四半期報告書-第102期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/09 10:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
27項目
(1)財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
資産の部では、マンション販売の引渡しによる商品及び製品の減少があったものの、高石市内連続立体交差化工事等の進捗により有形固定資産が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ9億88百万円増加の9,030億34百万円となりました。
負債の部では、未払法人税等、支払手形及び買掛金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ62億56百万円減少の6,629億54百万円となりました。
純資産の部では、剰余金の配当による減少があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による増加があったこと等により、前連結会計年度末に比べ72億45百万円増加の2,400億80百万円となりました。
また、自己資本比率は前連結会計年度末比で0.7ポイント上昇し、25.3%となりました。
b.経営成績
当第1四半期連結累計期間の業績は、運輸業で空港関連旅客輸送が好調に推移したことや不動産業でマンション販売、建設業で完成工事高が増加したこと等により、営業収益は587億29百万円(前年同期比9.3%増)となり、営業利益は99億41百万円(前年同期比13.0%増)、経常利益は93億26百万円(前年同期比17.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、繰延税金資産の回収可能性の見直しによる法人税等の減少もあり、82億45百万円(前年同期比44.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 運輸業
運輸業は、鉄道事業において空港関連旅客輸送が好調に推移したこともあり、営業収益は255億54百万円(前年同期比2.1%増)となり、営業利益は48億60百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(参考)提出会社の鉄道旅客収入及び輸送人員表
前第1四半期連結累計期間
(自 2017年4月1日
至 2017年6月30日)
当第1四半期連結累計期間
(自 2018年4月1日
至 2018年6月30日)
増減率



百万円百万円%
定期外8,7829,0392.9
定 期5,7885,779△0.1
合 計14,57114,8191.7



千人千人%
定期外24,35824,6641.3
定 期36,65036,7090.2
合 計61,00861,3730.6

(注)輸送人員は千人未満を四捨五入で表示しております。
② 不動産業
不動産業は、不動産販売業においてマンション販売が増加したこと等により、営業収益は113億11百万円(前年同期比47.6%増)となり、営業利益は32億32百万円(前年同期比25.2%増)となりました。
③ 流通業
流通業の営業収益は、駅ビジネス事業においてekimo事業のテナントとの契約形態変更による減収等により、83億69百万円(前年同期比6.0%減)となりましたが、ショッピングセンターの経営における増収により、営業利益は10億11百万円(前年同期比16.2%増)となりました。
④ レジャー・サービス業
レジャー・サービス業は、葬祭事業において昨年8月の「ティア泉北光明池」開業による増収があったものの、ホテル・旅館業において「ホテル中の島」リニューアルに伴う一部休業の影響もあり、営業収益は86億19百万円(前年同期比0.3%減)となり、営業利益は3億43百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
⑤ 建設業
建設業の営業収益は、完成工事高の増加等により、108億10百万円(前年同期比11.1%増)となり、営業利益は5億37百万円(前年同期比67.1%増)となりました。
⑥ その他の事業
その他の事業の営業収益は3億37百万円(前年同期比3.4%減)となり、営業損失は57百万円となりました。
(2)経営方針
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針に重要な変更はありません。
(3)経営環境及び対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループの経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更及び新たに発生した事象はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社の企業価値の源泉を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主の皆さまの共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式の大量買付であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値や株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
特に、当社が企業価値を確保・向上させるためには、沿線住民を核とする顧客及び地域社会との良好な信頼関係を維持・強化していくことが必要であり、また、鉄道事業者としての最大の使命である安全輸送を確保することが何よりも重要であります。当社株式の大量買付を行う者が、当社グループの財務及び事業の内容を理解するのはもちろんのこと、こうした当社の企業価値の源泉を理解したうえで、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社は、このような当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要
ア、基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループでは、企業価値向上に向けた取組みといたしまして、当社グループの10年後のありたき姿として「南海グループ経営ビジョン2027」を策定するとともに、その実現に向けた第一段階の取組みとして、当初3年間(2018年度~2020年度)を対象期間とする中期経営計画「共創136計画」を策定し、推進しております。この「共創136計画」におきましては、次のとおり5つの基本方針を定め、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上をめざしてまいります。
(ア)安全・安心で良質な交通サービスの提供
鉄道事業やバス事業等、交通サービス事業において、安全・安心で快適な輸送サービスの提供に努めるとともに、「選ばれる沿線づくり」のため、良質感を感じていただける施策を実行します。また、なにわ筋線計画(2031年春開業予定)を着実に推進します。
(イ)なんばのまちづくり
「なんばスカイオ」開業後も難波駅を中心とする南海ターミナルビル近接ゾーンを充実させるため、なんばエリアでの新規物件の取得、既存保有物件のリノベーション等に取り組みます。また、なんば~新今宮・新世界の南北軸形成のため、なんばEKIKANプロジェクトを核とした周辺エリアの開発や「もと馬淵生活館・もと馬淵生活館保育所跡地」での外国人就労支援・交流施設の開発を推進します。
(ウ)インバウンド旅客をはじめとする交流人口の拡大
本計画最終年度となる2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、一層の増加が想定されるインバウンド需要の確実な取込みをめざします。そのため、渡航前に当社グループを選んでいただくための利便性向上施策の実施や魅力ある観光メニューの充実等を行います。また、2019年の世界文化遺産登録に向けて取組みの進む百舌鳥・古市古墳群等、沿線各所の特長を活かした観光振興により、交流人口の拡大をめざします。
(エ)駅を拠点としたまちづくり
周辺地域の特性に応じた駅の再整備・機能強化により、沿線の魅力向上・活性化をはかります。また、沿線自治体や関係各所との連携を深め、泉北をはじめとする沿線ニュータウンの再生・活性化に取り組みます。
(オ)不動産事業の拡充
北大阪流通センター再開発の第1期計画(2020年春開業予定)を推進するとともに、第2期以降の計画を具体化します。また、新規不動産物件の取得・開発や既存保有物件のリノベーション、フィービジネスへの進出等、沿線を中心に多様な不動産ビジネスを推進し、不動産事業の一層の拡充をはかります。
イ、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための
取組み
当社は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、2016年6月24日開催の第99期定時株主総会において、当社株式の大量買付行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)を更新することについてご承認をいただいております。本プランの内容の概要は、次のとおりであります。
(ア)目的
本プランは、当社株式の大量買付が行われる場合に、株主の皆さまが適切な判断をするために必要・十分な情報と時間を確保するとともに、買収者との交渉の機会を確保すること等を通じて、当社の企業価値・株主共同の利益に反する買収を抑止し、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。
(イ)手続の設定
本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求めるなど、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。なお、買収者は、本プランに係る手続が開始された場合には、当社取締役会又は株主総会において本プランの発動をしない旨の決議がなされるまでの間、買収を実行してはならないものとされております。
買収者は、買付等の開始又は実行に先立ち、買付等の内容等の検討に必要な情報等を当社に提出することが求められます。当社取締役会は、買収者から情報等が提出された場合、外部専門家からの助言又は意見を得たうえで、買付等の内容等の検討、買収者の提示する経営計画・事業計画等の検討、代替案の検討、買収者との協議・交渉等を行い、買付等の内容に対する意見をとりまとめ、株主の皆さまに対して提示します。
当社取締役会は、上記の手続に従い検討を行った結果、新株予約権の無償割当てを実施しない旨決定した場合を除き、原則として、株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する株主の皆さまの意思を確認するものとします。但し、本プランに定められた手続に従わない買付等であり、かつ、新株予約権の無償割当てを実施することが相当である場合には、株主総会を招集せずに、取締役会において新株予約権の無償割当ての実施についての決議をすることができるものとします。
上記のほか、当社取締役会は、買付等について、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を害するおそれがあると判断する場合には、株主総会を開催し、買収者の買付等に関する株主の皆さまの意思を確認することができるものとします。
(ウ)新株予約権の無償割当てによる本プランの発動
買付等が本プランに定められた手続に従わないものであったり、当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある場合等であって本プランに定める要件に該当する場合には、当社は、買収者等による権利行使は認められないとの行使条件及び当社が買収者等以外の者から当社株式等と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項等が付された新株予約権を、その時点の当社を除くすべての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者等以外の株主の皆さまに当社株式が交付された場合には、買収者等の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。
(エ)本プランの有効期間及び廃止
本プランの有効期間は、2016年6月24日開催の第99期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までとします。但し、有効期間の満了前であっても、(ⅰ)当社の株主総会において、本プランに係る新株予約権の無償割当てに関する事項の決定についての取締役会への委任を撤回する旨の決議が行われた場合、又は、(ⅱ)当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い廃止されるものとします。
③ 上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
ア、基本方針の実現に資する特別な取組み(上記②のアの取組み)について
上記②のアに記載した「南海グループ経営ビジョン2027」及び中期経営計画「共創136計画」は、いずれも当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定したものであり、まさに基本方針の実現に資するものであります。
したがって、これらの取組みや各施策は、基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
イ、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための
取組み(上記②のイの取組み)について
上記②のイに記載のとおり、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的とするものであり、基本方針に沿うものであります。特に、本プランは、株主総会において株主の皆さまの承認を得て更新されたものであること、株主総会又は取締役会の決議によりいつでも廃止できるとされていること、発動の是非についても、一定の場合を除き、株主総会において株主の皆さまの意思を確認することとしていること等、株主意思を重視するものであり、また、合理的な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されていること、本プランの運用に際して外部専門家の助言又は意見を取得することとしていること等により、その公正性・客観性が担保されており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4)研究開発活動
特記すべき事項はありません。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資本の財源
資本の財源につきましては、「第2 事業の状況 2.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」に記載のとおりであります。
b.資金の流動性
当社グループの鉄道事業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分確保しております。
資金調達につきましては、鉄道事業等における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債及び金融機関からの借入金など、市場の環境や金利の動向等を総合的に勘案したうえで決定しております。
また、資金調達手法の一つとして複数の金融機関との間でコミットメントライン契約を締結しております。
さらに、当社グループの資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入し、極力グループ内資金を有効活用する仕組みを構築しております。
このほか、大規模自然災害等が発生した場合の対処として、震災対応型コミットメントライン契約を締結しております。