有価証券報告書-第125期(2025/04/01-2026/03/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の状況
わが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、物価水準の高止まりにより個人消費は力強さを欠く状況が続いております。また、国際情勢の緊張が続く中、中東地域、特にイランを巡る情勢の緊迫化を背景としたエネルギー供給不安や原油価格の変動など、地政学リスクの顕在化や米国の通商政策を巡る不確実性が海外経済や金融市場に影響を及ぼしており、内外経済を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、生産関連貨物について、省力化やデジタル投資を背景に一部で持ち直しの動きがみられたものの、海外経済の減速や在庫調整の影響から総じて弱含みで推移しました。さらに、建設関連貨物については、住宅投資の低迷に加え、建設資材価格や人件費の高止まりなどを背景に低調な荷動きとなりました。
国際貨物輸送につきましては、輸出は、海外経済の減速や通商政策の不透明感があるものの、総じて下げ止まりの動きがみられました。輸入は、円安や原材料価格の高騰による下押し圧力が残る中、国内需要の持ち直しもみられたものの増勢は鈍化し、前年同期並みにとどまりました。
このような経営環境の下、当社グループは2026年度を最終年度とする中期経営計画において、①「将来のありたい姿に向けて、利益向上を目的とした基本戦略を展開し、ステークホルダー(株主、従業員、取引先、地域社会)の期待に応えるとともに、成長投資を実行することにより、企業価値向上を図る」、②「マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する」を基本方針として取り組んでおります。
物流事業では、横浜港流通センター(神奈川県横浜市)及び危険物マルチワークステーション・朝倉サイト(福岡県朝倉市)の本格稼働に加え、不採算事業の再構築、各種サービスに対する適正料金の収受に取り組んでおります。一方で、生産性向上や将来の成長に向けた戦略的な投資を実行したことにより、販売費及び一般管理費が増加しております。また、物流事業で保有する資産について、収益性の低下により売却を進めた結果、当該資産を帳簿価額から回収可能価額まで減額し、同額を減損損失として計上しております。引き続き、経営資源の有効活用に取り組み、資本収益性の向上に努めてまいります。
海運事業では、連結子会社の豊前久保田海運株式会社においてセメント専用船の建造が完了し、既に運航を開始しております。これにより、セメント輸送体制の一層の強化を図っております。
不動産事業では、保有資産(土地)において、新たに賃貸契約を締結し、物流事業とのシナジー効果を得るための取り組みに着手しております。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、401億4千8百万円と前連結会計年度に比べ7億4千8百万円(1.9%)の増収となり、営業利益は8億6千8百万円と前連結会計年度に比べ1億8千万円(26.3%)の増益、経常利益は9億8千1百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(32.7%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億2千2百万円と前連結会計年度に比べ1億4千4百万円(25.1%)の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
物流事業におきましては、営業収益は、299億7千7百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(0.8%)の増収となり、セグメント利益は、18億1千9百万円と前連結会計年度に比べ1億4百万円(6.1%)の増益となりました。
詳細につきましては、以下のとおりであります。
(港湾運送事業)
アジアからの海上コンテナの取扱量は一部拠点で減少となったものの、新規航路の獲得や作業効率改善の取り組みが下支えとなり、港湾運送事業の収益基盤は概ね堅調に推移しました。
(国際貨物取扱業務)
国際貨物取扱業務のうち国際事業については、中央アジア向けの自動車関連貨物が、手配形態の変更により取扱いが減少したことに加え、フレキシタンクによる液体輸送関連貨物の取扱量が大幅に減少したことから、収益は減少しました。輸出入・通関業務については、原料の輸出取扱量や資材の輸入取扱量が増加したものの、一部顧客の契約満了や2024年度に受注した大型スポット案件の反動により、収益は減少しました。
(倉庫関連業務)
既存倉庫において一部で取扱量の減少がみられたものの、大型スポット案件の獲得や、2024年に稼働した2棟の新倉庫による収益改善効果が寄与し、総じて収益は増加しました。
(建材等輸送業務)
建材等輸送業務のうちフェリー輸送においては、輸送需要の減少により大幅な減収となりました。一方で、セメント輸送については、取扱量の増加に加え、離島の大規模工事に伴う島内拠点間輸送業務を2024年12月より開始したことにより、収益が増加しました。また、中部地域においては輸送単価の改定により収益が増加しました。
② 海運事業
海運事業におきましては、セメント船において、2025年7月、9月及び2026年2月から新たに4隻が稼働開始したことにより収益は増加しました。粉体船においては、2024年6月から1隻増船したことに加え、既存船の運航継続に伴い運賃収入が増加しました。一般貨物船においては、内航船における定期用船の稼働増加や効率的な配船により委託貨物の取扱量が増加した一方で、内航・臨時船における土壌輸送の取扱量が減少しました。
これらの結果、海運事業の営業収益は、91億3千2百万円と前連結会計年度に比べ2億9千6百万円(3.4%)の増収となりましたが、セグメント利益は、4億8千1百万円と前連結会計年度に比べ2千2百万円(4.5%)の減益となりました。
③ 不動産事業
不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。2024年度において新規に購入した土地の賃料収入の増加に加え、当社が所有している土地において新規賃貸契約を締結したことにより、賃料収入が増加しました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、7億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億9千5百万円(33.6%)の増収となり、セグメント利益は、6億3千2百万円と前連結会計年度に比べ1億6千1百万円(34.2%)の増益となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、出荷量の増加及び販売単価の底上げを背景に、収益は増加しました。一方で、出荷形態の変更に伴い作業工数が増加したこと等により人件費が増加したほか、栽培設備の資産購入により減価償却費等の生産関連費用が増加しました。
これらの結果、その他事業の営業収益は、2億6千万円と前連結会計年度に比べ1千4百万円(6.0%)の増収となりましたが、セグメント損失は、3千4百万円と前連結会計年度に比べ2千4百万円の増加となりました。
上記セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
② 受注状況
当社グループの業務形態は物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業と多岐にわたっており、受注が各事業にまたがる特質を有し、かつ、浮動的であるため、受注実績を画一的に表示することは困難であります。
よって、受注状況は記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺処理をしております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
(2) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億4千7百万円増加の441億1千万円(7.2%増)となりました。主な要因は、減価償却及び減損損失の計上等により建物及び構築物が6億2千8百万円、売却及び減損損失の計上等により土地が5億5千5百万円、有形固定資産のリース資産が1億5千9百万円減少した一方、連結子会社の豊前久保田海運株式会社において新造船の竣工等により船舶が33億3千4百万円、保有株式の時価上昇等の影響により投資有価証券が6億9千5百万円、営業未収入金が2億3百万円増加したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億9千9百万円増加の254億7千7百万円(8.1%増)となりました。主な要因は、未払法人税等が2億8千万円、退職給付に係る負債が1億7千6百万円、長期未払金が1億5千9百万円減少したものの、長期借入金が20億4千7百万円、短期借入金が2億6千万円、繰延税金負債が2億4千6百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億4千7百万円増加の186億3千2百万円(6.0%増)となりました。主な要因は、自己株式の取得等により自己株式が1億1千万円減少した一方、利益剰余金が5億2千3百万円(うち親会社株主に帰属する当期純利益の計上7億2千2百万円及び配当金の支払い1億9千9百万円)、その他有価証券評価差額金が4億6千9百万円、退職給付に係る調整累計額が1億1千万円、為替換算調整勘定が4千9百万円、非支配株主持分が5百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は41.9%と前連結会計年度末に比べて0.5ポイントの減少となりました。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から1億4千2百万円増加し58億3千3百万円となりました。
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は21億3千万円の収入となり、前連結会計年度と比べ8億9千4百万円減少しました。仕入債務の増減額の影響により3億4千2百万円、利息及び配当金の受取額が6千9百万円増加しましたが、売上債権の増減額の影響により11億4千3百万円減少、法人税等の支払額が3億2千2百万円増加したこと等が影響しました。
投資活動による支出は33億9千9百万円となり、前連結会計年度と比べ10億9百万円減少しました。事業譲渡を行った前連結会計年度と比べ、事業譲渡による収入が1億6千9百万円減少したものの、前連結会計年度においては、横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション・朝倉サイトに関わる大型設備投資等が行われたことから、有形固定資産の取得による支出が6億2千6百万円減少したほか、有形固定資産の売却による収入が2億6千万円増加したこと等が影響しました。
財務活動による収入は13億8千8百万円となり、前連結会計年度と比べ3億7千8百万円増加しました。自己株式の取得による支出が1億2千5百万円増加したものの、手元資金の有効活用による有利子負債の圧縮を行った前連結会計年度と比べ、短期借入れによる収入および短期借入金の返済による支出の増加により、3億6千万円増加したこと等が影響しました。
キャッシュ・フロー関連指標のトレンド
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利息を支払っている負債を対象としています。ただし、無利息の借入金も含めております。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資本政策の基本方針)
当社グループの資本政策につきましては、将来の成長に必要な内部留保資金の充実と株主の皆様への還元とのバランスを最大限考慮することを基本方針としております。
将来の成長に必要な内部留保については、拡大注力事業と位置付けている倉庫・不動産事業、海外事業の収益拡大に資源を優先的に充当するほか、成長育成事業と位置付けている環境関連事業や新規事業において、M&Aも視野に積極的な投資を行う方針であります。
また、株主の皆様への還元方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載をしております。
(適正な資金水準の考え方)
当社グループでは、適正な現預金水準について検証を行っており、安定した経営が可能である必要運転資金を売上高の約1ヶ月分以上としております。これを超える分については、緊急の資金需要のために確保して十分な水準の手元流動性を確保いたします。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要のうち営業活動による主な支出は、仕入債務や販売費及び一般管理費のほか、借入金利息、法人税等の支払による支出であります。投資活動による主な支出は、将来の成長に必要な新規設備投資や投融資であります。また、財務活動による主な支出は、借入金、リース債務、長期未払金の返済等による支出であります。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(3) キャッシュ・フロー ① キャッシュ・フローの状況」に記載をしております。
(資金調達の方法)
資金需要のための所要資金については、主に借入金によって調達しており、一部は自己資金にて賄っております。
また、緊急時の資金調達方法として合計30億円のコミットメントライン契約を主要金融機関と締結しており、資金の流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の見積り等が必要になります。市場環境の悪化により固定資産の収益性が見積りより低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
② 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。この仮定は割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
実際との差異又は仮定自体の変更により、退職給付の費用に影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券の減損
市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、50%以上下落した場合に減損損失を計上しております。また30%以上50%未満の場合には、当該会社の経営成績及び財政状態で判断いたします。
市場価格のない有価証券については、実質価額が帳簿価額と比較して、50%以上下落した場合、当該会社の財政状態及び将来の展望を考慮した結果、回復不能と判断した場合には、減損損失を計上しております。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
⑤ 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。同様に顧客の財政状態が改善し、その支払能力が回復した場合や見積り以上の回収があった場合、引当の戻し入れが生じる可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
当連結会計年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の状況
わが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移したものの、物価水準の高止まりにより個人消費は力強さを欠く状況が続いております。また、国際情勢の緊張が続く中、中東地域、特にイランを巡る情勢の緊迫化を背景としたエネルギー供給不安や原油価格の変動など、地政学リスクの顕在化や米国の通商政策を巡る不確実性が海外経済や金融市場に影響を及ぼしており、内外経済を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況が続いております。
物流業界におきましては、生産関連貨物について、省力化やデジタル投資を背景に一部で持ち直しの動きがみられたものの、海外経済の減速や在庫調整の影響から総じて弱含みで推移しました。さらに、建設関連貨物については、住宅投資の低迷に加え、建設資材価格や人件費の高止まりなどを背景に低調な荷動きとなりました。
国際貨物輸送につきましては、輸出は、海外経済の減速や通商政策の不透明感があるものの、総じて下げ止まりの動きがみられました。輸入は、円安や原材料価格の高騰による下押し圧力が残る中、国内需要の持ち直しもみられたものの増勢は鈍化し、前年同期並みにとどまりました。
このような経営環境の下、当社グループは2026年度を最終年度とする中期経営計画において、①「将来のありたい姿に向けて、利益向上を目的とした基本戦略を展開し、ステークホルダー(株主、従業員、取引先、地域社会)の期待に応えるとともに、成長投資を実行することにより、企業価値向上を図る」、②「マテリアリティの解決をはじめとしたESG経営を推進し、持続的社会の発展に貢献する」を基本方針として取り組んでおります。
物流事業では、横浜港流通センター(神奈川県横浜市)及び危険物マルチワークステーション・朝倉サイト(福岡県朝倉市)の本格稼働に加え、不採算事業の再構築、各種サービスに対する適正料金の収受に取り組んでおります。一方で、生産性向上や将来の成長に向けた戦略的な投資を実行したことにより、販売費及び一般管理費が増加しております。また、物流事業で保有する資産について、収益性の低下により売却を進めた結果、当該資産を帳簿価額から回収可能価額まで減額し、同額を減損損失として計上しております。引き続き、経営資源の有効活用に取り組み、資本収益性の向上に努めてまいります。
海運事業では、連結子会社の豊前久保田海運株式会社においてセメント専用船の建造が完了し、既に運航を開始しております。これにより、セメント輸送体制の一層の強化を図っております。
不動産事業では、保有資産(土地)において、新たに賃貸契約を締結し、物流事業とのシナジー効果を得るための取り組みに着手しております。
これらの結果、当連結会計年度の営業収益は、401億4千8百万円と前連結会計年度に比べ7億4千8百万円(1.9%)の増収となり、営業利益は8億6千8百万円と前連結会計年度に比べ1億8千万円(26.3%)の増益、経常利益は9億8千1百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(32.7%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、7億2千2百万円と前連結会計年度に比べ1億4千4百万円(25.1%)の増益となりました。
セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。
① 物流事業
物流事業におきましては、営業収益は、299億7千7百万円と前連結会計年度に比べ2億4千1百万円(0.8%)の増収となり、セグメント利益は、18億1千9百万円と前連結会計年度に比べ1億4百万円(6.1%)の増益となりました。
詳細につきましては、以下のとおりであります。
(港湾運送事業)
アジアからの海上コンテナの取扱量は一部拠点で減少となったものの、新規航路の獲得や作業効率改善の取り組みが下支えとなり、港湾運送事業の収益基盤は概ね堅調に推移しました。
(国際貨物取扱業務)
国際貨物取扱業務のうち国際事業については、中央アジア向けの自動車関連貨物が、手配形態の変更により取扱いが減少したことに加え、フレキシタンクによる液体輸送関連貨物の取扱量が大幅に減少したことから、収益は減少しました。輸出入・通関業務については、原料の輸出取扱量や資材の輸入取扱量が増加したものの、一部顧客の契約満了や2024年度に受注した大型スポット案件の反動により、収益は減少しました。
(倉庫関連業務)
既存倉庫において一部で取扱量の減少がみられたものの、大型スポット案件の獲得や、2024年に稼働した2棟の新倉庫による収益改善効果が寄与し、総じて収益は増加しました。
(建材等輸送業務)
建材等輸送業務のうちフェリー輸送においては、輸送需要の減少により大幅な減収となりました。一方で、セメント輸送については、取扱量の増加に加え、離島の大規模工事に伴う島内拠点間輸送業務を2024年12月より開始したことにより、収益が増加しました。また、中部地域においては輸送単価の改定により収益が増加しました。
② 海運事業
海運事業におきましては、セメント船において、2025年7月、9月及び2026年2月から新たに4隻が稼働開始したことにより収益は増加しました。粉体船においては、2024年6月から1隻増船したことに加え、既存船の運航継続に伴い運賃収入が増加しました。一般貨物船においては、内航船における定期用船の稼働増加や効率的な配船により委託貨物の取扱量が増加した一方で、内航・臨時船における土壌輸送の取扱量が減少しました。
これらの結果、海運事業の営業収益は、91億3千2百万円と前連結会計年度に比べ2億9千6百万円(3.4%)の増収となりましたが、セグメント利益は、4億8千1百万円と前連結会計年度に比べ2千2百万円(4.5%)の減益となりました。
③ 不動産事業
不動産事業におきましては、保有資産の適正な維持管理を行いました。2024年度において新規に購入した土地の賃料収入の増加に加え、当社が所有している土地において新規賃貸契約を締結したことにより、賃料収入が増加しました。
これらの結果、不動産事業の営業収益は、7億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億9千5百万円(33.6%)の増収となり、セグメント利益は、6億3千2百万円と前連結会計年度に比べ1億6千1百万円(34.2%)の増益となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、植物工場のある東海地方において、出荷量の増加及び販売単価の底上げを背景に、収益は増加しました。一方で、出荷形態の変更に伴い作業工数が増加したこと等により人件費が増加したほか、栽培設備の資産購入により減価償却費等の生産関連費用が増加しました。
これらの結果、その他事業の営業収益は、2億6千万円と前連結会計年度に比べ1千4百万円(6.0%)の増収となりましたが、セグメント損失は、3千4百万円と前連結会計年度に比べ2千4百万円の増加となりました。
上記セグメント利益又は損失は、セグメント間取引消去前の金額で記載しており、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。
生産、受注及び販売の状況は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | - | - |
| 海運事業 | - | - |
| 不動産事業 | - | - |
| その他事業 | 276,571 | 14.7 |
| 合計 | 276,571 | 14.7 |
(注) 金額は、製造原価によっております。
② 受注状況
当社グループの業務形態は物流事業、海運事業、不動産事業、その他事業と多岐にわたっており、受注が各事業にまたがる特質を有し、かつ、浮動的であるため、受注実績を画一的に表示することは困難であります。
よって、受注状況は記載しておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前年同期比(%) |
| 物流事業 | 29,977,087 | 0.8 |
| 海運事業 | 9,132,443 | 3.4 |
| 不動産事業 | 777,896 | 33.6 |
| その他事業 | 260,946 | 6.0 |
| 合計 | 40,148,374 | 1.9 |
(注) 1 セグメント間取引につきましては、相殺処理をしております。
2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 太平洋セメント㈱ | 7,981,593 | 20.3 | 8,489,359 | 21.1 |
(2) 財政状態
資産合計は、前連結会計年度末に比べ29億4千7百万円増加の441億1千万円(7.2%増)となりました。主な要因は、減価償却及び減損損失の計上等により建物及び構築物が6億2千8百万円、売却及び減損損失の計上等により土地が5億5千5百万円、有形固定資産のリース資産が1億5千9百万円減少した一方、連結子会社の豊前久保田海運株式会社において新造船の竣工等により船舶が33億3千4百万円、保有株式の時価上昇等の影響により投資有価証券が6億9千5百万円、営業未収入金が2億3百万円増加したこと等によります。
負債合計は、前連結会計年度末に比べ18億9千9百万円増加の254億7千7百万円(8.1%増)となりました。主な要因は、未払法人税等が2億8千万円、退職給付に係る負債が1億7千6百万円、長期未払金が1億5千9百万円減少したものの、長期借入金が20億4千7百万円、短期借入金が2億6千万円、繰延税金負債が2億4千6百万円増加したこと等によります。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ10億4千7百万円増加の186億3千2百万円(6.0%増)となりました。主な要因は、自己株式の取得等により自己株式が1億1千万円減少した一方、利益剰余金が5億2千3百万円(うち親会社株主に帰属する当期純利益の計上7億2千2百万円及び配当金の支払い1億9千9百万円)、その他有価証券評価差額金が4億6千9百万円、退職給付に係る調整累計額が1億1千万円、為替換算調整勘定が4千9百万円、非支配株主持分が5百万円増加したことによります。
この結果、自己資本比率は41.9%と前連結会計年度末に比べて0.5ポイントの減少となりました。
(3) キャッシュ・フロー
① キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末から1億4千2百万円増加し58億3千3百万円となりました。
当連結会計年度において営業活動により得られた資金は21億3千万円の収入となり、前連結会計年度と比べ8億9千4百万円減少しました。仕入債務の増減額の影響により3億4千2百万円、利息及び配当金の受取額が6千9百万円増加しましたが、売上債権の増減額の影響により11億4千3百万円減少、法人税等の支払額が3億2千2百万円増加したこと等が影響しました。
投資活動による支出は33億9千9百万円となり、前連結会計年度と比べ10億9百万円減少しました。事業譲渡を行った前連結会計年度と比べ、事業譲渡による収入が1億6千9百万円減少したものの、前連結会計年度においては、横浜港流通センター及び危険物マルチワークステーション・朝倉サイトに関わる大型設備投資等が行われたことから、有形固定資産の取得による支出が6億2千6百万円減少したほか、有形固定資産の売却による収入が2億6千万円増加したこと等が影響しました。
財務活動による収入は13億8千8百万円となり、前連結会計年度と比べ3億7千8百万円増加しました。自己株式の取得による支出が1億2千5百万円増加したものの、手元資金の有効活用による有利子負債の圧縮を行った前連結会計年度と比べ、短期借入れによる収入および短期借入金の返済による支出の増加により、3億6千万円増加したこと等が影響しました。
キャッシュ・フロー関連指標のトレンド
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 43.2 | 43.5 | 42.4 | 41.9 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 21.3 | 21.6 | 22.4 | 25.5 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 4.7 | 10.3 | 3.4 | 5.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 22.2 | 12.1 | 40.4 | 18.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。
2 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しています。
3 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを使用しています。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利息を支払っている負債を対象としています。ただし、無利息の借入金も含めております。
② 資本の財源及び資金の流動性についての分析
(資本政策の基本方針)
当社グループの資本政策につきましては、将来の成長に必要な内部留保資金の充実と株主の皆様への還元とのバランスを最大限考慮することを基本方針としております。
将来の成長に必要な内部留保については、拡大注力事業と位置付けている倉庫・不動産事業、海外事業の収益拡大に資源を優先的に充当するほか、成長育成事業と位置付けている環境関連事業や新規事業において、M&Aも視野に積極的な投資を行う方針であります。
また、株主の皆様への還元方針につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載をしております。
(適正な資金水準の考え方)
当社グループでは、適正な現預金水準について検証を行っており、安定した経営が可能である必要運転資金を売上高の約1ヶ月分以上としております。これを超える分については、緊急の資金需要のために確保して十分な水準の手元流動性を確保いたします。
(資金需要の主な内容)
当社グループの資金需要のうち営業活動による主な支出は、仕入債務や販売費及び一般管理費のほか、借入金利息、法人税等の支払による支出であります。投資活動による主な支出は、将来の成長に必要な新規設備投資や投融資であります。また、財務活動による主な支出は、借入金、リース債務、長期未払金の返済等による支出であります。
なお、キャッシュ・フローの状況につきましては、「(3) キャッシュ・フロー ① キャッシュ・フローの状況」に記載をしております。
(資金調達の方法)
資金需要のための所要資金については、主に借入金によって調達しており、一部は自己資金にて賄っております。
また、緊急時の資金調達方法として合計30億円のコミットメントライン契約を主要金融機関と締結しており、資金の流動性を確保しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
① 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。減損損失の認識におきましては、将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率の見積り等が必要になります。市場環境の悪化により固定資産の収益性が見積りより低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
② 退職給付費用
当社グループにおける退職給付費用の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。この仮定は割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待収益率、死亡率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間にわたって償却するため、原則として将来の会計期間に費用化されます。
実際との差異又は仮定自体の変更により、退職給付の費用に影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
④ 投資有価証券の減損
市場価格又は合理的に算定された価額のある有価証券については、50%以上下落した場合に減損損失を計上しております。また30%以上50%未満の場合には、当該会社の経営成績及び財政状態で判断いたします。
市場価格のない有価証券については、実質価額が帳簿価額と比較して、50%以上下落した場合、当該会社の財政状態及び将来の展望を考慮した結果、回復不能と判断した場合には、減損損失を計上しております。
将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が発生した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
⑤ 貸倒引当金
当社グループは、顧客の支払不能時に発生する見積額について、貸倒引当金を計上しております。顧客の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。同様に顧客の財政状態が改善し、その支払能力が回復した場合や見積り以上の回収があった場合、引当の戻し入れが生じる可能性があります。