四半期報告書-第28期第1四半期(平成26年4月1日-平成26年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当社は、平成17年4月25日、福知山線塚口・尼崎間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。当社としては、これまでの間、「被害に遭われた方々に誠心誠意と受け止めていただけるような取り組み」、「安全性向上に向けた取り組み」、「変革の推進」を「経営の3本柱」と定め、全力で取り組んでまいりました。
当第1四半期連結累計期間については、「福知山線列車事故追悼慰霊式」を執り行うとともに、引き続き福知山線列車事故で被害に遭われた方々へ真摯に向き合い対応してまいりました。また、この事故を踏まえて設立した公益財団法人「JR西日本あんしん社会財団」を通じて、「安全で安心できる社会づくり」に寄与する取り組みを実施してまいりました。
「JR西日本グループ中期経営計画2017」とその中核をなす「安全考動計画2017」については、「現場起点」「お客様起点」をキーワードに、安全・CSを中心とした各戦略の到達目標の達成に向けて、計画的な取り組みを推進してまいりました。
特に、最優先で取り組むべき「安全」については、「安全考動計画2017」の具体的取り組みをJR西日本グループあげて推進しており、到達目標の達成に向けて着実に一歩を踏み出しています。しかしながら、昨年度発生した死亡に至る労働災害を受けて、改めてJR西日本グループ全体で「お客様が死傷する列車事故ゼロ」「死亡に至る鉄道労災ゼロ」という到達目標の課題の重さを共有し、残りの計画期間において目標の実現に向けて決意を新たに全力で取り組んでいるところです。
また、今年度は北陸新幹線金沢開業に向けた諸準備や大阪ステーションシティ・ノースゲートビルディング西館の再生等により、将来の成長に向けたコストが先行するなか、今後の成長を確実なものとする重要な基盤整備の年と位置づけています。
当社を取り巻く経営環境は、人口減少や対抗輸送機関との競合、自然災害の増加など厳しい現状が続いていますが、当社は中長期的な企業価値向上を目指し、地域の皆様との交流と連携を深め、JR西日本グループ一体でエリアに即した事業を展開することにより、鉄道の品質を高めるとともに非鉄道事業の拡大と新たな事業創造を促進するなど、持続的成長に向けた土台作りに取り組んでまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比1.4%増の3,152億円、営業利益は同3.5%増の383億円、経常利益は同11.0%増の338億円、法人税等を控除した四半期純利益は同51.6%増の281億円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 運輸業
「安全考動計画2017」の具体的な取り組みとして、「安全・安定輸送を実現するための弛まぬ努力」を続けるとともに、「リスクアセスメントのレベルアップ」を進めるための取り組みとして、関連する情報を体系的に整理した、リスクアセスメント・ハンドブックを作成し、全社員に水平展開しました。また、「安全意識の向上と人命最優先の考動」に向けて、事故の教訓を体系的に学ぶために設置した「鉄道安全考動館」における社員教育等の取り組みを進めてまいりました。さらに、東日本大震災の教訓を生かして制定した「津波避難誘導心得」及びマニュアルに基づき訓練を実施するなど、地震・津波情報の伝達や避難を円滑に進めるための取り組みを進めました。「安全投資」では、踏切設備の保安度向上やホームの安全対策に取り組むとともに、地震・津波対策として、高架橋柱の耐震補強工事や山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備、津波避難設備の充実等に引き続き取り組んでまいりました。
輸送面については、3月に実施したダイヤ改正で、新幹線では「のぞみ」「さくら」の運行体系の一部見直しや「みずほ」の増発、在来線では特急「びわこエクスプレス」の増発等を実施するとともに、ゴールデンウィーク期間や週末を中心に、新幹線では「のぞみ」や「みずほ」を、在来線では「サンダーバード」等を増発することにより、利便性向上に努めました。また、来年春に予定される北陸新幹線の金沢開業に向けて、白山総合車両所内で新型車両W7系の走行試験を開始するなど、安全で信頼される輸送サービスの提供に向けた諸準備を着実に進めています。
一方、昨年度の豪雨災害により不通を余儀なくされている山陰本線、山口線、三江線の一部区間については、全力で復旧に当たってまいりました(三江線については7月19日に復旧)。
営業面については、対抗輸送機関との競合等を踏まえ、「スーパー早特きっぷ」設定区間の拡大や、ご利用が増加している「こだま」の指定席拡大、座席の4列化等を実施したほか、「リメンバー九州キャンペーン」を展開するなど、新幹線のご利用促進に努めました。また、「瀬戸内しまのわ2014」にあわせ、広島・松山間の海上ルートの商品化を通じて新たな広域観光ルートの整備に取り組むなど、地域と連携した観光振興を推進したほか、北陸新幹線金沢開業に向けて、ネットで便利にご予約いただける「e5489早特3」のご利用促進や「名探偵コナン金沢・加賀ミステリーツアー」を実施して北陸エリアへのご利用拡大に取り組みました。加えて、「訪日外国人向け無料公衆無線LANサービス」のエリア拡大や「JR西日本列車運行情報」の多言語対応などによる訪日外国人向けサービスの拡充、「ジパング倶楽部」会員への情報提供の充実や「ノリノリきっぷ」の発売によるシニア世代の需要喚起に取り組みました。
また、地域の自治体や企業とともに中長期的な視点からWIN-WINの関係を築き、「地域との共生」を実現していくための取り組みを推進しました。その一環として、地域伝統芸能フェスティバルを開催し、地域情報の発信を行いました。
バス事業については、利用動向に応じた輸送改善と柔軟な価格設定の実施により、お客様の利便性向上に努めました。
船舶事業(宮島航路)については、多客期に対応した営業体制等により、収入の確保に取り組みました。
この結果、運輸業の営業収益は前年同期比1.5%増の2,075億円、営業利益は同1.1%増の296億円となりました。
② 流通業
「JR大阪三越伊勢丹」では、独自性の高い商品やサービスの提供に努めてまいりましたが、厳しい商環境等を踏まえ、地域のお客様からご支持を得られるような店づくりに取り組みつつ、事業再生を目指した抜本的な対策について検討を進めているところです。また、株式会社セブン-イレブン・ジャパンとの提携店舗を京都駅や岡山駅など6箇所に開業するなど、駅の魅力向上に向けた取り組みを推進したほか、ビジネスホテルの事業譲受により、「ヴィアイン」の積極展開を進めました。
この結果、流通業の営業収益は前年同期比2.2%減の554億円、営業利益は同8.7%増の9億円となりました。
③ 不動産業
新大阪駅「メディオ新大阪」の物販・カフェゾーン及び「味の小路」をリニューアルオープンするなど、駅及び周辺の開発を推進しました。また、将来の成長に向けて新大阪駅、広島駅、金沢駅などの拠点駅でリニューアル工事を進めています。加えて、大阪駅周辺地区全体の活性化を図るため、エリアマネジメント活動を周辺事業者と連携して推進しました。このほか、沿線等におけるマンション分譲等に取り組みました。
この結果、不動産業の営業収益は前年同期比3.4%減の206億円、営業利益は同12.2%増の69億円となりました。
④ その他
ホテル業については、インバウンドの獲得増大に努める等の販売拡大に取り組みました。旅行業については、インターネット販売の充実等を図るとともに、鉄道利用商品の販売拡大に取り組みました。「J-WESTカード」については、オンライン入会サービスや初年度年会費無料キャンペーンによるカード会員の獲得に努めました。「ICOCA電子マネー」については、交通系ICカード全国相互利用サービスを最大限活用するとともに市中の大型商業施設への導入等ご利用いただける機会の拡充に取り組みました。また、株式会社ファーム・アライアンス・マネジメントへの資本参加による農業への事業参画など、新たな事業分野の開拓と育成を行いました。
なお、大鉄工業株式会社と株式会社ジェイアール西日本ビルトの2社が4月に連結子会社となりました。引き続き、建設工事等における安全・品質の向上を図ってまいります。
この結果、その他の営業収益は前年同期比11.3%増の316億円、営業利益は同50.2%増の3億円となりました。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
| 区分 | 単位 | 第28期第1四半期累計期間 自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日 | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 営業日数 | 日 | 91 | ― | |||||
| 新幹線 | キロ | 644.0 | 644.0 | |||||
| キロ程 | 在来線 | キロ | (28.0) 4,371.7 | (28.0) 4,371.7 | ||||
| 計 | キロ | (28.0) 5,015.7 | (28.0) 5,015.7 | |||||
| 定期 | 千人 | 298,081 | 99.5 | % | ||||
| 輸送人員 | 定期外 | 千人 | 164,494 | 97.5 | ||||
| 計 | 千人 | 462,576 | 98.7 | |||||
| 輸 送 人 キ ロ | 定期 | 千人キロ | 180,059 | 94.4 | ||||
| 新幹線 | 定期外 | 千人キロ | 4,024,666 | 102.0 | ||||
| 計 | 千人キロ | 4,204,726 | 101.6 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 千人キロ | 4,772,959 | 98.9 | |||
| 定期外 | 千人キロ | 2,477,618 | 100.8 | |||||
| 計 | 千人キロ | 7,250,578 | 99.5 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 千人キロ | 1,135,347 | 97.1 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 1,092,872 | 101.9 | |||||
| 計 | 千人キロ | 2,228,219 | 99.4 | |||||
| 計 | 定期 | 千人キロ | 5,908,306 | 98.5 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 3,570,491 | 101.2 | |||||
| 計 | 千人キロ | 9,478,797 | 99.5 | |||||
| 定期 | 千人キロ | 6,088,365 | 98.4 | |||||
| 合計 | 定期外 | 千人キロ | 7,595,157 | 101.6 | ||||
| 計 | 千人キロ | 13,683,523 | 100.1 | |||||
(注) 1. キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二
種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第1四半期末の数値を記載しております。
2. 輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
| 区分 | 単位 | 第28期第1四半期累計期間 自 平成26年4月1日 至 平成26年6月30日 | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 旅 客 収 入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 2,391 | 102.7 | % | |
| 定期外 | 百万円 | 85,961 | 101.9 | |||||
| 計 | 百万円 | 88,352 | 101.9 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 百万円 | 29,329 | 100.8 | |||
| 定期外 | 百万円 | 43,836 | 101.3 | |||||
| 計 | 百万円 | 73,165 | 101.1 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 百万円 | 7,095 | 101.7 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 22,262 | 100.7 | |||||
| 計 | 百万円 | 29,358 | 100.9 | |||||
| 計 | 定期 | 百万円 | 36,424 | 101.0 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 66,098 | 101.1 | |||||
| 計 | 百万円 | 102,523 | 101.0 | |||||
| 合計 | 定期 | 百万円 | 38,815 | 101.1 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 152,060 | 101.5 | |||||
| 計 | 百万円 | 190,875 | 101.4 | |||||
| 荷物収入 | 百万円 | 2 | 98.9 | |||||
| 合計 | 百万円 | 190,878 | 101.4 | |||||
| 鉄道線路使用料収入 | 百万円 | 1,160 | 99.5 | |||||
| 運輸雑収 | 百万円 | 15,512 | 102.7 | |||||
| 収入合計 | 百万円 | 207,550 | 101.5 | |||||
(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は12億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
① 新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変動は、ありません。
なお、前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等のうち、当第1四半期連結累計期間において完成したものは、ありません。
② 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設の計画
| 工事件名 | セグメントの 名称 | 予算総額 | 工事着手年月 | 完成予定年月 |
| 百万円 | ||||
| 広島鉄道病院新築移転工事 | 運輸業 | 8,376 | 平成26年4月 | 平成27年度 |
| 山陽本線CTC化工事 | 運輸業 | 6,890 | 平成26年5月 | 平成28年春 |
| 新駅設置工事 | 運輸業 | 6,092 | 平成26年5月 | 平成28年春 |
| JR京都線高槻駅改良工事 | 運輸業 | 4,017 | 平成26年5月 | 平成28年春 |
| 車両新造工事 | 運輸業 | 42,403 | 平成26年5月 | 平成30年度 |