四半期報告書-第30期第1四半期(平成28年4月1日-平成28年6月30日)
有報資料
(1) 業績の状況
当社は、平成17年4月25日、福知山線塚口・尼崎間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。引き続き福知山線列車事故で被害に遭われた方々へ真摯に向き合い対応してまいります。また本年4月には「福知山線列車事故追悼慰霊式」を執り行っております。
当社は「被害に遭われた方々に誠心誠意と受け止めていただけるような取り組み」「安全性向上に向けた取り組み」「変革の推進」を「経営の3本柱」と定めており、全力で取り組んでおります。
当社グループは、平成25年3月に、「JR西日本グループ中期経営計画2017」とその中核をなす「安全考動計画2017」を策定し、2017年度までの5年間を「確かな経営の土台をつくりあげる期間」と位置づけ、「3つの基本戦略」と「4つの事業戦略」を重点戦略として推進してまいりました。昨年4月にそれまでの振り返りと経営環境の変化を踏まえ、「JR西日本グループ中期経営計画2017」をアップデートし、目標の達成に向けた取り組みの修正、追加を行っており、さらに事業分野をまたがる3つの戦略トピックスとして「北陸新幹線と北陸エリアの活性化」「LUCUA osaka」「訪日観光客需要の獲得」を掲げ、重点的に取り組んでおります。
当社は本年6月より新しい経営体制となりましたが、これらの目標の達成に向けて、引き続き全力で取り組んでまいります。
当第1四半期連結累計期間においては、本年4月の熊本地震の影響、北陸新幹線の開業効果が一巡したこと等により運輸収入は減収となり、また百貨店の売上げが軟調であったこと等により流通業においても減収となりました。一方、不動産業では商業施設に多くのお客様にご利用をいただいたことにより増収となりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の営業収益は前年同期比0.9%減の3,381億円、営業利益は同11.2%減の453億円、経常利益は同10.7%減の405億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は同7.2%減の275億円となりました。
当社を取り巻く経営環境は、激甚化する自然災害、テロ等への対応、人口減少や対抗輸送機関との競合、不安定な経済情勢等将来の見通しが難しい状況が続いております。引き続き、安全性向上を大前提として、北陸新幹線開業効果の定着化やシニア需要、訪日観光客需要の獲得に向けた取り組み等各施策をグループ全体で推進してまいります。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 運輸業
鉄道の安全性向上に向けて、平成25年に策定した「安全考動計画2017」のもと各種施策を推進しております。重点項目として、激甚化する自然災害への対処、ホームの安全性向上、死亡に至る鉄道労災防止、リスク管理の強化、安全における内部監査の充実と外部視点の活用等を進めております。
激甚化する自然災害への対処については、京阪神を中心に各線区の降雨時における防災強度向上の取り組み等を進めております。地震対策等としては、高架橋柱や駅舎の耐震補強工事を行ったほか、山陽新幹線で整備を進めている逸脱防止ガードについて、昨年度に完了した新大阪・姫路間に引き続き、姫路・博多間において整備しております。
ホームの安全性向上については、ホーム柵の整備を進めており、本年3月に京橋駅、高槻駅において使用開始しておりますが、大阪駅においても平成29年春頃の使用開始をめざして6、7番のりばに設置を行ってまいります。
リスク管理の強化については、リスクアセスメントを推進する指導者層の育成等に取り組んでおります。
また、重大事故の未然防止と鉄道運転事故等に関する報告文化の一層の醸成、全員参加型の安全管理の実現をめざし、本年度より「ヒューマンエラー」に起因する事象については原則として処分やマイナス評価の対象外といたしました。
さらに、安全管理体制が有効に機能しているか確認し、必要により改善するために、社外の第三者機関による評価を導入いたしました。その評価結果を受け、すぐに実行可能な内容は速やかに改善するとともに、準備に時間の要する内容についても、次期安全計画に反映させ、安全管理体制のレベルアップ及び安全管理体制監査の充実を図ってまいります。
営業施策等については、アップデートした「JR西日本グループ中期経営計画2017」のもと山陽新幹線のご利用促進や北陸新幹線開業効果の定着化、シニア需要、訪日観光客需要の獲得、近畿エリアにおける輸送品質の向上や線区価値向上、西日本各エリアの観光活性化等に取り組んでおります。
山陽新幹線については「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」を県、観光関係団体とともに開催し、キャンペーンに合わせて観光列車「ラ・マル・ド・ボァ」の運行等による魅力付けに取り組み、ご好評をいただきました。また「九州往復割引きっぷ」等の発売を実施したほか、九州観光推進機構とともに「九州観光復興キャンペーン」に参画し、「九州ふっこう割」が適用される旅行商品の準備等を進めてまいりました。
北陸新幹線については「北陸新幹線開業1周年キャンペーン」の実施や、関西、北陸、信越エリアの相互流動拡大に向けて「関西・北陸交流会」を開催し、交流拡大に関する議論を行ったほか、ビジネス需要の拡大に向けて「北陸新幹線出張応援キャンペーン」を実施し、ご利用促進に努めてまいりました。
シニア需要の獲得については、50歳以上のお客様にお得な割引きっぷや旅行商品をご提案する「おとなび」の会員向け乗り放題きっぷ「おとなびパス」や「おとなびWEB早特」を再発売、延長発売する等需要喚起の取り組みを推進し、ご好評をいただいております。
さらに、訪日観光客需要の拡大に向けた取り組みとして、関西から博多への観光周遊ルート商品「西遊紀行瀬戸内エリアパス」の発売等を継続しております。
近畿エリアの輸送品質の向上の取り組みについては、コンコースのベンチを京阪神の28駅に設置したほか、大阪環状線において今年度内に導入予定の新型車両「323系」を発表いたしました。
また、京都梅小路エリアにおいては「地域と歩む鉄道文化拠点」をめざし、本年4月29日に「京都鉄道博物館」を開業し、ご好評をいただいております。
このほか、西日本各エリアの観光活性化に向けた取り組みとして、平成29年春の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」運行開始に向けて、昨年度より運行ルート、車両デザイン、車内クルーの制服デザインを発表してまいりましたが、本年4月には車内クルー1期生を採用するなど、着実に準備を進めております。
バス事業、船舶事業(宮島航路)については、安全輸送を基本とし、お客様のご利用に応じた輸送改善等の実施により、利便性向上に努めました。
これらの取り組みを推進してまいりましたが、本年4月の熊本地震の影響、北陸新幹線の開業効果が一巡したこと等により、運輸業セグメントの営業収益は前年同期比1.0%減の2,220億円、営業利益は同13.1%減の348億円となりました。
② 流通業
セブン-イレブン・ジャパンとの提携店舗については、今年度新たに33店舗を開業して226店舗となり、売上げも順調に推移しております。
また、飲食店の市中展開を目的に、昨年8月に連結子会社の株式会社ジェイアール西日本フードサービスネットが株式取得した「からふね屋珈琲株式会社」を本年6月に吸収合併いたしました。
これらの取り組みを推進してまいりましたが、百貨店の売上げが軟調であったこと等により、流通業セグメントの営業収益は前年同期比0.6%減の551億円、営業利益は同34.6%減の9億円となりました。
③ 不動産業
「LUCUA osaka」については、厳しい競争環境の中、昨年度は来場者数7,700万人、売上高761億円となり、一定の成果を挙げました。今後も「LUCUA osaka」及び「OSC」全体のさらなるにぎわいの向上をめざしてまいります。
また、本年4月にJR塚口駅前の再開発として駅ビル「ビエラ塚口」、同6月にショッピングセンターとしてはJR西日本グループ初となる市中での事業展開となる「吹田グリーンプレイス」を開業しております。さらに将来の成長に向けて商業施設等のリニューアルも順次進めてまいります。
上記の取り組みに加え、マンション分譲が堅調であったことから、不動産業セグメントの営業収益は前年同期比14.4%増の258億円、営業利益は同13.6%増の90億円となりました。
④ その他
ホテル業については、訪日観光客の獲得に向けた販売拡大等に取り組みました。旅行業については、訪日観光客需要の獲得に向けた営業展開の強化、インターネット販売の充実等を図るとともに、鉄道利用商品の販売拡大に取り組みました。これらの取り組みの結果、ホテル業、旅行業ともに、訪日観光客が増加し増収となりました。一方、工事業については、建設工事等における安全・品質の向上を図るとともに受注拡大に努めましたが、大型件名の受注の反動減により減収となりました。
この結果、その他セグメントの営業収益は前年同期比9.9%減の351億円、営業利益は同66.7%減の3億円となりました。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
| 区分 | 単位 | 第30期第1四半期累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 営業日数 | 日 | 91 | - | |||||
| 新幹線 | キロ | 812.6 | 812.6 | |||||
| キロ程 | 在来線 | キロ | ( 28.0 ) 4,194.5 | ( 28.0 ) 4,194.5 | ||||
| 計 | キロ | ( 28.0 ) 5,007.1 | ( 28.0 ) 5,007.1 | |||||
| 定期 | 千人 | 304,234 | 100.4 | % | ||||
| 輸送人員 | 定期外 | 千人 | 177,266 | 100.3 | ||||
| 計 | 千人 | 481,501 | 100.3 | |||||
| 輸 送 人 キ ロ | 定期 | 千人キロ | 210,215 | 101.5 | ||||
| 新幹線 | 定期外 | 千人キロ | 4,447,884 | 96.5 | ||||
| 計 | 千人キロ | 4,658,099 | 96.7 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 千人キロ | 4,891,063 | 99.8 | |||
| 定期外 | 千人キロ | 2,636,829 | 101.2 | |||||
| 計 | 千人キロ | 7,527,893 | 100.3 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 千人キロ | 1,086,197 | 99.9 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 970,857 | 100.3 | |||||
| 計 | 千人キロ | 2,057,055 | 100.0 | |||||
| 計 | 定期 | 千人キロ | 5,977,260 | 99.8 | ||||
| 定期外 | 千人キロ | 3,607,687 | 101.0 | |||||
| 計 | 千人キロ | 9,584,948 | 100.3 | |||||
| 定期 | 千人キロ | 6,187,475 | 99.9 | |||||
| 合計 | 定期外 | 千人キロ | 8,055,572 | 98.4 | ||||
| 計 | 千人キロ | 14,243,048 | 99.1 | |||||
(注) 1. キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二
種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第1四半期末の数値を記載しております。
2. 輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
| 区分 | 単位 | 第30期第1四半期累計期間 (自 平成28年4月1日 至 平成28年6月30日) | ||||||
| 前年同期比 | ||||||||
| 旅 客 運 輸 収 入 | 旅 客 収 入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 2,511 | 97.7 | % | |
| 定期外 | 百万円 | 98,712 | 97.0 | |||||
| 計 | 百万円 | 101,223 | 97.0 | |||||
| 在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 百万円 | 30,093 | 102.0 | |||
| 定期外 | 百万円 | 45,922 | 100.2 | |||||
| 計 | 百万円 | 76,015 | 100.9 | |||||
| そ の 他 | 定期 | 百万円 | 6,581 | 100.9 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 19,535 | 99.3 | |||||
| 計 | 百万円 | 26,117 | 99.7 | |||||
| 計 | 定期 | 百万円 | 36,674 | 101.8 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 65,458 | 99.9 | |||||
| 計 | 百万円 | 102,132 | 100.6 | |||||
| 合計 | 定期 | 百万円 | 39,185 | 101.6 | ||||
| 定期外 | 百万円 | 164,170 | 98.2 | |||||
| 計 | 百万円 | 203,356 | 98.8 | |||||
| 荷物収入 | 百万円 | 1 | 83.5 | |||||
| 合計 | 百万円 | 203,357 | 98.8 | |||||
| 鉄道線路使用料収入 | 百万円 | 1,101 | 92.6 | |||||
| 運輸雑収 | 百万円 | 17,859 | 103.1 | |||||
| 収入合計 | 百万円 | 222,318 | 99.1 | |||||
(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は12億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(4) 主要な設備
① 新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変動があったものは、次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間において完成した重要な設備の新設
| 工事件名 | セグメントの名称 | 総工事費 | 完成年月 |
| 百万円 | |||
| 車両新造工事 | 運輸業 | 16,554 | 平成28年6月 |
② 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変更はありません。