有価証券報告書-第22期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 12:59
【資料】
PDFをみる
【項目】
138項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う政府の緊急事態宣言の発令に始まり、経済活動は大幅に抑制され、企業収益の減少や個人消費の低下を招き景気は急速に悪化しました。緊急事態宣言が解除された後、感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを段階的に引き上げる中で、米中摩擦激化等のリスク要因が存在したものの各種政策の効果や海外経済の改善もあって持ち直しの動きがみられました。しかし、2021年1月には更に感染力の高い新型コロナウイルスの変異種の感染拡大懸念から2回目の緊急事態宣言が発令されるなど、経済は先行き不透明な状況が続きました。
FX市場におきましては、2020年4月に1米ドル=107円台前半で始まった米ドル/円相場は、OPECプラスの協調減産やトランプ米大統領による追加の景気刺激策の示唆などからリスク選好の動きが強まり、6月に一時109円台まで円安が進行しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の第2波への警戒感の高まりから107円台でもみあう展開が続きました。その後は米中対立の激化懸念や8月のFOMC追加緩和策期待による米国金利低下、EU復興基金合意を契機としてドル安が進行し、12月には一時102円台後半まで円高が進みました。しかし、2021年に入ると新型コロナウイルスのワクチンが普及し経済正常化の期待感が高まると米国金利は上昇し、日米金利差が拡大したことでドル買いに圧力がかかる中、FRBが金利上昇を容認する姿勢を示したことで米国金利の上昇は一段と加速し、当連結会計年度末は1米ドル=110円70銭で取引を終了しました。
このような市場環境のもと、当社グループの主力事業であるFX取引事業を中核とする金融商品取引事業は、子会社であるトレイダーズ証券において、『みんなのFX』(FX証拠金取引)、『LIGHT FX』(FX証拠金取引)、『みんなのシストレ』(自動売買ツールを利用したFX証拠金取引)及び『みんなのオプション』(FXオプション取引)のサービスを提供し収益確保を図ってまいりました。FX収益を確保する上で重要な指標となるFX顧客からの預り資産は、前期に引き続き好調な伸びを示し当連結会計年度末において650億56百万円(前連結会計年度末比135億68百万円増、26.4%増)まで増加しました。当連結会計年度のトレーディング損益は、上記の預り資産の増加により63億円(前年同期比3億44百万円増、5.8%増)と昨年記録した過去最高収益を更新しました。
また、子会社であるNextop.Asiaが営むシステム開発・システムコンサルティング事業は、トレイダーズ証券向けにFX取引システムの開発及び保守・運用を行うとともに、外部顧客向けにFX取引及び暗号資産取引に関連したシステム開発を行い収益の確保を図ってまいりました。当連結会計年度のシステム開発・システムコンサルティング事業における外部顧客に対する営業収益は、4億85百万円(前年同期比58百万円減、10.8%減)と前年同期を下回りました。
再生可能エネルギー関連事業を営むZEエナジーは、当社が保有していた株式の一部を譲渡したことで連結の範囲から外れ持分法適用関連会社となりました。このため、当連結会計年度よりZEエナジーが営んでいた再生可能エネルギー関連事業は、セグメント情報において「その他」に含めて表示しております。
以上の結果、営業収益合計は、68億56百万円(前年同期比1億79百万円増、2.7%増)となり、金融費用、原価等を差し引いた純営業収益合計は、64億31百万円(前年同期比3億56百万円増、5.9%増)となりました。
一方、販売費及び一般管理費は、人員増による人件費が12億25百万円(前年同期比68百万円増、5.9%増)に増加したこと、FX取引事業において、顧客取引及び顧客預り資産の拡大に向け広告宣伝費を増加させたことから、取引関係費が19億23百万円(前年同期比4億53百万円増、30.8%増)に増加したこと等により、40億74百万円(前年同期比5億41百万円増、15.3%増)と前年同期に比べ増加しました。
その結果、営業利益は、23億56百万円(前年同期比1億85百万円減、7.3%減)となりました。営業外収益は、受取利息及び配当金13百万円等により19百万円(前年同期比6百万円増、45.7%増)となり、営業外費用は、持分法による投資損失66百万円及び支払利息33百万円等により、1億3百万円(前年同期比1百万円減、1.8%減)となりました。
その結果、経常利益は22億72百万円(前年同期比1億77百万円減、7.3%減)となりました。特別利益は、ZEエナジー株式の譲渡による関係会社株式売却益が70百万円、特別損失は貸倒引当金繰入額61百万円、子会社であるインドネシア法人PJBの清算のための事業整理損失引当金繰入額41百万円及び子会社トレイダーズインベストメントが保有する投資有価証券評価損83百万円の計上等により1億99百万円となり、前年同期に比べ特別利益及び特別損失はともに増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は17億93百万円(前年同期比4億34百万円減、19.5%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(金融商品取引事業)
トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は63億51百万円(前年同期比3億46百万円増、5.8%増)、セグメント利益は18億82百万円(前年同期比4億63百万円減、19.8%減)となりました。
なお、FX取引事業の当連結会計年度末における顧客口座数、預り資産は以下のとおりとなりました。
顧客口座数 432,054口座(前連結会計年度末比 42,561口座増)
預り資産 650億56百万円(前連結会計年度末比 135億68百万円増)
(システム開発・システムコンサルティング事業)
Nextop.Asiaが営む当セグメントの営業収益は19億85百万円(前年同期比2億8百万円増、11.7%増)となりました。同収益の内訳は、グループ会社であるトレイダーズ証券に対するFX取引システムの開発・保守運用等の内部売上が15億円(前年同期比2億67百万円増、21.7%増)、外部顧客に対する売上が4億85百万円(前年同期比58百万円減、10.8%減)であります。セグメント利益は6億98百万円(前年同期比92百万円増、15.3%増)となりました。
② 当期の財政状態の概況
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末と比較して167億57百万円増加し、685億47百万円となりました。これは主に、外国為替差入証拠金が18億61百万円減少したものの、現金及び預金が10億73百万円増加したこと、FX取引カバー先に対する評価益等の未収債権であるトレーディング商品が6億86百万円増加したこと及びFX取引にかかる顧客分別金信託が168億32百万円増加したこと等によるものです。
負債合計は、前連結会計年度末と比較して149億45百万円増加し、612億26百万円となりました。これは主に、FX取引カバー先に対する評価損等の未払債務であるトレーディング商品が18億52百万円減少及び未払法人税等が2億81百万円減少したものの、外国為替受入証拠金が173億22百万円増加したこと等によります。
純資産は、前連結会計年度末と比較して18億11百万円増加し、73億21百万円となりました。これは主に、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益が17億93百万円となったこと等によるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、営業活動により17億27百万円増加、投資活動により5億10百万円減少、財務活動により1億51百万円減少しました。この結果、資金は、前連結会計年度末と比較して10億73百万円増加し、44億20百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況及び当該増減の要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金は、17億27百万円の収入超過(前年同期は11億26百万円の収入超過)となりました。これは主に、顧客分別金信託の増加による168億32百万円の支出、FX取引カバー先に対する評価益等の未払債務(トレーディング商品)減少による25億39百万円の支出、法人税等の支払による5億60百万円の支出といった資金減少要因があったものの、FX証拠金取引等にかかる短期差入保証金の減少による18億61百万円の収入、預り金及び受入保証金の増加による173億33百万円の収入、非資金費用である減価償却費2億8百万円の計上、税金等調整前当期純利益21億44百万円等の資金増加要因により資金が増加したものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金は、5億10百万円の支出超過(前年同期は3億85百万円の支出超過)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による2億15百万円の支出、貸付けによる67百万円の支出及び長期預け金の預入による1億75百万円の支出等により資金が減少したものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金は、1億51百万円の支出超過(前年同期は9億80百万円の収入超過)となりました。これは主に、短期借入金の返済による86百万円の支出、長期借入金の返済による60百万円の支出等により資金が減少したものです。
④生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発・システムコンサルティング事業(百万円)485△9.2

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「金融商品取引事業」及び「その他」事業につきましては、生産活動を行っていないため記載を省略しております。
4.当連結会計年度よりZEエナジーが営んでいた再生可能エネルギー関連事業は、セグメント情報において「その他」に含めて表示しております。
b. 受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)
システム開発・システムコンサルティング事業8134.232817.1

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「金融商品取引事業」事業及び「その他」事業につきましては、受注生産形態をとっていないため、記載を省略しております。
4.当連結会計年度よりZEエナジーが営んでいた再生可能エネルギー関連事業は、セグメント情報において「その他」に含めて表示しております。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比(%)
システム開発・システムコンサルティング事業(百万円)485△10.8

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.「金融商品取引事業」事業及び「その他」事業につきましては、受注生産形態をとっていないため、記載を省略しております。
4.当連結会計年度よりZEエナジーが営んでいた再生可能エネルギー関連事業は、セグメント情報において「その他」に含めて表示しております。
⑤金融商品取引事業の業務の状況
a. FX取引の売買等の状況
(a) FX証拠金取引
区 分前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
(%)
米ドル(百万ドル)895,4491,096,14422.4
メキシコペソ(百万ペソ)344,023826,100140.1
英ポンド(百万ポンド)355,195424,91119.6
豪ドル(百万ドル)205,454366,66278.5
ユーロ(百万ユーロ)159,237333,931109.7
トルコリラ(百万リラ)178,946135,228△24.4
南アフリカランド(百万ランド)80,260118,98748.3
ニュージーランドドル(百万ドル)23,80630,32727.4
人民元(百万元)4,0453,229△20.2
カナダドル(百万ドル)2,4772,82614.1
スイスフラン(百万フラン)1,0601,79068.9
ノルウェー(百万クローネ)7011,29885.1
ポーランド(百万ズロチ)953733△23.1
スウェーデン(百万クローナ)30848858.3
香港ドル(百万ドル)29837324.9
シンガポールドル(百万ドル)315101△68.0

(b) FXオプション取引
区 分前連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
当連結会計年度
(自 2020年4月1日
至 2021年3月31日)
前年同期比
(%)
米ドル(百万ドル)1112.1
ユーロ(百万ユーロ)1116.5
英ポンド(百万ポンド)0053.7

b. 自己資本規制比率
(単位:百万円)

前連結会計年度
2020年3月31日
当連結会計年度
2021年3月31日
基本的項目(A)4,4795,404
補完的項目その他有価証券評価差額金等00
金融商品取引責任準備金等00
一般貸倒引当金013
長期劣後債務00
短期劣後債務190100
(B)190113
控除資産計(C)344482
固定化されていない自己資本の額
(A)+(B)-(C)
(D)4,3255,035
リスク相当額市場リスク相当額49
取引先リスク相当額265187
基礎的リスク相当額8611,068
控除前リスク相当額(F)1,1321,265
暗号資産等による控除額
(第17条関係)
(G)-0
計 (F)-(G)(E)1,1321,265
自己資本規制比率 (D) / (E) × 100382.0%397.8%

(注)上記は金融商品取引法第46条の6第1項の規定に基づき、「金融商品取引業等に関する内閣府令」で定められた計算方法により算出しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たっては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては、過去の実績や状況等を勘案して合理的と考えられる様々な要因に基づき判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
a. 繰延税金資産の回収可能性
当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積り及び繰延税金資産の回収可能性の判断等に当たっては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、課税所得の見積りは将来の経営環境の変化や当社グループの事業活動の推移、その他の要因により変化します。なお、将来、課税所得の予測に影響を与える諸要因に変化があり、当社が繰延税金資産の回収可能性がないと判断した場合には繰延税金資産を取り崩す処理を行うため、連結損益計算書の法人税等調整額が増加し、親会社株主に帰属する当期純利益が減少する可能性があります。
b. 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討して回収不能見込額を計上しております。なお、将来、相手先の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
c. 固定資産の減損処理
当社グループは、主にインターネットを通じた金融商品取引事業を営んでおり、これらの事業に関する取引システム等については当社グループで開発しているため、多くの固定資産を保有しております。これらの保有する固定資産について、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の兆候があり、減損損失を認識すべきであると判断した場合には、固定資産の減損処理を行っております。なお、将来、営む事業の収益性の悪化や経営環境の変化等により、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
d. 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を保有しており、時価のある有価証券については時価法で、時価のない有価証券については原価法で評価しております。保有する投資有価証券につき、時価のあるものは株式市場の価格変動リスクを負っていること、時価のないものは投資先の業績状況等が悪化する可能性があること等から、実質価額が著しく下落し、その回復可能性が見込めないと判断した場合には、投資有価証券の減損処理を行っております。なお、将来、投資先の業績不振等により、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。
e. 事業整理損失引当金の計上基準
当社グループは、子会社であるインドネシア法人PJBの清算を決議し、同国の諸法制に基づく必要な清算手続きが完了するまでの費用を合理的に見積もり、引当計上しております。清算手続き完了の時期を2021年8月と見込んでおりますが、同国の清算に関する手続き(税務調査等)期間が延長となった場合には、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりです。
a. 営業収益
当連結会計年度の営業収益は、前連結会計年度に比べ増加しました。増加の主な理由は、金融商品取引事業において顧客預り資産が前連結会計年度に引き続き業界トップクラスの増加額及び増加率を達成し大きく伸長したことで、FX市場の変動率が小さくFX市場全体の取引量が少ない状況においてもトレーディング損益が大きく落ち込むことなく収益を安定して計上できたことによるものです。FX市場においては1年に数回フラッシュ・クラッシュと呼ばれ短時間の間に相場が急変動することがあり、FX取引事業者にとっては多額の損失を被る可能性もありますが多額の収益を獲得する機会でもあります。そのフラッシュ・クラッシュが前連結会計年度に比べ当連結会計年度は少なかったにもかかわらずトレーディング損益が増加したことは、顧客預り資産の増加を第一の目標にかかげ、様々な施策を実行してきた成果が実ったものと認識しております。
金融商品取引事業においては、戦略的なマーケティングにより費用対効果が向上したこと、多様な通貨ペアへの取り組みにより商品性強化が奏功したこと並びに『みんなのFX』及び『LIGHT FX』のブランドにより2つのサービスを差別化した事業戦略により、それぞれのサービスが補完しあう形で顧客層に浸透させることができたことで顧客預り資産は増加し取引量は増加しました。顧客預り資産の増加が安定した収益確保に寄与したことでトレーディング損益は過去最高収益を更新することができました。今後も、お客様の取引利便性の向上のために継続して取引システムの機能強化に努めるとともに、お客様目線に立った魅力ある施策を実行し、お客様に継続して取引を行っていただける取引環境の整備充実を図るよう同事業を営むトレイダーズ証券に求めていくことが重要であると認識しております。
システム開発・システムコンサルティング事業においては、外部への売上が前連結会計年度に比べ僅かに減少しました。システム開発に関する売上は減少したものの、前連結会計年度に納品した暗号資産システム等にかかる運用・保守に関する収益が増加し減少幅を抑えました。外部売上の減少の主な要因は、当連結会計年度は、トレイダーズ証券向けのFXシステムの追加開発を行い機能・安全性の強化に努めるとともに、トレイダーズ証券向けの新商品のシステム開発に注力したことに起因するものと考えております。
今後も品質の高いシステムをお客様に提供できるように、Nextop.Asiaには、同社の海外子会社を含めてシステム開発・運用管理体制のより一層の整備・強化に努めるよう求めていくとともに、トレイダーズ証券向けのデリバティブ商品の多様化を早期に実現するため商品開発のスピード向上に向けた対応を求めていくことが重要であると認識しております。
その他事業のZEエナジーにおいては、当連結会計年度の売上はありませんでした。2020年5月14日開催の取締役会でZEエナジーの株式を一部譲渡することを決議し、同年9月まで同社の運転資金にかかる資金支援を行いましたが、当社が提示した期限までに目標として定めた発電装置の機能改善を遂行できなかったことから当社グループでの事業継続を断念しました。現在同社は、協業の効果が期待できる外部企業からの資金支援により発電装置の改良を行っております。当社は、同社に対して貸付債権約3億円(当連結会計年度末現在)を保有しておりますが、既に全額貸倒引当金を計上しております。
b. 純営業収益
当連結会計年度の純営業収益は、前連結会計年度に比べ増加しました。増加の主な理由は、上記 a.と同様の理由により営業収益が増加したことによるものです。
c. 営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度に比べ減益となりました。減益の主な理由は、上記 b.純営業収益が増加したものの販売費及び一般管理費が増加したことによります。
当連結会計年度の販売費及び一般管理費が増加した第1の理由は、トレイダーズ証券の広告宣伝費が大きく増加したことにより取引関係費が増加したことであり、販売費及び一般管理費の増加額のほとんどが同社広告宣伝費の増加によるものです。当社は顧客預り資産の増加が営業収益増加の源泉であると考え、効果的に顧客預り資産を増加させるためにFX取引事業において広告宣伝費を投下しております。当連結会計年度は『LIGHT FX』が大きく収益を伸ばしたことにより、当該収益に応じて変動する『LIGHT FX』の広告宣伝費用が増加したことに加え、『みんなのFX』等の顧客獲得にキャッシュバック・WEB広告費等の費用を費やしたことで広告宣伝費が前連結会計年度に比べ大きく増加しました。その他の増加要因は、トレイダーズ証券及びNextop.Asiaにおいて業務拡充のために人員を増強したことによる人件費の増加、並びに2021年3月にトルコリラが急落したことにより発生した顧客への立替金に対する貸倒引当金繰入額の計上等があげられます。その結果、販売費及び一般管理費合計は前連結会計年度と比較しますと約15%増加しました。
販売費及び一般管理費については、費用が適正に配分されているか、支出金額は適正な水準となっているか等を継続して注視してまいります。
d. 経常利益
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ減益となりました。減益の主な理由は、上記 c.営業利益までの利益が減少したことによります。営業外収益は前連結会計年度とほぼ同水準の金額となり、営業外費用は当連結会計年度においてZEエナジーへ融資した金額を持分法投資損失として計上しましたが、前連結会計年度に比べ支払利息及び為替差損が減少したことで前連結会計年度と同水準の金額になりました。
e. 親会社株主に帰属する当期純利益
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ減益となりました。減益の主な理由は、上記 d.経常利益までの利益が減少したことに加え、特別利益としてZEエナジーの株式の一部売却により関係会社株式売却益を計上したものの、特別損失として、連結子会社PJB(インドネシア法人)による第三者への貸付金にかかる貸倒引当金繰入額の計上及びPJBの清算決議に伴う事業整理損失引当金繰入額の計上、トレイダーズインベストメントが保有するスリランカ企業が発行した転換社債型新株予約権付社債にかかる投資有価証券評価損の計上等により多額の特別損失を計上しました。当連結会計年度において、過去に投資を実行し成果が出なかった不採算事業(ZEエナジーが営む再生可能エネルギー関連事業、PJBが営む海外金融商品関連事業、トレイダーズインベストメントの海外投資案件等)の整理をほぼ終えることができました。今後これらの事業に関して損失が発生することはないと考えております。
また、当連結会計年度より、連結納税制度を適用しており、当連結会計年度は当社においてZEエナジー株式の一部譲渡及び貸付債権の一部譲渡等により税務上の課税所得が損失となったことからトレイダーズ証券及びNextop.Asiaの課税所得は当社の税務上の損失と相殺され、法人税、住民税及び事業税は前連結会計年度に比べ減少しました。一方、税効果会計による計算の結果、当連結会計年度は、繰延税金資産の一部取り崩しにより法人税等調整額(損失)を計上しており、繰延税金資産を計上(利益)した前連結会計年度に比べ税金費用が増加しました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(金融商品取引事業)
トレイダーズ証券が営む当セグメントの営業収益は、「② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a. 営業収益」に記載したとおりです。販売費及び一般管理費は、広告宣伝費、Nextop.Asiaへのレベニューシェア型のシステム利用料及び人件費等の増加で前連結会計年度に比べ8億15百万円増加したため、営業収益が前連結会計年度に比べ3億46百万円増加しましたが、セグメント利益は、前連結会計年度を4億63百万円下回りました。
トレーディング損益増加の源泉となる顧客預り資産の当連結会計年度末残高は、650億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ135億68百万円増加し、FX業界トップクラスの増加高・増加率を維持しました。
証券会社の財務指標となる自己資本規制比率は当連結会計年度末 397.8%(前連結会計年度末 382.0%)となり、財務の健全性を維持しております。
(システム開発・システムコンサルティング事業)
Nextop.Asiaが営む当セグメントの営業収益は、トレイダーズ証券からのFX取引システムの利用料及び外部へのシステム等の販売収入からなります。当連結会計年度における外部売上は、前連結会計年度に納品した暗号資産システム等の保守運用収益が増加したものの、システム開発等の販売収入が減少し、前連結会計年度を58百万円下回りました。一方、内部売上はトレイダーズ証券のトレーディング損益が増加したことから、レベニューシェア型である同システム利用料収入が前連結会計年度に比べ2億67百万円増加しました。その結果、当セグメントの営業収益は、前連結会計年度を2億8百万円上回りました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ、人件費、サーバー費用、減価償却費(ソフトウエア)等の増加により89百万円増加しました。その結果、セグメント利益は、前連結会計年度を92百万円上回りました。
Nextop.AsiaではFX取引システム及び暗号資産取引システム等の金融商品取引システムの開発を中心に行っており、優秀な開発人員の確保を含め、システム開発・運用管理体制を整備・強化し、当グループ内外へのシステムの安定的な提供を可能とする体制構築を図っております。翌連結会計年度において、トレイダーズ証券向けの新商品開発及び既存商品の追加開発並びに各商品の運用・保守を行うために国内・海外合わせて約50名の人員増強を予定しております。それにより売上原価及び人件費等の費用は増加しますが、トレイダーズ証券向けのデリバティブ商品の多様化を早期に実現し、当社グループ全体の利益増加に貢献することが極めて重要あると考えております。
なお、2021年3月にシステム開発・運用のニアショア拠点として宮城県仙台市に事務所を設立し、15名程度を配置することといたしました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、当社グループを取り巻く経営環境・事業環境・システム環境等の面から業績に影響を及ぼす事項について記載している「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記述したとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりです。
a. キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における資金の期末残高は、前連結会計年度と比べ10億73百万円増加し、44億20百万円となりました。資金の増減額は前連結会計年度と比べて6億44百万円の減少となっており、この主な増加又は減少要因は以下のとおりです。
営業活動によるキャッシュ・フローでは、17億27百万円の資金を得ました。前連結会計年度と比べて6億円収入増加となっておりますが、これは主にFX取引にかかる顧客区分管理信託の受払、カバー先金融機関への差入証拠金の受払及び顧客との受入証拠金の受払等の資金決済に起因して資金が8億69百万円増加したことによるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、5億10百万円の資金を使用しました。前連結会計年度と比べて1億24百万円の支出増加となっておりますが、これは主に信託管理人への預け金支払による支出が1億75百万円増加したことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローでは、1億51百万円の資金を使用しました。前連結会計年度と比べて11億31百万円の収入減少となっておりますが、これは主に前連結会計年度は借入及び社債の発行により資金が増加したものの、当連結会計年度は借入金の返済により資金が減少したことで純増減額が11億円28百万円減少したことによるものです。
b. 財務政策
当社グループが注力するFX取引事業は、カバー先金融機関に預託する証拠金や日々の取引損益の値洗いに伴う決済金、顧客区分管理信託の受払に伴う立替資金等多額の運転資金が必要となるため、事業を安定化させるためには多額の長期安定資金の確保が必要となります。資金繰りにおいては顧客の取引損益の増減により生じる日々のカバー先金融機関との決済、顧客区分管理信託の受払に関する必要額が予見しづらく、時として多額に上ることも想定されるため、手許の待機資金を十分厚く保持することが必要になります。とりわけ、海外カバー先金融機関からの資金の受取は1~2営業日の日数を要するため、トレイダーズ証券が一時的に多額の資金を立替えなくてはならない可能性があります。
当社グループの財務基盤は、業績の回復とともに改善してきており、利益の積み上げで資金が増加するとともに、金融機関からの融資の取り組みも徐々に増えてきております。しかしながら、当社の資金は、上記の資金需要をまだ十分に満たすには至っていないため、今後も金融機関に対する融資の交渉を続けるとともに、事業運営上の安定化を促進させるための取組みを行ってまいります。また、万が一、将来において業績が悪化する等の状況に陥り、資金調達が必要と判断した場合には、金融機関等からの借入だけにとどまらず、第三者割当増資又は新株予約権等のエクイティ・ファイナンス及び社債等のデット・ファイナンス等、可能な限りの資金調達方法を検討し、実行することを考えております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。