17百万円(前年同期比14.4%増・2百万円増加)となっております。
g. 営業外費用
当連結会計年度の営業外費用は12百万円(前年同期比2.6%減・0百万円減少)となりました。この主な内訳は、投資事業組合運用損が12百万円(前年同期比182.9%増・8百万円増加)となっております。
h. 経常利益
前連結会計年度に比べて営業利益が4,210百万円、営業外収益は4百万円それぞれ増加したため、当連結会計年度の経常利益は6,368百万円(前年同期比195.8%増・4,215百万円増加)となりました。
i. 特別利益
当連結会計年度の特別利益は229百万円(前年同期比63.3%減・395百万円減少)となりました。この主な内訳は固定資産受贈益が27百万円、投資有価証券売却益が197百万円(前年同期比49.8%減、196百万円減少)となっております。
j. 特別損失
当連結会計年度の特別損失は53百万円(前年同期比52.6%減・58百万円減少)となりました。この主な内訳は、固定資産除売却損が15百万円、訴訟損失引当金繰入額が19百万円、金融商品取引責任準備金繰入額が18百万円(前年同期比86.8%増・8百万円増加)となっております。
k. 税金等調整前当期純利益
前連結会計年度に比べて特別利益が395百万円減少したものの、経常利益が4,215百万円増加し、特別損失が58百万円減少したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,544百万円(前年同期比145.5%増・3,878百万円増加)となりました。
l. 法人税等
当連結会計年度の法人税等は2,120百万円(前年同期比182.4%増・1,369百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が2,198百万円(前年同期比200.6%増・1,466百万円増加)、法人税等調整額が△77百万円(前連結会計年度は19百万円)となっております。
m. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,424百万円(前年同期比131.0%増・2,509百万円増加)となりました。営業収益合計に対する比率は34.1%(前連結会計年度は25.0%)となっております。自己資本利益率は27.7%(前連結会計年度は14.6%)となりました。また、1株当たり当期純利益は779.11円(前連結会計年度は343.86円)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は286,450百万円、負債総額は268,266百万円、純資産18,184百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額286,450百万円は、前連結会計年度末125,860百万円に比べて160,590百万円増加しております。この内訳は、流動資産が160,177百万円、固定資産が412百万円それぞれ増加したものであり、主に「委託者先物取引差金」が15,762百万円減少したものの「保管有価証券」が23,744百万円、「差入保証金」が150,559百万円それぞれ増加したものであります。
当連結会計年度末の負債総額268,266百万円は、前連結会計年度末112,060百万円に比べて156,205百万円増加しております。この内訳は、流動負債が156,101百万円、固定負債が85百万円それぞれ増加したものであり、主に「金融商品取引保証金」が8,515百万円減少したものの「預り証拠金」が111,775百万円、「預り証拠金代用有価証券」が23,744百万円、「委託者先物取引差金」が23,685百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産18,184百万円は、前連結会計年度末13,800百万円に比べて4,384百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が3,949百万円、その他の包括利益累計額が434百万円それぞれ増加したものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は6.3%(前連結会計年度末は11.0%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,215百万円の増加となり、11,353百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、2,993百万円(前年同期は1,765百万円の取得)となりました。これは、「差入保証金」の増加及び「金融商品取引保証金」の減少による資金の使用等があったものの、「預り証拠金」の増加、「委託者先物取引差金」の減少、「未収委託者取引差金」の減少、「未払委託者取引差金」の増加、及び「税金等調整前当期純利益」による資金の取得等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の取得は、742百万円(前年同期は827百万円の使用)となりました。これは、有価証券の取得による支出等があったものの、有価証券の償還による収入及び投資有価証券の売却による収入等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、520百万円(前年同期は407百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額によるものであります。
③ 商品デリバティブ取引業等
a. 当連結会計年度における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。
(受入手数料)
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(トレーディング損益)
(単位:千円)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
b. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引等の売買高に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。
(売買高の状況)
(単位:枚)
(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
c. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
(未決済建玉の状況)
(単位:枚)
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の国内委託売買高は、前年同期1,216千枚に対し当期1,359千枚と142千枚増加しております。これは、貴金属市場の委託売買高が195千枚増加(前年同期比22.22%増加)したことが主因となっております。また、貴金属市場の主要銘柄である金市場では1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となったことから前年度を上回る取引が集中しました。貴金属市場の取引手数料収入は、10,782百万円(前年同期比84.2%増)となり、国内商品デリバティブ取引手数料収入が、10,888百万円(前年同期比82.4%増)増加したことの主因となっております。
また、金融商品取引部門の国内委託売買高は、前年同期2,204千枚に対し当期1,873千枚と330千枚減少しておりますが、国内取引手数料収入は、1,581百万円(前年同期比2.1%増)となりました。これは、主力商品である日経225リセット付証拠金取引は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景にし、30,357円まで下落して始まりましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。その後も日米関税交渉の合意が好感されたことや10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりにさらに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込んだもの年間を通しての大幅な上昇を背景に取引所株価指数証拠金取引全体の委託売買高は、前年同期比24.8%増加となり、受入手数料(取引所株価指数証拠金取引)1,494百万円(前年同期比28.2%増)となっております。しかし、取引所為替証拠金取引における主力商品である米ドル円の証拠金取引は、当初、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高で開始しましたが、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。その後、10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。1月には衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しました。さらに3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。年間を通じてドル高基調だったものの取引所株価指数証拠金取引の主力商品である日経225や貴金属市場の主要銘柄である金市場に比べてボラティリティの低い相場であったため、取引所為替証拠金取引の委託売買高は、前年同期比84.0%減少となり、受入手数料(取引所為替証拠金取引)84百万円(前年同期比76.7%減)となっております。
このような結果、当連結会計年度の業績は商品デリバティブ取引業の受入手数料10,929百万円(前年同期比82.5%増)、金融商品取引業の受入手数料1,581百万円(前年同期比2.1%増)、トレーディング損益が198百万円の利益(前年同期比614.1%増)、金融収益249百万円、その他の営業収益32百万円となり、営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。
当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引き続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。手数料収入のおおよその割合は商品デリバティブ取引業が87%、金融商品取引業が13%となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第2「事業の状況」」「第4「提出会社の状況」」に記載しております。
当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向を総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(訴訟損失引当金)
訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。
また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、本項目において「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、米国の相互関税政策の影響が顕在化する中、外需の減少により景気は減速傾向にありました。しかしその後、関税交渉の進展と過度な悲観の後退を受けて回復基調へ転じ、日銀短観においても大企業・製造業を中心に景況感の改善が見られるようになりました。足元では、AI需要を背景とした機械・半導体製造装置関連業種の改善が続いており、大企業・非製造業は消費関連業種が全体を下支えするかたちで横ばいを維持し、景気は緩やかな回復基調を維持しております。先行きの経済は、継続的な賃上げとインフレ率の低下による実質的な購買力の改善を背景に、個人消費の緩やかな増加が景気を下支えすることが見込まれます。また、AI関連需要による情報関連財輸出の下支えや、各国の緩和的な財政・金融政策を受けた世界景気の持ち直しにより、輸出が押し上げられる効果も期待されます。一方、原油高を背景とした企業の財輸出やインバウンド需要の下押し、対米貿易黒字を巡る追加関税リスクなど下振れ要因も残存しており、景気の回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しであります。
一方、世界経済は、米国では、関税政策を巡る不透明感の高まりを背景に、個人消費を中心として景気が減速し、企業景況感も悪化する局面が続きました。その後、非製造業の好調や企業の設備投資意欲の回復により一部で持ち直しの動きが見られ、足元ではISM景況感指数が節目を上回り、新規受注や生産・事業活動の拡大が確認されるなど、企業活動に明るさが見られます。他方、雇用環境の悪化を背景とした個人消費の減速が引き続き内需を下押ししており、景気は全体として減速する動きを見せております。中国では、対中追加関税の引き下げを受けて内外受注が底打ちし、当初は持ち直しの動きを見せました。その後は米国向け輸出の減少が下押し要因となったものの、ASEAN・NIEsやEU・アフリカ向けへの輸出多角化により外需は増勢を維持しました。一方、政府による耐久消費財補助の効果が低減し、内需は総じて減速傾向にあります。最も、足元では春節連休効果を背景にサービス消費が持ち直し、インフラ投資や輸出入も増加するなど一時的な上振れが見られますが、基調としては内需が軟調な状態が続いております。先行きは米国においては、関税政策による物価上昇や雇用環境の悪化が個人消費を中心とした内需を下押しし、引き続き景気は減速基調をたどると予想されます。ただし、AI関連分野を中心とした企業活動の活発さや、既往の利下げ効果の波及により年後半には景気が持ち直しに転じる見通しであり、実質GDP成長率は底堅い水準を維持する公算であります。中国においては、半導体関税の導入によるASEAN向け電子部品輸出の足踏みや、高い若年失業率・不動産の過剰在庫といった構造問題が未解決であることから、自律的な民需の回復は見込めず、政府主導のインフラ投資は継続されるものの、内外需ともに減速すると予想され、景気の本格的な回復には時間を要する見通しであります。
証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景に急落し、30,357円まで下落しました。しかし、上乗せ分の関税について90日間の一時停止が発表されたことにより急反発した後に堅調に推移し、5月中旬には38,000円台まで値を戻しました。以降は同水準を中心とした保ち合いが続きましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。7月前半は上値の重い展開となりましたが、後半には日米関税交渉の合意が好感され42,000円台まで上昇しました。その後、調整局面を経て米国の関税交渉を巡る不透明感の後退から8月中旬には44,000円台目前まで続伸し、その後は利益確定の売りに押される場面もありましたが、9月に入ると世界的な株価の上昇が支援要因となり、45,000円台まで到達しました。10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しましたが、11月に入り、高値警戒感や利益確保の動きから軟調に推移、50,000円を挟んだ保ち合い相場となりました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込みました。
商品市場においては、原油は米国の相互関税政策を背景に金融市場でリスクオフ姿勢が強まったことや、石油輸出国機構(OPEC)プラスの会合で5月分の自主減産枠が予想を上回る規模で縮小されたことから急落し、52,000円を割り込みました。その後は中東で地政学リスクが高まったことや、米中貿易摩擦の緩和を背景に55,000円近辺での保ち合いが続きました。しかし6月に入り、イスラエルによるイランの核関連施設などへの攻撃、さらに米国もイランの核施設への攻撃に踏み切ったことを受けて急伸し、66,000円台まで上昇しました。その後、米国大統領がSNSで「イスラエルとイランは完全かつ全面的な停戦で合意した」と発表したことで大幅に下落し、57,000円を割り込みました。一方で、イエメンの親イラン武装組織が貨物船攻撃を再開したことにより中東の地政学リスクの高まりから60,000円を回復し、さらに米国がロシアへの経済制裁を一段と強化する考えを示したことから65,000円目前まで値を上げました。8月に入ると、OPECプラス有志国による自主減産が9月で終了することが決定し、需給緩和懸念から再び60,000円を割り込みましたが、ロシアがディーゼル燃料やガソリンの輸出制限方針を発表したことから、9月下旬にかけて堅調な推移となりました。10月に入り、イスラエルとイスラム組織ハマスが、パレスチナ自治区ガザを巡る和平計画の第一段階で合意したことから地政学リスクの低下を背景に56,000円まで軟化しましたが、その後は米国によるロシアへの制裁によりロシア産原油に対する供給懸念から反発場面となり、11月は60,000円台前半での推移となりました。12月に入ると、ウクライナを巡る和平協議が進展するとの期待が高まり56,000円台まで下落しましたが、その後はベネズエラ産原油の輸出が減少するとの思惑から値を戻し58,000円台で推移しました。1月に入り米国がイランへの軍事介入の可能性を示唆したことや、米国の歴史的な大寒波を背景に64,000円台まで上昇、2月前半は63,000円を中心とした推移になりましたが、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したことからNY原油は119.48ドルまで急騰、国内市場も一時93,000円台まで上昇しました。
金は米国の相互関税政策による世界同時株安を背景として、マージンコール(追加証拠金の要求)を確保するための売りが金市場に波及し、一時14,000円台を割り込みました。ただし売りが一巡した後は、安全資産としての金を選好する動きが強まったほか、イラン核開発問題を巡る地政学リスクの高まりもあって反発し、NY市場では過去最高値を更新して3,500ドル台に乗せたことを背景に、国内市場も連れ高となりました。5月に入ると、米国の相互関税政策への過度な警戒感が後退したことから、軟調な場面も見られたものの、ウクライナとロシアの停戦期待が後退したことや、格付け大手による米国債格下げを受けて徐々に下値を切り上げ、6月には16,000円台まで到達しました。その後はNY市場が3,300ドルを中心とした保ち合いに終始し、国内市場も16,000円前半で高値警戒感から上値の重い展開が続きました。9月に入り米国の9月利下げを織り込み始める中、雇用情勢の悪化など米国景気減速懸念を背景に国内外ともに連日高値を更新し、世界最大の金ETFの金保有残高が増加傾向にあることも支援要因となり、10月にはNY市場が4,000ドルを突破、国内市場も20,000円台に達しました。調整場面の後、12月のFOMCで米国が3会合連続の利下げを決定したことや、くすぶる地政学リスクを背景に新高値を更新し、23,400円台に到達しました。1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となりました。2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始したため、「有事の金買い」が台頭して堅調に始まりましたが、戦域が拡大して長期化するとの見方を背景に株式市場が急落、損失補填の換金売りやポジション調整の売りが強まり、再度22,000円台まで割り込みました。その後はインフレ再燃が懸念され値を戻し、24,000円台で取引を終えました。
為替市場においては、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高が進行しました。5月に入ると日米両中央銀行が政策変更に慎重な姿勢を示したことや米中関税交渉の進展によりリスク回避姿勢が和らぎ、148円台後半までドル高・円安が進行し、荒い動きとなりました。続いて144円近辺での推移となり、6月後半には中東情勢の緊迫化で一時148円台前半までドル高・円安が進行しました。しかし米国の仲介によりイスラエルとイランが停戦に合意したことで市場の緊張感が和らぎ、144円台前半までドル安・円高が進行しました。一方、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。しかし8月に入ると米国雇用統計が市場予想を下回ったことからFRBによる利下げ観測が強まり、146円台前半までドル安・円高が進みました。これを受けて147円台での一進一退の展開となりましたが、9月に入り日本国内の政局不安を背景に150円目前までドル高・円安が進行しました。しかし日銀高官の利上げに前向きな発言などを受けて147円台後半までドル安・円高が進みました。10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。12月は米国が利下げを実施した一方、日銀の金融政策決定会合後の日銀総裁の記者会見でのハト派的な発言など、強弱材料の綱引きとなり156円台を挟んで一進一退の展開となりました。1月は衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しましたが、ニューヨーク連銀がレートチェックを実施したとの報道を受けて日米協調介入の思惑が高まり、152円台前半まで急落しました。その後、衆議院選挙期間中は財政悪化懸念が強まり、ドル円は一時157円台後半まで反発しましたが、与党の衆議院選大勝により政権基盤が安定するとの見方から調整場面となり再び152円台までドル安・円高が進みました。3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。
このような環境のもとで、当社グループの当連結会計年度の商品デリバティブ取引の総売買高1,387千枚(前年同期比9.3%増)及び金融商品取引の総売買高1,999千枚(前年同期比14.4%減)となり、受入手数料12,510百万円(前年同期比66.0%増)、トレーディング損益198百万円の利益(前年同期比614.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。
当社の経営成績の概要は次のとおりであります。
a. 営業収益
当連結会計年度の営業収益は12,991百万円(前年同期比69.6%増・5,329百万円増加)となりました。受入手数料は12,510百万円(前年同期比66.0%増・4,973百万円増加)、トレーディング損益は198百万円の利益(前年同期比614.1%増・170百万円増加)、金融収益は249百万円、その他の営業収益は32百万円(前年同期比66.0%減・64百万円減少)となりました。
b. 金融費用
当連結会計年度の金融費用は22百万円(前年同期比21.3%増・3百万円増加)となりました。
c. 純営業収益
当連結会計年度の純営業収益は12,969百万円(前年同期比69.7%増・5,325百万円増加)となりました。
d. 販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は6,684百万円(前年同期比20.0%増・1,115百万円増加)となりました。この主な内訳は、人件費が4,500百万円(前年同期比25.7%増・920百万円増加)、租税公課が167百万円(前年同期比65.4%増・66百万円増加)、貸倒引当金繰入額が113百万円(前年同期比463.8%増・93百万円増加)、その他(電算機費等)が679百万円(前年同期比3.6%増・23百万円増加)となっております。
e. 営業利益
前連結会計年度に比べて純営業収益は5,325百万円増加し、販売費及び一般管理費は1,115百万円増加した結果、当連結会計年度の営業利益は6,284百万円(前年同期比203.0%増・4,210百万円増加)となりました。
f. 営業外収益
当連結会計年度の営業外収益は96百万円(前年同期比5.0%増・4百万円増加)となりました。この主な内訳は、受取配当金が56百万円(前年同期比4.2%増・2百万円増加)、その他(雑収入等)が17百万円(前年同期比14.4%増・2百万円増加)となっております。
g. 営業外費用
当連結会計年度の営業外費用は12百万円(前年同期比2.6%減・0百万円減少)となりました。この主な内訳は、投資事業組合運用損が12百万円(前年同期比182.9%増・8百万円増加)となっております。
h. 経常利益
前連結会計年度に比べて営業利益が4,210百万円、営業外収益は4百万円それぞれ増加したため、当連結会計年度の経常利益は6,368百万円(前年同期比195.8%増・4,215百万円増加)となりました。
i. 特別利益
当連結会計年度の特別利益は229百万円(前年同期比63.3%減・395百万円減少)となりました。この主な内訳は固定資産受贈益が27百万円、投資有価証券売却益が197百万円(前年同期比49.8%減、196百万円減少)となっております。
j. 特別損失
当連結会計年度の特別損失は53百万円(前年同期比52.6%減・58百万円減少)となりました。この主な内訳は、固定資産除売却損が15百万円、訴訟損失引当金繰入額が19百万円、金融商品取引責任準備金繰入額が18百万円(前年同期比86.8%増・8百万円増加)となっております。
k. 税金等調整前当期純利益
前連結会計年度に比べて特別利益が395百万円減少したものの、経常利益が4,215百万円増加し、特別損失が58百万円減少したため、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は6,544百万円(前年同期比145.5%増・3,878百万円増加)となりました。
l. 法人税等
当連結会計年度の法人税等は2,120百万円(前年同期比182.4%増・1,369百万円増加)となりました。この主な内訳は、法人税、住民税及び事業税が2,198百万円(前年同期比200.6%増・1,466百万円増加)、法人税等調整額が△77百万円(前連結会計年度は19百万円)となっております。
m. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は4,424百万円(前年同期比131.0%増・2,509百万円増加)となりました。営業収益合計に対する比率は34.1%(前連結会計年度は25.0%)となっております。自己資本利益率は27.7%(前連結会計年度は14.6%)となりました。また、1株当たり当期純利益は779.11円(前連結会計年度は343.86円)となりました。
以上の結果、当社の財政状態の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産総額は286,450百万円、負債総額は268,266百万円、純資産18,184百万円となっております。
当連結会計年度末の資産総額286,450百万円は、前連結会計年度末125,860百万円に比べて160,590百万円増加しております。この内訳は、流動資産が160,177百万円、固定資産が412百万円それぞれ増加したものであり、主に「委託者先物取引差金」が15,762百万円減少したものの「保管有価証券」が23,744百万円、「差入保証金」が150,559百万円それぞれ増加したものであります。
当連結会計年度末の負債総額268,266百万円は、前連結会計年度末112,060百万円に比べて156,205百万円増加しております。この内訳は、流動負債が156,101百万円、固定負債が85百万円それぞれ増加したものであり、主に「金融商品取引保証金」が8,515百万円減少したものの「預り証拠金」が111,775百万円、「預り証拠金代用有価証券」が23,744百万円、「委託者先物取引差金」が23,685百万円それぞれ増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産18,184百万円は、前連結会計年度末13,800百万円に比べて4,384百万円増加しております。この内訳は、主に株主資本が3,949百万円、その他の包括利益累計額が434百万円それぞれ増加したものであります。
当連結会計年度末の自己資本比率は6.3%(前連結会計年度末は11.0%)となっております。
なお、後記「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて3,215百万円の増加となり、11,353百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の取得は、2,993百万円(前年同期は1,765百万円の取得)となりました。これは、「差入保証金」の増加及び「金融商品取引保証金」の減少による資金の使用等があったものの、「預り証拠金」の増加、「委託者先物取引差金」の減少、「未収委託者取引差金」の減少、「未払委託者取引差金」の増加、及び「税金等調整前当期純利益」による資金の取得等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の取得は、742百万円(前年同期は827百万円の使用)となりました。これは、有価証券の取得による支出等があったものの、有価証券の償還による収入及び投資有価証券の売却による収入等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の使用は、520百万円(前年同期は407百万円の使用)となりました。これは主に配当金の支払額によるものであります。
③ 商品デリバティブ取引業等
a. 当連結会計年度における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。
(受入手数料)
(単位:千円)
| 区分 | 金額 | 前年同期増減比(%) | |
| 取引名及び市場名 | |||
| 商品デリバティブ取引 | |||
| 現物先物取引 | |||
| 農産物市場 | 87 | △96.5 | |
| 貴金属市場 | 10,782,812 | 84.2 | |
| ゴム市場 | 3,503 | △58.6 | |
| エネルギー市場 | - | - | |
| 中京石油市場 | 240 | △24.3 | |
| 小計 | 10,786,644 | 83.9 | |
| 現金決済先物取引 | |||
| 貴金属市場 | 24,184 | △15.2 | |
| エネルギー市場 | 68,375 | △6.6 | |
| 米穀指数市場 | 8,843 | - | |
| 小計 | 101,402 | △0.3 | |
| 国内市場計 | 10,888,046 | 82.4 | |
| 海外市場計 | 41,493 | 101.3 | |
| 商品デリバティブ取引計 | 10,929,540 | 82.5 | |
| 金融商品取引 | |||
| 取引所株価指数証拠金取引 | 1,494,350 | 28.2 | |
| 取引所為替証拠金取引 | 84,684 | △76.7 | |
| 株価指数先物取引 | 1,495 | △91.9 | |
| 証券媒介取引 | 913 | 8.8 | |
| 国内市場計 | 1,581,443 | 2.1 | |
| 海外市場計 | - | △100.0 | |
| 金融商品取引計 | 1,581,443 | 2.1 | |
| 合計 | 12,510,983 | 66.0 | |
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(トレーディング損益)
(単位:千円)
| 区分 | 金額 | 前年同期増減比(%) | |
| 取引名及び市場名 | |||
| 商品デリバティブ取引 | |||
| 現物先物取引 | |||
| 農産物市場 | - | - | |
| 貴金属市場 | 187,953 | 285.3 | |
| ゴム市場 | - | - | |
| 小計 | 187,953 | 285.3 | |
| 現金決済先物取引 | |||
| 貴金属市場 | - | - | |
| エネルギー市場 | 26,503 | - | |
| 米穀指数市場 | 7,714 | - | |
| 小計 | 34,217 | - | |
| 国内市場計 | 222,171 | 355.7 | |
| 商品デリバティブ取引計 | 222,171 | 355.7 | |
| 金融商品取引 | |||
| 取引所株価指数証拠金取引 | △12,108 | - | |
| 取引所為替証拠金取引 | △13,277 | - | |
| 株価指数先物取引 | - | - | |
| 国内市場計 | △25,386 | - | |
| 金融商品取引計 | △25,386 | - | |
| 商品売買損益 | |||
| 貴金属等現物売買取引 | 1,582 | 151.7 | |
| 商品売買損益計 | 1,582 | 151.7 | |
| 合計 | 198,367 | 614.1 | |
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
b. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引等の売買高に関して当連結会計年度中の状況は次のとおりであります。
(売買高の状況)
(単位:枚)
| 区分 | 委託 | 自己 | 合計 | ||||
| 取引名及び市場名 | 前年同期 増減比 (%) | 前年同期 増減比 (%) | 前年同期 増減比 (%) | ||||
| 商品デリバティブ取引 | |||||||
| 現物先物取引 | |||||||
| 農産物市場 | 205 | △93.5 | - | - | 205 | △93.5 | |
| 貴金属市場 | 1,073,011 | 22.2 | 18,766 | △22.8 | 1,091,777 | 21.0 | |
| ゴム市場 | 1,700 | △41.7 | - | - | 1,700 | △41.7 | |
| エネルギー市場 | - | - | - | - | - | - | |
| 中京石油市場 | 490 | △29.0 | - | - | 490 | △29.0 | |
| 小計 | 1,075,406 | 21.6 | 18,766 | △22.8 | 1,094,172 | 20.4 | |
| 現金決済先物取引 | |||||||
| 貴金属市場 | 10,597 | △49.4 | - | - | 10,597 | △49.4 | |
| エネルギー市場 | 270,971 | △12.9 | 1,140 | △23.2 | 272,111 | △13.0 | |
| 米穀指数市場 | 2,770 | - | 823 | - | 3,593 | - | |
| 小計 | 284,338 | △14.4 | 1,963 | 32.3 | 286,301 | △14.2 | |
| 国内市場計 | 1,359,744 | 11.7 | 20,729 | △19.6 | 1,380,473 | 11.1 | |
| 海外市場計 | 7,050 | △73.8 | - | - | 7,050 | △73.8 | |
| 商品デリバティブ取引計 | 1,366,794 | 9.9 | 20,729 | △19.6 | 1,387,523 | 9.3 | |
| 金融商品取引 | |||||||
| 取引所株価指数証拠金取引 | 1,745,540 | 24.8 | 3,462 | △37.5 | 1,749,002 | 24.5 | |
| 取引所為替証拠金取引等 | 128,060 | △84.0 | 121,844 | △0.8 | 249,904 | △73.0 | |
| 株価指数先物取引 | 362 | △89.5 | - | - | 362 | △89.5 | |
| 国内市場計 | 1,873,962 | △15.0 | 125,306 | △2.4 | 1,999,268 | △14.3 | |
| 海外市場計 | - | △100.0 | - | - | - | △100.0 | |
| 金融商品取引計 | 1,873,962 | △15.1 | 125,306 | △2.4 | 1,999,268 | △14.4 | |
| 合計 | 3,240,756 | △6.1 | 146,035 | △5.2 | 3,386,791 | △6.1 | |
(注)1. 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
2. 商品デリバティブ取引の主な商品別の委託売買高とその総委託売買高に対する割合は、次のとおりであります。
(単位:枚)
| 取引所名 銘柄名 | 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 取引所名 銘柄名 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | ||
| 委託売買高 | 割合(%) | 委託売買高 | 割合(%) | ||
| 大阪取引所 金(標準取引) | 557,195 | 44.8 | 大阪取引所 金(標準取引) | 724,211 | 53.0 |
| 大阪取引所 白金(標準取引) | 320,210 | 25.7 | 大阪取引所 白金(標準取引) | 347,690 | 25.4 |
| 東京商品取引所 東京原油 | 306,014 | 24.6 | 東京商品取引所 東京原油 | 266,969 | 19.5 |
3. 商品デリバティブ取引における取引の最低単位を枚と呼び、例えば金(標準取引)1枚は1,000グラムというように1枚当たりの数量は商品ごとに異なります。
c. 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち当連結会計年度末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は次のとおりであります。
(未決済建玉の状況)
(単位:枚)
| 区分 | 委託 | 自己 | 合計 | ||||
| 取引名及び市場名 | 前年同期 増減比 (%) | 前年同期 増減比 (%) | 前年同期 増減比 (%) | ||||
| 商品デリバティブ取引 | |||||||
| 現物先物取引 | |||||||
| 農産物市場 | 2 | △98.7 | - | - | 2 | △98.7 | |
| 貴金属市場 | 33,384 | △15.1 | - | - | 33,384 | △15.1 | |
| ゴム市場 | 249 | 120.4 | - | - | 249 | 120.4 | |
| エネルギー市場 | - | - | - | - | - | - | |
| 中京石油市場 | - | - | - | - | - | - | |
| 小計 | 33,635 | △15.0 | - | - | 33,635 | △15.0 | |
| 現金決済先物取引 | |||||||
| 貴金属市場 | 1,029 | △70.7 | - | - | 1,029 | △70.7 | |
| エネルギー市場 | 14,885 | △8.1 | 2 | - | 14,887 | △8.1 | |
| 米穀指数市場 | 290 | - | 83 | - | 373 | - | |
| 小計 | 16,204 | △17.8 | 85 | - | 16,289 | △17.4 | |
| 国内市場計 | 49,839 | △15.9 | 85 | - | 49,924 | △15.8 | |
| 海外市場計 | 1,213 | 439.1 | - | - | 1,213 | 439.1 | |
| 商品デリバティブ取引計 | 51,052 | △14.2 | 85 | - | 51,137 | △14.1 | |
| 金融商品取引 | |||||||
| 取引所株価指数証拠金取引 | 29,024 | △68.0 | - | - | 29,024 | △68.0 | |
| 取引所為替証拠金取引等 | 25,003 | △6.0 | 180 | - | 25,183 | △5.3 | |
| 株価指数先物取引 | 21 | △89.0 | - | - | 21 | △89.0 | |
| 国内市場計 | 54,048 | △54.0 | 180 | - | 54,228 | △53.9 | |
| 海外市場計 | - | - | - | - | - | - | |
| 金融商品取引計 | 54,048 | △54.0 | 180 | - | 54,228 | △53.9 | |
| 合計 | 105,100 | △40.6 | 265 | - | 105,365 | △40.5 | |
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループ(以下、本項目において「当社」という。)の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
本項目においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社が判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社は商品市場、証券市場及び為替市場等において多角的に商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業を展開しております。
当連結会計年度における当社の状況は、商品デリバティブ取引部門の国内委託売買高は、前年同期1,216千枚に対し当期1,359千枚と142千枚増加しております。これは、貴金属市場の委託売買高が195千枚増加(前年同期比22.22%増加)したことが主因となっております。また、貴金属市場の主要銘柄である金市場では1月には米国によるベネズエラへの軍事介入から地政学リスクの高まりを受けて続伸、新興国を中心とした中央銀行の金買いが今後も継続するとの見方も支援要因となり、NY市場は5,586.2ドルと新高値を記録し、国内市場も28,498円と新高値を更新しました。しかし急ピッチな上昇に対する警戒感を背景に持高調整や利益確定の売りが殺到、FRBの次期議長の人事を受けて早期利下げ観測が後退したことも圧迫要因となり、22,601円まで急落しました。その後は修正を経て26,000円台を回復、米国連邦最高裁が関税措置を違法と判断したことにより、関税政策を巡る不透明感が強まったことも上昇要因となったことから前年度を上回る取引が集中しました。貴金属市場の取引手数料収入は、10,782百万円(前年同期比84.2%増)となり、国内商品デリバティブ取引手数料収入が、10,888百万円(前年同期比82.4%増)増加したことの主因となっております。
また、金融商品取引部門の国内委託売買高は、前年同期2,204千枚に対し当期1,873千枚と330千枚減少しておりますが、国内取引手数料収入は、1,581百万円(前年同期比2.1%増)となりました。これは、主力商品である日経225リセット付証拠金取引は、米国の相互関税政策に伴う世界的な景気後退リスクの高まりを背景にし、30,357円まで下落して始まりましたが、米国の相互関税政策を巡る過度な懸念の後退や米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測を背景に上昇し、6月後半には40,000円台を回復しました。その後も日米関税交渉の合意が好感されたことや10月には自民党総裁選で緩和的な政策期待が高まったことを受け、高値を更新し52,000円台まで上昇しました。1月に入り、衆議院解散報道を手掛かりにさらに上昇基調で推移、2月の衆院選で与党が大勝したことから、財政拡張的な政策が進むとの期待感を背景に過去最高値を更新して60,000円目前まで上昇しました。しかしその後は、2月末に米国とイスラエルがイラン攻撃を開始、中東情勢の悪化が経済の圧迫要因になるとの見方から急落し、一時51,000円を割り込んだもの年間を通しての大幅な上昇を背景に取引所株価指数証拠金取引全体の委託売買高は、前年同期比24.8%増加となり、受入手数料(取引所株価指数証拠金取引)1,494百万円(前年同期比28.2%増)となっております。しかし、取引所為替証拠金取引における主力商品である米ドル円の証拠金取引は、当初、米国による相互関税の公表を受けた景気悪化懸念や、米国大統領によるFRBの独立性に関する発言やドル安誘導への思惑も重なり、一時140円台を割り込むなどドル安・円高で開始しましたが、米国の4~6月期の実質GDP成長率が市場予想を上回ったことから、FRBの早期利下げ観測が弱まり150円台後半までドル高・円安が進行しました。その後、10月に入ると自民党総裁選の結果を受けて、新政権の積極的財政政策を意識した投資家の円売り姿勢が強まったことから、154円台までドル高・円安が進行しました。加えて米国での政府閉鎖解除を受けてドル売り姿勢が和らいだほか、日本政府が大規模な補正予算を成立させるとの見方から、財政悪化懸念が高まり、157円台後半までドル高・円安が進行しました。1月には衆議院の解散報道を受けて各党が減税を打ち出したことから、財政悪化懸念を背景に159円台半ばへドル高・円安が進行しました。さらに3月に入ると米国とイスラエルによるイラン攻撃を受けて原油価格が急騰、リスク回避のドル買い圧力が強まった結果、約8ヶ月ぶりとなる160円台まで上昇しました。年間を通じてドル高基調だったものの取引所株価指数証拠金取引の主力商品である日経225や貴金属市場の主要銘柄である金市場に比べてボラティリティの低い相場であったため、取引所為替証拠金取引の委託売買高は、前年同期比84.0%減少となり、受入手数料(取引所為替証拠金取引)84百万円(前年同期比76.7%減)となっております。
このような結果、当連結会計年度の業績は商品デリバティブ取引業の受入手数料10,929百万円(前年同期比82.5%増)、金融商品取引業の受入手数料1,581百万円(前年同期比2.1%増)、トレーディング損益が198百万円の利益(前年同期比614.1%増)、金融収益249百万円、その他の営業収益32百万円となり、営業収益12,991百万円(前年同期比69.6%増)、純営業収益12,969百万円(前年同期比69.7%増)、経常利益6,368百万円(前年同期比195.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益4,424百万円(前年同期比131.0%増)となりました。
当社の収益の柱は、商品デリバティブ取引業及び金融商品取引業の2つに分けられます。収益比率では、前連結会計年度に引き続き、金を中心とした商品デリバティブ取引業の手数料収入が収益の大きな割合を占めました。手数料収入のおおよその割合は商品デリバティブ取引業が87%、金融商品取引業が13%となっております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社の当連結会計年度末における連結ベースのキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。また、株主還元につきましては、「第2「事業の状況」」「第4「提出会社の状況」」に記載しております。
当社の資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合などは、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保、財務の健全性及び安定性を維持するため、銀行等から借入を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向を総合的に勘案しながら最適な調達を実施しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
(繰延税金資産)
繰延税金資産は、将来の事業計画に基づく課税所得の発生時期及び金額によって認識し、繰延税金負債は、将来加算一時差異について認識しております。当該課税所得の見積りは、将来の不確実な経済条件の変動などによって影響を受ける可能性があり、実際に発生した課税所得の時期及び金額が見積りと異なった場合、繰延税金資産の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(訴訟損失引当金)
訴訟損失引当金の認識は、商品取引事故及び金融商品取引事故等による損失に備えるため、損害賠償請求等に伴う損失の見込額のうち、商品取引責任準備金及び金融商品取引責任準備金の期末残高を勘案して訴訟損失引当金を計上しておりますが、当社に対する新たな訴訟の提起や判決等により見積りと異なった場合、訴訟損失引当金の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、重要な会計上の見積りについての詳細は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(重要な会計上の見積り)」に記載されております。
また、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」「注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。