有価証券報告書-第96期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策に伴う一時的な減速からの回復や、インバウンド消費が過去最高を更新、10月下旬に5万円台を突破した日経平均株価も堅調に推移するなど、緩やかながらも持ち直しの動きが続きました。一方で、終わりの見えないウクライナ情勢や、2月末に米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発するホルムズ海峡の封鎖により、エネルギー価格のさらなる高騰やインフレ再燃が懸念されるなど、地政学的リスクが景気の下振れに直結する可能性も拭いきれておりません。
当社グループを取り巻く環境としては、輸出貨物の取扱量は、米国の通商政策による混乱等の影響から脱しきれず、前年を下回って推移しました。輸入関連では、長引く物価高により取扱量は伸び悩み、前年を下回りましたが、自社施設を活用して利益確保に努めました。国際物流網を担うコンテナ船による海上輸送においては、運賃市況が前年比で下落傾向にあるなかで、取扱量の増加に注力いたしました。
a.財政状態
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ25億31百万円余増加し、133億23百万円余となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ12億66百万円余増加し、74億8百万円余となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加し、59億15百万円余となりました。
b.経営成績
当社グループはこのような状況下におきまして、顧客ニーズに柔軟に対応した積極的な営業展開に努めてまいりましたが、総取扱量は前年同期比5.9%減少し、営業収入は前年同期比1.2%減の164億47百万円余(対前年同期1億98百万円余減)としたものの、保管料収入や、適正料金収受により、営業総利益は前年同期比4.4%増の10億81百万円余(対前年同期45百万円余増)となりました。営業損益は一般管理費の増加により、前年同期比7.0%減の2億35百万円余の利益(対前年同期17百万円余減)、経常損益は、受取利息及び配当金と持分法による投資利益が大きく増加したことにより、前年同期比22.7%増の4億88百万円余の利益(対前年同期90百万円余増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比35.3%増の3億62百万円余(対前年同期94百万円余増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
輸出部門
輸出部門におきましては、持ち直しの動きが見られたものの、雑貨、機械製品の取扱いの減少により、取扱量は前年同期比で4.4%減となりました。しかしながら、コスト減少、適正料金の収受の効果により大幅に収益性が改善したことにより、輸出部門の営業収入は前年同期比0.1%増の27億25百万円余(対前年同期1百万円余増)、セグメント利益は対前年同期比3,342.9%増の56百万円余(対前年同期54百万円余増)となりました。
輸入部門
輸入部門におきましては、食料品は増加しましたが、雑貨の減少により取扱量は前年同期比で10.7%減となりました。取扱件数も前年同期比で伸び悩み、営業収入には貢献できず、輸入部門の営業収入は前年同期比1.7%減の50億77百万円余(対前年同期88百万円余減)としましたが、自社施設における貨物取扱いの規模を拡張したことから収益性が改善し、セグメント損失7百万円余(前年同期はセグメント損失16百万円余)となりました。
国際部門
国際部門におきましては、輸出では、前年同期に好調だった設備輸送、三国間貿易の取扱減を補うべく、取扱量の増加に注力しましたが、前年同期比で7.2%減となりました。また、北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が下落した影響が大きく、営業収入は前年同期比20.4%減となり、収益性も低下しました。輸入では、中国及び東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などが堅調に推移し、また、猛暑の影響により夏物家電の取扱いの長期化などが後押しとなり、取扱量は前年同期比3.3%増加し、営業収入も前年同期比4.5%増となりましたが、同業他社との運賃競争もあり、収益性は低下しました。結果、部門全体では、営業収入は前年同期比1.6%減の84億48百万円余(対前年同期1億39百万円余減)、取扱量は前年同期比1.5%増加しましたが、収益性低下を補うことが出来ず、セグメント利益は対前年同期比46.7%減の1億7百万円余(対前年同期93百万円余減)となりました。
倉庫部門
倉庫部門におきましては、営業収入は前年同様の54百万円余となりました。セグメント利益は前年同様の51百万円余の計上となりました。
その他
船内荷役等の営業収入は前年同期比32.8%増の1億69百万円余となり、セグメント利益は前年同期比78.3%増の27百万円余の計上となりました。
(注)その他のセグメントの営業収入には、セグメント間の内部営業収入27百万円余を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10億52百万円余となり、前連結会計年度末より73百万円余の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金は5億円余の獲得(前連結会計年度4億61百万円余の獲得)となっております。これは主に、法人税等の支払1億66百万円余、前受金の減少42百万円余がありますが、立替金の減少2億30百万円余、税金等調整前当期純利益4億80百万円余によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金は13億96百万円余の支出(前連結会計年度3億52百万円余の支出)となっております。これは主に、有形固定資産の取得による支出14億17百万円余によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金は8億22百万円余の獲得(前連結会計年度2億87百万円余支出)となっております。これは主に、短期借入金の純減額2億円がありますが、長期借入れによる収入13億円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産・販売の形態をとらない業種のため、実態にあわせた表示をしております。
営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度において流動資産は前連結会計年度より1億85百万円余減少し、固定資産は前連結会計年度より27億17百万円余増加となり、総資産は133億23百万円余と前連結会計年度より25億31百万円余の増加となりました。流動資産減少の理由としては、日銀の金融政策による金利の上昇に伴い、短期借入金の圧縮のため手元資金を絞った結果、現金及び預金が減少しました。また、輸入の荷動きの鈍化と通関件数が伸び悩んだ結果、関税等の立替金が2億30百万円余減少したためです。一方、固定資産増加については、主として神戸港六甲物流センターの定温倉庫改修の設備投資を行ったため、建物及び構築物を主に有形固定資産が12億60百万円余増加、投資その他の資産においては、政策保有の商社株や金融株を中心に投資有価証券が株式市場の好況により10億90百万円余増加したことが要因です。
負債合計は、74億8百万円余と前連結会計年度より12億66百万円余増加しました。流動負債は、未払法人税等が59百万円余減少と短期借入金等が減少したことにより、前連結会計年度に比べ1億2百万円余減少しております。一方、固定負債においては、六甲物流センター定温倉庫化改修のための資金を金融機関から調達し、長期借入金が9億53百万円余増加し、投資有価証券の含み益等により繰延税金負債が4億56百万円余増加したためです。
純資産合計は、59億15百万円余と前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加しています。退職給付に係る調整累計額が前連結会計年度末に比べ2億34百万円余増加に加え、その他有価証券評価差額金が7億37百万円余増加し、利益剰余金が2億88百万円余増加したためです。
海上運賃高騰等による短期的な資金需要が収まったものの、突発的な資金需要にも備え、引続き金融機関に短期の借入枠を保持しております。また、流動性比率の改善を図りつつ、金利上昇による利益圧迫を抑えるため、手元資金を絞り短期借入金の圧縮を図ると共に、築港倉庫及び六甲物流センター定温改修に伴う高付加価値貨物取り込みにより、保管料を収益減とした長期借入金の返済計画を練り、長期的な有利子負債の圧縮を計画的に進めております。当社グループにおいては、一定の財務規律の下で利益を事業投資や株主還元に振り向けております。当連結会計年度においては、既存倉庫施設の機能強化の拡張による利益確保を図ると共に、事業の効率化に繋がる生産性向上のためのDX関連投資の推進に努めております。
b.経営成績の分析
<輸出部門>輸出部門については、経営成績に繋がる外部要因としてグローバルなサプライチェーンの枠組みによる海外経済情勢の影響を受けます。米国の通商政策の転換に端を発した自動車関連貨物の荷動き鈍化が一部顕在化しましたが、全体的には持ち直しの動きが見られました。当連結会計年度では雑貨や機械機器製品の取扱いが減少したものの、輸入貨物に対応する倉庫機能強化の定温改修工事に伴う輸出貨物の占有率減少によるコスト減少の効果と、海上コンテナの陸送や湾関連作業コスト増について、粘り強く取引先へ理解を求め適正料金の収受に努めた結果、収益性が改善し、前連結会計年度1百万円余のセグメント利益から、56百万円余のセグメント利益へと大幅な改善が図られました。
<輸入部門>輸入部門については、当社グループの取扱商品は生活消費材が中心となっており、国内の景況感による消費動向が取扱量や営業収入に大きく影響します。当連結会計年度においては、エネルギー価格の上昇や物価高騰が続く状況のなか、国内景況感の冷え込みにより雑貨を中心に取扱量が大幅に減少しました。加えて取扱件数も伸び悩み営業収入に貢献できませんでした。一方、自社保有の港湾倉庫施設の機能強化と拡張を実施し、高付加価値の医薬品原材料の取り込みによる保管料収入が収益面で下支えしたものの、結果的には荷動き鈍化による影響の補填には至らず、前連結会計年度16百万円余のセグメント損失から7百万円余のセグメント損失と僅かな改善に留まりました。
<国際部門>国際部門については、営業収入に占める海上運賃等の仕入原価の割合が高く収益率が低い商品となっており、収入源である海上運賃の大部分は外貨建てであるため為替レートの影響を受け、仕入れの海上運賃の水準に大きく左右される商品となっています。当連結会計年度において、国際輸出では、取扱いが低迷しつつある設備輸出の海上輸送や半導体関連物資の三国間貿易の海上輸送案件の減少を補うべく、全体的な取扱量の確保に注力しましたが、結果前年同期に及ばず取扱量は大きく減少しました。また、長期航路の北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が需給の緩みから下落し、収益面における業績貢献度が大幅に低下しました。一方、国際輸入は、中国や東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などの荷動きが堅調に推移し、また、国内の猛暑が長引いた影響により夏物家電の取扱いの長期化が後押しとなり、取扱量、営業収入ともに増加しました。しかしながら、輸入海上輸送における同業他社との運賃競争が激化し、取引先との運賃調整を意義なくされ運賃水準の見直しを行った結果、利益率の低下を招きました。結果、国際部門全体では、取扱量は微増し、営業収入は微減としたものの、収益性の低下を踏みとどめることは出来ず、前連結会計年度より営業収入は1億39百万円余減の84億48百万円余を計上したにもかかわらず、セグメント利益は93百万円余減少し1億7百万円余の計上に留まりました。
<倉庫部門・その他>倉庫部門は、安定した収益源としてセグメント利益は前年同様の54百万円余を計上し、その他については、船内荷役は期初より堅調であったため前連結会計年度より増加し、27百万円余の計上となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度は、短期的な資金需要としての海上運賃高騰の影響は収まり、輸入部門における関税等の立替金が減少し、営業利益は前期には及ばなかったものの受取配当金の大幅な増加により税金等調整前当期純利益を確保した結果、営業活動による資金は5億円余の獲得となりました。当社グループの属する港湾運送業界では、輸入部門での関税・消費税、輸出及び輸入部門における海上運賃を取引先に代わり一旦立替える商習慣が根強く残っております。また、需給の緩みに由来する海上運賃水準低下に伴って短期的な資金需要も収まり、以前より取り組んでいる取引先の口座より関税等を直接引き落とすリアルタイム口座方式への切替えや、高額海上運賃支払いに備え前受金を確保する施策が引き続き功を奏し、利益確保と共に資金獲得に寄与しました。
投資活動による資金は、既存港湾倉庫の機能強化と拡張のため定温倉庫化の設備投資に踏み切った結果、13億96百万円余の支出としています。
財務活動による資金は、8億22百万円余を獲得しています。短期的に金融機関との資金調達枠を確保し急激な資金需要に備えると共に、金利水準が上昇基調の状況下、現金及び預金を最適な水準に絞り込み、短期借入金を2億円圧縮しています。一方、長期的には定温倉庫化の設備投資の資金として長期借入金13億円を調達し、既存の長期借入金を含め計画的に返済し、短期長期両者の調整により財源の安定化を図っております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の通商政策に伴う一時的な減速からの回復や、インバウンド消費が過去最高を更新、10月下旬に5万円台を突破した日経平均株価も堅調に推移するなど、緩やかながらも持ち直しの動きが続きました。一方で、終わりの見えないウクライナ情勢や、2月末に米国とイスラエルによるイラン攻撃に端を発するホルムズ海峡の封鎖により、エネルギー価格のさらなる高騰やインフレ再燃が懸念されるなど、地政学的リスクが景気の下振れに直結する可能性も拭いきれておりません。
当社グループを取り巻く環境としては、輸出貨物の取扱量は、米国の通商政策による混乱等の影響から脱しきれず、前年を下回って推移しました。輸入関連では、長引く物価高により取扱量は伸び悩み、前年を下回りましたが、自社施設を活用して利益確保に努めました。国際物流網を担うコンテナ船による海上輸送においては、運賃市況が前年比で下落傾向にあるなかで、取扱量の増加に注力いたしました。
a.財政状態
当連結会計年度の総資産は、前連結会計年度に比べ25億31百万円余増加し、133億23百万円余となりました。
当連結会計年度の負債合計は、前連結会計年度に比べ12億66百万円余増加し、74億8百万円余となりました。
当連結会計年度の純資産合計は、前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加し、59億15百万円余となりました。
b.経営成績
当社グループはこのような状況下におきまして、顧客ニーズに柔軟に対応した積極的な営業展開に努めてまいりましたが、総取扱量は前年同期比5.9%減少し、営業収入は前年同期比1.2%減の164億47百万円余(対前年同期1億98百万円余減)としたものの、保管料収入や、適正料金収受により、営業総利益は前年同期比4.4%増の10億81百万円余(対前年同期45百万円余増)となりました。営業損益は一般管理費の増加により、前年同期比7.0%減の2億35百万円余の利益(対前年同期17百万円余減)、経常損益は、受取利息及び配当金と持分法による投資利益が大きく増加したことにより、前年同期比22.7%増の4億88百万円余の利益(対前年同期90百万円余増)となりました。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比35.3%増の3億62百万円余(対前年同期94百万円余増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
輸出部門
輸出部門におきましては、持ち直しの動きが見られたものの、雑貨、機械製品の取扱いの減少により、取扱量は前年同期比で4.4%減となりました。しかしながら、コスト減少、適正料金の収受の効果により大幅に収益性が改善したことにより、輸出部門の営業収入は前年同期比0.1%増の27億25百万円余(対前年同期1百万円余増)、セグメント利益は対前年同期比3,342.9%増の56百万円余(対前年同期54百万円余増)となりました。
輸入部門
輸入部門におきましては、食料品は増加しましたが、雑貨の減少により取扱量は前年同期比で10.7%減となりました。取扱件数も前年同期比で伸び悩み、営業収入には貢献できず、輸入部門の営業収入は前年同期比1.7%減の50億77百万円余(対前年同期88百万円余減)としましたが、自社施設における貨物取扱いの規模を拡張したことから収益性が改善し、セグメント損失7百万円余(前年同期はセグメント損失16百万円余)となりました。
国際部門
国際部門におきましては、輸出では、前年同期に好調だった設備輸送、三国間貿易の取扱減を補うべく、取扱量の増加に注力しましたが、前年同期比で7.2%減となりました。また、北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が下落した影響が大きく、営業収入は前年同期比20.4%減となり、収益性も低下しました。輸入では、中国及び東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などが堅調に推移し、また、猛暑の影響により夏物家電の取扱いの長期化などが後押しとなり、取扱量は前年同期比3.3%増加し、営業収入も前年同期比4.5%増となりましたが、同業他社との運賃競争もあり、収益性は低下しました。結果、部門全体では、営業収入は前年同期比1.6%減の84億48百万円余(対前年同期1億39百万円余減)、取扱量は前年同期比1.5%増加しましたが、収益性低下を補うことが出来ず、セグメント利益は対前年同期比46.7%減の1億7百万円余(対前年同期93百万円余減)となりました。
倉庫部門
倉庫部門におきましては、営業収入は前年同様の54百万円余となりました。セグメント利益は前年同様の51百万円余の計上となりました。
その他
船内荷役等の営業収入は前年同期比32.8%増の1億69百万円余となり、セグメント利益は前年同期比78.3%増の27百万円余の計上となりました。
(注)その他のセグメントの営業収入には、セグメント間の内部営業収入27百万円余を含んでおります。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、10億52百万円余となり、前連結会計年度末より73百万円余の減少となりました。各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金は5億円余の獲得(前連結会計年度4億61百万円余の獲得)となっております。これは主に、法人税等の支払1億66百万円余、前受金の減少42百万円余がありますが、立替金の減少2億30百万円余、税金等調整前当期純利益4億80百万円余によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金は13億96百万円余の支出(前連結会計年度3億52百万円余の支出)となっております。これは主に、有形固定資産の取得による支出14億17百万円余によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金は8億22百万円余の獲得(前連結会計年度2億87百万円余支出)となっております。これは主に、短期借入金の純減額2億円がありますが、長期借入れによる収入13億円によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、生産・販売の形態をとらない業種のため、実態にあわせた表示をしております。
営業実績
当連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 営業実績(千円) | 前期比(%) |
| 輸出部門 | 2,725,079 | 0.1 |
| 輸入部門 | 5,077,643 | △1.7 |
| 国際部門 | 8,448,132 | △1.6 |
| 倉庫部門 | 54,000 | 0.0 |
| その他 | 169,937 | 32.8 |
| 小計 | 16,474,792 | △1.1 |
| 消去 | △27,600 | ― |
| 合計 | 16,447,192 | △1.2 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(退職給付費用)
退職給付費用および債務の計算は、その計算の際に使われた仮定により異なります。これらの仮定には、割引率、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率などの要因が含まれております。これらの仮定と実際の結果との差額は発生した連結会計年度に債務認識しております。当社は使用した仮定は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または仮定自体の変更により、当社グループの退職給付費用および債務に影響を与える可能性があります。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等」の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度において流動資産は前連結会計年度より1億85百万円余減少し、固定資産は前連結会計年度より27億17百万円余増加となり、総資産は133億23百万円余と前連結会計年度より25億31百万円余の増加となりました。流動資産減少の理由としては、日銀の金融政策による金利の上昇に伴い、短期借入金の圧縮のため手元資金を絞った結果、現金及び預金が減少しました。また、輸入の荷動きの鈍化と通関件数が伸び悩んだ結果、関税等の立替金が2億30百万円余減少したためです。一方、固定資産増加については、主として神戸港六甲物流センターの定温倉庫改修の設備投資を行ったため、建物及び構築物を主に有形固定資産が12億60百万円余増加、投資その他の資産においては、政策保有の商社株や金融株を中心に投資有価証券が株式市場の好況により10億90百万円余増加したことが要因です。
負債合計は、74億8百万円余と前連結会計年度より12億66百万円余増加しました。流動負債は、未払法人税等が59百万円余減少と短期借入金等が減少したことにより、前連結会計年度に比べ1億2百万円余減少しております。一方、固定負債においては、六甲物流センター定温倉庫化改修のための資金を金融機関から調達し、長期借入金が9億53百万円余増加し、投資有価証券の含み益等により繰延税金負債が4億56百万円余増加したためです。
純資産合計は、59億15百万円余と前連結会計年度に比べ12億64百万円余増加しています。退職給付に係る調整累計額が前連結会計年度末に比べ2億34百万円余増加に加え、その他有価証券評価差額金が7億37百万円余増加し、利益剰余金が2億88百万円余増加したためです。
海上運賃高騰等による短期的な資金需要が収まったものの、突発的な資金需要にも備え、引続き金融機関に短期の借入枠を保持しております。また、流動性比率の改善を図りつつ、金利上昇による利益圧迫を抑えるため、手元資金を絞り短期借入金の圧縮を図ると共に、築港倉庫及び六甲物流センター定温改修に伴う高付加価値貨物取り込みにより、保管料を収益減とした長期借入金の返済計画を練り、長期的な有利子負債の圧縮を計画的に進めております。当社グループにおいては、一定の財務規律の下で利益を事業投資や株主還元に振り向けております。当連結会計年度においては、既存倉庫施設の機能強化の拡張による利益確保を図ると共に、事業の効率化に繋がる生産性向上のためのDX関連投資の推進に努めております。
b.経営成績の分析
<輸出部門>輸出部門については、経営成績に繋がる外部要因としてグローバルなサプライチェーンの枠組みによる海外経済情勢の影響を受けます。米国の通商政策の転換に端を発した自動車関連貨物の荷動き鈍化が一部顕在化しましたが、全体的には持ち直しの動きが見られました。当連結会計年度では雑貨や機械機器製品の取扱いが減少したものの、輸入貨物に対応する倉庫機能強化の定温改修工事に伴う輸出貨物の占有率減少によるコスト減少の効果と、海上コンテナの陸送や湾関連作業コスト増について、粘り強く取引先へ理解を求め適正料金の収受に努めた結果、収益性が改善し、前連結会計年度1百万円余のセグメント利益から、56百万円余のセグメント利益へと大幅な改善が図られました。
<輸入部門>輸入部門については、当社グループの取扱商品は生活消費材が中心となっており、国内の景況感による消費動向が取扱量や営業収入に大きく影響します。当連結会計年度においては、エネルギー価格の上昇や物価高騰が続く状況のなか、国内景況感の冷え込みにより雑貨を中心に取扱量が大幅に減少しました。加えて取扱件数も伸び悩み営業収入に貢献できませんでした。一方、自社保有の港湾倉庫施設の機能強化と拡張を実施し、高付加価値の医薬品原材料の取り込みによる保管料収入が収益面で下支えしたものの、結果的には荷動き鈍化による影響の補填には至らず、前連結会計年度16百万円余のセグメント損失から7百万円余のセグメント損失と僅かな改善に留まりました。
<国際部門>国際部門については、営業収入に占める海上運賃等の仕入原価の割合が高く収益率が低い商品となっており、収入源である海上運賃の大部分は外貨建てであるため為替レートの影響を受け、仕入れの海上運賃の水準に大きく左右される商品となっています。当連結会計年度において、国際輸出では、取扱いが低迷しつつある設備輸出の海上輸送や半導体関連物資の三国間貿易の海上輸送案件の減少を補うべく、全体的な取扱量の確保に注力しましたが、結果前年同期に及ばず取扱量は大きく減少しました。また、長期航路の北米・欧州向けをはじめとする運賃市況が需給の緩みから下落し、収益面における業績貢献度が大幅に低下しました。一方、国際輸入は、中国や東南アジアからの薬事関連品、衛生関連品、衣類などの荷動きが堅調に推移し、また、国内の猛暑が長引いた影響により夏物家電の取扱いの長期化が後押しとなり、取扱量、営業収入ともに増加しました。しかしながら、輸入海上輸送における同業他社との運賃競争が激化し、取引先との運賃調整を意義なくされ運賃水準の見直しを行った結果、利益率の低下を招きました。結果、国際部門全体では、取扱量は微増し、営業収入は微減としたものの、収益性の低下を踏みとどめることは出来ず、前連結会計年度より営業収入は1億39百万円余減の84億48百万円余を計上したにもかかわらず、セグメント利益は93百万円余減少し1億7百万円余の計上に留まりました。
<倉庫部門・その他>倉庫部門は、安定した収益源としてセグメント利益は前年同様の54百万円余を計上し、その他については、船内荷役は期初より堅調であったため前連結会計年度より増加し、27百万円余の計上となりました。
c.キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度は、短期的な資金需要としての海上運賃高騰の影響は収まり、輸入部門における関税等の立替金が減少し、営業利益は前期には及ばなかったものの受取配当金の大幅な増加により税金等調整前当期純利益を確保した結果、営業活動による資金は5億円余の獲得となりました。当社グループの属する港湾運送業界では、輸入部門での関税・消費税、輸出及び輸入部門における海上運賃を取引先に代わり一旦立替える商習慣が根強く残っております。また、需給の緩みに由来する海上運賃水準低下に伴って短期的な資金需要も収まり、以前より取り組んでいる取引先の口座より関税等を直接引き落とすリアルタイム口座方式への切替えや、高額海上運賃支払いに備え前受金を確保する施策が引き続き功を奏し、利益確保と共に資金獲得に寄与しました。
投資活動による資金は、既存港湾倉庫の機能強化と拡張のため定温倉庫化の設備投資に踏み切った結果、13億96百万円余の支出としています。
財務活動による資金は、8億22百万円余を獲得しています。短期的に金融機関との資金調達枠を確保し急激な資金需要に備えると共に、金利水準が上昇基調の状況下、現金及び預金を最適な水準に絞り込み、短期借入金を2億円圧縮しています。一方、長期的には定温倉庫化の設備投資の資金として長期借入金13億円を調達し、既存の長期借入金を含め計画的に返済し、短期長期両者の調整により財源の安定化を図っております。