有価証券報告書-第19期(2022/04/01-2023/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況および分析の内容は次のとおりであります。
(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容
① 当連結会計年度の事業環境
当連結会計年度におけるわが国の景況感は、新型コロナウイルス感染症への対応と経済社会活動の両立が進み、個人消費が回復し、企業の設備投資が増加する等、全般的に持ち直しの傾向が続きました。一方、世界的なインフレや欧米等における金融引締め、及びエネルギー・原材料価格の高騰等によって、一部に弱さと不透明感がみられる状況となりました。
不動産市況については、住宅分譲市場では、首都圏において、2年連続で初月契約率が70%を超え、販売在庫数が約10年前の水準まで大幅に減少する等、堅調な販売動向が継続しています。賃貸オフィス市場では、前期と同様、空室率は直近数年間の中では高い水準で推移しましたが、価値観や働き方の多様化に即した、より付加価値の高いオフィスへの移転需要も見られました。また、コロナ禍の影響を大きく受けた商業・ホテル市場では、年度中盤以降、行動制限や入国制限の緩和等による、サービス消費やインバウンド需要の回復が進み、売上・稼働率が上昇傾向となりました。不動産投資市場では、前期と同様、国内の良好な資金調達環境と投資家の旺盛な投資意欲によって、物流施設・賃貸住宅等の物件取引量が堅調に推移し、市場規模の拡大が継続しました。不動産流通市場では、リテール事業において、旺盛な住み替え需要によって、首都圏中古マンションの取引件数が高い水準で推移し、平均取引価格の上昇が継続する等、堅調な市況が続いています。
② 当社グループの経営成績の状況及び分析の内容
このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は654,735百万円(前連結会計年度比9,686百万円、1.5%増)、営業利益は99,598百万円(同8,388百万円、9.2%増)、事業利益は105,172百万円(同12,406百万円、13.4%増)、経常利益は94,121百万円(同11,563百万円、14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は64,520百万円(同9,208百万円、16.6%増)となりました。
(売上高)
運営管理部門において、受注工事が増加したこと、海外部門において、住宅分譲事業の計上戸数が増加したこと等により、654,735百万円(前連結会計年度比9,686百万円、1.5%増)となりました。
(事業利益)
海外部門において、住宅分譲事業の計上戸数が増加したこと、仲介・CRE部門において、売買仲介事業の取扱高が増加したこと等により、105,172百万円(前連結会計年度比12,406百万円、13.4%増)となりました。
(経常利益)
事業利益が増加したこと等により、94,121百万円(前連結会計年度比11,563百万円、14.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益が増加したこと等により、64,520百万円(前連結会計年度比9,208百万円、16.6%増)となりました。
2023年3月期 経営成績の概要


◇ 経営上の目標の達成状況
経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。
※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。
※2 当連結会計年度の総還元性向については、2022年10月27日及び2023年1月26日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2022年10月28日~2023年4月14日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。
事業利益の推移 ROA・ROEの推移
※ROA=事業利益÷期中(平均)総資産
※ROE=当期純利益÷期中(平均)自己資本
1株当たり配当額・総還元性向の推移
※総還元性向:(1株当たり配当額+1株当たり自社株買い金額)
÷1株当たり当期純利益
③ 部門別の経営成績の状況及び分析の内容
部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。
(注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
3.当連結会計年度より以下のとおり報告セグメントの変更等を行っております。
(報告セグメントの変更等)
当連結会計年度より、「海外部門」を新設し、「その他」に区分していた野村不動産㈱の海外事業本部、及び海外現地法人等の区分を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
<住宅部門>当部門の売上高は302,480百万円(前連結会計年度比△6,745百万円、2.2%減)、事業利益は33,333百万円(同782百万円、2.4%増)と、前連結会計年度と比べ減収増益となりました。
これは主に、住宅分譲事業において、計上戸数が減少した一方で、粗利益率が向上したことによるものであります。
マンション分譲では「プラウドタワー芝浦」(東京都港区)、「プラウドタワー亀戸クロス」(東京都江東区)、「オハナ茅ヶ崎」(神奈川県茅ケ崎市)、「プラウド阪急塚口駅前」(兵庫県尼崎市)等を、戸建分譲では「プラウドシーズン練馬春日町 静華の街」(東京都練馬区)等、計4,142戸(前連結会計年度比187戸減)を売上に計上いたしました。
また、当連結会計年度末における契約済未計上残高は3,819戸(前連結会計年度末比271戸増)となっており、次期計上予定売上高に対する期首時点の契約率は74.8%となっております。
なお、共同事業における戸数、売上高、契約残高については事業シェア按分で計算しております。
更に、事業活動を通じた持続可能な社会への取り組みとして、ZEH※マンションの開発、戸建住宅への太陽光パネルの設置による、メガソーラーと同規模の発電といった、省エネ、創エネの取り組みを推進しております。また、新たな価値創造に向けたDXの取り組みとして、メタバース空間にて住宅購入相談ができるサービスの導入、オンラインツールを活用した情報提供等、お客様との接点のデジタル化を推進しており、今後も、より先進的な顧客体験価値の追求に挑戦してまいります。
※ 新築物件における省エネルギー性能指標(ZEH-M Oriented基準による)
住宅分譲事業 売上高・粗利益率の推移

売上高等内訳
(注)不動産投資市場向けに開発・販売する賃貸住宅を指します。
住宅分譲 期末完成在庫数(販売中)
住宅分譲 期末完成在庫数(未販売)
住宅分譲 契約済未計上残高
<都市開発部門>当部門の売上高は199,309百万円(前連結会計年度比△3,150百万円、1.6%減)、事業利益は39,529百万円(同938百万円、2.4%増)と、前連結会計年度と比べ減収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が減少した一方で、売却利益が増加したことによるものであります。
オフィスビルでは「PMO EX日本橋茅場町」、商業施設では「MEFULL川崎」、物流施設では「Landport上尾Ⅱ」等、計16物件が竣工しております。
また、企業ニーズの多様化や働き方の変化に対応して利便性を提供するオフィスブランド「PMO」、「H¹O(エイチワンオー)」、「H¹T(エイチワンティー)」を展開しており、サテライト型オフィス「H¹T」においては、当連結会計年度末時点で248店舗(提携先含む)まで拠点を拡大しております。
更に、建設時のCO2排出量削減に向けた取り組みとして、主要構造部への木造ハイブリッド構造の導入を開始しており、「H¹O青山」は、本構造を採用する中高層オフィスビルとして、不動産デベロッパー初※の竣工物件となりました。
また、物流DXへの取り組みとして、自動化機器等の効率的な活用で物流オペレーションを最適化するための企業間共創プログラム「Techrum」を推進し、物流企業や荷主の課題解決を図るとともに、EC需要の大幅な増加や深刻な人手不足等の社会課題に対応することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※ 主要構造部の柱・梁の一部について鉄骨造との木造ハイブリッド構造を採用している中高層賃貸オフィスビルの竣工は不動産デベロッパー初となります。
売上高内訳 (単位:百万円)
(注)不動産投資市場向けに開発・販売するオフィスビル・商業施設・物流施設等を指します。
賃貸収入(オフィス・商業施設)の増減分析
賃貸床面積
空室率(オフィス・商業施設)
賃貸床面積 収益不動産の売却額の推移

<海外部門>当部門の売上高は6,770百万円(前連結会計年度比4,141百万円増)、事業利益は7,288百万円(同6,996百万円増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は4,836百万円であります。
これは主に、住宅分譲事業の計上戸数が増加したことによるものであります。
住宅分譲事業では、前連結会計年度に引き続き、ベトナム・ホーチミンにおける「Grand Park Phase2」等を計上いたしました。
また、当連結会計年度においては、アジアでの住宅分譲事業に次ぐ収益の柱と位置づける収益不動産開発事業への取り組みとして、米国・ポートランドにおける再開発事業「Press Block プロジェクト」へ参画いたしました。
更に、アジアにおける住宅分譲事業では、企画・開発フェーズからの事業参画、品質改善のためのプロジェクト「KAIZEN」活動に取り組み、各国における住宅の高品質化・長寿命化等の基本性能の向上を通じて、持続可能な社会の実現を目指しております。
また、アジア・オセアニア地域での不動産テック企業に特化したベンチャーキャピタルファンド※ 「Real Tech Ventures Ⅰ」への出資等によって得た最先端のデジタル技術に関する知見等を活用し、今後の成長国における大規模な街づくりと新たな価値提供に挑戦してまいります。
※ 不動産や建築における課題解決に向け、新たなデジタル技術の開発を行うベンチャー企業の発掘と育成を目的としたファンド
売上高内訳 (単位:百万円)
<資産運用部門>当部門の売上高は13,632百万円(前連結会計年度比827百万円、6.5%増)、事業利益は8,089百万円(同253百万円、3.2%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、国内運用会社において運用資産残高が増加したことによるものであります。
基幹事業である国内REITビジネスにおいて、野村不動産マスターファンド投資法人(以下「NMF」)及び野村不動産プライベート投資法人(以下「NPR」)が、野村不動産株式会社より「Landport習志野」、「PMO浜松町Ⅱ」、「プラウドフラット上野松が谷」等、計8物件(取引額計52,484百万円)を取得したほか、投資家のニーズを捉えた私募ファンド組成が進む等、運用資産残高が順調に拡大しました。
更に、NMF及びNPRでは、当連結会計年度において、2050年カーボンニュートラルの目標を掲げ、再生可能エネルギー由来の電力や2重サッシ導入等の省エネ施策を積極的に推進しております。あわせて、NPRではサステナビリティに特化した投資家説明会を開催しました。こうした取り組みの結果、NMF・NPRともに2022年度GRESB評価※では最高評価となる5スターを取得し、NMFは上場区分、NPRは上場・非上場区分において、アジア・総合型「セクターリーダー」を取得しました。引き続き、ESGの潮流と投資家ニーズを意識した運用を通じて投資主価値の向上を目指してまいります。
※ GRESB:不動産会社・ファンドのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価
(単位:百万円)
運用資産残高 (単位:百万円)
期末運用資産残高の推移
<仲介・CRE部門>当部門の売上高は47,700百万円(前連結会計年度比3,937百万円、9.0%増)、事業利益は13,822百万円(同2,106百万円、18.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、売買仲介事業における取扱高が増加したことによるものであります。
野村不動産ソリューションズ株式会社におけるリテール事業では、2022年4月に「亀戸センター」、同年11月に「塚口センター」をオープンし、当連結会計年度末における個人のお客様向けの店舗数は88店舗となりました。
また、野村の仲介+(PLUS)の新規店舗や移転店舗における、森林保全を目的とした「木製家具」や環境素材の「珪藻土クロス」等環境に配慮した店舗内装の採用の他、従業員の健康管理を考えた取り組み等が評価され、同社が5年連続で「健康経営優良法人2023(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定される等、サステナビリティ経営を推進しております。DX推進においては、マイナンバーを活用した不動産取引のオンライン化の共同研究や電子契約手続を起点としたデジタル活用による顧客体験の変革など、積極的なDX投資による競争優位性の確立と営業生産性の向上に取り組み、更なる成長の加速に努めてまいります。
売上高内訳 (単位:百万円)
(注)売買仲介の区分は以下の通りであります。
・リテール:個人向け
・ミドル:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け
・ホールセール:大企業、ファンド、海外投資家向け
売買仲介取扱件数・取扱高
リテール仲介手数料推移 ミドル仲介手数料推移
ホールセール仲介手数料推移

<運営管理部門>当部門の売上高は105,474百万円(前連結会計年度比6,244百万円、6.3%増)、事業利益は9,878百万円(同673百万円、7.3%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、受注工事が増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度末におけるビル等管理件数は782件(前連結会計年度末比10件増)、住宅管理戸数は189,574戸(同3,025戸増)となっております。
また、野村不動産パートナーズ株式会社では、大規模修繕工事の長周期化商品「re:Premium(リ・プレミアム)」(2017年発表)、「re:Premium Duo(リ・プレミアム デュオ)」(2021年発表)の開発に続き、工事実施時期に修繕積立金が不足している管理組合向けに、独自の新しい瑕疵保険を用いて、工事実施時期を延伸する仕組みを開発しました。事前の調査・メンテナンスの実施で大規模修繕工事の着工時期を遅らせ、その間に修繕積立金会計を健全化する仕組みであり、本取り組みが、国土交通省が支援する「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定される等、事業活動を通じて、持続可能な街づくりに寄与する取り組みを推進しております。
更に同社は、2022年住まいサーフィン「管理会社満足度調査」において14年連続総合1位を獲得しております。
売上高内訳 (単位:百万円)
管理受託数
ビル等管理件数・住宅管理戸数の推移
※20/3期以降、NREG東芝不動産ファシリティーズ㈱と野村不動産パートナーズ㈱の管理件数及び管理戸数を合算した数値を記載
19/3期以前は、野村不動産パートナーズ㈱の数値を記載
<その他>売上高は282百万円(前連結会計年度比155百万円増)、事業利益は147百万円(前連結会計年度は事業損失199百万円)となりました。
④ 財政状態の状況及び分析
(資産、負債及び純資産の状況)
(単位:百万円)
(注)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
(資産)
当連結会計年度末における総資産は2,110,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ70,187百万円増加いたしました。これは主に、法人税還付等による未収税金を含むその他の流動資産(47,665百万円減)、現金及び預金(39,974百万円減)が減少した一方で、棚卸資産(104,896百万円増)、及び投資有価証券(40,875百万円増)が増加したことによるものであります。
各部門の資産は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
主な用途別の有形固定資産の残高は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
(負債)
当連結会計年度末における総負債は1,454,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ35,848百万円増加いたしました。これは主に、預り金(24,171百万円減)、支払手形及び買掛金(15,186百万円減)、未払金(13,196百万円減)、並びに繰延税金負債(12,378百万円減)が減少した一方で、有利子負債(98,812百万円増)が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は655,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ34,338百万円増加いたしました。これは主に、自己株式(13,591百万円減)の取得を行った一方で、利益剰余金(44,681百万円増)及び為替換算調整勘定(2,093百万円増)が増加したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況及び分析の内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から40,023百万円減少し、27,770百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、42,809百万円の資金の減少(前連結会計年度比95,602百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,088百万円の計上があった一方で、棚卸資産の増加、預り金の減少、及び売上債権の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、62,896百万円の資金の減少(同16,618百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得、並びに投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、65,675百万円の資金の増加(同75,295百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払い及び自己株式の取得を行った一方で、長期借入れによる資金調達を行ったことによるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
◇ 資金調達の方法及び状況
当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。
外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。加えて、将来における成長投資等の拡大に備えて、ハイブリッド社債(劣後特約付社債)による資金調達を実施しております。当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により必要資金の調達を行いました。また、国連環境計画・金融イニシアティブが提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」に則した「ポジティブ・インパクト評価」に基づく「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の融資契約を三井住友信託銀行株式会社と締結し、100億円を調達しました。並びに、株式会社日本政策投資銀行が行う「DBJ BCM 格付」において、「防災及び事業継続への取組みが優れている」という格付を取得し、同格付に基づき、20億円を調達しました。
手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額
2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本
有利子負債残高の内訳 (単位:百万円)
有利子負債/支払利息の推移

◇ 資金の主要な使途を含む資金需要の動向
当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。
(成長投資と株主還元の考え方)
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画において、高い利益成長、高い資産・資本効率の実現を重点テーマに掲げ、年平均8%水準の高い利益成長と高い株主還元の両立により企業価値の向上を図っております。当社グループでは、株主資本コストを7~8%と想定しており、これを上回る資本効率性を維持しながら、持続的な利益成長実現に向けた投資を拡大してまいります。
株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2023年3月期~2025年3月期における各事業年度の総還元性向を40~50%程度とすること、並びに、2026年3月期以降における配当性向40%水準にむけて段階的に配当性向を引き上げることを指針としております。
この指針のもと、2023年3月期の配当については、利益成長をもとに安定した増配基調を確保する方針から期末配当を従来予想から増額し1株当たり65.0円とし、これにより実施済みの第2四半期末配当金とあわせた1株当たり年間配当金は120.0円、配当性向は32.9%となりました。
また当事業年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について9,500百万円の取得を実施しており、結果、当事業年度の総還元性向は47.6%となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。
経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容
① 当連結会計年度の事業環境
当連結会計年度におけるわが国の景況感は、新型コロナウイルス感染症への対応と経済社会活動の両立が進み、個人消費が回復し、企業の設備投資が増加する等、全般的に持ち直しの傾向が続きました。一方、世界的なインフレや欧米等における金融引締め、及びエネルギー・原材料価格の高騰等によって、一部に弱さと不透明感がみられる状況となりました。
不動産市況については、住宅分譲市場では、首都圏において、2年連続で初月契約率が70%を超え、販売在庫数が約10年前の水準まで大幅に減少する等、堅調な販売動向が継続しています。賃貸オフィス市場では、前期と同様、空室率は直近数年間の中では高い水準で推移しましたが、価値観や働き方の多様化に即した、より付加価値の高いオフィスへの移転需要も見られました。また、コロナ禍の影響を大きく受けた商業・ホテル市場では、年度中盤以降、行動制限や入国制限の緩和等による、サービス消費やインバウンド需要の回復が進み、売上・稼働率が上昇傾向となりました。不動産投資市場では、前期と同様、国内の良好な資金調達環境と投資家の旺盛な投資意欲によって、物流施設・賃貸住宅等の物件取引量が堅調に推移し、市場規模の拡大が継続しました。不動産流通市場では、リテール事業において、旺盛な住み替え需要によって、首都圏中古マンションの取引件数が高い水準で推移し、平均取引価格の上昇が継続する等、堅調な市況が続いています。
② 当社グループの経営成績の状況及び分析の内容
このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は654,735百万円(前連結会計年度比9,686百万円、1.5%増)、営業利益は99,598百万円(同8,388百万円、9.2%増)、事業利益は105,172百万円(同12,406百万円、13.4%増)、経常利益は94,121百万円(同11,563百万円、14.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は64,520百万円(同9,208百万円、16.6%増)となりました。
(売上高)
運営管理部門において、受注工事が増加したこと、海外部門において、住宅分譲事業の計上戸数が増加したこと等により、654,735百万円(前連結会計年度比9,686百万円、1.5%増)となりました。
(事業利益)
海外部門において、住宅分譲事業の計上戸数が増加したこと、仲介・CRE部門において、売買仲介事業の取扱高が増加したこと等により、105,172百万円(前連結会計年度比12,406百万円、13.4%増)となりました。
(経常利益)
事業利益が増加したこと等により、94,121百万円(前連結会計年度比11,563百万円、14.0%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
経常利益が増加したこと等により、64,520百万円(前連結会計年度比9,208百万円、16.6%増)となりました。
2023年3月期 経営成績の概要


◇ 経営上の目標の達成状況
経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。
| 指標※1 | 指針※1 | 当連結会計年度 |
| 事業利益 | 115,000百万円 (2025年3月期) | 105,172百万円 |
| ROA | 4.5%水準 (2023年3月期~2025年3月期) | 5.1% |
| ROE | 9%水準 (2023年3月期~2025年3月期) | 10.1% |
| 総還元性向 | 40~50% (2023年3月期~2025年3月期) | 47.6%※2 |
※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。
※2 当連結会計年度の総還元性向については、2022年10月27日及び2023年1月26日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2022年10月28日~2023年4月14日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。
事業利益の推移 ROA・ROEの推移
※ROA=事業利益÷期中(平均)総資産※ROE=当期純利益÷期中(平均)自己資本
1株当たり配当額・総還元性向の推移
※総還元性向:(1株当たり配当額+1株当たり自社株買い金額)÷1株当たり当期純利益
③ 部門別の経営成績の状況及び分析の内容
部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。
(注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
3.当連結会計年度より以下のとおり報告セグメントの変更等を行っております。
(報告セグメントの変更等)
当連結会計年度より、「海外部門」を新設し、「その他」に区分していた野村不動産㈱の海外事業本部、及び海外現地法人等の区分を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
<住宅部門>当部門の売上高は302,480百万円(前連結会計年度比△6,745百万円、2.2%減)、事業利益は33,333百万円(同782百万円、2.4%増)と、前連結会計年度と比べ減収増益となりました。
これは主に、住宅分譲事業において、計上戸数が減少した一方で、粗利益率が向上したことによるものであります。
マンション分譲では「プラウドタワー芝浦」(東京都港区)、「プラウドタワー亀戸クロス」(東京都江東区)、「オハナ茅ヶ崎」(神奈川県茅ケ崎市)、「プラウド阪急塚口駅前」(兵庫県尼崎市)等を、戸建分譲では「プラウドシーズン練馬春日町 静華の街」(東京都練馬区)等、計4,142戸(前連結会計年度比187戸減)を売上に計上いたしました。
また、当連結会計年度末における契約済未計上残高は3,819戸(前連結会計年度末比271戸増)となっており、次期計上予定売上高に対する期首時点の契約率は74.8%となっております。
なお、共同事業における戸数、売上高、契約残高については事業シェア按分で計算しております。
更に、事業活動を通じた持続可能な社会への取り組みとして、ZEH※マンションの開発、戸建住宅への太陽光パネルの設置による、メガソーラーと同規模の発電といった、省エネ、創エネの取り組みを推進しております。また、新たな価値創造に向けたDXの取り組みとして、メタバース空間にて住宅購入相談ができるサービスの導入、オンラインツールを活用した情報提供等、お客様との接点のデジタル化を推進しており、今後も、より先進的な顧客体験価値の追求に挑戦してまいります。
※ 新築物件における省エネルギー性能指標(ZEH-M Oriented基準による)
住宅分譲事業 売上高・粗利益率の推移

売上高等内訳
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | ||||
| 計上戸数 | 売上高 (百万円) | 計上戸数 | 売上高 (百万円) | ||
| 住宅分譲 | 首都圏 | 2,944戸 | 210,413 | 2,718戸 | 199,905 |
| 関西圏 | 496戸 | 26,522 | 650戸 | 34,730 | |
| その他 | 889戸 | 47,079 | 773戸 | 39,025 | |
| 小計 | 4,329戸 | 284,015 | 4,142戸 | 273,662 | |
| (うち戸建住宅) | (451戸) | (29,990) | (353戸) | (25,186) | |
| 収益不動産(注) | ― | 5,621 | ― | 8,603 | |
| シニア・その他 | ― | 19,588 | ― | 20,214 | |
| 合計 | ― | 309,225 | ― | 302,480 | |
(注)不動産投資市場向けに開発・販売する賃貸住宅を指します。
住宅分譲 期末完成在庫数(販売中)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 首都圏 | 74戸 | 119戸 |
| 関西圏 | 18戸 | 43戸 |
| その他 | 38戸 | 60戸 |
| 合計 | 130戸 | 222戸 |
| (うち戸建住宅) | (0戸) | (0戸) |
住宅分譲 期末完成在庫数(未販売)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 合計 | 253戸 | 199戸 |
| (うち戸建住宅) | (0戸) | (0戸) |
住宅分譲 契約済未計上残高
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |||
| 戸数 | 契約残高 (百万円) | 戸数 | 契約残高 (百万円) | |
| 首都圏 | 2,555戸 | 197,478 | 2,968戸 | 251,819 |
| 関西圏 | 439戸 | 23,687 | 421戸 | 23,501 |
| その他 | 553戸 | 28,705 | 429戸 | 21,090 |
| 合計 | 3,548戸 | 249,870 | 3,819戸 | 296,411 |
| (うち戸建住宅) | (226戸) | (15,689) | (205戸) | (15,810) |
<都市開発部門>当部門の売上高は199,309百万円(前連結会計年度比△3,150百万円、1.6%減)、事業利益は39,529百万円(同938百万円、2.4%増)と、前連結会計年度と比べ減収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が減少した一方で、売却利益が増加したことによるものであります。
オフィスビルでは「PMO EX日本橋茅場町」、商業施設では「MEFULL川崎」、物流施設では「Landport上尾Ⅱ」等、計16物件が竣工しております。
また、企業ニーズの多様化や働き方の変化に対応して利便性を提供するオフィスブランド「PMO」、「H¹O(エイチワンオー)」、「H¹T(エイチワンティー)」を展開しており、サテライト型オフィス「H¹T」においては、当連結会計年度末時点で248店舗(提携先含む)まで拠点を拡大しております。
更に、建設時のCO2排出量削減に向けた取り組みとして、主要構造部への木造ハイブリッド構造の導入を開始しており、「H¹O青山」は、本構造を採用する中高層オフィスビルとして、不動産デベロッパー初※の竣工物件となりました。
また、物流DXへの取り組みとして、自動化機器等の効率的な活用で物流オペレーションを最適化するための企業間共創プログラム「Techrum」を推進し、物流企業や荷主の課題解決を図るとともに、EC需要の大幅な増加や深刻な人手不足等の社会課題に対応することで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
※ 主要構造部の柱・梁の一部について鉄骨造との木造ハイブリッド構造を採用している中高層賃貸オフィスビルの竣工は不動産デベロッパー初となります。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 賃貸(オフィス) | 45,666 | 41,191 |
| 賃貸(商業施設) | 12,302 | 16,195 |
| 賃貸(その他) | 4,131 | 3,323 |
| 収益不動産(売却)(注) | 106,451 | 97,471 |
| 収益不動産(賃貸)(注) | 13,977 | 16,786 |
| フィットネス | 13,624 | 15,040 |
| その他 | 6,306 | 9,301 |
| 合計 | 202,460 | 199,309 |
(注)不動産投資市場向けに開発・販売するオフィスビル・商業施設・物流施設等を指します。
賃貸収入(オフィス・商業施設)の増減分析
| 増減額(百万円) | 主な要因 | |
| 新規・通期稼働資産 | 3,021 | KAMEIDO CLOCK(商業施設)、野村不動産 大手町北ビルの新規稼働 |
| 既存資産 | △1,483 | 建替計画推進中の物件におけるテナント退去の影響 |
| 売却・振替え | △2,121 | 資産売却、棚卸資産への振替え |
賃貸床面積
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| オフィス | 658,902㎡ | 538,982㎡ |
| 商業施設 | 131,873㎡ | 158,102㎡ |
| 合計 | 790,776㎡ | 697,085㎡ |
空室率(オフィス・商業施設)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) |
| 5.9% | 4.8% |
賃貸床面積 収益不動産の売却額の推移

<海外部門>当部門の売上高は6,770百万円(前連結会計年度比4,141百万円増)、事業利益は7,288百万円(同6,996百万円増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は4,836百万円であります。
これは主に、住宅分譲事業の計上戸数が増加したことによるものであります。
住宅分譲事業では、前連結会計年度に引き続き、ベトナム・ホーチミンにおける「Grand Park Phase2」等を計上いたしました。
また、当連結会計年度においては、アジアでの住宅分譲事業に次ぐ収益の柱と位置づける収益不動産開発事業への取り組みとして、米国・ポートランドにおける再開発事業「Press Block プロジェクト」へ参画いたしました。
更に、アジアにおける住宅分譲事業では、企画・開発フェーズからの事業参画、品質改善のためのプロジェクト「KAIZEN」活動に取り組み、各国における住宅の高品質化・長寿命化等の基本性能の向上を通じて、持続可能な社会の実現を目指しております。
また、アジア・オセアニア地域での不動産テック企業に特化したベンチャーキャピタルファンド※ 「Real Tech Ventures Ⅰ」への出資等によって得た最先端のデジタル技術に関する知見等を活用し、今後の成長国における大規模な街づくりと新たな価値提供に挑戦してまいります。
※ 不動産や建築における課題解決に向け、新たなデジタル技術の開発を行うベンチャー企業の発掘と育成を目的としたファンド
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 住宅分譲 | 1,785 | 5,876 |
| 賃貸 | 692 | 657 |
| その他 | 150 | 235 |
| 合計 | 2,628 | 6,770 |
<資産運用部門>当部門の売上高は13,632百万円(前連結会計年度比827百万円、6.5%増)、事業利益は8,089百万円(同253百万円、3.2%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、国内運用会社において運用資産残高が増加したことによるものであります。
基幹事業である国内REITビジネスにおいて、野村不動産マスターファンド投資法人(以下「NMF」)及び野村不動産プライベート投資法人(以下「NPR」)が、野村不動産株式会社より「Landport習志野」、「PMO浜松町Ⅱ」、「プラウドフラット上野松が谷」等、計8物件(取引額計52,484百万円)を取得したほか、投資家のニーズを捉えた私募ファンド組成が進む等、運用資産残高が順調に拡大しました。
更に、NMF及びNPRでは、当連結会計年度において、2050年カーボンニュートラルの目標を掲げ、再生可能エネルギー由来の電力や2重サッシ導入等の省エネ施策を積極的に推進しております。あわせて、NPRではサステナビリティに特化した投資家説明会を開催しました。こうした取り組みの結果、NMF・NPRともに2022年度GRESB評価※では最高評価となる5スターを取得し、NMFは上場区分、NPRは上場・非上場区分において、アジア・総合型「セクターリーダー」を取得しました。引き続き、ESGの潮流と投資家ニーズを意識した運用を通じて投資主価値の向上を目指してまいります。
※ GRESB:不動産会社・ファンドのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 売上高 | 12,804 | 13,632 |
運用資産残高 (単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | ||
| 国内運用会社 | REIT | 1,424,772 | 1,465,984 |
| 私募ファンド等 | 196,370 | 252,957 | |
| 海外運用会社 | 326,929 | 238,735 | |
| 合計 | 1,948,071 | 1,957,676 | |
期末運用資産残高の推移
<仲介・CRE部門>当部門の売上高は47,700百万円(前連結会計年度比3,937百万円、9.0%増)、事業利益は13,822百万円(同2,106百万円、18.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。これは主に、売買仲介事業における取扱高が増加したことによるものであります。
野村不動産ソリューションズ株式会社におけるリテール事業では、2022年4月に「亀戸センター」、同年11月に「塚口センター」をオープンし、当連結会計年度末における個人のお客様向けの店舗数は88店舗となりました。
また、野村の仲介+(PLUS)の新規店舗や移転店舗における、森林保全を目的とした「木製家具」や環境素材の「珪藻土クロス」等環境に配慮した店舗内装の採用の他、従業員の健康管理を考えた取り組み等が評価され、同社が5年連続で「健康経営優良法人2023(大規模法人部門(ホワイト500))」に認定される等、サステナビリティ経営を推進しております。DX推進においては、マイナンバーを活用した不動産取引のオンライン化の共同研究や電子契約手続を起点としたデジタル活用による顧客体験の変革など、積極的なDX投資による競争優位性の確立と営業生産性の向上に取り組み、更なる成長の加速に努めてまいります。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 売買仲介 | 39,833 | 45,257 |
| (リテール) | (21,825) | (24,071) |
| (ミドル) | (8,326) | (9,613) |
| (ホールセール) | (9,681) | (11,571) |
| その他 | 3,929 | 2,442 |
| 合計 | 43,762 | 47,700 |
(注)売買仲介の区分は以下の通りであります。
・リテール:個人向け
・ミドル:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け
・ホールセール:大企業、ファンド、海外投資家向け
売買仲介取扱件数・取扱高
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 取扱件数(件) | 10,081 | 9,985 |
| 取扱高(百万円) | 964,882 | 1,060,313 |
リテール仲介手数料推移 ミドル仲介手数料推移
ホールセール仲介手数料推移
<運営管理部門>当部門の売上高は105,474百万円(前連結会計年度比6,244百万円、6.3%増)、事業利益は9,878百万円(同673百万円、7.3%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、受注工事が増加したことによるものであります。
なお、当連結会計年度末におけるビル等管理件数は782件(前連結会計年度末比10件増)、住宅管理戸数は189,574戸(同3,025戸増)となっております。
また、野村不動産パートナーズ株式会社では、大規模修繕工事の長周期化商品「re:Premium(リ・プレミアム)」(2017年発表)、「re:Premium Duo(リ・プレミアム デュオ)」(2021年発表)の開発に続き、工事実施時期に修繕積立金が不足している管理組合向けに、独自の新しい瑕疵保険を用いて、工事実施時期を延伸する仕組みを開発しました。事前の調査・メンテナンスの実施で大規模修繕工事の着工時期を遅らせ、その間に修繕積立金会計を健全化する仕組みであり、本取り組みが、国土交通省が支援する「マンションストック長寿命化等モデル事業」に認定される等、事業活動を通じて、持続可能な街づくりに寄与する取り組みを推進しております。
更に同社は、2022年住まいサーフィン「管理会社満足度調査」において14年連続総合1位を獲得しております。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | |
| 運営管理 | 58,264 | 59,502 |
| 受注工事 | 35,215 | 39,875 |
| その他 | 5,750 | 6,096 |
| 合計 | 99,230 | 105,474 |
管理受託数
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| ビル等管理件数(件) | 772 | 782 |
| 住宅管理戸数(戸) | 186,549 | 189,574 |
ビル等管理件数・住宅管理戸数の推移
※20/3期以降、NREG東芝不動産ファシリティーズ㈱と野村不動産パートナーズ㈱の管理件数及び管理戸数を合算した数値を記載19/3期以前は、野村不動産パートナーズ㈱の数値を記載
<その他>売上高は282百万円(前連結会計年度比155百万円増)、事業利益は147百万円(前連結会計年度は事業損失199百万円)となりました。
④ 財政状態の状況及び分析
(資産、負債及び純資産の状況)
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | 増減額 | 増減率 | |
| 総資産 | 2,040,506 | 2,110,693 | 70,187 | 3.4% |
| 総負債 | 1,419,107 | 1,454,956 | 35,848 | 2.5% |
| (うち有利子負債) | (1,022,735) | (1,121,548) | (98,812) | (9.7%) |
| 純資産 | 621,398 | 655,737 | 34,338 | 5.5% |
| (うち自己資本) | (618,762) | (653,307) | (34,544) | 5.6% |
| 自己資本比率 | 30.3% | 31.0% | ― | ― |
| D/Eレシオ | 1.7倍 | 1.7倍 | ― | ― |
(注)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
(資産)
当連結会計年度末における総資産は2,110,693百万円となり、前連結会計年度末に比べ70,187百万円増加いたしました。これは主に、法人税還付等による未収税金を含むその他の流動資産(47,665百万円減)、現金及び預金(39,974百万円減)が減少した一方で、棚卸資産(104,896百万円増)、及び投資有価証券(40,875百万円増)が増加したことによるものであります。
各部門の資産は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
| 部門 | 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) |
| 住宅 | 514,546 | 607,382 |
| (内棚卸資産) | (458,049) | (514,774) |
| 都市開発 | 1,204,549 | 1,225,125 |
| (内棚卸資産) | (436,810) | (485,188) |
| (内有形固定資産) | (705,527) | (682,994) |
| 海外 | 117,010 | 160,942 |
| 資産運用 | 43,220 | 44,064 |
| 仲介・CRE | 35,787 | 29,088 |
| 運営管理 | 48,881 | 51,368 |
| その他 | 777 | 1,324 |
| 調整額 | 75,733 | △8,602 |
| 合計額 | 2,040,506 | 2,110,693 |
| (内棚卸資産) | (894,229) | (999,125) |
主な用途別の有形固定資産の残高は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| オフィス | 523,769 | 506,854 |
| 商業施設 | 95,390 | 92,564 |
(負債)
当連結会計年度末における総負債は1,454,956百万円となり、前連結会計年度末に比べ35,848百万円増加いたしました。これは主に、預り金(24,171百万円減)、支払手形及び買掛金(15,186百万円減)、未払金(13,196百万円減)、並びに繰延税金負債(12,378百万円減)が減少した一方で、有利子負債(98,812百万円増)が増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は655,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ34,338百万円増加いたしました。これは主に、自己株式(13,591百万円減)の取得を行った一方で、利益剰余金(44,681百万円増)及び為替換算調整勘定(2,093百万円増)が増加したことによるものであります。
(2) キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
① キャッシュ・フローの状況及び分析の内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から40,023百万円減少し、27,770百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、42,809百万円の資金の減少(前連結会計年度比95,602百万円減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益88,088百万円の計上があった一方で、棚卸資産の増加、預り金の減少、及び売上債権の増加があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、62,896百万円の資金の減少(同16,618百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の取得、並びに投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、65,675百万円の資金の増加(同75,295百万円増)となりました。これは主に、配当金の支払い及び自己株式の取得を行った一方で、長期借入れによる資金調達を行ったことによるものであります。
② 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
◇ 資金調達の方法及び状況
当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。
外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。加えて、将来における成長投資等の拡大に備えて、ハイブリッド社債(劣後特約付社債)による資金調達を実施しております。当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により必要資金の調達を行いました。また、国連環境計画・金融イニシアティブが提唱した「ポジティブ・インパクト金融原則」に則した「ポジティブ・インパクト評価」に基づく「ポジティブ・インパクト・ファイナンス」の融資契約を三井住友信託銀行株式会社と締結し、100億円を調達しました。並びに、株式会社日本政策投資銀行が行う「DBJ BCM 格付」において、「防災及び事業継続への取組みが優れている」という格付を取得し、同格付に基づき、20億円を調達しました。
手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 有利子負債残高(A) | 1,022,735 | 1,121,548 |
| 総資産(B) | 2,040,506 | 2,110,693 |
| EBITDA(注)1 | 111,771 | 125,661 |
| 支払利息 | 8,825 | 10,221 |
| 有利子負債依存度(A/B) | 50.1% | 53.1% |
| D/Eレシオ(注)2 | 1.7倍 | 1.7倍 |
(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額
2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本
有利子負債残高の内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2022年3月31日) | 当連結会計年度末 (2023年3月31日) | |
| 長期借入金 | 754,235 | 853,684 |
| 社債 | 150,000 | 130,000 |
| 短期借入金 | 39,500 | 38,750 |
| 1年以内返済長期借入金 | 69,000 | 79,113 |
| 1年以内償還予定社債 | 10,000 | 20,000 |
| 合計 | 1,022,735 | 1,121,548 |
有利子負債/支払利息の推移

◇ 資金の主要な使途を含む資金需要の動向
当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。
(成長投資と株主還元の考え方)
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画において、高い利益成長、高い資産・資本効率の実現を重点テーマに掲げ、年平均8%水準の高い利益成長と高い株主還元の両立により企業価値の向上を図っております。当社グループでは、株主資本コストを7~8%と想定しており、これを上回る資本効率性を維持しながら、持続的な利益成長実現に向けた投資を拡大してまいります。
株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2023年3月期~2025年3月期における各事業年度の総還元性向を40~50%程度とすること、並びに、2026年3月期以降における配当性向40%水準にむけて段階的に配当性向を引き上げることを指針としております。
この指針のもと、2023年3月期の配当については、利益成長をもとに安定した増配基調を確保する方針から期末配当を従来予想から増額し1株当たり65.0円とし、これにより実施済みの第2四半期末配当金とあわせた1株当たり年間配当金は120.0円、配当性向は32.9%となりました。
また当事業年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について9,500百万円の取得を実施しており、結果、当事業年度の総還元性向は47.6%となりました。
(3) 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。
経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。