四半期報告書-第31期第1四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当社は、平成17年4月25日、福知山線塚口駅~尼崎駅間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。改めて、お亡くなりになられた方々、ご遺族の皆様、お怪我をされた方々とそのご家族の皆様に深くお詫び申しあげます。本年6月には、この事故に関する当社元代表取締役社長3名の刑事裁判が終了いたしましたが、当社が重大な事故を惹き起こしたという事実に変わりはなく、改めて当事者として、事故の責任の重さを痛感しております。引き続き被害に遭われた方々へ真摯に向き合い対応するとともに、安全性の向上に向け、弛まぬ努力を積み重ねてまいります。
当社グループは、「JR西日本グループ中期経営計画2017」とその中核をなす「安全考動計画2017」のもと、中長期的な企業価値向上に向けて、安全性の向上、山陽新幹線の競争力向上、北陸新幹線開業、新駅設置をはじめとした近畿圏の線区価値向上、物販・飲食業や不動産業の拡大、新たな事業分野へのチャレンジ等の施策を着実に推進してまいりました。
これらの取り組みは、成果として表れてきているところですが、より確実なものにするため、同計画の最終年度である本年度を「これまでの成果にさらに磨きをかけ、目標を達成する年」と位置付けております。個人消費や為替等の国内外情勢、対抗輸送機関との競合の激化、自然災害の激甚化等、見通しが不透明な経営環境にありますが、引き続き経営環境の変化を踏まえ、成長の機会を敏感に捉えて必要な施策を実行し、グループ中期経営計画と安全考動計画の目標達成にグループ一丸となって取り組んでまいりました。
当第1四半期連結累計期間においては、運輸収入については堅調な経済情勢を背景に多くのご利用をいただいたほか、熊本地震の反動もあり、増収となり、流通業、不動産業も堅調に推移いたしました。その結果、営業収益は前年同期比4.3%増の3,525億円、営業利益は同20.9%増の547億円、経常利益は同24.7%増の505億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は同26.0%増の347億円となりました。
このほか、新たな事業分野へのチャレンジとして、高付加価値マサバの陸上養殖事業の開始、㈱JR西日本イノベーションズを通じた古民家再生事業への出資等の施策を進めました。
また、なにわ筋線の整備に向けた関係機関・各社との協議を進めていく旨をお知らせいたしました。
引き続き、次期計画期間を見据え、中長期的な成長に向けた取り組みを推進してまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 運輸業
[安全性向上]
最重要戦略である「安全」については、リスクアセスメントを通じたハード・ソフト両面からの対策等により、安全考動計画に掲げた取り組みは概ね順調に推移しており、安全関連投資も計画どおり着実に進捗しております。このうち、お客様の安全に特に関係するホームの安全性向上については、乗降10万人以上の駅等にホーム柵を整備する計画を策定し順次推進するとともに、遠隔セキュリティカメラの設置にも引き続き取り組みました。また、激甚化する自然災害への対処として、地震津波対策や豪雨対策を推進いたしました。
昨年度より開始した安全管理体制に対する第三者評価については、平成28年度の評価結果を6月に受領いたしました。新規にいただいた助言も含めて改善の完了に向け、当社に適する形で改善を検討し、着実に実行してまいります。
(主な具体的取り組み)
1.ホームの安全性向上
・大阪駅6・7番のりばへのホーム柵設置(4・5月)
・ホーム上の異常を駅係員に知らせる遠隔セキュリティカメラの天王寺駅、鶴橋駅への設置
(いずれも4月)
2.自然災害への対処
・山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備推進
・紀勢線の津波対策として乗務員へのVR(ヴァーチャル・リアリティ)教材の製作、導入
・斜面の補強、排水設備の整備等、斜面防災工事の推進
・雨量、風速、震度等を一元的に管理する「気象災害対応システム」の整備(今年度内)
[営業施策等]
営業施策等については、CS(お客様満足)をグループ中期経営計画の基本戦略の一つに位置付け、さまざまなお客様のニーズにお応えする施策を推進しながら、ビジネス・観光需要の獲得、創出に取り組んでおります。
新幹線については、新ATCの整備完了を受け、「こだま」の時間短縮等、輸送サービスの向上を図るとともに、近畿エリアでの線区価値向上、西日本各エリア等における地域と連携した観光誘客を進めてまいりました。さらに、訪日観光客の受け入れ態勢の整備やシニア向け会員組織(おとなび)の魅力向上に取り組むなど、以下のような取り組みを推進いたしました。
(主な具体的取り組み)
1. CS
・ホームページでの「列車走行位置」情報のサービス開始(4月)
・お客様へのご案内充実(駅係員のタブレット端末の機能強化・増備)(6月)
2. 新幹線
・山陽新幹線での新ATCの整備完了及び「こだま」の時間短縮等のダイヤ改正実施(3月)
・コンビニ等における「e5489」決済サービス開始(5月)
・「日本の美は、北陸にあり。」キャンペーン(4~11月)等の展開
3. 近畿エリア
・大阪環状線への新型車両「323系」導入
・京都鉄道博物館グランドオープン1周年キャンペーン
4. 西日本各エリア
・「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」運行開始(6月)
・新たな長距離列車の導入公表(6月)
5. 訪日観光客需要の獲得
・関西空港駅販売窓口拡大、「トラベルサービスセンター大阪」開業(いずれも3月)
6. シニア需要の創出
・㈱ぐるなびと連携した「おとなび」の会員サービス「おとなびダイニング」開始(5月)
加えて、新チケットレスサービス(「スマートEX」)をはじめとする施策を着実に進めてまいります。
バス事業、船舶事業(宮島航路)については、安全輸送を基本とし、お客様のご利用に応じた輸送改善等の実施により、利便性向上に努めました。
これらの取り組みに加え、堅調な経済情勢を背景にビジネス・観光ともに多くのご利用をいただいたほか、熊本地震の反動もあり、運輸業セグメントの営業収益は前年同期比3.5%増の2,297億円、営業利益は同22.4%増の427億円となりました。
なお、平成30年4月に廃止を予定している三江線(江津~三次駅間)については、新たな地域交通の構築に向け、地元の皆様とともに引き続き検討を行ってまいります。
② 流通業
流通業における成長施策として、平成26年度より、従来のコンビニエンスストア「ハートイン」等を㈱セブン-イレブン・ジャパン(SEJ)との提携店舗へ転換するとともに、新規出店を行う施策を進めており、当四半期においても6店舗の転換・新規出店を実施いたしました。
また、駅改良に伴う店舗開発や市中への展開にも取り組んでおり、駅改良とともにショッピングセンター等の整備を進めている広島駅に「アントレマルシェ」を開業いたしました。
さらに、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテルについては、4月に「ヴィアインあべの天王寺」を開業いたしました。
その結果、流通業セグメントにおいては、SEJ提携店舗をはじめとする物販・飲食業の売上げが堅調に推移し、営業収益は前年同期比2.7%増の566億円、営業利益は同62.2%増の14億円となりました。
③ 不動産業
不動産業は当社グループの保有資産を活用し、お客様の利便性向上や沿線価値向上につながる鉄道事業と親和性の高い事業と捉えて、ショッピングセンター(SC)の開発・運営や住宅分譲事業等を進めております。
それに加えて、当社鉄道のエリア外及び沿線外の有望市場へも展開し、分譲事業の拡大と賃貸事業の強化に取り組んでおり、2月には、首都圏をはじめとする有望な市場において賃貸物件等を保有する菱重プロパティーズ㈱を連結子会社化いたしました。同社が保有する不動産について、JR西日本不動産開発㈱との共同事業にも取り組むなど、分譲・賃貸事業の強化を図ってまいります。
SCについては、4月に「LUCUA osaka」を一部リニューアルし、引き続き地下フロアについてもリニューアルを進めております。
その結果、不動産業セグメントにおいては、菱重プロパティーズ㈱の連結子会社化及びJR西日本不動産開発㈱を含めた分譲事業等の堅調な推移により、営業収益は前年同期比35.7%増の350億円、営業利益は同17.7%増の105億円となりました。
④ その他
ホテル業については、訪日観光客をはじめ国内外の旅行需要の獲得等に向け、ハイクラス宿泊主体型ホテル「ホテルヴィスキオ」を大阪、京都に、上質カプセルホテル「ファーストキャビンステーション」を天王寺、和歌山に開業する予定を発表し、従来から展開するシティホテル「グランヴィア」、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」とあわせて、より幅広いニーズの対応に向けた展開を進めてまいります。
旅行業については、訪日観光客への営業展開を強化し、販売の充実を図るとともに、鉄道利用商品の販売拡大に取り組みました。
その結果、その他セグメントにおいては、ホテル業において前年同期並みにご利用いただくとともに、旅行業において訪日観光客のご利用が増加いたしましたが、工事業における受注減少等により、営業収益は前年同期比11.6%減の310億円となり、4億円の営業損失となりました。今後も、訪日観光客需要の獲得等に向け、これらの取り組みを継続してまいります。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
| 区分 | 単位 | 第31期第1四半期累計期間 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日) | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 営業日数 | 日 | 91 | ― | |||||
| 新幹線 | キロ | 812.6 | 812.6 | |||||
| キロ程 | 在来線 | キロ | ( 28.0 ) 4,196.1 | ( 28.0 ) 4,194.5 | ||||
| 計 | キロ | ( 28.0 ) 5,008.7 | ( 28.0 ) 5,007.1 | |||||
| 定期 | 千人 | 306,930 | 100.9 | % | ||||
| 輸送人員 | 定期外 | 千人 | 182,207 | 102.8 | ||||
| 計 | 千人 | 489,138 | 101.6 | |||||
| 輸 送 人 キ ロ | 定期 | 千人キロ | 216,371 | 102.9 | ||||
| 新幹線 | 定期外 | 千人キロ | 4,783,208 | 107.5 | ||||
| 計 | 千人キロ | 4,999,580 | 107.3 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 千人キロ | 4,914,743 | 100.5 | |||
| 定期外 | 千人キロ | 2,697,016 | 102.3 | |||||
| 計 | 千人キロ | 7,611,760 | 101.1 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 千人キロ | 1,087,990 | 100.2 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 967,445 | 99.6 | |||||
| 計 | 千人キロ | 2,055,436 | 99.9 | |||||
| 計 | 定期 | 千人キロ | 6,002,733 | 100.4 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 3,664,462 | 101.6 | |||||
| 計 | 千人キロ | 9,667,196 | 100.9 | |||||
| 定期 | 千人キロ | 6,219,105 | 100.5 | |||||
| 合計 | 定期外 | 千人キロ | 8,447,671 | 104.9 | ||||
| 計 | 千人キロ | 14,666,776 | 103.0 | |||||
(注) 1. キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二
種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第1四半期末の数値を記載しております。
2. 輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
| 区分 | 単位 | 第31期第1四半期累計期間 (自 平成29年4月1日 至 平成29年6月30日) | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 旅 客 収 入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 2,713 | 108.1 | % | |
| 定期外 | 百万円 | 104,631 | 106.0 | |||||
| 計 | 百万円 | 107,345 | 106.0 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 百万円 | 29,882 | 99.3 | |||
| 定期外 | 百万円 | 47,533 | 103.5 | |||||
| 計 | 百万円 | 77,416 | 101.8 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 百万円 | 6,474 | 98.4 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 19,847 | 101.6 | |||||
| 計 | 百万円 | 26,322 | 100.8 | |||||
| 計 | 定期 | 百万円 | 36,357 | 99.1 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 67,381 | 102.9 | |||||
| 計 | 百万円 | 103,738 | 101.6 | |||||
| 合計 | 定期 | 百万円 | 39,070 | 99.7 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 172,012 | 104.8 | |||||
| 計 | 百万円 | 211,083 | 103.8 | |||||
| 荷物収入 | 百万円 | 1 | 97.6 | |||||
| 合計 | 百万円 | 211,084 | 103.8 | |||||
| 鉄道線路使用料収入 | 百万円 | 1,216 | 110.5 | |||||
| 運輸雑収 | 百万円 | 17,006 | 95.2 | |||||
| 収入合計 | 百万円 | 229,308 | 103.1 | |||||
(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2) 経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は11億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
① 新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変動があったものは、次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間において完成した重要な設備の新設
| 工事件名 | セグメントの名称 | 総工事費 | 完成年月 |
| 百万円 | |||
| 車両新造工事 | 運輸業 | 2,943 | 平成29年6月 |
② 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更があったものは次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設の計画
| 工事件名 | セグメントの 名称 | 予算総額 | 工事着手年月 | 完成予定年月 |
| 百万円 | ||||
| 社員研修センターのリニューアル | 運輸業 | 13,762 | 平成29年5月 | 平成32年度 |