有価証券報告書-第20期(2023/04/01-2024/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況および分析の内容は次のとおりであります。
(1)経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容
①当連結会計年度の事業環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善と各種政策の効果等により、緩やかな回復基調が続きました。
不動産市況について、住宅分譲市場では、首都圏において2年連続で年間供給戸数が減少する中、旺盛な需要が継続した結果、販売価格の上昇が見られました。旺盛な需要の背景としては、住宅ローンの金利が安定的に推移したこと、及び共働き世帯の増加等により購入者における世帯所得が向上したこと等が影響したと想定されます。賃貸オフィス市場では、働き方の多様化に即した、より付加価値の高いオフィスへの需要等が見られ、都心エリアを中心に空室率が改善しました。また、これまでコロナ禍の影響を大きく受けていた商業施設・ホテル市場では、行動制限や入国制限が概ね解除されたことにより、サービス消費やインバウンド需要の回復が進みました。不動産投資市場では、国内において長期金利は緩やかな上昇傾向にあるものの、依然として良好な資金調達環境と投資家の旺盛な投資意欲によって、物件取引量が堅調に推移し、市場規模の拡大が継続しました。中古住宅の流通市場では、旺盛な需要によって、首都圏中古マンションの取引件数は高い水準で推移し、取引価格の上昇が継続する等、堅調な市況が続きました。
②当社グループの経営成績の状況及び分析の内容
このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)、営業利益は112,114百万円(同12,516百万円、12.6%増)、事業利益は113,665百万円(同8,493百万円、8.1%増)、経常利益は98,248百万円(同4,127百万円、4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68,164百万円(同3,643百万円、5.6%増)となりました。
a.売上高
住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)となりました。
b.事業利益
都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、113,665百万円(前連結会計年度比8,493百万円、8.1%増)となりました。
c.経常利益
事業利益が増加したこと等により、98,248百万円(前連結会計年度比4,127百万円、4.4%増)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益が増加したこと等により、68,164百万円(前連結会計年度比3,643百万円、5.6%増)となりました。
2024年3月期 経営成績の概要

事業利益の増減

e.経営上の目標の達成状況
経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。
※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。
※2 当連結会計年度の総還元性向については、2023年10月26日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2023年10月27日~2024年3月22日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。
事業利益の推移 ROA・ROEの推移
※ROA=事業利益÷期中(平均)総資産
※ROE=当期純利益÷期中(平均)自己資本
1株当たり配当額・総還元性向の推移
※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)
÷1株当たり当期純利益
③部門別の経営成績の状況及び分析の内容
部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。
(注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
3.2023年4月1日付で、㈱プライムクロスを存続会社、武蔵㈱を消滅会社とする合併を行っており
ます。
a.住宅部門
当部門の売上高は351,812百万円(前連結会計年度比49,332百万円、16.3%増)、事業利益は40,848百万円(同7,514百万円、22.5%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
マンション分譲では「プラウドタワー目黒MARC」(東京都品川区)、「プラウドシティ豊田多摩平の森」(東京都日野市)、「プラウドシティ大津京」(滋賀県大津市)等を、戸建分譲では「プラウドシーズン光が丘グレイス」(東京都練馬区)等、計4,298戸(前連結会計年度比156戸増)を売上に計上いたしました。
また、当連結会計年度末における契約済未計上残高は3,461戸(前連結会計年度末比358戸減)となっており、次期計上予定売上高に対する期首時点の契約率は69.5%となっております。
なお、共同事業における戸数、売上高、契約残高については事業シェア按分で計算しております。
当連結会計年度の取り組みとして、東京 23 区内の城南・城西エリアなどの高額建売戸建の複数物件を、お客さまに検討いただける拠点として「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を新たにオープンしました。ニーズが高まっている高額建売戸建の分譲を積極的に進めています。
さらに、当社マンション「プラウド」に対する外部評価として、2023年「SUUMO AWARD」において、「総合評価」で「最優秀賞」を受賞しました。
住宅分譲事業 売上高・粗利益率の推移

売上高等内訳
(注)不動産投資市場向けに開発・販売する賃貸住宅を指します。
住宅分譲 期末完成在庫数(販売中)
住宅分譲 期末完成在庫数(未販売)
住宅分譲 契約済未計上残高
b.都市開発部門
当部門の売上高は223,752百万円(前連結会計年度比24,442百万円、12.3%増)、事業利益は49,976百万円(同10,447百万円、26.4%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
オフィスビルでは「PMO銀座Ⅱ」、物流施設では「Landport戸田」等、計20物件が竣工しております。
今後の大規模複合開発として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(所在地:東京都港区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅/竣工:2025年3月期(S棟)、2031年3月期(N棟))や、「日本橋一丁目中地区再開発」(所在地:東京都中央区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅、カンファレンス/竣工:2026年3月期)を予定しています。
当連結会計年度では、木質サステナブルオフィス「野村不動産溜池山王ビル」が竣工しました。建材や内装に木材を活用し、耐火性・耐震性を確保しつつ環境配慮とワーカーのウェルネスを実現しています。本事業は令和3年度の国土交通省サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)※に採択されました。
※ 再生可能な循環資源である木材を大量に使用する大規模な木造建築物等の先導的な整備事例について、木造建築物等に係る技術の進展に資するとともに普及啓発を図ることを目的にする国土交通省の事業です。
売上高内訳 (単位:百万円)
(注)不動産投資市場向けに開発・販売するオフィスビル・商業施設・物流施設等を指します。
賃貸収入(オフィス・商業施設)の増減分析
賃貸床面積
空室率(オフィス・商業施設)
収益不動産の売却額の推移

c.海外部門
当部門の売上高は4,616百万円(前連結会計年度比△2,153百万円、31.8%減)、事業損失は357百万円(前連結会計年度は事業利益7,288百万円)と、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は851百万円であります。
住宅分譲事業では、前連結会計年度に引き続き、ベトナム・ホーチミンにおける「グランドパーク第3期」等を計上いたしました。
当連結会計年度の取り組みとして、イギリス・ロンドンでは、オフィスビルの開発事業である「ザ・フィッツロヴィア」への参画と、既存オフィスビルである「55 セントジェームズストリート」の取得を決定しました。欧州全域で高まる環境性能への需要に応えるべく、2案件とも高い環境評価指標を獲得しています。
さらに、フィリピン・マニラでは、住宅と商業施設の大型複合開発における、商業施設「ミツコシ BGC」がグランドオープンしました。「日本」らしさを表現したこだわりの外観・内装は、「フィリピンと日本の架け橋になる」という想いを表現していて、日系のテナントも誘致しています。
当社グループでは中長期経営計画の中で海外事業を成長分野の一つと位置付け、2023年3月期から2031年3月期までに海外事業への約5,500億円の投資と、海外事業による利益比率を全体の15%以上とする方針を掲げています。
売上高内訳 (単位:百万円)
d.資産運用部門
当部門の売上高は14,356百万円(前連結会計年度比724百万円、5.3%増)、事業利益は8,571百万円(同481百万円、6.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
国内REIT事業では、野村不動産マスターファンド投資法人(以下「NMF」) 及び野村不動産プライベート投資法人(以下「NPR」)が野村不動産株式会社より「MEFULL茶屋町」、「プラウドフラット渋谷笹塚」等、計19物件(取引額計80,225百万円)を取得したほか、投資家のニーズを捉えた私募ファンド組成が進む等、運用資産残高が順調に拡大しました。
当連結会計年度の取り組みとして、野村ホールディングス株式会社との合弁会社「野村リアルアセット・インベストメント株式会社」がファンド運用事業を開始しました。事業開始時点よりオフィス、住居、ホテル、ヘルスケア、底地など、運用資産残高約900億円の多様なアセットタイプを扱い、質の高い運用サービス提供を目指します。
さらに、NMFでは、GRESB※リアルエステイト評価では「4 Stars」評価、GRESB開示評価では最上位の「Aレベル」評価、またNPRでは、GRESBリアルエステイト評価では最上位の「5 Stars」評価を取得し、本投資法人でのESGへの取り組みや開示が高く評価されました。
※ 不動産会社・ファンドのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価
(単位:百万円)
運用資産残高 (単位:百万円)
(注)当社の出資比率換算に基づく野村リアルアセット・インベストメント㈱の運用資産残高を含みます。
なお、当連結会計年度末における同社の運用資産残高は、89,741百万円となります。
期末運用資産残高の推移

e.仲介・CRE部門
当部門の売上高は49,588百万円(前連結会計年度比1,888百万円、4.0%増)、事業利益は13,447百万円(同△375百万円、2.7%減)と、前連結会計年度と比べ増収減益となりました。
当部門におけるリテール事業では、2024年1月に「津田沼センター」をオープンし、当連結会計年度末における個人のお客様向けの店舗数は88店舗となりました。
当連結会計年度の取り組みとして、運営する不動産情報サイト「ノムコム」ではお客様の希望する間取り図の特徴を抽出する「ハッシュタグ・間取り図検索」機能を導入しました。また、株式会社 LIFULLと共同開発した、チャット型コミュニケーションの相談AIサービス「AI ANSWER Plus(ベータ版)※」の提供も開始しました。当社はAIを活用し、不動産情報提供の新たなサービス・体験を提供しています。
さらに、「ノムコム LINE 公式アカウント」の運用を開始しました。日本の人口の約8割が利用しているLINEを通じて、おすすめ物件情報や住宅ローン等のコンテンツを定期的に配信、物件見学予約なども行うことができ、お客様の住まい探しの利便性向上を図っています。
※ ベータ版の注意点:ベータ版は、正式版とは異なる場合があります。正式版で提供される機能やサービス、デザインや性能などが、ベータ版と同じであることを保証するものではありません。
売上高内訳 (単位:百万円)
(注)売買仲介の区分は以下の通りであります。
・リテール:個人向け
・ミドル:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け
・ホールセール:大企業、ファンド、海外投資家向け
売買仲介取扱件数・取扱高
リテール仲介手数料推移 ミドル仲介手数料推移

ホールセール仲介手数料推移

f.運営管理部門
当部門の売上高は108,190百万円(前連結会計年度比2,716百万円、2.6%増)、事業利益は10,088百万円(同209百万円、2.1%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
当連結会計年度末におけるビル等管理件数は794件(前連結会計年度末比12件増)、住宅管理戸数は193,959戸(同4,385戸増)となっております。
当連結会計年度の取り組みとして当部門は、管理受託をしているマンション「アーバニティ王子」における取り組みが、国土交通省が支援する令和5年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に「先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)」として採択されました。また、一般社団法人マンション管理業協会主催「マンションバリューアップアワード2023」においても工事・メンテナンス部門で最上位の部門賞を獲得しています。これらは今後急増する高経年マンションの適切な維持管理を行うための修繕積立金会計を健全化する取り組みであり、マンションの長寿命化に向けた先導性が高く創意工夫を含む取り組みとして高い評価を受けました。
また、2023年版の「SUUMO AWARD」(関西版「管理会社の部」)の顧客満足度ランキングで、「総合評価」最優秀賞を受賞しました。さらに、「スタッフホスピタリティ部門」など他3部門でも最優秀賞・優秀賞を受賞しました。
売上高内訳 (単位:百万円)
管理受託数
ビル等管理件数・住宅管理戸数の推移

g.その他
売上高は280百万円(前連結会計年度比△1百万円、0.6%減)、事業利益は161百万円(同13百万円、9.2%増)となりました。
④財政状態の状況及び分析
a.資産、負債及び純資産の状況
(単位:百万円)
(注)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
b.資産
当連結会計年度末における総資産は2,251,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ140,762百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券(36,918百万円増)、建設仮勘定(28,246百万円増)、前渡金(28,111百万円増)、並びに現金及び預金(25,879百万円増)が増加したことによるものであります。
各部門の資産は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
主な用途別の有形固定資産の残高は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
c.負債
当連結会計年度末における総負債は1,559,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ104,059百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債(71,179百万円増)、支払手形及び買掛金(12,845百万円増)、並びに預り金(10,296百万円増)が増加したことによるものであります。
d.純資産
当連結会計年度末における純資産は692,440百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,702百万円増加いたしました。これは主に、自己株式(6,447百万円減)の取得を行った一方で、利益剰余金(45,088百万円増)が増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況及び分析の内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から26,041百万円増加し、53,811百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、70,878百万円の資金の増加(前連結会計年度比113,687百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払いがあった一方で、税金等調整前当期純利益96,653百万円の計上があったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、83,638百万円の資金の減少(同20,741百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産、投資有価証券の売却及び精算を行った一方で、有形及び無形固定資産、投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、39,921百万円の資金の増加(同25,753百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払い及び社債の償還を行った一方で、長期借入れによる資金調達を行ったことによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金調達の方法及び状況
当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。
外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。
当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により、必要資金の調達を行いました。なお当社グループは、持続可能な社会の発展に貢献するための資金調達を行うことを目的とし、2028年3月期までに、累計7,000億円をサステナブル・ファイナンスにより調達することを目標に掲げています。当連結会計年度は、この取り組みの一環として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(S棟:2025年2月竣工予定、N棟:2031年3月期竣工予定)を資金使途とした「芝浦グリーンボンド」を発行し、200億円を調達しました。
手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額
2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本
有利子負債残高の内訳 (単位:百万円)
有利子負債/支払利息の推移

b.資金の主要な使途を含む資金需要の動向
当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。
(成長投資と株主還元の考え方)
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画において、高い利益成長、高い資産・資本効率の実現を重点テーマに掲げ、年平均8%水準の高い利益成長と高い株主還元の両立により企業価値の向上を図っております。当社グループでは、株主資本コストを7~8%と想定しており、これを上回る資本効率性を維持しながら、持続的な利益成長実現に向けた投資を拡大してまいります。
株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2023年3月期~2025年3月期における各連結会計年度の総還元性向を40~50%程度とすること、並びに、2026年3月期以降における配当性向40%水準にむけて段階的に配当性向を引き上げることを指針としております。加えて、2025年3月期より、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE※4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。
この指針のもと、当連結会計年度の配当については、期末配当を従来予想から増額し1株当たり75.0円とし、これにより実施済みの第2四半期末配当金とあわせた1株当たり年間配当金は140.0円、配当性向は35.7%となりました。
また当連結会計年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について6,999百万円の取得を実施しており、結果、当連結会計年度の総還元性向は46.0%となりました。
※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本
(3)生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。
経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(1)経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容
①当連結会計年度の事業環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善と各種政策の効果等により、緩やかな回復基調が続きました。
不動産市況について、住宅分譲市場では、首都圏において2年連続で年間供給戸数が減少する中、旺盛な需要が継続した結果、販売価格の上昇が見られました。旺盛な需要の背景としては、住宅ローンの金利が安定的に推移したこと、及び共働き世帯の増加等により購入者における世帯所得が向上したこと等が影響したと想定されます。賃貸オフィス市場では、働き方の多様化に即した、より付加価値の高いオフィスへの需要等が見られ、都心エリアを中心に空室率が改善しました。また、これまでコロナ禍の影響を大きく受けていた商業施設・ホテル市場では、行動制限や入国制限が概ね解除されたことにより、サービス消費やインバウンド需要の回復が進みました。不動産投資市場では、国内において長期金利は緩やかな上昇傾向にあるものの、依然として良好な資金調達環境と投資家の旺盛な投資意欲によって、物件取引量が堅調に推移し、市場規模の拡大が継続しました。中古住宅の流通市場では、旺盛な需要によって、首都圏中古マンションの取引件数は高い水準で推移し、取引価格の上昇が継続する等、堅調な市況が続きました。
②当社グループの経営成績の状況及び分析の内容
このような事業環境の下、当社グループの経営成績は、売上高は734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)、営業利益は112,114百万円(同12,516百万円、12.6%増)、事業利益は113,665百万円(同8,493百万円、8.1%増)、経常利益は98,248百万円(同4,127百万円、4.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は68,164百万円(同3,643百万円、5.6%増)となりました。
a.売上高
住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、734,715百万円(前連結会計年度比79,979百万円、12.2%増)となりました。
b.事業利益
都市開発部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと、住宅部門において、収益不動産事業の物件売却収入が増加したこと等により、113,665百万円(前連結会計年度比8,493百万円、8.1%増)となりました。
c.経常利益
事業利益が増加したこと等により、98,248百万円(前連結会計年度比4,127百万円、4.4%増)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益
経常利益が増加したこと等により、68,164百万円(前連結会計年度比3,643百万円、5.6%増)となりました。
2024年3月期 経営成績の概要

事業利益の増減

e.経営上の目標の達成状況
経営上の目標の達成状況については以下のとおりであります。
| 指標※1 | 指針※1 | 当連結会計年度 |
| 事業利益 | 115,000百万円 (2025年3月期) | 113,665百万円 |
| ROA | 4.5%水準 (2023年3月期~2025年3月期) | 5.2% |
| ROE | 9%水準 (2023年3月期~2025年3月期) | 10.1% |
| 総還元性向 | 40~50% (2023年3月期~2025年3月期) | 46.0%※2 |
※1 2022年4月に策定した中長期経営計画にて掲げている指標・指針となります。
※2 当連結会計年度の総還元性向については、2023年10月26日開催の取締役会決議による自己株式の取得(取得期間:2023年10月27日~2024年3月22日)における取得価額の総額を考慮して算出しております。
事業利益の推移 ROA・ROEの推移
※ROA=事業利益÷期中(平均)総資産※ROE=当期純利益÷期中(平均)自己資本
1株当たり配当額・総還元性向の推移
※総還元性向=(1株当たり配当額+1株当たり自己株式取得金額)÷1株当たり当期純利益
③部門別の経営成績の状況及び分析の内容
部門ごとの業績の状況及び分析の内容は、以下のとおりであります。
(注)1.各部門の売上高は、部門間の内部売上高、振替高を含みます。
2.端数処理の関係で合計数値があわない場合があります。
3.2023年4月1日付で、㈱プライムクロスを存続会社、武蔵㈱を消滅会社とする合併を行っており
ます。
a.住宅部門
当部門の売上高は351,812百万円(前連結会計年度比49,332百万円、16.3%増)、事業利益は40,848百万円(同7,514百万円、22.5%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
マンション分譲では「プラウドタワー目黒MARC」(東京都品川区)、「プラウドシティ豊田多摩平の森」(東京都日野市)、「プラウドシティ大津京」(滋賀県大津市)等を、戸建分譲では「プラウドシーズン光が丘グレイス」(東京都練馬区)等、計4,298戸(前連結会計年度比156戸増)を売上に計上いたしました。
また、当連結会計年度末における契約済未計上残高は3,461戸(前連結会計年度末比358戸減)となっており、次期計上予定売上高に対する期首時点の契約率は69.5%となっております。
なお、共同事業における戸数、売上高、契約残高については事業シェア按分で計算しております。
当連結会計年度の取り組みとして、東京 23 区内の城南・城西エリアなどの高額建売戸建の複数物件を、お客さまに検討いただける拠点として「プラウドシーズンギャラリー駒沢」を新たにオープンしました。ニーズが高まっている高額建売戸建の分譲を積極的に進めています。
さらに、当社マンション「プラウド」に対する外部評価として、2023年「SUUMO AWARD」において、「総合評価」で「最優秀賞」を受賞しました。
住宅分譲事業 売上高・粗利益率の推移

売上高等内訳
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||||
| 計上戸数 | 売上高 (百万円) | 計上戸数 | 売上高 (百万円) | ||
| 住宅分譲 | 首都圏 | 2,718戸 | 199,905 | 3,069戸 | 220,858 |
| 関西圏 | 650戸 | 34,730 | 582戸 | 32,304 | |
| その他 | 773戸 | 39,025 | 647戸 | 29,825 | |
| 小計 | 4,142戸 | 273,662 | 4,298戸 | 282,988 | |
| (うち戸建住宅) | (353戸) | (25,186) | (385戸) | (31,537) | |
| 収益不動産(注) | ― | 8,603 | ― | 35,644 | |
| シニア・その他 | ― | 20,214 | ― | 33,179 | |
| 合計 | ― | 302,480 | ― | 351,812 | |
(注)不動産投資市場向けに開発・販売する賃貸住宅を指します。
住宅分譲 期末完成在庫数(販売中)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| 首都圏 | 119戸 | 133戸 |
| 関西圏 | 43戸 | 52戸 |
| その他 | 60戸 | 62戸 |
| 合計 | 222戸 | 248戸 |
| (うち戸建住宅) | (0戸) | (2戸) |
住宅分譲 期末完成在庫数(未販売)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| 合計 | 199戸 | 279戸 |
| (うち戸建住宅) | (0戸) | (2戸) |
住宅分譲 契約済未計上残高
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |||
| 戸数 | 契約残高 (百万円) | 戸数 | 契約残高 (百万円) | |
| 首都圏 | 2,968戸 | 251,819 | 2,800戸 | 272,838 |
| 関西圏 | 421戸 | 23,501 | 266戸 | 15,385 |
| その他 | 429戸 | 21,090 | 394戸 | 23,047 |
| 合計 | 3,819戸 | 296,411 | 3,461戸 | 311,271 |
| (うち戸建住宅) | (205戸) | (15,810) | (153戸) | (11,405) |
b.都市開発部門
当部門の売上高は223,752百万円(前連結会計年度比24,442百万円、12.3%増)、事業利益は49,976百万円(同10,447百万円、26.4%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
これは主に、収益不動産事業において、物件売却収入が増加したことによるものであります。
オフィスビルでは「PMO銀座Ⅱ」、物流施設では「Landport戸田」等、計20物件が竣工しております。
今後の大規模複合開発として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(所在地:東京都港区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅/竣工:2025年3月期(S棟)、2031年3月期(N棟))や、「日本橋一丁目中地区再開発」(所在地:東京都中央区/用途:オフィス、商業、ホテル、住宅、カンファレンス/竣工:2026年3月期)を予定しています。
当連結会計年度では、木質サステナブルオフィス「野村不動産溜池山王ビル」が竣工しました。建材や内装に木材を活用し、耐火性・耐震性を確保しつつ環境配慮とワーカーのウェルネスを実現しています。本事業は令和3年度の国土交通省サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)※に採択されました。
※ 再生可能な循環資源である木材を大量に使用する大規模な木造建築物等の先導的な整備事例について、木造建築物等に係る技術の進展に資するとともに普及啓発を図ることを目的にする国土交通省の事業です。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 賃貸(オフィス) | 41,191 | 37,756 |
| 賃貸(商業施設) | 16,195 | 16,414 |
| 賃貸(その他) | 3,323 | 3,128 |
| 収益不動産(売却)(注) | 97,471 | 115,517 |
| 収益不動産(賃貸)(注) | 16,786 | 17,422 |
| フィットネス | 15,040 | 16,113 |
| その他 | 9,301 | 17,399 |
| 合計 | 199,309 | 223,752 |
(注)不動産投資市場向けに開発・販売するオフィスビル・商業施設・物流施設等を指します。
賃貸収入(オフィス・商業施設)の増減分析
| 増減額(百万円) | 主な要因 | |
| 新規・通期稼働資産 | △94 | ― |
| 既存資産 | △1,170 | 建替計画推進中の物件等におけるテナント退去の影響 |
| 売却・振替え | △1,951 | ― |
賃貸床面積
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| オフィス | 538,982㎡ | 523,371㎡ |
| 商業施設 | 158,102㎡ | 158,137㎡ |
| 合計 | 697,085㎡ | 681,509㎡ |
空室率(オフィス・商業施設)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
| 4.8% | 4.4% |
収益不動産の売却額の推移

c.海外部門
当部門の売上高は4,616百万円(前連結会計年度比△2,153百万円、31.8%減)、事業損失は357百万円(前連結会計年度は事業利益7,288百万円)と、前連結会計年度と比べ減収減益となりました。なお、当部門の事業利益に含まれる持分法投資損益は851百万円であります。
住宅分譲事業では、前連結会計年度に引き続き、ベトナム・ホーチミンにおける「グランドパーク第3期」等を計上いたしました。
当連結会計年度の取り組みとして、イギリス・ロンドンでは、オフィスビルの開発事業である「ザ・フィッツロヴィア」への参画と、既存オフィスビルである「55 セントジェームズストリート」の取得を決定しました。欧州全域で高まる環境性能への需要に応えるべく、2案件とも高い環境評価指標を獲得しています。
さらに、フィリピン・マニラでは、住宅と商業施設の大型複合開発における、商業施設「ミツコシ BGC」がグランドオープンしました。「日本」らしさを表現したこだわりの外観・内装は、「フィリピンと日本の架け橋になる」という想いを表現していて、日系のテナントも誘致しています。
当社グループでは中長期経営計画の中で海外事業を成長分野の一つと位置付け、2023年3月期から2031年3月期までに海外事業への約5,500億円の投資と、海外事業による利益比率を全体の15%以上とする方針を掲げています。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 住宅分譲 | 5,876 | 3,359 |
| 賃貸 | 657 | 536 |
| その他 | 235 | 720 |
| 合計 | 6,770 | 4,616 |
d.資産運用部門
当部門の売上高は14,356百万円(前連結会計年度比724百万円、5.3%増)、事業利益は8,571百万円(同481百万円、6.0%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
国内REIT事業では、野村不動産マスターファンド投資法人(以下「NMF」) 及び野村不動産プライベート投資法人(以下「NPR」)が野村不動産株式会社より「MEFULL茶屋町」、「プラウドフラット渋谷笹塚」等、計19物件(取引額計80,225百万円)を取得したほか、投資家のニーズを捉えた私募ファンド組成が進む等、運用資産残高が順調に拡大しました。
当連結会計年度の取り組みとして、野村ホールディングス株式会社との合弁会社「野村リアルアセット・インベストメント株式会社」がファンド運用事業を開始しました。事業開始時点よりオフィス、住居、ホテル、ヘルスケア、底地など、運用資産残高約900億円の多様なアセットタイプを扱い、質の高い運用サービス提供を目指します。
さらに、NMFでは、GRESB※リアルエステイト評価では「4 Stars」評価、GRESB開示評価では最上位の「Aレベル」評価、またNPRでは、GRESBリアルエステイト評価では最上位の「5 Stars」評価を取得し、本投資法人でのESGへの取り組みや開示が高く評価されました。
※ 不動産会社・ファンドのESG配慮を測る年次のベンチマーク評価
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 売上高 | 13,632 | 14,356 |
運用資産残高 (単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | ||
| 国内運用会社 | REIT | 1,465,984 | 1,557,617 |
| 私募ファンド等 (注) | 252,957 | 246,546 | |
| 海外運用会社 | 238,735 | 218,442 | |
| 合計 | 1,957,676 | 2,022,606 | |
(注)当社の出資比率換算に基づく野村リアルアセット・インベストメント㈱の運用資産残高を含みます。
なお、当連結会計年度末における同社の運用資産残高は、89,741百万円となります。
期末運用資産残高の推移

e.仲介・CRE部門
当部門の売上高は49,588百万円(前連結会計年度比1,888百万円、4.0%増)、事業利益は13,447百万円(同△375百万円、2.7%減)と、前連結会計年度と比べ増収減益となりました。
当部門におけるリテール事業では、2024年1月に「津田沼センター」をオープンし、当連結会計年度末における個人のお客様向けの店舗数は88店舗となりました。
当連結会計年度の取り組みとして、運営する不動産情報サイト「ノムコム」ではお客様の希望する間取り図の特徴を抽出する「ハッシュタグ・間取り図検索」機能を導入しました。また、株式会社 LIFULLと共同開発した、チャット型コミュニケーションの相談AIサービス「AI ANSWER Plus(ベータ版)※」の提供も開始しました。当社はAIを活用し、不動産情報提供の新たなサービス・体験を提供しています。
さらに、「ノムコム LINE 公式アカウント」の運用を開始しました。日本の人口の約8割が利用しているLINEを通じて、おすすめ物件情報や住宅ローン等のコンテンツを定期的に配信、物件見学予約なども行うことができ、お客様の住まい探しの利便性向上を図っています。
※ ベータ版の注意点:ベータ版は、正式版とは異なる場合があります。正式版で提供される機能やサービス、デザインや性能などが、ベータ版と同じであることを保証するものではありません。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 売買仲介 | 45,257 | 47,750 |
| (リテール) | (24,071) | (25,670) |
| (ミドル) | (9,613) | (11,889) |
| (ホールセール) | (11,571) | (10,190) |
| その他 | 2,442 | 1,838 |
| 合計 | 47,700 | 49,588 |
(注)売買仲介の区分は以下の通りであります。
・リテール:個人向け
・ミドル:中堅・中小企業、企業オーナー、一部の個人投資家や富裕層向け
・ホールセール:大企業、ファンド、海外投資家向け
売買仲介取扱件数・取扱高
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 取扱件数(件) | 9,985 | 10,204 |
| 取扱高(百万円) | 1,060,313 | 1,221,849 |
リテール仲介手数料推移 ミドル仲介手数料推移

ホールセール仲介手数料推移

f.運営管理部門
当部門の売上高は108,190百万円(前連結会計年度比2,716百万円、2.6%増)、事業利益は10,088百万円(同209百万円、2.1%増)と、前連結会計年度と比べ増収増益となりました。
当連結会計年度末におけるビル等管理件数は794件(前連結会計年度末比12件増)、住宅管理戸数は193,959戸(同4,385戸増)となっております。
当連結会計年度の取り組みとして当部門は、管理受託をしているマンション「アーバニティ王子」における取り組みが、国土交通省が支援する令和5年度の「マンションストック長寿命化等モデル事業」に「先導的再生モデルタイプ(改修工事支援)」として採択されました。また、一般社団法人マンション管理業協会主催「マンションバリューアップアワード2023」においても工事・メンテナンス部門で最上位の部門賞を獲得しています。これらは今後急増する高経年マンションの適切な維持管理を行うための修繕積立金会計を健全化する取り組みであり、マンションの長寿命化に向けた先導性が高く創意工夫を含む取り組みとして高い評価を受けました。
また、2023年版の「SUUMO AWARD」(関西版「管理会社の部」)の顧客満足度ランキングで、「総合評価」最優秀賞を受賞しました。さらに、「スタッフホスピタリティ部門」など他3部門でも最優秀賞・優秀賞を受賞しました。
売上高内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | |
| 運営管理 | 59,502 | 60,817 |
| 受注工事 | 39,875 | 41,067 |
| その他 | 6,096 | 6,305 |
| 合計 | 105,474 | 108,190 |
管理受託数
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| ビル等管理件数(件) | 782 | 794 |
| 住宅管理戸数(戸) | 189,574 | 193,959 |
ビル等管理件数・住宅管理戸数の推移

g.その他
売上高は280百万円(前連結会計年度比△1百万円、0.6%減)、事業利益は161百万円(同13百万円、9.2%増)となりました。
④財政状態の状況及び分析
a.資産、負債及び純資産の状況
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | 増減額 | 増減率 | |
| 総資産 | 2,110,693 | 2,251,456 | 140,762 | 6.7% |
| 総負債 | 1,454,956 | 1,559,015 | 104,059 | 7.2% |
| (うち有利子負債) | (1,121,548) | (1,192,728) | (71,179) | 6.3% |
| 純資産 | 655,737 | 692,440 | 36,702 | 5.6% |
| (うち自己資本) | (653,307) | (690,930) | (37,622) | 5.8% |
| 自己資本比率 | 31.0% | 30.7% | ― | ― |
| D/Eレシオ | 1.7倍 | 1.7倍 | ― | ― |
(注)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
b.資産
当連結会計年度末における総資産は2,251,456百万円となり、前連結会計年度末に比べ140,762百万円増加いたしました。これは主に、投資有価証券(36,918百万円増)、建設仮勘定(28,246百万円増)、前渡金(28,111百万円増)、並びに現金及び預金(25,879百万円増)が増加したことによるものであります。
各部門の資産は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
| 部門 | 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) |
| 住宅 | 607,382 | 596,016 |
| (内棚卸資産) | (514,774) | (487,084) |
| 都市開発 | 1,225,125 | 1,287,099 |
| (内棚卸資産) | (485,188) | (525,876) |
| (内有形固定資産) | (682,994) | (701,393) |
| 海外 | 160,942 | 216,896 |
| 資産運用 | 44,064 | 58,865 |
| 仲介・CRE | 29,088 | 29,091 |
| 運営管理 | 51,368 | 49,920 |
| その他 | 1,324 | 1,310 |
| 調整額 | △8,602 | 12,256 |
| 合計額 | 2,110,693 | 2,251,456 |
| (内棚卸資産) | (999,125) | (1,011,917) |
主な用途別の有形固定資産の残高は下表のとおりであります。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| オフィス | 506,854 | 528,124 |
| 商業施設 | 92,564 | 89,353 |
c.負債
当連結会計年度末における総負債は1,559,015百万円となり、前連結会計年度末に比べ104,059百万円増加いたしました。これは主に、有利子負債(71,179百万円増)、支払手形及び買掛金(12,845百万円増)、並びに預り金(10,296百万円増)が増加したことによるものであります。
d.純資産
当連結会計年度末における純資産は692,440百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,702百万円増加いたしました。これは主に、自己株式(6,447百万円減)の取得を行った一方で、利益剰余金(45,088百万円増)が増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況及び分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
①キャッシュ・フローの状況及び分析の内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末から26,041百万円増加し、53,811百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
a.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、70,878百万円の資金の増加(前連結会計年度比113,687百万円増)となりました。これは主に、法人税等の支払いがあった一方で、税金等調整前当期純利益96,653百万円の計上があったことによるものであります。
b.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、83,638百万円の資金の減少(同20,741百万円減)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産、投資有価証券の売却及び精算を行った一方で、有形及び無形固定資産、投資有価証券の取得による支出があったことによるものであります。
c.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、39,921百万円の資金の増加(同25,753百万円減)となりました。これは主に、配当金の支払い及び社債の償還を行った一方で、長期借入れによる資金調達を行ったことによるものであります。
②資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.資金調達の方法及び状況
当社グループは、事業活動及び成長投資等に必要な資金を、営業活動により得たキャッシュ・フローで賄うことを基本とし、不足している場合については、外部からの調達により確保しております。
外部からの調達に関しては、財務健全性の指標として自己資本比率を30%水準と設定した上で、中長期にわたる不動産開発事業の特性を踏まえ、主に、国内金融機関からの長期借入金や社債の発行等により、長期資金を中心とした資金調達を行っております。また、将来の金利上昇に備えて金利の固定化を進めるとともに、償還額の年度別の分散等を図ることで、借換えリスクの低減を図っております。
当連結会計年度におきましては、金融機関からの借入金等により、必要資金の調達を行いました。なお当社グループは、持続可能な社会の発展に貢献するための資金調達を行うことを目的とし、2028年3月期までに、累計7,000億円をサステナブル・ファイナンスにより調達することを目標に掲げています。当連結会計年度は、この取り組みの一環として、「BLUE FRONT SHIBAURA(芝浦プロジェクト)」(S棟:2025年2月竣工予定、N棟:2031年3月期竣工予定)を資金使途とした「芝浦グリーンボンド」を発行し、200億円を調達しました。
手許資金に関しては、資産効率性を損なうことなく、必要な資金を柔軟に確保するため、入出金管理に基づく必要最小限の現預金の確保と合わせて、当座貸越及びコミットメントライン契約を締結する等の対応を講じております。また、当社にて、グループ各社の資金を一元管理するキャッシュ・マネジメント・システムを導入し、資金効率の向上を図っております。
なお、当連結会計年度末時点の有利子負債の状況については以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| 有利子負債残高(A) | 1,121,548 | 1,192,728 |
| 総資産(B) | 2,110,693 | 2,251,456 |
| EBITDA(注)1 | 125,661 | 134,180 |
| 支払利息 | 10,221 | 14,093 |
| 有利子負債依存度(A/B) | 53.1% | 53.0% |
| D/Eレシオ(注)2 | 1.7倍 | 1.7倍 |
(注)1.EBITDA=営業利益+受取利息・配当金+持分法による投資利益+減価償却費+のれん償却額
2.D/Eレシオ=有利子負債残高/自己資本
有利子負債残高の内訳 (単位:百万円)
| 前連結会計年度末 (2023年3月31日) | 当連結会計年度末 (2024年3月31日) | |
| 長期借入金 | 853,684 | 945,040 |
| 社債 | 130,000 | 140,000 |
| 短期借入金 | 38,750 | 30,483 |
| 1年以内返済長期借入金 | 79,113 | 67,204 |
| 1年以内償還予定社債 | 20,000 | 10,000 |
| 合計 | 1,121,548 | 1,192,728 |
有利子負債/支払利息の推移

b.資金の主要な使途を含む資金需要の動向
当社グループの主要な資金需要は、国内における分譲・売却事業における販売用不動産等の取得・開発等に係る資金、保有・賃貸事業における固定資産の取得・開発・運用等に係る資金、海外における投資・開発等に係る資金、M&A・資本業務提携等の戦略投資に係る資金、株主還元に係る資金等であります。
(成長投資と株主還元の考え方)
当社グループは、2022年4月に策定した中長期経営計画において、高い利益成長、高い資産・資本効率の実現を重点テーマに掲げ、年平均8%水準の高い利益成長と高い株主還元の両立により企業価値の向上を図っております。当社グループでは、株主資本コストを7~8%と想定しており、これを上回る資本効率性を維持しながら、持続的な利益成長実現に向けた投資を拡大してまいります。
株主還元については、安定的且つ経営環境に応じた機動的な株主還元を行うため、配当に自己株式の取得を組み合わせることで、2023年3月期~2025年3月期における各連結会計年度の総還元性向を40~50%程度とすること、並びに、2026年3月期以降における配当性向40%水準にむけて段階的に配当性向を引き上げることを指針としております。加えて、2025年3月期より、配当の安定性の向上を目的に、年間の配当金について、DOE※4%を満たす水準を下限とすることを指針としております。
この指針のもと、当連結会計年度の配当については、期末配当を従来予想から増額し1株当たり75.0円とし、これにより実施済みの第2四半期末配当金とあわせた1株当たり年間配当金は140.0円、配当性向は35.7%となりました。
また当連結会計年度において、財務健全性、株価水準、事業環境等を総合的に勘案し、自己株式について6,999百万円の取得を実施しており、結果、当連結会計年度の総還元性向は46.0%となりました。
※DOE=年間配当額÷期中平均自己資本
(3)生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績及び財政状態の状況及び分析の内容 ③部門別の経営成績の状況及び分析の内容」に記載のとおりであります。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されておりますが、その作成にあたっては、経営者の主観的な判断を伴う見積りが必要になる項目があります。
経営者はその見積りが合理的であると判断していますが、市況の変化等により将来の結果が異なるものとなり、連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
当社グループの重要な会計方針のうち、特に重要性の高い会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。