有価証券報告書-第105期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 9:22
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136項目

(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)を取り巻く環境は、貿易問題の激化による世界経済の減速リスクや、国内の労働力不足の顕在化などの不安定要因はあったものの、上半期を中心に企業収益や雇用環境の改善などにより日本全体の景気観は緩やかな回復傾向が続き、地域経済においても製造業を中心に企業の設備投資の増加や、好調な企業業績を背景に個人消費の改善が見られました。しかしながら、10月に消費税率改定が実施されたことにより個人消費を中心に冷え込みが見られ、さらに今年に入り新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的に広まったことにより、景気観は急速に悪化することとなりました。当社グループが置かれている状況としても、地域人口の減少や石油製品の需要減、同業者間での競争などに加え、新型コロナウイルス感染症の拡大による社会活動の停滞の影響を大きく受けるなど、引き続き厳しい経営環境にありました。
当連結会計年度末における当社グループの資産合計は、前年度末より208,185千円増加し4,699,197千円となりました。負債合計は前年度末より257,835千円増加し3,922,625千円となりました。純資産合計は前年度末より49,650千円減少し776,572千円となりました。
当連結会計年度の当社グループの売上高は3,672,753千円(前連結会計年度比90.1%)、営業費は4,176,009千円(前連結会計年度比90.0%)となり、営業損失は503,255千円(前連結会計年度比89.7%)と前年より57,488千円改善しました。経常損失は527,873千円(前連結会計年度比92.5%)と前年より42,685千円の改善となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ90,703千円悪化の46,176千円となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(運輸事業)
鉄道事業においては、「福井鉄道交通圏地域公共交通網形成計画」に基づき、利用促進活動や設備更新等に着実に取り組みました。営業面では企画乗車券の設定やスタンプラリー等のイベント開催、パークアンドライド駐車場の増強を行ったほか、沿線の企業、団体、学校などへの利用促進活動を継続的に行い、利用者数の増加を図りました。設備面では老朽化した各種設備の更新工事や車両重要機器の更新、内装リニューアルを行い、安全性・快適性の向上を図りました。当期の利用者数は、消費税率改定の影響のほか、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響により3月の利用が大きく減少したため、1,988千人(前連結会計年度比97.3%)と2,000千人を割り込む結果となり、収入面においても減収となりました。
旅客自動車運送事業においては、乗合バス事業については、ダイヤや走行ルートの調整を行ったほか、沿線自治体の協力をいただき利用促進に努めました。設備面では、老朽化した車両を新車両に更新し、サービス向上と維持コスト・環境負荷の低減を図ったほか、高速バスの利便性を向上させるためWi-Fi機器を搭載しました。また、無線設備の更新を順次行い、IP化による通話品質や機能の向上を図りました。当期の利用者数は、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響により、特に乗合高速バスの3月の利用は大きく減少しましたが、全体的には概ね堅調に推移した結果、ほぼ前年並みとなりました。
貸切バス事業においては、企業の通勤輸送や学校の通学輸送といった契約輸送や、イベントでの催事輸送の獲得を積極的に行い、安定的な収益の確保を図りました。また、お客様に選んでいただけるよう安全・快適なサービスの提供に継続的に取り組み、日本バス協会の「貸切バス事業者安全性評価認定制度」において当社は三ツ星評価の継続認定を受けました。設備面では、老朽化した車両の更新を進め、お客様サービス・安全性の向上と維持コスト・環境負荷の低減を図ったほか、利便性を向上させるためWi-Fi機器を一部車両に搭載しました。当期は契約輸送の新規受注等の増収要因がありましたが、前年度の福井国体開催に伴う輸送需要の反動や、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響で3月の利用が大きく減少したことにより、減収となりました。
タクシー事業においては、乗務員不足が深刻となる中、繁忙時間帯の稼働率を向上させるため、深夜時間帯の営業を取りやめるなど乗務員運用の効率化を図ったほか、一部営業所の集約を行いました。また、利用促進のための粗品配布や、企業送迎輸送の受注を図るなどご利用の増加に努めました。設備面では、老朽化した車両を更新し安全性・快適性を向上させたほか、LPG供給施設の統廃合を受けハイブリッド車の導入を実施いたしました。当期は、営業エリア全体の傾向として引き続き一般のお客様のご利用の落ち込みが続いたことに加え、乗務員不足による運用車両数減少の影響、新型コロナウイルス感染症による外出自粛等の影響が重なり、大幅な減収となりました。
運輸事業セグメント全体では、売上高は1,841,641千円(前連結会計年度比95.3%)、セグメント利益は△544,662千円(前連結会計年度比95.7%)となりました。
提出会社の運輸成績表(鉄道事業)
項目単位当事業年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
前年同期比(%)
営業日数366100.3
営業キロキロ21.5100.0
客車走行キロ千キロ1,93599.2
輸送人員定期千人1,10399.8
定期外88594.3
1,98897.3
旅客運輸収入定期千円149,12898.1
定期外192,78594.3
341,91396.0
運輸雑収13,88385.2
運輸収入合計355,79795.5

提出会社の運輸成績表(自動車事業)
項目単位当事業年度
(自 平成31年4月1日
至 令和2年3月31日)
前年同期比(%)
営業日数366100.3
乗合
営業キロキロ1,607.7095.6
車両走行キロ千キロ2,678101.2
旅客人員千人967102.4
旅客運輸収入千円527,52197.8
運送雑収11,05481.5
538,57597.4
貸切
車両走行キロ千キロ565119.6
旅客人員千人300145.4
収入合計千円305,279106.3

(流通事業)
主力の石油類・ガス販売事業においては、各種キャンペーンの実施、小口の配送サービスの強化、洗車や物販といった給油以外のサービス提供、廃業事業者の顧客引き受けや他業者との業務提携など、営業活動を積極的に行い利用の増加を図りました。併せて、お客様に再度選んでいただけるスタンドとなるよう、マナー研修や技術研修などの社員教育を継続して実施しました。当期は前年度に続いて暖冬となり灯油や重油等の冬季需要が低調であったほか、新型コロナウイルス感染症の拡大により企業向けの配送取扱いが落ち込みました。一方で北陸新幹線工事等の軽油需要が引き続き堅調であったほか、スタンド販売量がリニューアル効果や各種キャンペーン効果などにより比較的堅調に推移しました。価格面では、貿易問題の激化による景気悪化の観測や主要産油国による原油減産措置の不調などにより供給過剰感が強くなり、原油価格は前年度と比較して低い水準で推移しました。同業他社の価格動向にも留意しつつ、一定水準の利益を確保できる小売価格の設定に努めました。売上高は販売量の減少、原油価格の下落により小売価格が下がったことから、前年より減収となりました。
物品販売業では、事業者向け大口販売の取扱い縮小や大型量販店の増加、ネット通販等の普及に伴う一般顧客向けの販売減少により、全般的に販売量の減少傾向が続いております。スタンドでの物販、鉄道グッズの新商品販売やネット販売を積極的に行いましたが、売上高は減収となりました。
流通事業セグメント全体では、売上高は1,698,701千円(前連結会計年度比83.6%)、セグメント利益は△8,916千円(前連結会計年度比15.8%)となりました。
(不動産事業)
不動産事業においては、賃貸物件数や契約内容の大きな変動はなく、売上高はほぼ前年並みとなりました。
不動産事業セグメント全体では、売上高は32,236千円(前連結会計年度比102.1%)、セグメント利益は38,434千円(前連結会計年度比105.6%)となりました。
(その他事業)
旅行事業においては、各種自社企画ツアーの展開を行ったほか、手配旅行に関しては取引先企業・団体などへの営業活動を積極的に実施しました。しかし主催旅行についてはご利用が伸びなかったほか、手配旅行取扱いについても大口顧客よりの受注が減少しました。加えて新型コロナウイルス感染症の影響により2月・3月のご利用が激減したことから、前年より大幅な減収となりました。
自動車整備事業においては、当社グループの営業車両の整備業務のほか、スタンドでの一般顧客向けの車検や車両整備の受付を行い取扱い数の増加を図りました。また、整備作業の体制を強化し、一層の内製化を推進しました。当期は整備の取扱いが堅調に推移したことにより、前年より増収となりました。
広告・その他事業においては、広告事業においては駅の電照広告やバスラッピング広告の新規取り扱い等があったものの、電車・バスの車内放送広告の更新に伴う取扱いがなかったため、前年より減収となりました。保険事業においては前年度より営業体制を順次縮小していることにより、前年より減収となりました。
その他事業セグメント全体では、売上高は100,174千円(前連結会計年度比124.5%)、セグメント利益は32,894千円(前連結会計年度比94.3%)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期と比較して96,966千円増加し、337,307千円(前連結会計年度比140.3%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は506,620千円(前連結会計年度1,012,350千円)となりました。当社鉄道事業において前年度に行った補助対象事業の繰り越し精算の反動により、固定資産圧縮損が198,986千円(前連結会計年度862,717千円)、固定資産除却損が19,356千円(前連結会計年度152,091千円)と大きく減少したことが主な要因となりました。一方で、設備投資の増加に伴い減価償却費が242,200千円(前連結会計年度207,821千円)と増加したほか、その他の資産・負債の純増減が2,526千円(前連結会計年度△294,612千円)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は△431,375千円(前連結会計年度△1,077,792千円)となりました。これは当社鉄道事業において前年度に行った補助対象事業の繰り越し精算の反動により、有形固定資産の取得による支出が△425,811千円(前連結会計年度△1,099,546千円)となったことが主な要因となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は21,721千円(前連結会計年度△94,254千円)となりました。設備投資資金や運転資金の確保のため長期借入金が増加したことに伴い、長期借入れによる収入が487,000千円(前連結会計年度343,500千円)と増加したことが主な要因となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの業務はサービス業であり、その性格上、生産、受注を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
ⅰ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前年度末より208,185千円増加し4,699,197千円となりました。
流動資産は1,389,627千円(前連結会計年度末1,349,669千円)と前年度より39,957千円増加しました。これは主に、期末の資金借入や費用支払のタイミングのずれにより、現金及び預金が104,066千円増加したことによるものであります。一方で新型コロナウイルス感染症の影響により3月の取引が減少したため、受取手形及び売掛金が61,634千円減少いたしました。固定資産は3,309,570千円(前連結会計年度末3,141,343千円)と前年度より168,227千円増加しました。これは主に、グループ各社においてバスやタクシー等の営業用車両の新規導入、老朽車両の更新を積極的に行ったため、機械装置及び運搬具が138,878千円、リース資産が21,795千円、それぞれ増加しました。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前年度末より257,835千円増加し3,922,625千円となりました。
流動負債は1,962,300千円(前連結会計年度末1,789,399千円)と前年度より172,900千円増加しました。これは主に、設備投資資金や運転資金等の確保のため借入金が増加したことにより、短期借入金が78,624千円増加したこと、費用支払いのタイミングのずれにより、未払金が101,938千円増加したことによるものであります。固定負債は1,960,324千円(前連結会計年度末1,875,389千円)と前年度より84,934千円増加しました。これは主に、設備投資資金や運転資金等の確保のため借入金が増加したことにより、長期借入金が73,342千円増加したことによるものであります。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前年度末より49,650千円減少し776,572千円となりました。これは主に、当期純損失を計上したことにより利益剰余金が46,145千円減少したこと、保有する有価証券の時価が下落したことによりその他有価証券評価差額金が2,991千円減少したことによるものであります。
ⅱ)経営成績
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前年度より404,959千円減少し3,672,753千円となりました。運輸事業においては前年度の福井国体開催に伴う輸送需要の反動や、3月の新型コロナウイルス感染症拡大の影響により減収となりました。また、流通事業においては供給過剰による原油価格下落の影響により販売価格が下落したこと、石油類の大口販売取扱いを縮小したことで販売量が減少したことなどにより、前年よりも減収となったものであります。
(営業費)
当連結会計年度の営業費は、前年度より462,448千円減少し4,176,009千円となりました。流通事業において原油価格が下落したことや、石油類の大口販売取扱いを縮小したことにより売上原価が減少したほか、運輸事業において前年度に豪雪に伴う鉄道事業設備投資の繰り越し精算があったことの反動などにより、大幅に減少したものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前年度より90,703千円減少し△46,176千円となりました。経常損益までは前年度より改善していましたが、特別利益の補助金の額が前年度より大きく減少したこと、固定資産圧縮損や減損損失、投資有価証券評価損など多くの特別損失を計上したことにより、最終的に純損失の計上となったものであります。
ⅲ)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの主要事業である運輸事業及び流通事業が置かれている経営環境は、将来にわたって大変厳しい状況に置かれていると認識しております。
運輸事業においては、地域人口の減少に伴う利用減の傾向が続いております。これに加え、昨今は労働力不足の影響により乗務員が不足気味であり、貸切バスやタクシー事業では営業体制を縮小せざるを得ない状況も出ております。お客様のご利用を増加させ将来にわたって事業を維持するため、地域の皆様とも連携し利用促進活動を継続的に展開してまいります。また、採用活動を強化し乗務員の確保を積極的に進めるとともに、営業体制の見直しにより効率的な体制を構築してまいります。
さらに、年度末に拡大した新型コロナウイルス感染症により、運輸事業は大きな影響を受けることとなりました。当連結会計年度のご利用状況は概ね前年並みで推移しておりましたが、年度末に新型コロナウイルス感染症が拡大したことで外出自粛や学校休校が進み、ご利用が大幅に落ち込む結果となりました。感染症拡大の第一波は概ね収束しつつありますが、ご利用状況が以前の水準に戻るには時間を要すると考えております。目下、お客様に安心してご利用いただくため様々な感染症対策を行っているほか、運行維持のため社員への感染防止対策を行っておりますが、今後の状況を注視し、更なる感染症対策や感染拡大収束後の利用促進策など、各種対応策を検討してまいります。
流通事業においては、主力の石油類・ガス販売事業について、自動車の性能が向上していること、ハイブリッド車や電気自動車といったエコカーが普及したこと、オール電化住宅が増加したことなどの要因により、需要の減少傾向が続いております。当社グループにおいても同様の傾向が続いておりましたが、老朽化し見劣りのするスタンド設備の更新、利用者獲得のため社員教育によるマナー向上、営業活動の強化など様々な取り組みを行ったことで、スタンドでの販売量や洗車等の取扱いは増加傾向となりました。この流れを今後も維持できるよう、引き続き営業活動等積極的に行動してまいります。また、安定的な収益を確保するため、適切な小売価格の設定に努めるとともに、車検取扱い、洗車、物販といったスタンド給油以外のサービスの更なる充実を図っていく必要があると考えております。
その他の事業も含め、グループ各社で連携しつつ経営効率化や財務体制の強化を図り、経営の安定化に努めるとともに、お客様に選んでいただけるよう安全・安心で魅力あるサービスの提供や営業活動の強化を進め、収益力の向上に努めてまいります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、当社鉄道事業における大規模な設備更新工事が一段落したことから、固定資産取得に関する支出や圧縮損、除却損などが大きく減少しました。一方で設備投資の増加に伴い、減価償却費が増加傾向となっております。また、設備投資の増加に伴い資金需要が増加したことにより、長期借入金が増加しております。
当社グループの運転資金需要の主なものは、運輸事業における運営費(人件費、動力費、修繕費、賃借料等)、流通事業における石油類購入費及び各事業に関する一般管理費等であります。設備投資資金需要の主なものは、運輸事業における輸送用設備更新、流通事業における給油設備等更新であります。
当社グループの運転資金については、自己資金及び金融機関からの短期借入を基本として、資金需要を見極めつつ対応しております。設備投資資金については、金融機関からの長期借入を基本として、投資計画を勘案し必要に応じて対応しております。なお、主に運輸事業において国及び自治体の補助金を受給しており、受給した補助金の事業内容に基づき、運転資金又は設備投資資金に充当しております。
当社グループでは、借入金残高について基本的に圧縮する方針でおりますが、資金需要の状況や設備投資計画等を勘案し、運営に支障を生ずることの無いよう必要に応じ適切に対応してまいります。

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